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1947-11-27 第1回国会 衆議院 予算委員会 第25号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十二年十一月二十七日(木曜日) 午後二時十分
開議
出席委員
委員長
鈴木茂三郎
君
理事
稻村 順三君
理事
川島 金次君
理事
小島 徹三君
理事
鈴木
彌五郎君
理事
苫米地英俊
君 田中 松月君
海野
三朗
君
加藤シヅエ
君 河合 義一君 黒田 寿男君 島田 晋作君
竹谷源太郎
君 中崎 敏君
西村
榮一君 川崎 秀二君 五坪 茂雄君
鈴木
強平君
鈴木
明良君
長野
重
右ヱ門
君 青木 孝義君 淺利
三朗
君 磯崎
貞序
君
植原悦二郎
君 角田 幸吉君 小峯 柳多君
世耕
弘一君 上林山榮吉君
西村
久之君
今井
耕君 船田 享二君 大神 善吉君 中村
寅太
君 野坂 參三君
出席國務大臣
大 藏 大 臣 栗栖
赳夫
君
出席政府委員
大藏事務官
福田
赳夫
君
大藏事務官
今井
一男君
委員外
の
出席者
專門調査員
芹澤
彪衞
君
專門調査員
小竹 豊治君
—————————————
十一月二十七日
昭和
二十二年度
一般會計豫算補正
(第九號)
昭和
二十二年度
特別會計豫算補正
(特第四號) の審査を本
委員會
に付託された。
—————————————
本日の
會議
に付した事件
昭和
二十二年度
一般會計豫算補正
(第九號)
昭和
二十二年度
特別會計豫算補正
(特第四號)
—————————————
鈴木茂三郎
1
○
鈴木委員長
會議
を開きます。
昭和
二十二年度
一般會計豫算補正
(第九號)及び
昭和
二十二年度
特別會計豫算補正
(特第四號)、兩案を
一括議題
といたします。まず
政府
の
説明
を求めます。
栗栖赳夫
2
○
栗栖國務大臣
昭和
二十二年度
一般會計豫算補正
(第九號)及び
昭和
二十二年度
特別會計豫算補正
(特第四號)について御
説明
申し上げます。 この
補正豫算
は
北海道所在官署
に在勤する
政府職員
に對する
石炭手當支給
に關する
法律案
に伴う必要な
經費
、その他すでに提出いたしました
補正豫算編成
後において必要を生じました
經費
等につきまして、
補正豫算第
九
號及び特
第四號といたしまして提出いたしました次第であります。 まず
一般會計豫算補正
について申し上げます。この
補正豫算
(第九號)の
歳入歳出
は、おのおの六億四千二百六十二
萬圓
の
増加
でありまして、これをすでに成立いたしました
昭和
二十二年度
豫算額
及び今次
國會
に提出中の
補正豫算額
との
合計額
二千六十六億千
餘萬圓
に加えますると、二千七十二億五千二百
餘萬圓
と相なります。この
補正豫算
の主なる
事項
を申し上げれば、
北海道所在官署
に在勤する
政府職員
に對し、
石炭手當支給
に必要な
經費六
千四百三十
餘萬圓
、
現行小額紙幣
の
囘收整理竝びに
新
小額紙幣
の
製造
に必要な
經費
九千五百
萬圓
、
國民貯蓄運動推進
に必要な
經費二
千三百五十
萬圓
、大
學副手
の
待遇改善
に必要な
經費千
六百六十
餘萬圓
、
東京
及び
北海道大學附屬演習林
の
官行斫伐
に必要な
經費二
千三百十
餘萬圓
、
花柳病豫防對策
に必要な
經費三
千三百
餘萬圓
、
農業災害補償法施行
に伴う必要な
經費
七千九百六十
餘萬圓
、
農地開發營團
の
資産買收等
に必要な
經費四
千九百九十
餘萬圓
、
農林省所管試驗研究機關等
の
物件費
の
増加
九千六百五十
餘萬圓
、
漁船登緑
に必要な
經費千
三百二十
餘萬圓
、
商工省分室設置
に伴い必要な
經費三
千二百
萬圓
、
臨時石炭鑛業管理法實施
に伴い必要な
經費二
千五百十
餘萬圓
、
勞働爭議
の
豫防竝びに早期解決
に必要な
經費百
五十
萬圓
、
危機突破生産復興運動展開等
に必要な
經費四
百五十
萬圓等
であります。 この一
般會計歳出豫算増加額
の
財源
といたしましては、
漁船登緑手數料
その他
各種手數料收入
の
増加
による
印紙收入
の
見込額
七千百五十
餘萬圓
、
東京
大
學附屬傳染病研究所
における
痘苗血清類
及び
豫防液代
の
收入
見込額
八百二十
餘萬圓
、
國立病院
及び
療養所
の
入院料引上
による
收入
増加見込額
一億七千三百十
餘萬圓
、
東京
及び
北海道大學附屬演習林
の
官行斫伐
による
收入
増加見込額
二千三百十
餘萬圓
、
兩氷洋捕鯨事業
に對する
超過
再
保險料
の
收入
見込額
千九十
餘萬圓
、
物價統制令
による
電力超過加算料金
の
收入
見込額
三億五千五百五十
餘萬圓
、
合計
六億四千二百六十
餘萬圓
と相
なつ
ております。 次に
特別會計豫算補正
(特第四號)について申し上げます。
特別會計豫算補正
は
專賣局特別會計外
十二の
特別會計
に關するものでありまして、その
豫算補正額
は、各
會計
を
合計
いたしまして、
歳入
二十三億二千二十
餘萬圓
、
歳出
二十三億二千三十
餘萬圓
の
増加
と相
なつ
ております。この
歳入歳出豫算補正額
のうち、二十一億八百二十
餘萬圓
は、
國債整理基金特別會計
におきまして
國有鐡道事業特別會計所屬
の借入金の借替等によるものでありまして、この
金額
を差引きますと、
歳入
二億千二百
餘萬圓
の
増加
と相なる次第であります。この
増加
のおもなるものは、
北海道所在官署
に在勤する
政府職員
に對して、
石炭手當支給
に必要な
經費一
億九千七百七十
餘萬圓
のうち、規定の
豫備費豫算等
を一億八千九百二十
餘萬圓
修正減少いたしまして、差引八百四十
餘萬圓
、
割増金附定額郵便貯金制度創設
に必要な
經費八
千七百九十
餘萬圓等
でありまして、右のうち
國有鐡道事業特別會計工事勘定所屬職員
及び
通信事業特別會計建設勘定所屬職員
の、
石炭手當支給
に必要な
經費
の
財源
は、これを
公債金收入
によることといたしました。その
金額
は、
國有鐡道事業特別會計
におきまして六百七十
萬餘圓
、
通信事業特別會計
におきまして百二十
萬圓
であります。 以上をもちまして、
昭和
二十二年度
一般會計豫算補正
(第九號)及び
昭和
二十二年度
特別會計豫算補正
(特第四號)の
説明
を終ります。何とぞ御審議をお願いいたす次第であります。
鈴木茂三郎
3
○
鈴木委員長
なお
大藏大臣
の
説明
に續いて、各項目のうち重要なものについて、
福田主計局長
からの御
説明
を引續きお願いいたします。
福田赳夫
4
○
福田政府委員
説明
の御便宜のために、お手もとに
ガリ版刷り
の四枚の表がありまするが、それを御覽願います。
昭和
二十二年度
一般會計豫算補正
(第九號)及び
昭和
二十二年度
特別會計豫算補正
(特第四號)
國會提出
についてというのがあります。七號、八號の
豫算
につきましては詳細な
説明書
をつく
つたの
でありますが、今後
簡單
な
豫算
につきましては、このような形式のものを参考として御配付いたしまして、それによ
つて
御
説明
することにいたしたいと、かように
考え
ております。大體のことはただいま
大臣
から
お話
がありましたから、私はこの
歳入
、
歳出
のおもな
事項
につきまして申し上げます。 まず
歳出
は國の
一般會計
というところから申し上げます。
一般會計
の
北海道所在官署
に在勤する
政府職員
に對して、
石炭手當支給
に必要な
經費六
千四百三十二
萬圓
、これは先般來非常に問題化してお
つた
ところのものでありますが、ようやくこれを支出するということに
なつ
たわけであります。これは
北海道
だけに限定しているのであります。その他の
地方
におきましても、
北海道
とあるいは
同等
の塞さであるというようなところもあるやに聞いているのでありますが、なかなかその限界が困難であることで、
北海道
だけにこれを打切
つた
わけであります。これは
政府職員
とともに
地方廳
にありましては
政府
において補助いたしておりまするところの警察、
教育等
の
職員
に對しましても、半額の負擔をすることにいたして、この
金額
は編成しているわけであります。
單價
は
家族持ち
にありましては三千圓、單身の者にありましては千圓であります。 次に新
日本國民運動推進助長
に必要な
經費
五千
萬圓
とありますが、これは先般來内閣におきまして、
笹森國務大臣
と
文部大臣
とが
責任者
になりまして、新
日本國民運動
というものを計畫いたしてお
つたの
であります。その
趣旨
とするところは經濟、
文化
その他各般の
事項
につきまして、
新日本建設指導理念
を
國民
に宣傳いたすというような
趣旨
のものであります。五百
萬圓
を計上いたしたわけであります。 次に
現行小額紙幣
の
囘收整理竝びに
新
小額紙幣
の
製造
に必要な
經費
、これは五十
錢紙幣
に關するのでありますが、五十
錢紙幣
の
模樣
が
適當
ではないというので、この際五十
錢紙幣
を囘收いたしまして、新たな
樣式
によるところの
紙幣
を出そう、かようなことに關するものであります。ただいま流通いたしておりますところの五十
錢紙幣
は大よそ十一億圓あります。そのうち九億圓くらいを囘收する
見込み
であります。後の二億
圓程度
のものは、滅失その他で囘收せられないだろうというふうに
考え
ているのであります。それに對しまして約五億圓の
小額紙幣
を出す
見當
であります。 次に
國民貯蓄運動推進
に必要な
經費二
千三百五十
萬圓
でありますが。御
承知
の
通り國民貯蓄運動
は、昨年の十一月から發足いたしまして、
議員各位
の非常な御協力によりまして、多大の成績をあげているのであります。今後におきましても
資金需給
の
關係
きわめて困難なのであります。この
運動
に必要な
經費
を
追加
いたしたわけであります。 次に大
學副手
の
待遇改善
に必要な
經費千
六百六十七萬三千圓であります。これは大
學副手
のごく一
部分
の者が
有給
でありまするが、その他の無給の
副手
というものにも報酬を出すことにいたしたいという話が文部省からありまして、それに對しまして大體助手と同數程度の
副手
は
有給
にしようということにいたしたのであります。そのために必要な
經費
であります。 次に
東京
及び
北海道大學附屬演習林官行斫伐
に必要な
經費
、これは
演習林
を伐るという結果でありまして、この二千三百十九萬三千圓に對しましては、
歳入
がついてるのであります。 それから
花柳病豫防對策
に必要な
經費
、これは三千三百五萬七千圓でありまするが、これは
關係方面
からの話もありまして、この際
花柳病
を全滅するという對策をとろうじやないかということにな
つたの
で、必要な藥品等をアメリカからも供給してくれるということに相
なつ
ておるのであります。 次に
農業災害補償法施行
に伴い必要な
經費
、これは
從來
の
農業保險
を主體といたしまして、それに
家畜保險
も合わせまして
農業災害補償
ということにな
つたの
でありまするが、その
保險自體
の
經費
は
特別會計
の方に出てまいるのでありまするが、そのことに關する
事務費
を
一般會計
から繰入れるということに關するものであります。 それから
農地開廢營團
の
資産買收等
に必要な
經費
、これは
農地開廢營團
が今回解散することにな
つたの
でありまするが、解散するにつきましては、その
資産
のうちなかなか
民間等
におきましては引取りがたいようなものがあるのでありまして、これは一種の
國策機關
でありまするから、さようなものは
國家
においてこれを買收し、その解散を容易ならしめるという必要があるのでありますから、その必要なる
經費
を計上いたしたわけであります。 それから
農林省所管試驗研究機關等
の
物件費
の
増加
、これは
試驗場等
につきまして、ある種のものは
補正
第七號にも出ておるのでありまするが、
農林省
の分はそれに載
つて
おらなか
つた
關係上
、ここに
追加
をいたしたわけであります。 次は
商工省分室設置
に伴い必要な
經費
、
商工省
はその後非常に人が殖えました
關係上
、非常に
手狹
な
實情
でありまするので、この際
分室
を買うということにな
つたの
であります。
分室
として豫定いたしておりまするのは
女子醫學專門學校
、すなわち
吉岡彌生先生
の經營しておる
學校
、これを買收することに相なる
模樣
であります。 次に
臨時石炭鑛業管理法實施
に必要な
經費
、
石炭國家管理
につきましては
來年四月
から、すなわち來年度におきまして本格的な
管理
が始まるというふうに
なつ
ておるのでありまするが、しかしながらこれが
準備
を必要とするというのであります。その
準備
といたしましては、新鑛開發に
關係
する分は
來年一月
から始める。それから
國管
のための
機構
の
整備
、これは三月からいたすということに
なつ
ておるのであります。そのための
機構整備
に要する
經費
と、それから
調査費
、この二つがこの二千五百十一萬六千圓の
内容
に
なつ
ておるのであります。 それから
勞働爭議
の
豫防竝びに早期解決
に必要な
經費百
五十
萬圓
、これは
勞働爭議
を
早期
に
解決
または豫防するという
趣旨
におきまして、情報を
早目
に集めるとか、さような手を打つ必要があるということに關する
經費
でありまして、百五十
萬圓
を計上いたしたわけであります。 次は
危機突破生産復興運動展開等
に必要な
經費
、これは
生産責任者等
とも
政府
は大いに連繋をとりまして、
生産復興運動
を展開いたしたい、かような計畫をも
つて
おるのであります。
生産團體
におきまして、この
復興運動
を展開するというので、四百五十
萬圓
と相
なつ
ておるのであります。
特別會計
におきましては、
北海道所在官署
に在勤する
政府職員
に對して、
石炭手當支給
に必要な
經費一
億九千七百七十五萬二千圓、それと
割増金附定額郵便貯金制度創設
に必要な
經費八
千七百九十六
萬圓
、
割増金附定額郵便貯金
というのは、
郵便貯金
におきましても
割増金附
のものをいたしまして、大いに
郵便貯金
の増額を
圖ろう
という計畫なのでありますが、ただいま
考え
ておりますのは、三百圓、一箇年据置の無利子のものを出す。そうして十
萬圓
の
報奬金
をつけるというようなことを
考え
ておるのであります。その
必要經費
であります。 次に
歳入
の
方面
におきましては、まず
印紙收入
、七千百五十一萬三千圓であります。これは
各種
の
手數料
の
收入
増加見込額
を計上したものであります。その中おもなるものを申し上げますと、
農業省關係
で
漁船登録手數料
、七千四十三萬九千圓あります。これは全國の
漁船
すべてにわたりましてこの際登録するというのでありますから、ごく少額の
手數料
を懲收するのであります。その
手數料
を計上したわけであります。
あと
は非常に
金額
が小さいのでありますが、あるいは勞働省の
關係
でありますとか、あるいは
勞働特殊設備檢査手數料
でありますとか、あるいは衞生
管理者檢定手數料
でありますとか、さようなものを計上いたした次第であります。 次に
官有財産收入
の
物品拂下代
であります八百二十四萬七千圓、これは
東京
大學におきまして
傳染病研究所
の
痘病血清類
、それから
豫防液
を賣拂うというのに伴うものであります。
總額
といたしましては二千百七十四萬八千圓の
見込
でありますが、その
中本年度
におきまして
追加金額
だけを計上いたしたのであります。次は
國立病院
及び
療養所
の
收入
が、
病院收入
におきまして一億七千三百十六萬一千圓でありますが、これは
國立病院
、
國立療養所
におきまして、
入院料金
を一部値上いたしたのに伴いまして
増加
いたす
金額
を計上したものであります。これは一點、二點という點數制をと
つて
いるのでありますが、一點につきまして
從來三圓
の
單價
のものを四圓に引上げるに伴いまして出てくる
増收
であります。 次は雜入の三千四百十七
萬圓
でありますが、これは
一つ
は
東京
、
北海道大學
の
演習林收入
の
收入
増加
の
見込額
を計上したわけであります。もう
一つ
の額は
捕鯨船
及び
捕鯨船
に對する積荷の再
保險料
の
收入
でありますが、これは御
承知
の
極洋捕鯨
に關するものでありまして、これは六千
萬圓
までは
民間
の
保險會社
が引受けるのでありますが、それを超える額につきましては、なかなか
引受け手
がないのであります。本來ならば
外國
の會社が再
保險
をするとかするのでありますが、なかなか現況ではそういうわけに行きませんので、國において再
保險
をするということに伴いまして國の再
保險料金
がはい
つて
くる、その
料金
を計上したものであります。 次は
電力超過加算料金受入
であります。これが三億五千五百五十二萬九千圓と
なつ
ておりますが、これは大體におきまして昨年の冬、すなわち二十一年の十二月から本年の十月に至る
期間
におきまして、すでに決定いたしておりますところの
超過料金
を、この際
收入せん
とするものでありまして、もちろんその中で大
部分
は冬の
關係
、すなわち二十一年十二月から本年三月までが大
部分
でありまして、この三億五千五百
萬圓
のうちほとんど大
部分
はその
期間
に屬するものであります。 大
體以上内容
を
簡單
に御
説明
申し上げました。
鈴木茂三郎
5
○
鈴木委員長
大體
政府
の御
説明
は以上で終りましたから、主としてこの原案に關しまする
範圍
で、御
質問
があれば御
質問
に移りたいと思います。
海野三朗
6
○
海野委員
この前の
豫算
のときに、
石炭
の
節約
につきまして
熱管理
のこと、また
學界方面
の報告、
文化日本
の建設には
學者
があまたの
研究
を二年以上も發表しないのであります。その
印刷費
に因
つて
いるので、そういうことをもぜひ
豫算
に計上してもらいたいということを申しましたときに、
大藏大
は誠意のある
お話
でありましたが、この
文面
を見ますとそれが
一つ
も載
つて
いない、あれは單に聽き流しでありましようか。
日本
は
敗戰國
でありますけれ
ども
、
學者
の
方面
は貴重なる
研究
を發表して、世界の
文化
に貢獻しなければならない。この
經費
はなんぼかかるか、高々二千
萬圓程度
である。それくらいを補助すればいいのであります。また
熱管理
にいたしましても、ドイツでは戰爭前に
熱管理
を強化して三五%の
節約
を得ていることを申し上げました。わが
日本
におきましては專門の
技術者
、
學者
は今なすところなく困
つて
いるのである。そういう
方面
に對しての
研究費
について、一段の努力をしていただきたいということを申したのでありますが、この
文面
を見ますと
一つ
もそれらがはい
つて
いないのであります。また
商工省分室設置
に伴い必要な
經費
としてありますが、今日の
學校
をごらんなさい。生徒は机なしにや
つて
いるのです。
先生
は
テーブル
なしに教えているのであります。
テーブル
のあるところの
學校
にしても、二交替を實行しているところがたくさんある。
一つ
の机を何人もして
使つて
いる現状である。この點から
考え
ますと、
商工省分室設置
に伴い必要な
經費
というものは、あまりに過大であると私は思うのであります。また炭でありますが、
北海道
の
政府職員
に對してのお
考え
、これはまことに結構なことでありますが、
東北
の方においでに
なつ
た經驗がないとみえる。
政府
の
職員
の
方々
は青森をごらんなさい。あるいは弘前、山形などは、冬中は攝氏の〇・八度乃至一〇度であります。あるいは
北海道
も
虻田附近
でありますと、はるかに
東北
の方よりも暖かい
地方
もある。そういうふうな
東北地方
の
北海道
につぐ寒いところ、あるいは場所によ
つて
は
北海道
よりもなお激しい寒さのところがある。そういうところに對してはいかにお
考え
に
なつ
ておるのでありましようか。その點をお伺いしたいと思います。
福田赳夫
7
○
福田政府委員
熱管理竝びに學界研究費等
の問題につきましては、過日
お話
があ
つたの
を私も承
つて
お
つたの
ああります。今囘の
豫算
にはこれが全然まだ計上してありませんことは、
お話
の
通り
であります。なおよく
商工當局
その他
研究機關
の
當局
とも
お話
合いをいたしまして、そうして御
趣旨
の點は十分くみまして、
研究
をするということにいたしたいと存じます。 それから
石炭手當
の問題でありますが。これは御説の
通り東北地方
あるいは
長野縣
とかいう
方面
が、非常に寒冷な地域であることは
承知
しておるのであります。しかしながらその
範圍等
をいかに確定するかということにつきましては、多大な困難がありますので、この際
石炭手當
として支給するものは
北海道
ということに限定いたしたい、かような
考え
から
北海道
だけに限定いたしたわけであります。
海野三朗
8
○
海野委員
慢然とだだ
北海道
なるがゆえに寒いのだ。そのほかのところが暖かいのだというようなお
考え
は、實に漠然たるものであります。
地方
には
測候所
がありますから、よくお調べに
なつ
たならば、その冬中の平均の
温度
がわかるはずであります。それを御參考にな
つておきめ
になるべきものであると私は
考え
るのであります。さらにここに科學的な基礎がございません。
北海道
だけがこういうふうだ。
あと
のところはよくわからないとおつしやるのでありますが、それは私ははなはだ不徹底である。御勉強が足りないと思う。
地方
には
測候所
がございます。日日の
温度
の高低は
測候所
で調べておりますから、よくおわかりになるのであると思います。これとただいま申し上げました
熱管理
でありますが、よく
研究
してからでは遲いのです。今毎日消燈、つまり停電が連續してございます。
仕事
ができない。これは何ゆえであるかというと、
石炭
の不足から結局毎晩々々消されるのである。ここにこの困難を見つつも、なおこれから御
研究
になるのでは、まことに心もとないと思いますから、何としてでもこの
豫算
に入れていただかなければならない。今日困
つて
おる。お役所にお勤めに
なつ
ておる
方々
は、
電燈
にはお困りないかもしれませんが、
民間
におります私
ども
は、始終消されてまことに
仕事
に困ります、どうかこの
意味
においてこの
豫算
に入れていただきたいと、私はお願いする次第であります。
淺利三朗
9
○
淺利委員
今のことに關連してお尋ね申しますが、
北海道
の
石炭手當
というものは、
石炭
を
燃料
として使う
見込み
でおきめに
なつ
ておるのでありますか。あるいは
燃料手當
という
意味
でありますか。それをまずも
つて
承りたいと思います。
福田赳夫
10
○
福田政府委員
それは
石炭
に限定したわけでありません。
燃料手當
というような次第であります。
淺利三朗
11
○
淺利委員
大
體目下石炭
が最も逼迫しておる時代であります。なるべく
石炭
は、普通の
燃料
には
節約
して、もつと
有效
な
輸送
、その他の
工業生産
に用いるようにいたしたい。そうして
北海道
の
薪炭類
はほとんど滯貨して、
東京
に
輸送
ができない、こういう状況であります。私
ども
もか
つて
北海道
の
生活
を數年間經驗いたしておりますが、その當時は薪のストーブを
使つて
お
つたの
であります。こういうことについてはなるべく
石炭
を
對象
にせずして、普通の
石炭
以外の
華炭
をも
つて
これに代用する。
從つて
この價の見方も、
薪炭
の
値段
を
對象
として、嚴密に査定されるというような途があると思います。それから
東北地方
におきましても、
温度
の點ということは、私は
岩手縣
でありますが、やはりこれは同樣であります。
從つて
この
地方
に對して、
北海道
と
同等
の額でなくとも、あるいは
福島以北
とか、あるいは
温度
何度以上の土地というような限定を加えまして、この
地方
にも均霑させる。しこうして
石炭
の
値段
をも
つて
するものを、
薪炭
を
對象
として
値段
を査定して、もしそれでも足らなか
つた
ならばもつと
追加
をして、ある一定の
温度
以上のところにこれを均霑するというふうに、編成替をする御意思がないかどうか。その點はお伺いいたします。
今井耕
12
○
今井政府委員
北海道
は御
承知
の
通り從來
から
燃料
として
石炭
を使う
生活樣式
をいたしております。
北海道
におきましては
石炭
がいわば
生活
の
必需品
ということに
なつ
ておるわけでありますが、この
石炭
の價格が御案内のように今囘非常に
上つた
わけであります。昨年におきましてはおおむね百二十圓ないし百三十
圓程度
の
石炭
の配給を受けたのでありますが、本年はそれが千二百圓から千四百
圓程度
に、非常な倍率をも
つて
上つた
わけであります。
從來
から
北海道
の
事情
に對しましては、
政府
として年末
賞與等
の際に、
石炭手當
の
意味
をも
つて
若干の割増しをしてまい
つたの
でございますが、今囘その額が非常に上りましたので、ここでこれをはつきりと新しい
手當
のような
意味
合いにつくり上げまして、支給しようというのがこの案でございます。
從つて
もしこれが普通の
マル公
の
改訂程度
のものでございますならば、これは
政府
の建前として、當然新しい
給與水準
の中に包含されると
考え
なければならぬのでございますが、この
石炭
については別個に
考え
なければならないような、特殊な、十倍以上に
上つた
という
事情
がございますので、ここでこうい
つた
ような特別な措置をと
つた
わけであります。ところがほかに、お示しのように
東北
その他についても、同樣に似たような問題がございますので、この
方面
に對しては
寒冷地給
という
制度
を設けまして、特別に若干の優遇を、他
地方
に比べてできるようなことをいたしたい。かように
考え
まして、この十月以來、全
官公廳
の
組合側
と
團體交渉
をいたしております。ただ不幸にしていろいろの點から未だに
結論
は出ておりませんが、
組合
の方も急いでおりますので、近く何らかの
結論
が出るのでなかろうかと思
つて
おります。
淺利三朗
13
○
淺利委員
ただいまの
説明
は何か納得ができないのでありますが、
北海道
もできるならばそれは
石炭
でや
つて
おるから、
石炭
のままということで結構であります。要は熱量をとればいいのであります。
東京
の
生活
におきましても、最近は電灯の代りにローソクをも
つて
代用しておるのである。あるいは暗黒の
生活
をしておる。すべてが耐乏の
生活
をしておるのであります。
生活樣式
の變更において、
東京
に
輸送
の至難な炭と薪とをも
つて
、ストーブに代用する方法がないかということの、御
研究
を願いたいと思います。
北海道
に在住しておる
方々
に對して、十分に
燃料
を給するということは、あえて異議ありませんが、ただいま寒冷地に對する分はこれを別個に取扱う。その取扱の方針が私に納得ができないのであります。何ゆえに同時に
北海道
と同樣に、この際この
國會
に
豫算
が計上されてないかということに、不滿があるのであります。ぜひこれはほかの
關係
と交渉中というようなことをおつしやらずに、この際にただちにこれと
同等
の名義において、
燃料手當
を支給せられるように實施せられんことを希望するのであります。それから次にもう
一つ
お伺いしたいことは、先般の
補正豫算
の
特別會計
においても
質問
いたしたのでありますが、
政府
の森林の官行事業におきましてむしろマイナスに
なつ
ておる。そういうことならば、むしろ官行事業を廢止して、そうして
地方廳
にこの官有林を委讓したらどうかという意見を私は述べたのであります。今囘の
北海道
の
演習林
の斫伐事業におきましては、支出を
收入
がほとんど同額であります。
收入
支出が同額であるものを、わざわざ金をかけてこれを斫伐するということは何の必要がありますか。
歳入
方面
からいえばこれはほとんど益がない。ただ木材としてはその需要に應ずることはできましようけれ
ども
、今日森林伐採によ
つて
收支相償わぬ。わずか償うて何ら利益がないということは、ほとんど常識で判斷できるのであります。これは何か
經費
を二千三百十九
萬圓
投じて、そし二千三百十九
萬圓
の
收入
を得るという以外に何か
收入
があるのでありましようか。その點をはつきり御
説明
願いたいと思います。
福田赳夫
14
○
福田政府委員
北海道
東京
大學の
演習林
の斫伐に關しましては、
收入
は實は四千二百五十
萬圓
あるのです。それが本年度内におきまして
收入
になる確實な見透しは二千三百十九萬三千圓というのでありまして、來年度早々におきまして殘額が
收入
になる、かように御了承願いたいのであります。
海野三朗
15
○
海野委員
先ほどの私の
質問
に對する答辯を願います。
鈴木茂三郎
16
○
鈴木委員長
何かさつきの
海野
君の御
質問
、私最後のは御希望で終
つた
ように思
つた
ものですから失禮いたしました。
海野
君の御
質問
に對してお答えがありますか。
海野三朗
17
○
海野委員
それはこのままにしておいてよろしいというお
考え
でありますが、そこをお廳きしたいのであります。今
石炭
がないのは事實困
つて
おるのです。
電燈
を消されて困
つて
おる。そういう必要な
方面
に對しての
豫算
は、ここに
一つ
も見えておりませんが、それに對してはすぐにこの中にお入れになるお
考え
があるかないか伺います。
福田赳夫
18
○
福田政府委員
ただいまの
お話
の點は、この
豫算
を修正いたしまして、それに
追加
するというような
考え
はただいまも
つて
おらないのであります。
熱管理
という問題は昔から相當論議された問題でありまして、これにつきましてはなお
商工當局
とも十分打合せをした上で、これを計上するかどうかということは決定したい、かように
考え
ております。それから學界、
研究
所等の問題につきましても、これまた文部
當局
その他
關係方面
と十分相談してみまして、必要な場合にはこれを計上する。先般來
お話
の點は十分承
つて
おります。
苫米地英俊
19
○苫米地(英)委員 私はこの
豫算
については
質問
をいたしたい多數の問題をも
つて
おりますが、ただいまの同僚の
質問
に關連した
北海道
の
石炭手當
の問題について、もう少し
質問
いたしたいと思うのであります。私は
北海道
において
石炭
が
生活
必需品
であるということを十分認識いたしております。そしてこういう
手當
を支給することの必要さも認めておる次第であります。しかしこの
豫算
全體を通じてみて受ける印象でありますが、
政府
關係
の
職員
に重きをおいて、
民間
が無視せられておるということを感ぜざるを得ないのであります。その
一つ
は本年度
石炭
の配給、これは御
承知
の
通り
不足がちでありますから、配給のわくがきまりましても、ある所には早く配給せられ、ある所には遲く配給せられておる。早く配給を受けた人々は前の上らない安い
値段
で買取
つた
。しかるに新物價體系ができ、
石炭
値段
が改訂せられた後の人々は、現在ごく安くても冬になれば運送賃をまぜて千五百圓以下では配給品も手にはいりません今まで配給されたのは多いところで一トン、少いところでは半トンであります。こういうぐあいで、これは官廳に勤めておる人も
民間
の人も同じであります。そうして
政府
としてお
考え
になるならば、安い時代に早く買
つた
人と、それから現在以後に配給を受ける——これは配給でありますから、買う方の順序の問題でない、受身なんです。この差額を
考え
てやることが必要である。それを
考え
ないで一樣にや
つて
いくということ自體が、出發點において非常に間違
つて
おると思うのであります。また
官公廳
に勤めておる人でも同樣なことが起
つて
おる。それを一律平等に一家庭について三千圓というような行き方は、公平という觀念から見てどうしても公平でない。のみならず現在になりましては、
石炭
の配給が全然できなく
なつ
ておる。それは御
承知
の
通り
、
北海道
は六十萬トン以上掘
つた
ならば、その六十萬トンを超えた數量を家庭炭に配給する。六十萬トン以上出炭しなければ配給はしない、こういうことに
なつ
ておりますので、現在ではこの
石炭手當
をいただいても、これはやみで買うが、やみの助長になるか、もしくは
石炭
は買えないでいくということになるのであります。先ほどは、いや
石炭
ばかりじやない
燃料
というのだと言いますが、
北海道
に
燃料
の多く積まれておる所もありますけれ
ども
、また
燃料
も全然ない、炭もなければ薪もない所もあります。そういう所では、現在金をもら
つて
も
薪炭
は買えないというような状態に
なつ
ておる。また薪を買
つて
たいたらいいじやないか、それでもいいんだという御
説明
もございましたけれ
ども
、
石炭
をたくストーヴと薪をたくストーヴとはまたつく別のもので、同じストーヴは使えないのであります。それでは薪が手にはいるから薪を買
つて
たこうと申しましても、今度はストーヴが買えないのであります。でありますから、私はこういう
經費
をお出しになるならば、もつと餘裕のある、こんなせつぱ詰まらないうちにお出しにならなければ、この
經費
はま
つた
くむだに
なつ
てしまうということをひ
とつ
考え
なければならない。そうしてその次には、官廳におる人のことばかりを
考え
ないで、一般
民間
人をも
考え
て、價格差金というものを補助してやるというようなことをなさなければ、官民の間に摩擦を起すというおそれもあるのではないかと私は
考え
るのであります。こういう際において私は、いくらかの
石炭手當
というものを出すということをお
考え
になる前に、
北海道
における
燃料
政策はいかにするか。これは官廳の人も
民間
人をも含めて、この
燃料
政策をいかにするかということを
政府
はお
考え
になるべきである。官廳の人間だけを
對象
として
石炭手當
をやるんだというような
考え
方は、民生の安定ということに何らの效果がない。むしろ官民の摩擦を起すような事態をひき起しはしないかということを恐れるものであります。この點について御答辯を得たいと思います。
今井耕
20
○
今井政府委員
申し上げます。時期が遲くはないかという點につきましては、私
ども
も大體御同樣の觀測をいたすものでありますが、
組合側
との接衝竝びに
關係方面
との折衝に實に以外の手間を要しまして、その點でははなはだ遺憾に存じております。なおこの
石炭手當
というものが、官廳
職員
のみ特に優遇する結果に終りはしないかという御
趣旨
のお尋ねと拜聽しましたが、官廳
職員
の給與の水準が、普通の水準に、あるいはそれ以上のものに達しておる場合ならば別でありますが、現在のように官廳
職員
の水準そのものが問題に
なつ
ております際、
生活
必需品
として避けられない
マル公
配給の限度程度のものを見てやるということは、すでに一般の
民間
との權衡から
考え
ましても、御心配のような點はないではないか、かように
考え
ております。
苫米地英俊
21
○苫米地(英)委員 今の御
説明
はまことに私には腑に落ちないのであります。それは
民間
の方は一般官廳の人々よりも待遇がよいということを前提としておられると思います。一般
國民
の中で大きな銀行、會社等に勤めておる人々を
考え
れば、ある場合にはただいまの御
説明
のような差別がありますけれ
ども
、それは普遍的のものではない。銀行會社等に勤めてお
つて
もその水準に達しない者もあるのであります。いわんや
組合
を組織しておらない、單獨であ
つて
、困
つて
はおるけれ
ども
運動
を起し得ない、ただ惱みに惱んでおる
國民
が、いかに多いかということをま
つた
く忘れておられる御議論だと思うのであります。私はむしろ團體的に聲をあげることができないところの
國民
、惱めるところの
國民
、この利害休戚ということを
考え
ない政治というものは、これは非常に間違
つた
ものだと思うのでありますが、この點いかがでございましようか。
今井耕
22
○
今井政府委員
申し上げます。この
北海道
の特殊な
事情
に鑑みまして、
燃料
に關する
石炭
を中心としました
手當
を出しておりますことは、
從來
から
政府
といたしまして、年末賞與の支給の際に、手加減をいたしまして、
從來
支給してまい
つたの
でありまして、それが今囘非常に
金額
が上りましたので、また新憲法の建前から申しましても、それを新しい別個の
手當
として創設しまして、
國會
の協贊を經ることが正しい途と
考え
まして、出した次第であります。そうい
つた
特殊な
手當
を出すこと自身が否認されれば、これまた別でございますけれ
ども
、
從來
の
金額
を基礎にいたしまして、しかもそれが
上つた
ために、それだけ見てやるということは、これはむしろ普通の當然の筋合ではなかろうか、今
お話
の問題はまた別の角度からあらためて論ぜらるべき問題ではなかろうか、かように
考え
ます。
苫米地英俊
23
○苫米地(英)委員 私は、ますます御答辯が曖昧であり、滿足できないものであると感ずるのであります。私の申しますことは、
北海道
においてもこの千八百ベース以下の
國民
がたくさんいる。そのたくさんいるところの人々の間に、この統制され配給されて、その配給が受けられないで、早く受けた人と遲く受けた人との間に非常な幸、不幸がある。これはもちろん官廳の
職員
に對しても同樣でありますが、今こういう時代に、官廳で物價を公定して急にかえたのであるからして、その起
つて
くるところの不公平というものは官廳が是正しなければいけない。私は官廳の
職員
に對して
石炭手當
をやるということに反對する者ではないのであります。むしろこの場合でも、配給を早く受けた人とまだ受げておらない人に區別をつけることが必要であろう、むしろこう
考え
ておるのであります。どう
考え
ても現在の行き方は、
國民
全體という
考え
方をしないで、官廳
職員
というものだけを目標にしてこういう
豫算
を立て、政治をや
つて
いかれるということが間違
つて
おるのではないかと、こう言うのであります。
政府職員
に
石炭手當
をやらなければならないとお
考え
に
なつ
たときには、同時に一般
國民
はどうであろうかとお
考え
に
なつ
て、その方には
豫算
を組むというような用意がなければならぬのではないかということをお尋ねしておるのであります。
福田赳夫
24
○
福田政府委員
ただいまの苫米地さんの
お話
を伺いまして、たとえばどういうことをすればよいのかということを伺いたいような感じがいたしまして、その點お伺いいたしたいのでございますが、いかがでございますか。
苫米地英俊
25
○苫米地(英)委員 私の申しますのは官廳
職員
に給與を與える前に、配給を早く受けた人と、配給の遲れた人との間に非常な幸不幸があるからして、それをまず是正しなければいけない。言いかえれば
北海道
の住民に對しては、配給を受け取らなか
つた
人に對しては、元の上らない前の
値段
で
石炭
を配給する、こういう建前をつく
つて
、しかる後に官廳
職員
に對して
手當
をやる。その場合におきましても、すでに配給を受けた人は少くてよろしい。配給を受けなか
つた
人は多く與えるというようにしなければ、不公平ではないかというのであります。
福田赳夫
26
○
福田政府委員
ただいまの
お話
のような筋といたしますと、でき得ることでありますならば、さようなことをするのがよろしかろうというふうに
考え
るのであります。しかしながらこれは物價の上り下り、それから公定
値段
が變
つて
くるというようなことは頻繁に起る問題ではなかろうかと
考え
るのであります。それからひとり
石炭
ばかりの問題ではないのであります。すベての物資にさような問題が起
つて
くるわけであります。
石炭
の場合だけに限定いたしましてさようなことをするということもいたしかねる。さようなことをするならば、すベて物資について公定價格改訂の場合に、さような問題を處理しなければならぬ非常に重大な問題になるのではなかろうかというふうに
考え
るのであります。議論としてはもつともな點があるように思うのでありますが、實際問題としてこれを御説のようなラインで是正するというわけにはなかなかいかないのではないか、かように
考え
ます。
苫米地英俊
27
○苫米地(英)委員 そういう理由で、物價改訂の場合にそういうことが起るからできないとおつしやるならば、
政府職員
の場合でも同じではないかと
考え
ます。先ほどの御
説明
によれば、
石炭
の値上げの度合いは非常に多過ぎる。であるから
政府職員
の千八百圓ベースではいけないから與えるというならば、同じ理由であると、私はこう
考え
るのであります。一般
國民
に對しても、他のものよりあまりに差が大き過ぎるから、
政府職員
に對して保護を與える必要があるというならば、一般
國民
に對してもその保護を與える必要があるのではないかと言うのであります。
福田赳夫
28
○
福田政府委員
一般の
國民
に對しましては、これは特殊な場合以外におきましては、
政府
において
經費
の支出はいたしておらないのであります。困窮者であるとか、さような特殊な者につきましては、
政府
がその
生活
費を出すという建前はと
つて
おるのでありますが、ただいまの
お話
のように、一般の
國民
を
對象
といたしまして、官吏においてある特殊な處置をしたその際におきまして、一般の
國民
に對しても同種の、
國家
的な措置を講ずるというようなことは、現在の經濟の體制から申しましても不可能であると
考え
るのであります。すべての
國民
が
國家
負擔でや
つて
おるという
機構
下におきましては、さようなことが
考え
られるかもしれませんが、ただいまのように
民間
は
民間
の責任において經理をし、また給與を支拂うという建前に
なつ
ておる
關係上
、さようなことはできないのではないかと
考え
ます。
苫米地英俊
29
○苫米地(英)委員
政府
は
北海道
に對しては
生活
必需品
であると認められておるのであります。その
生活
必需品
は配給であ
つて
、
國民
の方では自由にならない。
政府
の方で配給をするのに公平な配給をしないで勝手な配給をして、ある
國民
には損害を與え、ある
國民
には利益を與えるという結果が出ておるのであります。でありますから、
北海道
道民が道民大會を開いて、配給量の
石炭
については値上げをしなか
つた
元の
値段
で配給してもらいたいということを決議しておるのは、そういうわけなのであります。
國民
の方でなまけてお
つて
買わか
つた
というのではない。買いたくても買えないのである。その配給のしかたは
政府
の方で勝手に配給しておる。その配給のしかたが惡いために不平等に
なつ
ておる。であるがゆえに元の
値段
で本年のわくにはい
つて
お
つた
分だけは配給せよ、こういうことを要求しておるのであります。このところに一般の問題と、この問題とは違
つた
特異性があると思うのであります。いかがでありましようか。
河合義一
30
○河合委員 議事進行について……。
鈴木茂三郎
31
○
鈴木委員長
ちよつとお待ちください。答辯が先にありますれば、……何か特別に
北海道
の官公吏だけに對して
從來
お出しに
なつ
ていたというようないきさつ、それから今度こういうふうに特別にお出しになりますについての勞働
組合側
との折衝などの
模樣
を、ちよつと聽かしていただくと参考になると思います。
今井耕
32
○
今井政府委員
どうも少し私の申し上げ方が非常に間違
つた
方にひつぱ
つた
ようで恐縮に存じますが、
從來
から
政府
といたしましては、その使用人である
政府職員
に對しまして、
北海道
の特殊
事情
に鑑みまして若干の
燃料
の
手當
を支出してまい
つたの
であります。昨年におきましては世帶主に四百五十圓、獨身者に百五十圓という金を支給してまいりました。それが今囘非常な値上りになりましたので、それが三千圓と千圓に
上つた
わけなのであります。この間、勞働條件に關することでございますので、數箇月にわたりまして
組合側
と團體折衝の結果、とにかくこの線でがまんをしてもらうことに話合いがまとま
つた
次第であります。なお
關係方面
との折衝にも手間取
つて
、今日のように遲くなりました。この問題を行政的な面から申しますと、ただいま苫米地さんの御發言のようなこともごもつともだと存ずるのでありますが、しかし使用主から
考え
ますと、
從來
のきま
つて
いる給與を物價の調子に應じて直した。ただそれを新憲法の
趣旨
に副いまして、新しい態度としてはつきりここにお目にかけるとい
つた
だけの問題でございますので、もちろん別にそうい
つた
補給金の政策であるとか、物價政策につきまして御意見のあることは私
ども
よくわかりますが、それとこの問題とは一應切り離してお
考え
いただかなければならぬ筋合いではなかろうか、かように存じます。
苫米地英俊
33
○苫米地(英)委員 今年の
北海道
の
石炭
配給は一トン二分ということに
なつ
ております。先ほど申し上げました
通り
石炭
は配給であ
つて
、一トン二分しか配給されない。一トンの
値段
は大體千五百圓。そこで一家庭で三千圓、こういうことに
なつ
ておりますが、これは二トン與えるお
考え
でございますか。一トン二分というわくであるならば、三千圓は要らないことだと思うのでありますが、この點はどう御計算に
なつ
ておるのでありますか。
今井耕
34
○
今井政府委員
もちろん
石炭
を中心にして計算されたのでありますが、私
ども
といたしまして、二トン二分という當初の
燃料
の配給計畫を基礎にしております。ただ昨年も若干豫定計畫が配給にならなか
つた
ことがございますが、しかしこの點は豫測がつきませんのと、かつまた
石炭
の配給が切れた場合には、やはりほかの
燃料
を必要とすることは當初の配給計畫
通り
二トン二分で計算いたしております。
苫米地英俊
35
○苫米地(英)委員 昨年は二トン二分であ
つた
が、今年は一トン二分と思いますが、その點いかがですか。
今井耕
36
○
今井政府委員
石炭
廳で當初立てました計畫は二トン二分でございます。
苫米地英俊
37
○苫米地(英)委員 しかし實際の配給の通告は、
北海道
において一トン二分と
なつ
ておりますが……。
今井耕
38
○
今井政府委員
北海道
におきましての
石炭
の必要量、
從來
のような正常の六千カロリー級の
石炭
を基礎とした場合に、三トン半というのが大體あらゆる
方面
における定説と
なつ
ております。最近御
承知
のようにカロリーの下りました
石炭
におきましては、さらにその
増加
が豫想されるのでありますが、しかしながらこうい
つた
耐乏
生活
の時代でもございますので、一應
石炭
廳で當初に押えました二トン二分程度はみてやらなければなるまい。それが端數を切りまして三千圓といたしたのでございます。かりに配給量は一トン二分に減りました場合におきましても、先ほど主計局長から申し上げましたように、
石炭
だけということに名前は一應
なつ
ておりますが、
石炭
だけということを特にマークしたものでもございませんので、その點は一トン二分になりましたならば、殘りの一トン分は他の
燃料
で補うということに、いきおい相なることは豫想しております。
稻村順三
39
○稻村委員 先ほど
海野委員
からも、苫米地委員からもさかんに
東北
あるいは北陸
地方
の寒冷地などに關しての
手當
が計上されていないという
質問
がありましたが、この點官公勞の勞働
組合
の方から私たちの方へも陳情がまい
つて
おりまするが、これを
北海道
に限定するにあたりまして、官公勞の勞働
組合
との間に、たとえば
北海道
なら
北海道
と、
地方
だけの勞働
組合
ではなくして、官公勞の全國的な勞働
組合
の間に、この
北海道
だけ一應話はここでつけるのだという了解を得たのであるかどうか。その點御
説明
を願いたいと思います。
今井耕
40
○
今井政府委員
その點は先ほど申し上げるのを落しまして失禮いたしましたが、
北海道
から
石炭手當
の要望がございました際に、これは八月でございましたが、當時のわが國では一番最高機關にあたります全
官公廳
職員
待遇改善
委員會
の
組合側
の本部の方に交渉をいたしまして、
北海道
のこの申出はこれは、今現在
豫算
にもむろんないが、とにかくこうい
つた
ほかのものにない特殊な
増加
も示しておるので、
豫算
を別にと
つて
でもやらなければならぬと思うが、しかしながらこれは他の方に波及するようでは困る。他の方に波及しないという約束ならば、われわれとしてこの案を
關係方面
その他にも
つて
い
つて
、ものにする用意がある。こういう折衝をいたしまして、結局
寒冷地給
というものは別途立てて欲しいが、この要求そのものとしては、
北海道
は特別に扱うことに對して異存はない。こういう意見の交換を文書でいたしました。それに基きまして
石炭手當
というものを新らしい
制度
として取上げる。今までのように恩惠的に年末賞與の際にちよつと色をつけるというようないき方でなく、正式な取上げ方をするという話合いがまとま
つたの
であります。それは九月のことであります。
稻村順三
41
○稻村委員 それで
事情
はわか
つたの
でありまして、これは大體一應
官公廳
の中央の
關係
の人間との間に、團體折衝の結果の
結論
である。かように
考え
まして、その
結論
に到達したものとして
石炭手當
というものを出すことにした。しかしながら寒冷地に對しては、
燃料
ばかりの問題ではなくて、たとえば
北海道
のような家の造りと、
東北
あるいは北陸、信州あたりの家の造とは違いまして、それには、たとえば寒風を防ぐために雪よけをつくるとか、何とかという特殊の費用も要るのであるからして、この點に關しては、
石炭
中心ではあるけれ
ども
、
石炭
ということでなしに、もちろん
北海道
でもそうでありますが、
東北
、北陸、信州というようなところにおいては、特別に寒冷地
手當
という形で一般より餘分にかかる費用を考慮する。こういうふうな話合いに
なつ
ていると解釋して差支えありませんか。
今井耕
42
○
今井政府委員
大體
お話
の
通り
でありまして、これは
寒冷地給
というものは新しい
手當
として別途につくることは、
政府
側の給與體系の建前から困るが、しかしながらその精神は取入れまして、これを現在都市その他の生計費の高いところに支給する地域給の一種といたしまして、寒い所、特に積雪の多い所、そうい
つた
方面
に對しては給與で特殊な優遇をしよう、こうい
つた
話合いで、すでに根本の
考え
方は兩者の間に意見が一致しまして、細目につきまして目下押問答をや
つて
おります。そうい
つた
寒冷地に對しまして特殊な
手當
を
考え
るということにつきましては、すでに兩者の間に意見は一致しているのでありますが、額その他につきまして目下押問答をしている。かように御了承願います。
稻村順三
43
○稻村委員 そうしますと、たとえば給與基準が、具體的に地域的にいわゆるクラスによる地域差が定められる場合に、この
寒冷地給
というものは、この地域差に織りこんで、こういうところには一應たくさん
生活
費がかかるということを
見込
んでいる、こう解釋して差支えないわけですね。
今井耕
44
○
今井政府委員
現在の都市その他に對する地域給は、
お話
の
通り
現實の生計費の差を見る。こうい
つた
觀點でございますが、
寒冷地給
の場合には、現實の生計費そのものの差をつかまえたのでは、ちよいとぐあいの惡い面があるのであります。と申しますのはおおむね他のやみ指數の
關係
から、生計費そのものは、一年を通じますとわれわれはそれほど高くはないというような數字が、統計的に出てまいります。しかしながら
生活
條件も違いますし、その他その生計費は冬だけ殖えるとい
つた
觀點から、自分たちの身にはよけいに強く感ずるという特殊な條件もございます。從いまして冬膨脹する
經費
そのものを、すぐさまとらえて計算の根據にすることは多少問題はございますが、しかしながら一應寒さでありますとか、あるいは積雪の量でありますとかとい
つた
ものをにらみまして、とにかく温暖
地方
の人たちが大體あれくらい優遇してやることは當然だと言
つた
線をつかんで、話をまとめようというラインで今折衝中であります。
稻村順三
45
○稻村委員 少しくどいようでありますけれ
ども
、そうなりますと、やはり季節というような問題がはい
つて
くるのでありますが、たとえば夏の時代の給與ですと、基準給與から地域差によ
つて
普通に給與されるというようなことがありますが、ある一室の季節に對しては、その特殊な寒冷地の給與というものを
見込
んでいく、こういうふうな建前をおとりに
なつ
ているのだと解釋して差支えありませんか。
今井耕
46
○
今井政府委員
ただいまの方向は、ま
つた
くその方向でございます。
稻村順三
47
○稻村委員 それでは私の
質問
はこれで終ります。
中村寅太
48
○中村(寅)委員 新
日本國民運動推進助長
に必要な
經費
は五百
萬圓
組まれております。それから
國民貯蓄運動推進
に必要なる
經費
が二千三百五十
萬圓
、
勞働爭議
の
豫防竝びに早期解決
に必要な
經費
は百五十
萬圓
、
危機突破生産復興運動展開等
に必要な
經費四
百五十
萬圓
この四つの
運動
費が相當額計上されているようでありますが、どういう形でどこでこの
經費
を
使つて
いくのか。少し具體的に御
説明
を願いたいと思います。
鈴木茂三郎
49
○
鈴木委員長
この點御相談いたしますが、今御指摘のうち
國民
貯蓄
運動
は大藏省所管であるからよろしうございますけれ
ども
、ほかの問題は、明日私はその所管の
大臣
なり
當局
者に來てもら
つて
、一應御
説明
願いたいと思
つて
おりますが、それでいかがでございますか。
中村寅太
50
○中村(寅)委員 結構でございます。では
國民
貯蓄推進
運動
についてお願いいたします。
福田赳夫
51
○
福田政府委員
國民
貯蓄
運動
は、御
承知
の
通り
昨年の十一月から開始いたしたのであります。十一月開始以來の成績は、いろいろな機會で御
説明
しておりまするが、非常に良好なのでありまして、この
運動
をさらに繼續するために必要な
經費
というわけであります。そこで
運動
の
經費
はどういうふうに使うかという問題でありますが、これは議員を中心にいたしました通貨安定推進本部というものがあります。通貨安定推進本部というものは本部長がありまして、その下に副本部長があり、その下に四、五十名の本部委員がいるわけであります。すべて議員であります。この通貨安定推進本部には
委員會
が附設してあります。この
委員會
は議員及び
民間
の學識經驗者からできております。それが中央の
機構
でありまして、
地方
各府縣ごとにさらに同樣の
機構
があるわけであります。すなわち何々
地方
通貨安定推進本部におきましては、その地區出身の議員が本部長となりまして、大體中央なみの小型な推進本部を形成しているわけであります。
地方
におきましては名前は
地方
通貨安定
委員會
と申しております。そういうような仕組でや
つて
いるのであります。大體この
經費
のうちで半分くらいは推進本部が使うわけであります。推進本部がその金を自分で使うものと、
地方
の通貨安定
委員會
に流してやる金とがあるわけであります。とにかく半分くらいは推進本部の系統で使うわけであります。本部長がこれを大體におきまして計畫を實施をしているような状態であります。それから殘りの半分くらいはどういうことであるかというと、
運動
を推進するにはどうしても
地方
末端の
機構
が必要であります。すなわち市町村でありますとか、
地方
事務所の人に頼みますとか、あるいは商工
會議
所等にもいろいろお願いいたしますとかいうことになりますので、この金は通貨安定推進本部長を經由せず、直接に
政府
から府縣廳にいくわけであります。府縣廳におきましてこれを市町村
地方
事務所でありますとか、あるいは商工
會議
所にものを依頼する場合にはその
方面
とか、さような
方面
に金が出ているのであります。 金の使途といたしましては、あるいは宣傳のための映畫、パンフレツト、
各種
の資料、あるいは
委員會
合の費用等、さようなものが主たる費用の内譯に
なつ
ております。
中村寅太
52
○中村(寅)委員 今の御
説明
で大體の
機構
はわか
つたの
でありますが、それがはたして
地方
で活發な效果をあげるような
運動
が展開されておるかどうかということにつきましては、私はまだわからないのであります。自分のおります福岡あたりで
考え
ますと、そういうものがあることすら、われわれはあまりよく知らないくらいであります。それによ
つて
貯蓄が推進されておるというようなことは、あまり認められないのではないかと思うのでありまするが、そういう官製のようなものにだけ任せず、もつと
民間
團體のようなものにも、少し資金を出すというようなことで
運動
を推進することが、より效果的ではないかと思うのでありまするが、そういう用意がないのでありますか。
福田赳夫
53
○
福田政府委員
ただいま福岡
地方
におきましてはあまり活動がないというような
お話
でありまするが、實は
地方
においては貯蓄
運動
というものは、非常に活溌な動きをしておるのであります。人の
關係
等で例外的に振わないところもあるようでありまするが、大體達觀いたしまして各府縣とも非常に活躍しておるのであります。私
ども
が見ましてこの
國民
運動
というようなもので發足いたしましたものといたしましては、まず貯蓄
運動
は相當目覺ましい活動をしておるというふうに
考え
ております。この成績の數字から見ましても非常なことに
なつ
ておるのであります。この
運動
が始まるまでは、預金をするというような人はほとんどなか
つたの
でありますが、この
運動
の聲に應じまして、非常に多額の預金が集まりつつあるのであります。もちろん
地方
の通貨安定
委員會
におきましては、その顏振れは
民間
の有識者に相當多數お願いしております。それからたとえば商工
會議
所とか、いろいろな團體がある場合には、そこにおいて講演會をしていただくとか、あるいは展覧會をしていただくとか、
民間
においても相當手廣くお願いしておるのでありまするが、御
趣旨
の點はよく含みまして、今後とも
民間
の人に呼びかけるということにいたしたいと思います。それからこの
運動
の主體は通貨安定推進本部でありまして、議員がや
つて
くださ
つて
おるのであります。これを官製と申せばそれまででありますが、これは議員の
運動
でありまして、大藏省はむしろそれについてい
つて
おるというような仕組のものであります。
野坂參三
54
○野坂委員 ここに
國會
の
職員
の特別
手當
として四百八十
萬圓
出ておりますが、この
内容
について員數とか、給與基準とか、
手當
の
内容
、それがどのくらいになるか。それを伺いたい。
福田赳夫
55
○
福田政府委員
これは
國會
職員
の
超過
勤務
手當
に關するものであります。すなわち
國會
におきましては非常に會期も長く、居殘りの時間等も續きましたので、この居殘りの時間に應じまして居殘
手當
を支給しようという
關係
のものであります。その支給の率はただいま
政府
から提案いたしておりますところの、
國家
公務員給與法案によるところの
超過
勤務
手當
の額をここに計上いたしたわけであります。
野坂參三
56
○野坂委員 ここにはいろいろ
職員
の方があると思うのです。たとえば速記の方とか、衞視あるいは事務員、こういうものの差額とか、あるいは基準とかいうものはどういうふうに
なつ
ておりますか。
福田赳夫
57
○
福田政府委員
それではただいまの點は、御
質問
の
事項
を箇條別に加えまして、明日資料をも
つて
お答えいたすことにいたします。
野坂參三
58
○野坂委員 最近十二時近くまで
國會
が開かれており、徹夜されておるような人が非常に多いと思います。これは非常な過勞であります。聞けば今までの規定では、わずかに七十錢ということであります。こういうことは一體われわれ常識で
考え
られないのですが、今まであ
つた
とすればこれは大きな問題だと思います。これはどういうように改善されておるか。こういう點を十分お聽きしたい。ですからきよう材料がなければ詳しい材料を出していただきたい。同時に
國會
の
職員
の特別の
手當
、あるいは衞視の七品料とか、速記の方には技術
手當
とか、ああいう特別の
手當
と、ほかの官廳における特別
手當
とどういう均衡がとれておるか。ほかにもこういうものがあるか。こういう點をお聽きしたい。
川島金次
59
○川島委員 この機會に參考のためにちよつとお尋ねを申し上げておきたいと思います。それは先ほど
小額紙幣
の囘收整理等について、五十錢を五億ばかり出すというような
お話
だ
つた
そうですが、現在千七百億を突破しようという全體の通貨の發行量の内譯を、種別的に調べたものがありましたならばそれを教えていただきたいのであります。もしありませんでしたら明日の
委員會
に何か刷
つた
ものでも參考のためにもらいたい。それからもう
一つ
は、ただいま
紙幣
の中で一番流通されております百圓札の印刷コストは、一體どのくらいに
なつ
ておるかということ。これもわか
つて
おりましたらお聽きしたい。
福田赳夫
60
○
福田政府委員
ただいまお尋ねの兩者とも調査はありますから、明日資料をも
つて
お答えいたします。
川島金次
61
○川島委員 それからもう
一つ
お尋ねをいたしたいのは、千七百億に上ります新圓の發行に對して、
日本
銀行等では時々階層別といいますか、産業別といいますか、そうい
つた
別の通貨の所在量などを發表せられておるように記憶いたしておるのであります。そういう事柄に對して大藏
當局
も時には調査をされておるのか。もし調査されておるとすれば、そういう産業別の通貨の所在量がわか
つて
お
つた
ら、この機會に教えていただきたいと思います。
福田赳夫
62
○
福田政府委員
通貨の所在別ということにつきましては、これは通貨對策、財政對策上きわめて重大な
關係
がありますので、調査をいろいろな角度から企畫はしてみるのでありますが、これはどうしても目的を到達しないのであります。結局
政府
といたしましては、これがどういうふうに
なつ
ておるかということにつきまして、
結論
を得ておらぬというのがただいまの現況であります。ただ
日本
銀行が
日本
銀行自體の見地で、いろいろな達觀を加えまして調べたものが、數箇月前にできております。その程度でありますが、あるいは輿論調査というようなことでもやるほかあるまいというようなことで、いろいろな權威の方にもお願いしたのでありますが、どうも的確なる
結論
が出ていないというのが現状であります。
川島金次
63
○川島委員 そうすると
日本
銀行で過般發表されました通貨の存在量というものは、あれは架空の想像的なものであるということになるような
お話
でありますが、少くとも私は、そういう問題はきわめてむずかしいことではございましようが、殊に税その他の
關係
からいきまして、また財政上の
關係
から見ましても、そういうことは至難な事柄ではございましようが、それを何か科學的な
從來
の經驗の上に立
つて
、さらに科學的な推測をいたして、何らかの形でそういう面の、的確とまではいかぬまでも、やや的確な數字が出ることに努力をする必要もあるのではないかと自分は思うのであります。
日本
銀行で出されたものを、われわれはそのままうのみにはいたしておらぬのでありますが、ああいう事柄は、われわれにと
つて
きわめて參考になる面が非常にあります。
從つて
そういう事柄について、大藏
當局
でも努力をしておるということでありますれば、その御努力の結果においての推定の計算でありましても差支えありませんから、できましたならばひ
とつ
、明日の
委員會
に參考までに御發表を願いたいと思う。 それから通貨の發行量というものは、本年度末には二千億、明年度末には二千五百億を突破するのではないか、こういう
紙幣
インフレの状況が目前に迫
つて
おるのであります。從いまして一般
國民
の
紙幣
の流通の上からい
つて
、百圓札ではきわめて不如意な、不自由な面も大いにあるようにわれわれは見ておるのですが、この機會に、へんな
質問
でありますが、一體大藏省ではこの通貨増發の
實情
に鑑み、また
國民
生活
の通貨流通の上に立
つて
、五百圓もしくは千圓札というようなものをつくるという方針があるかどうか。そういうことを必要としないかどうかとい
つた
ことについての御意見がありましたら承
つて
おきたいと思う。
福田赳夫
64
○
福田政府委員
御説の
通り
札が非常に殖えてまいりまして、百圓札をさらに五百圓札、千圓札というものを出したらどうかという意見は非常にあるのでありますが、ただいまのところではまだ百圓札をも
つて
限度としようという方針であります。
磯崎貞序
65
○磯崎委員 ちよつとこの際お尋ね申し上げますが、ただいまの御提案の中に、
花柳病豫防對策
に必要な
經費
という費用がございますが、これに關連しましてちよつとお尋申し上げます。實は最近における
地方
財政の窮乏化の
關係
から、いろいろ
地方
におきましては財政窮乏の極に達しております。特にその大きな原因の
一つ
におきまして、いわゆる終戰處理に伴う道路改修、これは府縣におきまして好む好まないにかかわらず、厖大な道路改修が行われている。これに對しまして
從來
は九割程度の補助であ
つた
ものが、最近は相當減額されている。それによ
つて
起る
地方
財政難は相當大きな部門を占めている。さらにそういう特殊の地域におきましては、いずれも性病が大分數を増しており、
花柳病
に對するところの
經費
が、莫大な負擔の一部を占めている。こういう
關係
から、特にそういう特殊地域におきましては、全額に近い程度の國費の補助があ
つて
しかるべきものであるというふうに
考え
ておりまするが、ただいまの費目に關連いたしまして、いわゆる
花柳病
の問題——そういう特殊地域、いわゆる進駐軍の駐屯地域あるいは終戰處理に伴う道路改修の補助というようなものは、その府縣民が好むと好まないにかかわらず命令されるものですから、そういう
經費
は、どうか全額に近い御支出を願
つて
しかるべきではないかというふうに
考え
まするが、これに對する御答辯を願います。
福田赳夫
66
○
福田政府委員
花柳病
の豫防につきましては、
從來
とも相當金を出しているのでありまするが、この結果
地方
の負擔になる額が若干あるのであります。これは
花柳病
豫防法によりまして、
花柳病
の治療が自分でできない個人に對しまして
地方廳
が補助するのでありまするが、その補助額に對しまして國から
地方廳
に補助をやるというような関係になるのでございます。ただいま
政府
におきましてはその
經費
の二分の一を補助するということに
なつ
ておるのであります。これは
花柳病
豫防法において、さようなことに
なつ
ておるのであります。
國家
の財政の状況としては大體この程度かと
考え
ておるのであります。
磯崎貞序
67
○磯崎委員 私の御
質問
申し上げておりまするのは、敗戰後における現在のような形で、特殊地域においてのみ、そういう
關係
から起る性病に對する府縣費の支出増、これは一般の形の補助でなく、特にそういう
方面
については厚い、あるいは全額的な補助があ
つて
しかるべきものである。さらに今道路の問題は何も議題に上
つて
おりませんが、そういう特殊の
關係
で、普通ならばその
地方
議會におきまして、縣民の總意によ
つて
もくろむところの道路改修ならばいざ知らず、終戰處理費に伴うそういうものについても、一、二年前においてはほとんど全額補助に近い補助が願えた。それが最近は六割程度に減らされたというようなことによ
つて
起るところの
地方
費の過大な膨張で財政難に苦しんでいる。この問題は相當國においても
考え
らるべきものではないかというふうに
考え
ておるのでありますが、これに對するお
考え
を承りたい。
福田赳夫
68
○
福田政府委員
地方
といたしましては、ただいま
財源
が相當限定を受けておる状況に
なつ
ておるのであります。その
財源
の重大なる
部分
がいわゆる分與金という形で
政府
からはい
つて
いくというようなことに
なつ
ておるのであります。すなわち
政府
の財政に一部依存しておる。
從つて
彈力性もそうないようなことに
なつ
ておるわけであります。それから
政府
におきまして相當課税をする
關係上
、
地方
の税源もおのずから束縛を受けておるというような
關係
にありますので、
地方
財政が非常に苦しいということは事實であります。しかしながらこの苦しい財政を何とか合理化いたしたいという
考え
方を、ただいまも
つて
おるのでありまして、近い將來におきまして分與税
制度
を廢止し、そして
地方
に獨立の
財源
を與えますとか、さような
地方
財政がほんとうに獨立し得るような、全體的な仕組みをひ
とつ
考え
たいというふうに思
つて
おります。ただいま
お話
の道路費の問題も、相當の負擔に相なるのでありまするが、さような不急な道路がありますれば、これは道路をつくらないという措置を講じたいというふうに思
つて
おるのであります。
從來
まで道路が
關係方面
からの指示等で、どんどんできたという状況を合理化いたしまして、今囘ははつきりと道路の築造等は計畫的にやる措置を講じなければならぬと
考え
ておりまして、近くその
方面
のことも實施されるかと思うのであります。 それから
花柳病
の
關係
で
地方
の負擔になる。さような特殊な地帶につきましては、何らか特殊な考慮が必要ではないかという
お話
の點につきましては、これはただいま冒頭に申し上げました
通り
、
地方
財政全體の問題として今後
考え
ていきたい、かような
考え
をただいまのところも
つて
おるわけであります。
磯崎貞序
69
○磯崎委員
歳入
の
方面
で大分
各種
の
手數料
等の増額があります。これは當然現行の條令、規則、そうしたものと不可分
關係
でございまするから、
從つて
豫算
を議する上におきまして、當然そうした案件を付議檢討さるべきものではないかというふうに
考え
ておりますが、これに對しまして
當局
の御答辯煩わします。
福田赳夫
70
○
福田政府委員
收入
は御説の
通り
すべて根據があるのであります。その根據は法令に基くものが大
部分
でありまするが、
印紙收入
のうちにおきましては、
漁船登録手數料
というものが大
部分
であります。これは總理廳令、
農林省
令共同のポツダム政令によりまして、
漁船
登録規則というものを近く公布する
見込
でありまして、その
漁船
登録規則に基きまするところの
收入
であります。さらに安全裝置性能審査
手數料
、
勞働特殊設備檢査手數料
、衞生
管理者檢定手數料
等につきましては、勞働安全衞生規則に規定する審査、檢査竝びに試驗
手數料
を決定するところの總理廢令、勞働省令共同の省令が規定されるわけであります。さようにすべて根據があるのでありまするが、非常に詳しい部厚なものでありますので、お手もとには配付することを省略いたしておるわけであります。
磯崎貞序
71
○磯崎委員 その規則を改正する必要はないのですか。課率その他に對するものです。
福田赳夫
72
○
福田政府委員
これは規則の改正があります。その改正に伴いまして生ずる
收入
と、それから規則を制定するに伴いまして新たに生ずる
收入
と、二つあるわけでありまするが、ただいま申し上げました
漁船
登録の政令というものは、今囘新につくるものであります。それから勞働安全衞生規則に關するものも、今囘新につくるものであります。それから過去にもうや
つて
しま
つた
というようなものに伴うところの
收入
が
上つた
分もあります。すなわち先ほど申し上げました
國立病院
、
療養所
の
入院料金
の値上げ、これにつきましてはもうすでに九月一日から實施いたしておるのであります。さような
收入
があるものですから、ここに計上したわけであります。もう
一つ
大きな金では、
捕鯨船
及びその
捕鯨船
の積荷の再
保險料
收入
でありますが、これは先般第七號
豫算
の丙號
豫算
といたしまして、
豫算
外契約の御決定を願
つた
わけであります。それに關するものであります。
鈴木茂三郎
73
○
鈴木委員長
それでは本日はこれで散會いたしまして、あす午前十時から開きまして、なお
商工省
あるいは勞働省など、あるいは
笹森國務大臣
など、所管の
大臣
の
方々
の御
説明
を聽くことにいたします。 では散會いたします。 午後四時散會