○菊川
委員 この
條文の中で逐條的に二、三
お尋ねいたします。
その
一つは、先ほど辻井さんの
お尋ねに對する御説明でわかりましたが、第四條の「賃金又は給料に準ずるものの
範圍及び評價に關しては、政令でこれを定める。」とあるのでありますが、今御説明の中に危機突破資金のごときものは入らないということでありますが、ところがそれとは違
つて、最近差額金を後で支拂うということがあるわけであります。たとえば最近の例にとりますと、今年一月から九月までの賃金差額を後で拂
つて一、二、三月をと
つてみても、一人當り千五百圓平均とい
つたものが出ておりますが、これは
事實前にとるべきものを後で拂われたというようなものであります。これはおそらくは今日のような經濟情勢では、相當將來もないとは限らない。こういうものをお含みになるのかどうか、これが一點。
次に第十條には被
保險者の缺格條項を言
つておるわけですが、そのうちの五號、六號の點であります。五號には「十四日以内の期間試みに雇用される者」とありますが、これは從來よく問題がありましたように、十四日をも
つて切
つて、二、三日おいてまた雇う、こういうことがしばしば問題に
なつた。もしこれを悪用しようとすれば、
保險料を納めることを避けるために、十四日を切
つてまた四、五日して雇入れるというようなことをやり得るのであります。こういう場合のことをお
考えにな
つておるかどうか。
その次の第六號で「事業所の所在地の一定しない事業に雇用される者、」これは私
ちよつとこの文句だけでは了解に苦しむ。どういう事業が現實にあるか、あるとすれば、どういうわけで一體これが被
保險の對象として捕捉できないのかという點であります。
次は第二十
一條であります。ここには「
受給資格者が、
公共職業安定所の紹介する
職業に就くこと又はその指示した
職業の補導を受けることを拒んだときは、」というのでありますが、その場合に第一號の場合において「紹介された
職業又は補導を受けることを指示された
職業が、
受給資格者の能力からみて
不適當と認められるとき」それから二號、三號、四號ともに
認定の場合があるが、その
認定はだれがやるのかという點であります。
それから第二十二條にもやはり同様の問題で、「被
保險者が、自己の責に歸すべき重大な事由によ
つて解雇され、又はやむを得ない事由がないと認められるにもかかわらず自己の都合によ
つて退職したときは」、こういうふうにあるわけでありますが、この場合においてはやはりこの
認定の標準あるいは
認定はだれがやるか、あるいはこれについてのいろいろの紛爭とかのある場合にはどうされるか、それについての何かあらかじめ
對策があるかという點であります。
次は第三十
一條にあります
保險料率は千分の十一というようにおきめのようであります。そこでこの案でいきますと、大體この最初の年度において被
保險者の負擔するところの總額はいくらになるか。それは一人あたり平均いくらになるかという點を、わかりますならばお示しを願いたい。
それから最後の一點は、この
條文にはありませんけれども、この
保險事務の取扱いについて、登録の
手續竝びに支拂いの事務取扱いにあた
つて、便宜上その基礎が十分できておるような場合においては、
勞働組合にこれを委託するような用意があるかどうかという點であります。たとえば英國の
失業保險事務をみますると、御
承知のごとく
保險金の支拂いは、毎金曜日に
勞働組合員は
勞働組合を通じて事務所から支拂
つているという状態であります。このために
組合員はわざわざ非常に遠隔な不便な地に行かなくても、
組合の書記を通じて一括委託されて受取ることができる。こういう點で非常に便宜をしております。こういうふうに
勞働組合の本部、あるいは各地區の支部、こういうところにこの事務を委囑されるのが非常に便利な
方法である。言うまでもなく
勞働組合は、
勞働者の住居地帶にそれぞれの事務所をも
つているわけであります。こういう點はすでに例があるわけであります。こういうことについてのお
考えがあるかどうかお伺いしたい。以上であります。