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塚本重藏君 決議案を上程したいということだけは
厚生委員会で発議があ
つて、全員一致でこれに
賛成した次第であります。この決議案の案文につきましては、二三の者が作成したのでありまして、更に皆さんにおきまして、或いは
各派におきまして訂正加除等して頂きたいと思います。一應
作つてあります案文を朗読さして頂きます。
社会事業振興に関する決議
戰爭と敗戰による國情の混乱は、國民生活要件を破碎し、物資の欠乏、インフレの進行、産業の不振、而して失業の増大は、道義の頽廃と相俟
つて、國民性を荒廃に導き、ヤミは横行し、犯罪は増加して浮浪者は巷に満ち、國民の不安と窮乏は益々深刻の度を加えつつある。なかんずく戰災者、引揚者、傷病者、遺族、在外者家族等の外近時不幸にして相次ぐ自然災害等によ
つていわゆる援護、保護を要する者が激増し、國民
厚生の事業は頓に混乱し、不安は日常累加して世上今や幾多憂慮すべき社会問題を惹起していることは、新日本建設の途上眞に危惧の念に堪えない。
よ
つて國家各機関は各々その機能に應じて適切なる各般の施策を講じてこれを社会問題の綜合解決に充て、その速やかなる処理に務めて民生の安定を図り、以て平和なる文化國家の建設に寄與することが急務である。
政府は憲法の眞精神に則り、特に現下の社会問題解決乃至処理の重要部門たる社会事業、
厚生事業の徹底に関し格段の方策を樹立して、民生の安定保障の途を図り、國家の
責任においてこれが適切なる実施を期すると共に、あまねく國民の協力を得て
民間社会事業の振興に施策し、特に緊切なる助長の方途を講じて國策の遂行に協力せしむること。
右の
趣旨により
國会及び
政府を中心とする社会事業振興國民協力運動を展開し、あまねく國民に親愛と奉仕の精神を昂揚して、その適切なる実施を図ること。
右決議する。
というのであります。