運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1947-10-06 第1回国会 衆議院 本会議 第41号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十二年十月六日(月曜日) 午後四時五十一分
開議
—————————————
議事日程
第四十号
昭和
二十二年十月六日(月曜日) 午後一時
開議
第一
刑法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) —————————————
松岡駒吉
1
○
議長
(
松岡駒吉
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
第一
刑法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
松岡駒吉
2
○
議長
(
松岡駒吉
君)
日程
第一、
刑法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
司法委員長松永義雄
君。 〔
松永義雄
君
登壇
〕
松永義雄
3
○
松永義雄
君 ただいま
議題
と相なりました
刑法
の一部を改正する
法律案
について、
司法委員会
における
審議
の
経過
並びに結果の概要を御
報告
申し上げます。 まず
政府原案
の
要旨
について御
説明
申し上げます。今回の
刑法改正
の
範囲
は、新
憲法
に伴う
最小限度
に止めたもので、全国的再檢討は今後の
改正事業
に讓
つて
おります。
本案
の要点を、次に列挙いたします。第一に、
皇室
に対する罪を削除したこと。第二に、戰爭の放棄に伴い
外患罪
の
規定
を削除または改正したこと。第三に、
國交
に関する罪において、
外國君主
または
外交使節
に対する
保護
を
廃止
したこと。第四に、
人権侵害
に鑑み、
暴行罪等
の罪を重くしたこと。第五に、
姦通罪
を
廃止
したこと。第六に、
名誉毀損
の場合に、共公の利害に関し公益の
目的
に出ずるものは、事実証明があれば罰しないこと等であります。第七に、なお
刑事政策
の
観点
から、刑の
執行猶予
の
範囲
を
廣くし
、かつ
前科抹消
の途を開き、また第八に、
刑事手続
の
観点
から、
連続犯
、
累犯加重
を
廃止
し、
犯人藏匿及び証憑湮滅
の罪は、親族の場合であ
つて
も処罰できることといたした等であります。以上が、
政府原案
の
要旨
であります。
本案
は、わが
國治安
の根本を定め、刑政の基準を定める
重大内容
をも
つて
いますので、
委員会
においても、これに即應する態勢をとつたのであります。すなわち、去る七月九
日本委員会
に付託さるるや、各
委員
は下調査の後、同月二十六日
政府
より
提案理由
の
説明
を聽き、同月三十一日
質疑
に入り、回を重ねますこと前後十二回、
懇談協議
もまた十数回の多きに及んでおります。この
期間
内に、
発言者
は
委員
のほとんど全部でありまして、いずれも熱心に
質問
し、
意見
を陳述せられたのであります。なお、
委員外
の
質問
及び
意見開陳
といたしましては、
外務委員長
が、
外國元首
及び
外交使節
の
保護
について
意見
を述べられました。時あたかも盛夏三伏の候であり、
委員
の
審議
もまた熾烈を極めたので、
委員会
の論議は
舌端火
をはく感じがいたしたのであります。以下、
質疑應答
のおもなるものを御紹介申し上げます。まず第一に、何ゆえに
皇室
に対する罪を削除しなければならぬか、
民主主義國家
の完成と、
皇室
に対する罪の存否とは、何の関係もないのではないか、
皇室
に対する罪を削除したのは、世界各國に対する無用の遠慮からではないのかという
質疑
がありました。これに対し
政府
は、
國民
はすべて法の前に平等である、
天皇
は
日本國
の
象徴たる
の特別の
地位
をも
つて
おられるが、他面において、一
般國民
の中に生きられ、
國民
とともに渾然として一体をなしておられるのであるから、その限りにおいて、
天皇
に対し特別に法上異なつた
取扱い
をなすことは新
憲法
の
精神
、
趣旨
に合致しないということであります。 第二に、
皇室
に対する罪を削除したために、
皇室
に対する
刑法
上の
保護
において欠けるところがないか、もしあるとすれば、わが
國民
の
傳統的尊敬
の感情からい
つて
、ゆゆしき大事である、この点はどうかという
質疑
に対しまして、
政府
は、
皇室
に対する
規定
を削除しても、
天皇
及び
皇室
に対するわが
國民
の尊敬は牢固として動かない、
天皇
が
憲法
上特別の
地位
にあられる場合を除いて、
天皇
はみずから
國民
の中に生きられ、
國民
の中に渾然として一体をなしておられるから、原則的には
國民
と違つた特別の
刑法
上の
取扱い
をしなくても、
皇室
に対する
保護規定
において欠けるところがないと思うという
答弁
がありました。 第三に、
天皇
に対し
名誉毀損
があつた場合に、
内閣総理大臣
が代
つて告訴
をなすとあるが、その
告訴
はいかなる性質のものかという
質疑
がなされたのであります。この点につきましては、
法理論
として熱心な
意見
が開陳せられましたが、結局
政府
の
答弁
は、次のように要約することができます。すなわち、
天皇
御一身の個人たる
地位
を含めての
日本國
の
象徴たる
特別の
地位
について
名誉毀損
があつたときに、
総理大臣
は、
天皇
に代
つて告訴
するのである、
皇族方
は
天皇
の御一家として、
象徴
から演繹して
保護
を受けらるべき方方である、しかして、
天皇
の
象徴たる
地位
は、
國家法益
に属するものであるにかかわらず、特別の
規定
を設けないので、
國民一般
の
個人法益
に属する
名誉毀損罪
の中に、
天皇
に対する
名誉毀損
とその
告訴
とが
規定
されているのは、
天皇
の
地位
について深い味いの存するところである、このような
答弁
がありました。 なお、右の
質問
に関連して、
総理大臣
が
告訴
を
政治的目的
に利用して、これがために
皇室
に累を及ぼすおそれがないかとの
質問
がありましたが、これに対して
政府委員
より、
天皇
の
名誉毀損罪
をも
つて
非
親告罪
とする考えもあつたけれども、
名誉毀損
はこれを
親告罪
とすべき
歴史的傳統
があり、
天皇
の
名誉毀損
も、またこの例外をなすものではない、この
規定
にして一歩を誤れば、
天皇
に
責任
が及ぶ事態に立至らぬとも限らぬということに各方面の
意見
が一致した、一たび
総理大臣
が
告訴
した以上は、その
告訴
が
刑法
上の必要なる
行爲
であるか、あるいは
政治的目的
に利用されたという批判が起きるであろう、そのときは、その
告訴
の
責任
をあげてその
総理大臣
に帰せしめたらよい、それが
天皇
に
刑事責任
がないゆえんでもあるとの
答弁
でありました。 第四に、
外國君主
や
外交使節
に対し
保護規定
を削除したのは、いかなる
理由
であるか、この削除は、
國際
間の
友誼礼讓
にもとるだけでなく、新
憲法
に違反するのではないかという
質疑
がありました。これは
外務委員長
及び本
委員会
の多くの
方々
から
意見
のありましたところでありますが、これに対しては、
政府委員
より次のような
答弁
がありました。すなわち、
外國君主
や
外交使節
に対し
保護規定
を設けるべきか否かについて
意見
のわかれるところは、君主や
使節
に対する
治外法権
上の
不可侵権
の表現の方式でありまして、
國際法規
の要求が、
國内法
において
外交使節等
に対し一
般國民
の
刑罰規定
以上の
刑罰規定
を設けなければならないというところにあるとは思われないのであります。
本案
においては、
外交使節
に対する既存の
保護規定
を削除しているが、暴行、脅迫及び
名誉毀損罪
につき罪を重くしていることによ
つて
、
外交使節等
をも十分に
保護
することができるので、
治外法権
の
目的
は達成される。
從つて
、
憲法違反
の問題はまつたく起り得ないと考える旨の
答弁
でありました。 第五に、
姦通罪
の
廃止
について、
姦通
を
犯罪
としないということによ
つて惡影響
はないか。さらに一方に
姦通罪
を
廃止
し、他方に
猥褻罪
の刑の
引上げ
をはかるのは矛盾ではないかという
質疑
があつたのですが、これに対する
政府
の
答弁
は、大体次のような
趣旨
でございます。すなわち、
姦通罪廃止
の
理由
は、一言にすれば、
姦通
を
犯罪
として
刑罰
を科しても、
姦通
という事実を防止できる自信をもてないことにある、
姦通
は
刑罰
を科して取締るよりも、
家庭的道義
と
社会的風潮
による制裁によ
つて
防止する方がよくはないか、
法律
上は、民法上の
離婚原因
とするだけで必要かつ十分であろうというのであります。なお
猥褻罪
については、近時の出版自由の行き過ぎのため、
風俗壞乱
のものも少くないから、その是正のため公然
猥褻罪
の刑を
引上げ
たのであ
つて
、
姦通罪廃止
との間に矛盾はないと思う旨の
答弁
でございました。もつとも
姦通罪
については、本
委員会
においても一部に
姦通男女
両罰論があつたのですが、その
要旨
は、
姦通罪
が天下晴れての放任された
行爲
とな
つて
は困る、
姦通
が
犯罪
なりとすれば、それが赤信号とな
つて
、これを防止することができる、殊に
終戰後
、夫のいない者が飢えにく泣子供を擁しているとき、
姦通
の増加は急激であろうと推定される、
從つて
、今日ただちに
姦通罪
の
廃止
は時期を得たものではないから、せめてその刑を軽くし、
告訴権
の濫用はあ
つて
も、
姦通男女
両罰を
刑法
に
規定
し、も
つて
男女風教
上の大義名分を明らかにせよというにあります。 第六に、
名誉毀損
に関する改正について、特に公選による
議員候補者
に対する
名誉毀損罪
は罰しないものとすれば、
選挙妨害
が殖えるおそれがあり、また他の
公務員
とのつり合いがとれないのではないかとの
質疑
がなされましたが、
政府
よりこれに対し、
議員候補者
は、みずから宣言して公衆の面前に立ち、
政治活動
をなさんとするものであるから、いかなる批判にも耐え、いかなる動機の
反対
にも疏明できることが望ましい、その他の
公務員
は、
公務員法等
により嚴重な
審査
を受けるし、やましいことがあれば、この
規定
の適用を受ける、また裁判官については彈劾法があるから、その間均衡を失するとは思わぬとのことでありました。 なお他に、
外患罪
、
國外犯
、親族の
犯人藏匿
、
証憑湮滅
、業務上の致死、
猥褻文書
、宗教上の自由、前科の抹消、
單純侮辱
、
連続犯
及び
累犯加重等
についても、諸般の
観点
より熱心詳細に
質疑應答
が続けられ、すなわち貴重なる論議が展開されたのでありますが、ここには、おもなる点について御紹介申し上げた次第であります。 かくして愼重に
審議
を重ねてまいりましたところ、
各党
各
委員
の
本案
に対する
意見態度
もようやく確定の機運が熟し、遂に本月三日、まさに
審議
を開始いたしましてより二ヶ月余にして、
本案
に対する四つの
修正案
が提出せられ、それぞれ
提案者
の
説明
の後、
本案
に対する
討論採決
の
運びとなつたのであります
。以下順次、これら
修正案
及び各
修正案別
に行われました
討論
の
経過
について御
報告
申し上げることといたします。 第一の案は、
社会
、
民主
、自由、
國協
の
各党共同提案
にかかる
前科抹消
に対する
修正案
で、その
内容
は、
前科抹消
は、
罰金刑
以下の場合は五年間の
経過
で足りるというのであります。この
修正案
に対しては、
各党
より、それぞれ
委員
一名が党を代表して
賛成
の
意見
を述べられました。 第二の案は、
社会
、
民主
及び
國協
三党の
共同提案
になる
單純侮辱罪存置
の
修正案
であります。この
修正案
についても、また
各党
より、それぞれ
委員
一名が党を代表する
賛成
の
意見
を開陳せられたのであります。 第三の案は、
天皇
に対する誹毀または
侮辱
の罪を含む
自由党提案
のもので、この
修正案
の
内容
は、三つの條項より成
つて
おります。すなわち、「
皇室ニ對スル罪
」を「
天皇ニ對スル罪
」と改め、
天皇
に対し誹毀または
侮辱
の
行爲
があつたとき、三月以上五年以下の懲役に処す。
外國君主
、大統領または
外交使節
に対し、誹毀または
侮辱
の
行爲
があつたとき、処罰する等の
修正案
であります。この
修正案
については、
自由党委員
より、
天皇
を含む
國民平等論
を反駁し、さらに
憲法
の
精神
ならびに
國体観念
より論じ、
憲法審議
の際の
特別罪設置論
に言及して
説明
を行い、これに対し、同じく
自由党委員
は、
國民感情
に即した立法の
必要性
を説き、なお諸
外國
の
立法例
をも採用して、これに
賛成
の
意見
を述べられたのであります。これに対し、
社会党委員
が党を代表して、
ポツダム宣言受諾
の線に沿い、新
憲法
の
精神
に
則つて
これに
反対
し、
民主
党の
委員
また党を代表し、
國民感情
として
提案
の
趣旨
に同感であるが、諸般の事情より
反対
の
意見
を述べ、同じく
國民協同党
の
委員
より、党を代表して
反対意見
の開陳があつたのであります。 第四の案は、
姦通罪
の男女両罰の
規定
であ
つて
、
榊原委員
の提出にかかるものであります。その
要旨
は、すでに
質疑應答
の第五において御
説明
申し上げた通りでございます。
本案
についての
討論
は、
賛成
一名、
反対
三名でございます。 かくして、約二時間にわたり、
賛否交互
に延べ十九名の
委員
によ
つて
なされた
討論
は終局し、次いで採決の結果、
榊原委員
より
提案
の
姦通罪
に関する
修正案
及び
自由党提案
の
天皇
に対する誹毀または
侮辱
の罪を含む
修正案
の両案は、少数をも
つて
否決せられ、
社会
、
民主
、
國協
三党の
共同提案
にかかる
單純侮辱罪存置
に関する
修正案
及び
社会
、
民主
、自由及び
國協
の
各党共同提案
にかかる
前科抹消
に関する
修正案
は、いずれも
全会一致
をも
つて
提案
のごとく
修正
するに決し、この
修正
に決しました部分を除いて、他の部分については多数をも
つて
原案の通り決したのであります。 次いで、四日に至りまして、さらに本法案の附則について
修正
を必要とする点が認められましたので、
委員会
において
再議檢討
の結果、本法案の施行の期日は政令に委ねることを不適当とし、「公布の日から起算して二十日を
経過
した日」と明記することとなり、追加
修正
することに決し、
本案
は
修正
議決した次第であります。右、御
報告
申上げます。(
拍手
)
松岡駒吉
4
○
議長
(
松岡駒吉
君)
採決
いたします。
本案
の
委員長報告
は
修正
であります。
本案
は
委員長報告
の通り決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松岡駒吉
5
○
議長
(
松岡駒吉
君) 御
異議
なしと認めます。よ
つて本案
は
委員長報告
の通り決しました。(
拍手
)
————◇—————
貿易資金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
叶凸
6
○
叶凸
君
議事日程追加
の
緊急動議
を
提出
いたします。すなわちこの際、
内閣提出
、
貿易資金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
となし、
委員長
の
報告
を求め、その
審議
を進められんことを望みます。
松岡駒吉
7
○
議長
(
松岡駒吉
君) 叶君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松岡駒吉
8
○
議長
(
松岡駒吉
君) 御
異議
なしと認めます。よ
つて日程
は追加せられました。
貿易資金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。財政及び
金融委員長北村徳太郎
君。 ————————————
貿易資金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)に関する
報告書
〔都合により第四十六号の末尾に掲載〕 ———————————— 〔
北村徳太郎
君
登壇
〕
北村徳太郎
9
○
北村徳太郎
君 ただいま
議題
と相なりました
貿易資金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
委員会
においての
審査
の結果並びに
経過等
を概略申し上げたいと思います。 まず、本
改正案
の
要旨
とするところを
簡單
に申し述べますと、現在
貿易物資等
の買入及び賣拂等につきましては、
貿易資金特別会計法
第
二條
第一項に
規定
するいわゆる
自己資金
十億円と、同條第二項の
規定
によりまするいわゆる
借入資金
の五十億円との
合計額
、六十億円をも
つて
運営いたしておるのでありますが、
貿易再開等
に基きまして、その必要に應じ、
貿易資金
の
増額
、
資金
の
運用
に伴う損益の
処理等
につきましては、根本的に
改正
するの必要があるのでありまするが、これに関しましては、
追加予算
の
確定
をま
つて
措置
することとし、
本案
は、いわばそれまでの
期間
におきまする
暫定措置
と申すべきものでございます。 すなわち
貿易資金
は、八月末現在において、わずかに九億三千七百余万円を残すにすぎないのに、九月及び十月の両月中において、
輸出物資
の
買入等
に対する
所要資金
が約九十六億五千二百余万円であります。これに充て得る
資金
の
回收額
は、同
期間
における
輸入物資
の賣
拂代金等
約四十七億六千五百余万円にすぎない状況でありまして、約三十九億五千万円の
資金不足
を來すのであります。しかして、さしあたりの
措置
といたしまして、この
不足額
を調達する対策としては、
貿易資金特別会計法
第
二條
第二項の
借入金
によることを適当と認めらるるのでありまして、このため、同項に定
むる借入金
の
限度額
を
引上げ
る必要があるのでございますから、今回五十億円の
増額
をいたそうとする次第であります。
本案
は、去る九月二十
日本委員会
に付託されたのでございまするが、これは
商業委員会
とも関連するところがございますので、九月二十七日及び十月一日の二回にわたりまして、
商業委員会
との
連合審査会
を開きました。また本
委員会
といたしましては、数回にわたりまして、きわめて熱心なる
審議
が進められたのでございますが、
委員
と
政府側
との間に行われた
質疑應答
について、今その
要旨
をきわめて要約して申し上げますれば、まず
貿易
回轉
資金
及び
貿易資金特別会計法
による
資金支出
の
運用いかん
によ
つて
は、いわゆる
貿易インフレ
を惹起する懸念がないか、これに対する
方策いかん
というのに対し、
政府
は、この問題はきわめてデリケートであ
つて
、
爲替基準
の問題と関連しておるので
愼重
に考えており、
貿易
の
実情
に應じて、具体的に無理のないところへおちつかせるようにしたい、そうして大過なきを期したいという
答弁
がありました。 また次に、今般
保証スタンプ手形制度
を設けて、
將來優秀
なる
貿易品
を製造し得るものと認められました
中小企業者
に対し、
資金獲得
の途を新たに開いたことはまことに喜ばしいことであるが、この
制度
による
融資限度
はいかなる
範囲
まで考えておるか、また純然たる
輸出向き
と
確定
されておる
輸出品製造業者
に対しては、その
原料買付
と同時に特に
融資
の途を講ずる意思があるかどうかとの
質問
に対しましては、
政府
は、
從來スタンプ手形制度
によ
つて貿易資金
の
融通
をはか
つて
いたが、その
実施成績
を見ると、必ずしも最優先的に
融通
を受けがたいような
事情
が起
つて
きたので、最近
大藏省
とも相談の上で、
貿易廳
において
資金
の
融通
を必要とすることの證明をしたものについては、
復興金融金庫
において
資金
の
融通
をするという
制度
を実施することにした旨の
答弁
がありました。 さらに
委員
が、今後の
民間貿易
の見透しについて質しましたところ、
政府
より、
制限附民間貿易
が九月一日に開始せられてから九月二十五日までの
実情
は、契約の承認を
司令部
より受けたものが、
輸出金額
にして約九十万ドル、件数にして約七十数件であ
つて
、大したものではないが、これは今回の
民間貿易代表團
が大
部分アメリカ
の
方々
である
関係
上、
日本商品
が必ずしも
アメリカ
に向いていると言えないためであるが、
代表團
の
意見
によれば、現在の
日本商品
の品質及び價格の
点等
からして、必ずしも今すぐに
日本
で買いつける品物はないが、
將來日本
の
経済
が
正常状態
にもどり、かつまた
アメリカ向き
の
適格品
が生産せられる
見込み
が多分にあるので、そういう際における準備の途を講じておきたいという意向の
方々
もはなはだ多かつたのであるから、
日本
の
経済状態
の
正常化
と、また
アメリカ向き適格品
の
生産増加
に伴い、
將來輸出
は増大する
見込み
であるとの
答弁
がございました。 また、
食糧輸入資金
を
貿易資金
によ
つて
操作することは
適當
でないから、これをやめて他の方法をとるべきでないかとの
質問
に対しましては、
政府
は、現在のところやむを得ないが、
貿易資金
を
食糧輸入資金
に食われないように
方策
を講じたいとの
答弁
がございました。
爲替平衡資金設置
についての御
質問
につきましては、現在のところ、その時期には達していないとの
答弁
がございました。なお、この
貿易資金
は本年度内において
不足
することはないかとの
質問
に対しましては、
政府
は五十億ないし百億の
不足
が了想されるとの
答弁
がありました。これに関連いたしまして、
資金計画
について
種々議論
があつたのであります。そうして、この点につき十分なる
懇談
を遂げました結果、
本案
が当面の緊急必要に
應ずる措置
であるとの
政府
の意を諒といたしました。
本案
は、
貿易再開
の今日、焦眉の急を要するものと認めますがゆえに、特に各
委員
において
討論
を省略することに御同意があり、
採決
に入りまして、
全会一致
をも
つて
可決いたしたのであります。なお本
委員長
より、特に
政府
に対しまして、
政府
の
資金計画
が立ち次第なるべく速やかにこれを
報告
せらるることを要望いたしておいたのであります。以上、きわめて
簡單
でございますが、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
松岡駒吉
10
○
議長
(
松岡駒吉
君)
採決
いたします。
本案
は
委員長報告
の通り決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松岡駒吉
11
○
議長
(
松岡駒吉
君) 御
異議
なしと認めます。よ
つて本案
は
委員長報告
の通り可決いたしました。 これにて
議事日程
は議了いたしました。明七日は定刻より本
会議
を開きます。
議事日程
は公報をも
つて
通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十一分散会 ——
————◇—————
—