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政府委員(郷野基秀君)
自動車事務所は、
只今お話のございました通り、現在の官制におきましては、
運輸省の官制十七條によりまして、
鉄道局の事務を分掌いたしまするために、
鉄道局長の下級官署といたしまして設けられておりまする
地方官署でございまして從いまして現在の官制の建前から申しますると、
鉄道局長の本來職権に属する事項を、
地方におきましてこれを分掌するということが事務所の性格上建前にな
つております。今後
道路運送法の
実施に伴いまして、
自動車事務所を私共の
考えといたしましては、これを
地方における第一線の
行政官廳といたしまして、專門的な輸送
行政に適する人を配置いたしまして、必ずしも府縣の
行政区域に捉われず廣地域から
交通問題を扱うべき場合におきましては、この上の
官廳でありまする
鉄道局、この機関によりまして、その間の調整を図りまして、輸送を一元的に、
運輸省の系統の
行政機関におきまして責任を負いまして担当をして参りまして、
道路運送の急激な又健全な
発達を企図して参りたいと
考えております。その
考え方からいたしまして、
鉄道局の事務を取扱いまする
地方官署でありまする
自動車事務所の性格が今後不十分であるという問題も起り得ると
考えております。從いまして先程
大臣からお話のございました
地方行政機構を考慮いたしまする場合におきましても、この点に触れまして十分に研究をいたしたいと
考えておりまするが、
只今差当りの行き方といたしましては、
鉄道局の事務を分掌する
自動車事務所、これを基といたしまして仕事をや
つて参りたいと
考えておりまするが、將來は場合によりますと、独立の
官廳といたしましての性格も與えて貰う
ような方向におきまして、十分研究をいたしてみたいと存じております。
尚
自動車事務所がこういう使命を帶びまして仕事をや
つて行く上におきまして、人的
機構が十分であるかという点につきましては、私共もこれからの
自動車事務所の担当業務を
考えて参りまするとき、一部増員はどうしても
考えなければならない面が出て來るものと
考えております。現に
車輛の檢査、
整備、登録などに関する仕事は、新らしく
自動車事務所において担当して参ると云ふことになるのでございまして、これに対する人の配置はまだ終
つておりません。この点からも新規業務に対する定員の配置というものは、最小限度におきまして
考えなければならないものと存じております。從いまして
予算の運用上、非常に切詰めた運用をして行かなければならない。現在におきまして
自動車事務所の定員を殖やして行くということは非常に困難な問題であろうかと
考えまするが、十分に仕事の行き方も
檢討いたしまして、必要の最小限度におきまして殖やして参りたい。又これに対する官吏の身分の問題につきましても、これに相應いたしましてこの配置を十分に
檢討して参りたいと存じております。現在の
自動車事務所におきましては、仕事の性質上、二級官の地位を比較的多く貰
つております。このことは
行政事務の
自動車事務所における特質からいたしまして出て來た結果でございまするが、更に今後の
自動車事務所の行き方を十分に
檢討いたしまして、一級官の配置の必要であるかどうかということは
檢討いたしたいと存じておりまするが、現在まだその結論を出しておりません。
次に
自動車事務所における官吏の
行政事務に不馴れなためにいろいろな弊害が起る虞れはないかというお話でございまするが、この点につきましては私共といたしまして、特に
自動車事務所開設の当初から十分に注意をいたしまして、人の配置もこの方面に適する人を配置する
ようにいたしておりまするし、又この方面におきましていろいろな惡い事態の起りません
ように十分に注意をいたしておる次第でございます。併しながらお話のございました
ように、
鉄道の職員は現業の管理事務につきまして多年の経驗を持
つておりまするが
監督行政につきましての経驗を持
つておりまする者が非常に少いのでございます。御指摘の
ような点につきましては今後とも一層氣を付けて参りたい。か
ように
考えておる次第でございます。