○野原
委員 それでは
請願の
要旨を申し上げます。
まず
請願二〇號でありますが、これは
岩手縣
岩手郡巻堀村の
灌漑用水工事にセメントをいただきたいという
請願であります。これは松尾鑛山という鑛山から毎年非常な毒水が出てまいりまして、この一帶約三百
町歩が毒水のためにほとんど
耕地が全滅に瀕しています。これに對しまして、かねがねこの囘復に當りたいというので、松川というところからきれいな水を引つぱつてまいるということについて、村民あげてその
工事を急いでおるわけでありますが、セメントがないために何ともすることができないということでありまして、このセメントの特配を御心配願いたい、こういう
請願でございます。これに對しまして適當にこの
請願の趣旨を貫徹できますよう御高配願いたいと思います。
次は
日程四一號であります。
農地調整法及び
自作農創設特別措置法改正に關する
請願でありまして、これは非常に長い内容をもつておりますのですが、これを一々内容に觸れますことは時間が許しませんので、要約して申し上げます。この
請願は先に通過しました
改正農地調整法及び
自作農創設特別措置法の内容は、地主というものに對しまして、非常に壓迫を加えておるような法案であり、地主の私有財産權を認めないというような傾向が多分に認められるという點からして、
農地の買上價格を適正にしていただきたいとか、あるいはまた小作料というものを適正にしてもらいたい。あるいはまた
農地買上代金等を現金をもつて拂つてもらいたい。あるいはまた
農地委員數を小作、地主、各同數にしてもらうとかいうような點を特に
請願しております。なお開墾適地の選定を計畫的に公正にやつてもらいたい、いやしくも開墾に名をかりて林地などが不法に解放を迫られるという事態のないようにというようなことの内容の
請願であります。このことはいわゆる地主側の今度のこうした
農地調整法及び
自作農創設特別措置法というものに對する考え方の中に、いろいろと檢討を加うべきものがあると存じますが、この
請願の趣意はきわめて今日重要な問題でございますので、愼重にお取上げを願つて、いしくも私有財産權の否定ということは絶對ない、安心して堅實な農村をつくるための
措置に出られるようにお願いしたいのであります。
第三は
日程八三號の
請願でありまして、一戸、伊保内間の林道開設の
請願になつておりますが、これは
岩手縣の九戸郡特に伊保内村、小輕米村、江刺家村、戸田村、山形村この五箇村は非常に不便な地帶であつて、日本のチベツトともいわれているような所でございます。この地帶は山嶽重疊となつておりまして、非常な
木炭の産地であり、この地帶だけでも一箇年に二百九十萬俵の
木炭が出ており、
岩手縣においても一番大きな
木炭の
生産地でありますが、非常に交通が不便でありまして、この地帶から
生産されます
木炭なり、各種の豐富な林産物は、一々久慈港に出まして、久慈から八戸まで迂囘してそして東北本線によつて出てくる。その間非常に長い距離を要しますし、また非常に雪が多いので、この地帶の林産物は冬季になりますと、需要地に對する輸送がほとんど不可能であるという状態になつているのでありまして、先般もこの産地の實地視察に國會からまいられて、いろいろと現状の御視察を願つたような次第でありますが、この伊保内から東北本線の一戸町に通ずる最短距離の林道を開設されたい。ただいま北福岡に通ずるところの縣道がございますが、この途中は非常に勾配が急でありまして、ほとんどトラツクが通つておりません。從つて今日の時世におきましては、まつたくその效果を發揮しておりませんので、この林道の開設を願いまして、國内屈指の大資源であり、大實庫であるところの、この地帶一帶の林産資源の開發をいたしたいというのが、この
請願の趣旨であります。
第四番目としまして
岩手山山麓開發に關する
請願でありますが、この
請願は先ほど午前中に申し上げました、
請願すなわち
日程第一五號の
請願の問題と重複をしておりますので、説明を省略いたします。
第五番目としまして
岩手縣木材林産
組合に
災害復舊費國庫補助の
請願というのが出ております。これは本年の水害によりまして特に林産物
生産上の被害がきわめて重大でございます。
岩手縣は申すまでもなく日本一の
木材縣、林産縣でございまして、今囘の水害によりまして、ほとんど完膚なきまでに林産資源地帶が破壊されましたので、これをやつておりますのはもつぱら
木材林産
組合がその
生産の責任を負つて、その供出に努力してまいつているのでありますが、この
組合に對しましての補助というふうなものは、今まで何ら行われていない。從つてこうした
組合を健全に育成し、そして
木炭生産需給の圓滑をはかるためにも、こうした
組合に對しまして資金の融通であるとか、あるいはまたその復舊に對する補助いうふうなものをお考えを願いたいというのが、この
請願の
要旨でございます。
以上をもちましてこの五件を一括
請願したわけでありまするが、何とぞ本
委員會において愼重御
審議の上採擇されんことをお願いいたします。