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政府委員(伊能繁次郎君)
只今御
質問になりました細目につきまして私からお答し申上げます。
安定本部との
關係、竝びに
運輸省が
資材を
政府全般から計畫に基づいて配當を受けております
内容につきましては、
只今内村さんからお尋ねの際に
お話がありました
通りでございます。當初十四萬八千トンの鋼材の
割當が十二萬五千トン程度に減少はいたしましたが、これは全體の生産の減少、或いは計畫の如く參らん度合に比較いたしますれば、
政府部内、
安定本部といたしましても
輸送に對してはこれでも格別な配慮をして頂いたのでありまして、現實の生産量につきましては遺憾ながら相當に減少した。主要
資材について生産上の減少を來しておるようでございます。併し
石炭、鐵を中心といたします傾斜生産を
實施する上においては、
輸送がその鼎の
一つであるという意味におきまして、我々から考えますれば、御説の如く半分にも足りないという状況ではございまするが、國内全般の需給の面から見ますと、最重點の
一つに置かれたということが言い得ると存ずるのであります。又先般の山陽線の
事故竝びに北九州西八幡の
事故等に鑑みまして、從事員方面においても
安全運轉の問題も議論の上に乘
つておるという點につきましては、私どもも常に組合側と緊密な連絡を取りまして、これが對策を練
つております。現在運轉いたしておりまする
列車のダイヤは、
昭和十七年に編成いたしました戰時ダイヤの殘滓でありましてその後根本的な時刻
政正を客貨を通じていたしておりません。從いまして車輛竝びに
施設の
現状に鑑みまして、それに調和のとれた運轉ということにつきましても、急速に私どもとしては考慮をいたさなければならんと存じまして、實はこの秋を期して通勤、通學竝びに經濟的な
輸送列車の設定、その他全般的な時刻の
改正を計畫いたしたのでありまするが、御承知の如く秋から冬にかけましては、
石炭の需要期に入りますために、時刻
改正の時期としても時節がら必ずしも適當でない、かように考えまして、殘念ながら來春に根本的時刻
改正を延期するということで、目下組合側ともこれが根本的な方針について協議中でございます。先般
白書の御
説明を申上げました際、大臣からも
お話しを申上げたと存ずるのでありますが、急行
列車につきましては三時間餘りも東京大阪で時刻が延びておるというようなこと、又一般普通
列車につきましても、常磐線等、
石炭列車の輻湊しておる區間、或いは北九州地帶等につきましては
石炭の節約を目標に、又
輸送力が全體として落ちない限度、この點はいろいろ技術的な研究をいたしておりまするが、現在の
輸送力に影響を生じない程度において、
列車の運轉時刻につきましてもその時その時の時間別の
列車につきまして、一部運轉時刻を若干でも延ばす、又最近におきまして、終戰後の特殊事情に基づきまして各ジャンクシヨンにおける乘繼驛、乘換驛、終端驛等における
列車の取扱い時間を相當延長をいたしておりますので、最近は客の流れも大分落ちついても參りましたので、これらの乘換、乘繼驛等における停車時間の短縮と、それに對應する運轉時刻の若干の延長というようなことも考え合せまして、車輛
施設の不備と運轉自體の面からも補
つて參りたい、かようにも實は考えております。又
炭質の向上の問題につきましては、目下
政府全體といたしましては、御承知のように
炭質向上運動を
商工省を中心として強力に展開をいたしておりますが、私どもの方といたしましても粉炭をそのまま使わずに固形化して使う、竝びにピツチの
配給をでき得る限り受けましてピツチ煉炭についてもできる限りの増産を圖り、その他乏しい、又比較的種々雜多な
石炭ではありますが、春から夏期にかけましては御承知のように
石炭の節約時間でありますので、この
機會にできる限り貯炭態勢を強化して機關區その他現場における綜合配炭制、或いは混炭制を十分に強化して參るというような方向で、最近相當節約の實績も上
つておりまして、現場從事員の勞苦を多といたしまして、これに對する報奨金その他の制度につきましても、成績は可なり見るべきものもありますので、技術の面竝びに從事員の努力の面、又管理者の我々の施策の面等、各方面の見地から合理的な
輸送態勢を建てまして、
事故の防止等に全力を注いで行きたいと、かように考えております。