○兼
岩傳一君 それだけを拜聽して置いて、私の
意見を述べてよろしうございますか。私はこの
参議院のそもそもの出発点のときに、一部の方々でお話にな
つて、我々がなんら関知しないときに
各派交渉会というものが知らん間にできておつた、そういうことを言われる人は相当多数だと言われるかも知れんが、全
議員が関知しないのにもう知らん間に
各派交渉会式のものができていて、而も我々は五月十九日にそれを知
つて出て見たら甚だ木で鼻をくくつたような態度、或いは君達に
説明しなくてもいいのだというような口吻、その空氣が感ぜられるような形、或いは多数決で決まつたことだ、もうそれで済んだという態度、ああいう私は非民主的な、最も民主的であるべきこの
参議院のスタートの前夜において、私は
各派交渉会というものが私的な、一部のなにか、ああいう形からその内容を探ると甚だ非民主的な内容を内包しておるような出発をしたという事実を私は遺憾と考える。そういうようなものの
延長としての
各派交渉会というものは私は全然
反対したいと思います。これは事実を申上げる。この事実に対して批判を申上げるわけであります。それが第一点です。
第二点として、
國会は飽く迄民主的でなければならん。若しこの
國会が旧來の古い貴族院時代の非民主的なもの、或いはボス政治、一部の幹部だけが話合うというボス政治がここに持來たされるというような、そういう形がこの
各派交渉会の形において持來たされというようなことに対しては、私は断乎として
反対するのが我々國民の代表たるべき者の義務だと考えます。
從つて私は民主的なものでなければいけないという内容として二つの内容を要求したいと思います。
一つは総ての
議員がその事実、問題のあり箇所を知
つており直接間接それに参與してお
つて、そうして問題が決せられるという形、それから國民の前に常に必ずそのいきさつが公然と知らされるということ。もう一遍言い直しますと、二百五十人の人が問題のあり箇所を知
つておるということ、及び知
つて論議がされたことが公然と七千万の國民の目に耳に直接、間接の形で映ずるということに私はならなければならんと思います。
從つてこの二つのことから考えて、少数派の
意見というものは尊重されなければならんと思います。つまり多数の人が一部、特にボス的な形において暗がりにおいてそれが決められて、そのまま型
通りに本
会議が行われるという戯画化された、漫画化された
國会にな
つてはならんということを感じます。
從つて少数派の
意見というものは十分尊重されなければならない。そういうようなふうに
運用されなければならんと思います。
從つて各派交渉会においてたまたま前に我々が拜見して唖然とした原案が與へられておりますが、これはもう二十名から一人欠けても
いかんとか或いはそれよりも小さいのはオブザーバーでいいとか、こういうような非民主的な旧態依然たる
各派交渉会に対しては私は民主主義の理論的な根拠から
反対したいと思います。
それから第三に私自身のそれでは具体的な
意見を申上げますと、大小を問わず既ににこの議会
運営委員会というものが大体その
原則において從來の古い
各派交渉会に代るべきものとして予定されてお
つて、ここに出現しておるものでありますので、この中から
各派の大小を問わず一人づつこれは眞理というものは三人かか
つて議論しても一人代表しても同じことで、唯多数の力にかけて横車を押すという必要がなく、科学的にものを論ずればいいと思いますので、
各派からはすべて一人づつ、少数尊重という民主的な
意見からどの派も除外せずに、二百五十人全部に問題のあり箇所がわかる意味において、
各派から出ておられる方の中から一人ずつ選ばれて、而もそれは余りに
運営委員会の
委員長の権限といいますか、力といいますか、問題が多くなり過ぎると
いかんというのと、実際
議場の
運営は
議長の責任だという考で、
議長の諮問
機関として、便宜的なものとして、いわばこの
委員会の
一つのなんといいますか、便宜的なものとして、この中から
各派一人づつ
議長の諮問
機関として作られるという、そういう程度にして
運用されるということが私の提案であります。