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栗栖國務大臣 昭和二十二年度
一般會計豫算補正(第八號)及び
昭和二十二年度
特別會計豫算補正(特第三號)について御説明申し上げます。
まず
一般會計豫算補正について申し上げます。この
補正豫算(第八號)は、先般
昭和二十二年度
豫算補正の全體について御説明申し上げました歳入
歳出豫算補正額九百二十一億圓のうち、すでに
補正豫算(第一號)及び第三號ないし第七號として提出いたしました殘りの節約に關するものを、
補正豫算(第八號)として編成をいたしまして今囘提出いたしました次第であります。この
補正豫算の
歳出は修正減少額十五億千四百餘萬圓、追加額十三億千餘萬圓、差引減少額二億四百餘萬圓と相な
つております。その内譯について申し上げますと、修正減少額は既定
豫算の人件費、物件費等につきまして、原則として一割程度の節約を行うことといたしましたのに伴うものでありまして、その内容は人件費の減少九億七千七百餘萬圓、物件費の減少一億五千百餘萬圓、補助費の減少三億五千餘萬圓、その他經費の減少三千四百餘萬圓と相な
つております。
次に追加額の内譯を申し上げますと、一、
大藏省預金部特別會計の經理の
状況に鑑み、同會計の歳入不足を補うため十億圓、二、物價改訂等に伴う刑務所收容費の増加二億四千五百餘萬圓、三、今次の關東、東北地方の水害に對し應急防疫措置を講するため千萬圓、四、税法改正等による國税
徴收事務取扱費の財源を、通信事業特別會計へ繰入れるため四千八百餘萬圓、五、恩給及び年金の支給事務に必要な經費の財源を、通信事業特別會計へ繰入れるため六百餘萬圓、合計十三億千餘萬圓と相な
つております。
次に歳入
豫算の修正減少額二億四百餘萬圓の内譯は、一、
歳出豫算の節約に伴う歳入の減少見込額一億五千七百餘萬圓、二、
歳出豫算の節約に伴い、すでに計上した前年度剩餘金受入の
豫算額の減少四千七百餘萬圓であります。
次に
昭和二十二年度
特別會計豫算補正(特第三號)について御説明申し上げます。特別會計豫意
補正に關しましては、すでにさしあたり必要といたします經費につきまして、
補正(特第一號)及び(特第二號)として提出いたしまして、御審議を經て成立いたしましたのでありますが、職員の待遇
改善費、物價騰貴による經費の増加等の追加、及び既定經費の節約等による修正減少等、
豫算の全體にわたる
補正豫算(特第三號)を編成いたしまして提出いたしました次第であります。
本年度當初
豫算において二十四の特別會計を合計して歳入二千五百八十八億五千八百餘萬圓、
歳出二千三百四十四億二千二百餘萬圓を計上いたしましたのでありますが、右のうち、國有鐵道事業、通信事業ほか二十の特別會計と、今囘新たに設置することとなりました失業保險特別會計及び從來の厚生保險特別會計の船員勘定を切り離しまして、獨立の會計といたしました船員保險特別會計とについて、前に申し上げました事由によりまして、
補正豫算(特第三號)として歳入千八百六十九億二千三百餘萬圓、
歳出千六百三十三億七千七百餘萬圓を計上いたしました次第であります。この
補正によりまして、本年度特別會計
豫算は、當初
豫算とすでに成立いたしました
補正豫算(特第一號)及び(特第二號)と今囘の
補正豫算(特第三號)とを通算いたしまして、歳入四千四百八十六億四千七百餘萬圓、
歳出四千七億八百餘萬圓と相なる次第であります。各特別會計のうち、主要なる國有鐵道事業及び通信事業につきまして、その大略の御説明を申し上げます。
まず國有鐵道事業特別會計におきましては、當初
豫算においてその損益勘定の赤字は八十三億五千九百餘萬圓でありまして、これを借入金をも
つて補填いたしておりましたが、その後職員の待遇
改善費及び新物價體系による事業用品の値上り等により、相當多額の經費の追加を必要といたすことと相なりましたが、人件費、物件費につき大幅の節減をいたすこととして極力經營の合理化に努めましたが、なお當初の赤字はさらに二十八億三千百餘萬圓を増加して、年間を通じますれば百十一億九千百餘萬圓の赤字と相なることとなりましたが、今囘限り國有鐵道事業再建のため、一般會計から五十億圓を繰入れることといたしました結果、
補正豫算としては二十一億六千八百餘萬圓の黒字、年間を通じますれば六十一億九千百餘萬圓の赤字と相
なつた次第であります。また鐵道建設改良工事も、物價賃金の高騰の
影響を受け、主要資材の
供給減に伴い、當初事業計畫に對し相當大幅の節減繰延を行つたにもかかわらず、支出増加を餘儀なくされ、三十二億八千七百餘萬圓を追加いたすことと相なりました結果、國有鐵道事業が本年度中に發行する公債の豫定額は、當初
豫算の五十三億七百餘萬圓に、三十二億八千七百餘萬圓を加えて八十五億九千四百餘萬圓と相な
つたのであります。
次に通信事業特別會計におきましては、當初
豫算において、その損益勘定の赤字は五十二億九千四百餘萬圓でありまして、これを借入金をも
つて充當いたしておりましたが、本會計におきましても、國有鐵道事業と同一の理由によりまして、相當多額の經費の追加を必要といたしますが、一方
收入の面においても、四月一日通信料金を約四倍値上いたしました結果、
補正豫算のみについて見ますれば、九億三千百餘萬圓の黒字と相なりました。しかしなお當初
豫算と通計いたしまして四十三億六千二百餘萬圓の赤字と相なりますので、今囘限り通信事業再建のため、一般會計より二十五億圓の繰入を行いまして、その結果當初
豫算のの借入金豫定額を三十四億三千百餘萬圓減少いたしまして、本年度の借入金豫定額は十八億六千二百餘萬圓と相
なつた次第であります。
次に通信事業諸施設の建設改良工事につきましても、鐵道事業と同一の理由によりまして、相當の支出増加を餘儀なくされ、事業計畫を相當大幅に縮減いたしましたが、なお三十七億七千二百餘萬圓の追加を計上いたすことと相なり、これに對する財源としての公債發行額も、三十六億五千三百萬圓を追加いたしました結果、本會計の本年度における公債發行豫定額は、當初
豫算を合せて五十八億千九百餘萬圓と相なる次第であります。
以上をもちまして
昭和二十二年度
一般會計豫算補正(第八號)及び
昭和二十二年度
特別會計豫算補正(特第三號)の説明を終ります。何とぞ御審議をお願いいたします。
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