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石田(博)
委員 ただいまの全遞と
政府との問題については、まるで喧嘩の仲裁のような、どつちでもよろしいというような御
答辯であ
つて、まだ釋然としない點がございますが、この點は留保いたします。私ども
考えますのには、手續の問題その他、議論をして後ほど決定すればいい問題である。ただ現實に仕事を休むということによ
つて、國家の行政の上に支障を來し、あるいは一般に迷惑をかける。こういう事態を生んだという事實とは、何か
關係がないことである。手續をとらえてこれを云々するのは、小役人のやりがちなことであ
つて、まことに戒むべきことであると私は
考えるわけであります。次にお伺いしたいことは、
勞働能率の向上の問題であります。
勞働の能率を向上させてまいりますためには、もちろん
勞働者の
方々の自覺に待つということは
當然でありますけれども、あるいは勞務管理において、あるいは
勞働者の
諸君の技能上の科學的な調査において、あるいはその人の天賦の才能の發揮において、いろいろ科學的に研究をすべき餘地がずいぶん殘されておると私は
考えるのであります。特に
勞働者の知能の程度によ
つて—知能と申しましても
教育ではなく、も
つて生れた知能の程度によ
つて、その向き向きの仕事も違うはずである。それらの科學的に研究し、
勞働科學というものをここに
確立することによ
つて、初めて
勞働者のほんとうの能率の向上、完全な勞務管理ができると思うのでありますが、この
勞働能率の向上の問題について、新設
勞働省はいかなる措置をとられようとしておるか、その點をまず第一點にお聴きしたいと思うのであります。
第二點は
勞働組合が發展いたしてまいりまして、
勞働組合の
もつ社會的、
政治的意議というものは、きわめて大きくな
つてまいりました。特に
勞働組合の役員の
諸君が、單にその企業の
勞働組合内部において重要な位地にあるというばかりでなく、
勞働組合を通じて經濟問題、
政治問題に大きな發言權を
もつようにな
つてまいりました。これは
勞働組合の發展のために喜ばしいことであると思うのであります。それだけ重要な地位をもち、重要な力を
もつようにな
つてきた
勞働組合の役員の選出方法、任用方式が、きわめてまちまちである。あるところにおいては投票によ
つて決定するところもあれば、あるところにおいては談合によ
つて決定するところもある。また候補者を立てて豫め選擧をする場合もあれば、そうでない場合もある。これだけ公的に大きな使命をも
つてきている
勞働組合の役員の選出について、現在まで何らの規定を見ないということは、はなはだ遺憾に思うのであります。こういうことのために、あるいは
組合が獨善的になり、あるいは一部の極端な
人たちの個人的發言によ
つて選任されんとするような事態が生ずるのでありますから、ここで
勞働組合法の一部を改正するなり、あるいは別個のお
考えでやられるなりして、
勞働組合の役員の選出について何らかの立法上の
處置をとられるお
考えがあるかないか、この點をお伺いいたしたいのであります。