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菊川委員 運營上の問題はその
程度にいたしまして、これは各局の
關係の方に
お尋ねをしたいと思いますが、
一つは
勞働統計の
調査局であります。今日の
勞働問題は、もはや感情でもなく、理論でもなく、
事實上數字によ
つて、的確な
統計に基いて、そうして合理的に解決するという以外にないと思うのであります。そういう點からして
統計調査が特に重要であり、しかもこれは常に問題に先行して、あらかじめいつも用意されておらなければならぬと思うのであります。しかるに
從來ややもすれば、
官廳の
調査統計などは月遅れに出るものが多いのでありまして、早いものでも二、三箇月後に出る。問題が過ぎた後に、
颱風一過の後に數学的に
説明する資料になるだけであります。問題を見透したり、問題を豫見したり、こういつたような
調査統計というものはほとんどなかつたと思うのであります。もちろんこれは非常に困難なことではありましようけれども、どうしてもこれはやらなければ、他の
統計とは違いまして、
勞働問題の生きた
統計とはならぬと思う。こういうために、どういうふうな御
方針でおやりになるかということをお伺いいたしたのであります。特に今日の場合におきましては
物價、
生計費、それから
生産指數、各業種におけるところの
勞働雇傭に關するある
程度の長期にわたる見透し、そういうものと相應じたところの
勞働實禮の
把握というふうなことが中心にならなければならぬと思います。こういう點についてどういうふうな御計畫があるか、こういう點を
お尋ねいたしたいと思います。
それからもう
一つは、職業安定局の
關係になりますが、この事業項目を見ますと、その第一の中には、職業の紹介指導及び補導というようなことが書いてあります。しかしながらこれは一般的、抽象的なことで、もちろん異議はございませんが、今日の
日本の情勢におきましては、むしろ
もつと
具體的に、そうして必要な問題が
一つあるのではないかと思います。今日の職業紹介の對象となるところの人々は復員者、あるいは海外引揚者、戰災による失職者、あるいは戰爭前あるいは戰爭中の企業整備による失職者、こういう特殊な
事情からくる失業、失職者が多いのであります。
從つて從來勞働の經驗をもたないところの人々、こういう人々が現在職業安定所では自分の適正の職業が得られないために、實は潜在的な失業者として、ややもすればいわゆるやみ屋商賣にな
つているといつたような點が多い。こういう人々に對して、いかに職業安定所が窓口を擴げておりましようとも、なかなか適正な職業紹介ということは不可能であろうと思うのであります。でありますからむしろ今日必要なことは、職業安定所でそういう人々に對しての再訓練、さらに再雇傭ということを、施設をも
つてやるということが今日の急務であろうと思うのであります。また
將來企業整備その他の問題を
考えます場合には、どうしてもこれが必要性を増すのであります。こういう點について今日の職業安定所の
仕事というものは、單なる抽象的な職業紹介、指導及び補導といつたようなことでは、はなはだも
つて今日の時宜に適しないこういう感がするのであります。こういう面についての御
方針があるか、この點の
お尋ねを申し上げます。それからいま
一つは、これは
勞働基準局關係のことになると思いますが、働勞
基準局の職務の第一には、賃金、
勞働時間及び休息に關する事項を取扱うということにな
つております。ところがこの場合の賃金というのは、近く實施されるところの
勞働基準法におけるところの基準賃金のこと。を指すのであるか。あるいは
基準法によるところの問題のみを扱うのでなくて、
基準局はさらに進んで賃金、
勞働時間、その他の
勞働條件一般についても扱うというのであるか。その點を
一つお尋ねいたしたいのであります。もし後の一般的な賃金問題を扱うのであるという場合であるとしまするならば、
基準局は今後
日本の
勞働賃金に關してはいかなる
方針で臨まれるのか。ただ單に一般的な賃金を取扱うというのでは
意味がないと思うのであります。いかなる
方針でも
つて賃金に對して臨まれるのか。この
方針を一應
お尋ねいたしたいのであります。以上の點を
關係當局の方々からお答え願いたいと思います。