○辻田政府
委員 調査局の
所管事項についてお
説明を申し上げます。
調査局は昨年の十二月四日に設置されましたまだ新しい局でございますので、多少事務分擔につきましても、御
説明申し上げておいた方が、いいのではないかと思うのであります。
調査局は終戦後、教育の全般にわたりまして、刷新改善を加えなければならないということになりまして、各
文部省の局におきまして、それぞれ刷新改善の策を
考えて研究しておられるのでありますが、それを調整連絡いたしまして、
適當に運営するようにも
つていくということが一つの目的であります。なお次には、終戦後諸般の情勢から
考えまして、いろいろな教育施策をなします場合に、科學的にいろいろなデーターを集めて、その上に政策その他が立案されなければならない状況でありますので、従來の単に勘によるというふうなやり方でなしに、計数なり、あるいは各諸國の立法例というようなものを十分研究した上で、教育刷新のことについても當るというふうにいたしますために、この二つのために、
調査局というのが終戦後新しくできたのでございます。
従つて調査局には現在三つの課がございます。すなわち調査課、統計課、審議課ということにな
つております。調査課は内外の教育制度とかあるいは教育界の動きとか、あるいは教育に關するいろいろな諸般の情勢を調査研究することを、主たる目的とする所でございます。統計課におきましては、調査の主として計数的な面を受け持ちまして諸般の動きを察知する。それからまたいろいろ計畫作案する場合において、重要な資料を提供するというふうな目的をも
つております。審議課は教育刷新の全般に關する連絡調整に當るのでありまして、特に教育刷新
委員會等につきましては、その事務局的な性格をも
つておりまして、そのおせわをするというふうにな
つております。なお審議課におきましては、この連絡調整ということ以外に、各局にわたる事項であ
つて、しかも根本的な事項につきましては、ここで直接に作案して、これを
實施まで運んでいくという
仕事をも
つております。たとえば、教育基本法とい
つた法律、この前の議會で通過になりましたが、これにつきましては、審議課を中心にして
考えられたのでございます。
以上は大體
調査局の大綱でありますが、現在や
つております事項、また将來といいますか、現在計畫中の事項等につきまして、少し詳しく、時間の許す限りにおいて申し上げますと、調査課においては、先ほど申しましたように内外教育に關する調査についてや
つておりますが、いろいろ研究の結果は、毎月一囘、世界教育の動きという冊子にいたしまして
關係の方々にお配りしております。また國内の問題につきましては、國内の教育のいろんな論調を編修いたしまして、教育論調という題目のもとに、これを毎月一囘發行して教育の動きをお知らせすることにしております。なおいろいろな教育
關係の資料を、お手もとにお配りしております表によ
つておわかりでございますが、終戦後いろいろ研究いたしました結果は、それぞれこれを調査資料といたしまして、その都度發行して
關係筋にお配りしておるのでございます。なお単に文書によ
つてのみ調査するのではありませんので、調査課におきましては、一定の地域を特別の調査區域にいたしまして、そこで教育の實態調査というふうなことについても、努力しておるのでありまして、現在におきましては、秋田、千葉、岐阜、兵庫、この四つの縣を對象として、それぞれ教員の状況の調査を具體的に進めております。なお外國から最近歸
つた人、あるいは外國の
事情に精通しておるような方々に毎月來ていただきまして、その人々から向うの
事情を聴くということもや
つております。
次に統計課でありますが、これはさつき申しましたように、調査のうちの計数に關する面を受け持
つておるのでありまして、すなわち統計に關する企畫連絡、あるいは調整編纂ろいうふうなことを掌
つておるのでありますが、いまさら申し上げるまでもないことでありますが、戦後特に統計の重要性ということが強く叫ばれまして、内閣におきましても統計
委員會ができまた統計法が施行され、統計というものが従來軽く扱われておりましたのを非常に遺憾として、この面の充實を期するようにな
つているのでありまして、今後われわれといたしましては、一層機構も充實し、内容もりつぱにしまして、迅速に正確な資料を提供するというふうにして、それぞれ各種の御参考に資したいと思
つておる次第であります。現在
實施しておりますものとしては、明治六年から
文部省の年報というものがありますが、これは
相當厖大なものでありまして、今日まで續いておるわけでありますが、こえも戦時中
用紙不足とか、あるいは材料の蒐集の困難等によ
つて、若干遅延しておる傾向がありますので、それを取返すことに力を注いでおります。そしてできるだけアツプ・ツーデイトな資料を提供するということに力を注いでおるつもりであります。なおこの
文部省の年報がアツプ・ツーデイトなものにな
つてしまえば結構でありますが、その前提といたしましては、やはり統計の新しいものを早く知りたいという要求もずいぶんありまするし、われわれとしてもその必要を感じまするので、文部統計速報というものをつくりまして、これを各方面にお配りして、いろいろなことを計畫される上の参考に資するようにしておる次第であります。その他統計に關しては、われわれとしましては學校あるいは學校内部の先生と生徒の正確な計数をいつもしつかりと握
つている、あるいはその動きを常に監視して、よく調べておくといよようなことか、あるいは教育行政に
關係ある人々の状況も、常に計数的に調べておくというようなことも必要でありますので、その方面についても、目下調査を進めておるわけであります。
次に審議課でございますが、審議課は、ただいまも申しましたように、教育刷新という大事業を各局で分擔してや
つておりまするが、それの連絡調整をすることと、一方にはそれ自體で全般に
關係すること、あるいはその根本的なものはここ自身で作業しておるわけであります。教育刷新
委員會の内容につきましては、お手もとに教育刷新
委員會の管制とか、あるいは現在の
委員の方の名簿とか、あるいはその他建議されました事項について資料をお配りしてありますから、それによ
つてごらんを願いたいのでありまするが、昨年の九月に開始されまして以來、今日まで三十九囘の総囘をやりまして、その間特別
委員會は毎週数囘やりまして、逐次お手もとに配りましたような各種の根本的な刷新についての建議をされたのであります。今後刷新
委員會はどうなるかということについて、いろいろ御
質問等もなさる方があるのでありますが、今後社會教育とか、あるいは文化行政とい
つた面について十分研究し、また建議されるように承
つておりまして、この教育刷新
委員會は教育刷新の上において
相當大きな役割を勤めておるのだと確信するのであります。なお現在特に審議課を中心として研究しておりまする法案は、
地方教育行政の改善に關しまする
地方教育
委員會法案、あるいはまた公務員との關連において教員身分法案、また學校教員法案とい
つたようなものを、私の方で研究を進めておりまするが、それらにつきましては、目下それぞれ
關係筋と
話合いの最中であります。
以上はなはだ簡単でありますが、時間の
關係もありますので、
調査局の所管等に關しまする概要を御
説明申し上げた次第であります。