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川野委員 この問題につきまして、私はもう少し安定本部總務
長官につつこんで
質問を試みたいと
考えまするが、しかし時間が非常に迫
つておりますのでこの
程度で切りあげたいと思います。ただし今囘改訂になりました新物價體系が壊れたということになりますると、現
内閣は非常なる責任を負わなければならない。私はこういう點を申し述べましてこの點は
質問を打切ります。
なお先般
給與問題につきましていろいろと御
質問があつたわけでありまするが、しかし
給與が
地方差のあるということは、私はもつともなことであると
考えます。いろいろ今日問題にな
つております十二割ないし二割という
ような、非常な差のあることはまことに遺憾でありますが、ある
程度の差のあることはやむを得ないことであると私は
考えております。いかんとなればわが國におきましては、從來も大都市というものは俸給が高かつたわけであります。また賃金が高かつたわけであります。賃金が高く俸給が高かつたのでありますが、從
つてまた物價も高かつた。こういう結論に到達いたしているわけであります。しかるに今日におきましては、物價水準をいろいろ調べてみますると、
地方と大都市の物價水準はあまり變
つていないのであります。先日
今井給與局長は、
やみ物價について非常な差のあるかの
ような御
答辯がございましたが、私が知る
範圍においては差はあまりないと
考えている。ただし
地方にまいりますと、經濟警察官が非常に嚴重な取締をや
つておりますので、ほとんどやみ物資は店頭に竝べてないという
實情にな
つております。しかるに大都市においては、ほとんどやみ物資が竝べてあ
つて、そうしてやみ
價格が掲示してある。東京を調べてみましても、ほとんどやみ物資でありまするが、このやみ物資に對して、やみ
價格が公然と掲示してある。こういう
實情である。ときどき警察官によ
つて取締が行われまするが、取締が行われまする二日前には、業者には内密に通知があるものとみえまして、かかるやみ業者は店をたたんで、そうして取締の日には休業いたしておる
ような
實情であります。それで
地方と大都會の取締の差をなくするということになるならば、おそらく
地方におきましてもやみ物資は店頭に現われまして、そうして大都會と同じ
ようなやみ
價格というものが現われてくるものと、こう私は
考えるわけであります。殊に
公定價格であります。
公定價格が
地方と大都市というものは、ほとんど同一にきめられておられる
ようであります。もちろん重要物資についてはきめられることも結構であります。しかし私はここにその一例を申し述べてみたいと
考えまするが、木炭と薪であります。現在木炭一俵の値段が、生産者の販賣
價格というものは六十九圓五十錢である。それを小賣
價格は百七圓五十錢で賣
つておる。こういう
實情でありまするが、百七圓五十錢という小賣
價格は、炭がたくさんできるところの生産地、すなわち生産者が六十九圓五十錢で賣
つておるところのその生産地でも、また東京のまん中でも、同一
價格百七圓五十錢で販賣されておるという
實情であります。また薪の例をと
つてみますると、長さ一尺二寸、胴囘り二尺五寸の薪が、生産者
價格というものは五圓四十錢であります。五圓四十錢の生産者
價格の薪が、小賣
價格は十三圓九十錢で賣られております。すなわち八圓五十錢の途中の費用が消えまして、十三圓九十錢で賣られておるという
實情であります。山の中でも薪一把の値段が十三圓九十錢、東京でも同じ薪一把の値段が十三圓九十錢、かくのごとく山間でも東京のまん中でも、同じ値段で賣られておるという
實情でございます。私はこの點が非常に不合理ではなかろうかと
考えるわけであります。それで少くとも物價におきましても
地方差を設けまして、あるいは三段、四段、五段という階級を設けまして、そうして生産地等の値段を安くし、消費地である大都市に關しましては値段を高くする。こういうことが私は
適當でなかろうかと
考えるわけでございますが、この點について
安本長官の御
意見を承
つてみたいと
考えます。