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1947-12-07 第1回国会 衆議院 農林委員会 第60号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十二年十二月七日(日曜日) 午前十一時三十分開議
出席委員
委員長 野溝 勝君 理事 大島 義晴君 理事 鈴木 強平君 理事
寺島隆太郎
君 理事 岩本 信行君 理事 森 幸太郎君 理事 萩原 壽雄君 理事 北 二郎君 黒田 寿男君 佐竹 新市君 田中 健吉君
成瀬喜五郎
君 野上 健次君
細野三千雄
君 松澤 一君 水野 實郎君
小野瀬忠兵衞
君 小林 運美君
佐々木秀世
君
志賀健次郎
君 関根 久藏君 圖司 安正君 寺本 齋君 中垣 國男君 中島 茂喜君 堀川 恭平君 八木 一郎君 大石 倫治君
小川原政信
君 佐瀬 昌三君 重富 卓君
田口助太郎
君 野原 正勝君 益谷 秀次君 松野 頼三君 梁井 淳二君 山村新治郎君
中村元治郎
君
出席政府委員
農林政務次官
井上 良次君 農 林 次 官
笹山茂太郎
君
農林事務官
山添 利作君
農林事務官
三堀 參郎君
食糧管理局長官
片柳 眞吉君
農林事務官
山根 東明君 委員外の出席者 議員 山崎 道子君 議員
松原喜之次
君 議員 稻田 直道君 議員
大石ヨシエ
君 議員
井出一太郎
君 議員 大内 一郎君 議員 川合 彰武君 議員 田中織之進君
專門調査員
片山 徳次君 ————————————— 本日の會議に付した事件
食糧管理法
の一部を改正する法律案(内閣提 出)(第一三八號) 一
北海道開拓者
の保護に關する請願(坂東幸 太郎君紹介)(第一九號) 二
北海道開拓者
の保護に關する請願(飯田義 茂君紹介)(第八二號) 三
霧島山麓
に
國立開拓研究所設置
の請願(的
場金右衞門
君紹介)(第二一號) 四 浪逆
浦干拓事業地区告示竝びに關係地主
に
損害補償
の請願外二件(
小野瀬忠兵衞
君紹 介)(第二九八號) 五
八郎潟干拓調査竝びに工事促進
に關する請 願(
石田博英
君紹介)(第三一三號) 六 大山村における
開墾事業
計畫中止の請願(
大内一郎
君紹介)(第四一一號) 七
開拓資金融通増額
その他に關する請願(今 村忠助君紹介)(第四五五號) 八 北海道における
開拓事業
その他に關する請 願(野溝勝君紹介)(第五八〇號) 九
天北原野開發
その他に關する請願(坂東幸 太郎君紹介)(第七四五號) 一〇
避難沿岩干拓事業促進
の請願(野溝勝君紹 介)(第七四八號) 一一
砂沼西岸
の
開田計畫中止
その他に關する請 願(
鈴木明良
君紹介)(第八三二號) 一二
大浦潟干拓工事施行
の請願(
的場金右衞門
君紹介)(第八一八號) 一三
鳥取種畜牧場
を擴張して
大山牧場
を開設す る請願(
稻田直道
君外二名紹介)(第一一 九五號) 一四 愛知縣の
土地改良事業斷續施行
の請願(河 野金昇君紹介)(第一二〇一號) 一五
岸手山麓
の
開拓竝びに岩手種畜牧場擴充
の 請願(
志賀健次郎
君外七名紹介)(第一二 六六號) 一六
治山施設
の
確立實施
に關する請願(鈴木強 平君外二十名紹介)(第一三二五號) 一七
愛知縣豊川沿岸農業水利事業國庫助成
に關 する請願(
八木一郎
君紹介)(第一四六 號) 一八 岩手における三
農業用水改良事業國營
の請 願(
高田弥市
君外四名紹介)(第二二八 號) 一九
農業用水電力使用者
に
補助金交付
の請願(
山口好一
君紹介)(第二五一號) 二〇
灌漑用水
に
セメント特配
の請願(
山本猛夫
君紹介)(第五八號) 二一 古
馬牧村外三箇
村に
灌漑用水路
築
設助成金
の請願(
生方大吉
君紹介)(第三四八號) 二二 吹上村の
農業用水電力費國庫
負擔の請願(
山口好一
君紹介)(第四九二號) 二三
大池用水改良工事促進
の請願(
西村榮一
君 外二名紹介)(第八一三號) 二四
結城用水改良工事費國庫補助
の請願(鈴木 明良君紹介)(第八三四號) 二五
淀川右岸用排水改良費國庫補助
の請願(松
原喜之次
君紹介)(第一一九三號) 二六
茶業振興
に關する請願(
的場金右衞門
君外 一名紹介)(第三九號) 二七 昭和二十二年度産
内需茶凍結解除
の請願(
的場金右衞門
君紹介)(第四二號) 二八 都城市に
國立茶業試驗場設置
の請願(川越 博君紹介)(第六八號) 二九
鹿兒島縣
に
國立茶業試驗場支場設置
の請願 (
的場金右衞門
君紹介)(第八三五號) 三〇 木炭の
生産者價格引
上に關する請願(庄司 一郎君紹介)(第一二號) 三一 建部山
官有林拂下
に關する請願(
大石ヨシ
エ君紹介)(第六〇號) 三二 製炭の
隘路打開
に關する請願(
淺利三朗
君 外四名紹介)(第二〇三號) 三三
倶知安子町外
二十一町村を
札幌營林局管轄
に移管の請願(
小川原政信
君紹介)(第二 二九號) 三四
下駄用木材
割當増加の請願(
細川八十八
君 紹介)(第三七三號) 三五 生産地における
木炭消費者價格改定
の請願 (
庄司一郎
君紹介)(第五一六號) 三六 木炭の
生産施設水害復舊費國庫
負擔その他 に關する請願(
根本龍太郎
君紹介)(第五 五四號) 三七
八名村地内御料地拂下
の請願(
中野四郎
君 紹介)(第一二一四號) 三八 北海道産
木材公定價格引下
反對の請願(佐 々木秀世君紹介)(第一二五四號) 三九 木材割當の品目中に「割當」追加の請願(
坂東幸太郎
君紹介)(第一二五五號) 四〇
農地委員會經費國庫補助増額
の請願(神山 榮一君紹介)(第七二號) 四一
農地調整法
及び
自作農創設特別措置法改正
に關する請願(
山本猛夫
君紹介)(第一二 二號) 四二 學校及び郵便局の職員に耕地貸與又は耕作 權付與の請願(
石田一松
君紹介)(第二二 一號) 四三
農地委員會經費國庫
負擔の請願(
佐々木更
三君紹介)(第三三三號) 四四 伊東市地域における
農地改革促進
の請願(
勝間田清一
君紹介)(第五六六號) 四五
農地調整法
の一部を改正する請願(林大作 君紹介)(第六七六號) 四六
海外引揚者帰農助成金
に關する請願(黒岩 重治君紹介)(第七二〇號) 四七 北海道の
牧草地確保
に關する請願(正木清 君紹介)(第七五一號) 四八
熱海地域
を農地法より除外の請願(神田博 君外十一名紹介)(第 八六六號) 四九 別府市に對する
自作農創設特別措置法
の實 施延期に關する請願(
松原一彦
君外四名紹 介)(第八五四號) 五〇 農地法の改正並びに農地の代
償價格改訂
の 請願(
渡邊良夫
君紹介)(第一二二一號) 五一
自作農創設特別措措置法
の一部を改正する 法律案の修正に關する請願(前田榮之助君 紹介)(第一三二三號) 五二 繭の増産に關する請願(
大澤嘉平
君紹介) (第一二九三號) 五三 狩猟法の一部を改正する請願(
千賀康治
君 外七名紹介)(第六〇九號) 五四
農業協同組合
に關する請願(
中村元治郎
君 紹介)(第七二五號)變更五五
絲價安定
機關設置關する請願(野溝勝君紹介)(第 七四七號) 五六 山口縣の
旱害對策
に關する請願(野溝勝君 紹介)(第七七二號) 五七 新鶴村に
藥用人蔘試驗場設置
の請願(第二 四三號) 五八
十勝種畜牧場開放
の請願(北二郎君紹介) (第三四五號) 五九
農業保險制度確立
の請願(
小澤佐重喜
君紹 介)(第四六七號) 六〇 高松市に
公認競馬場設置
の請願(
福田繁芳
君紹介)(第八〇一號) 六一
砂防行政
を農林省に
一元移管
の請願(鈴木 強平君外一名紹介)(第八九一號) 六二
十勝種畜牧場開放
の請願(
高倉定助
君紹 介)(第一二五六號) 六三
北海道農業試險場畜産部復興助成
の請願(
小川原政信
君紹介)(第九八八號) 六四
農業協同組合法
第九條第三項の改正に關す る請願(
佐々木秀世
君紹介)(第一一〇〇 號) 六五
養蠶業復興助成
の請願(
鈴木明良
君外二名 紹介)(第一一二七號) 六六
和歌山縣
の
旱害應急對策費國庫補助
の請願 (
世耕弘一
君外二名紹介)(第一一九一 號) 六七 奈良縣の
旱害應急對策費國庫補助
の請願(
中村元治郎
君外四名紹介)(第一一八七 號) 六八 大阪府の
旱害應急對策費國庫補助
の請願(
平島良一
君外一名紹介)(第一一八八號) 六九 岐阜縣の
旱害應急對策費國庫補助
の請願(
大野伴睦
君外二名紹介)(第一一九七號) 七〇 京都府の
旱害應急對策費國庫補助
の請願(
平島良一
君外二名紹介)(第一一九八號) 七一三重縣の
旱害應急對策費國庫補助
の請願(平 島良一君外一名紹介)(第一一九九號) 七二 愛知縣の
旱害應急對策費國庫補助
の請願(
河野金昇
君紹介)(第一二〇三號) 七三
家畜衞生施設
の
擴充竝びに家畜技術員
の待 遇改善に關する請願(
小川原政信
君紹介) (第一二二五號) 七四
公團式食糧配給統制
反對に關する請願(中 村又一君外四名紹介)(第一二七四號) 七五
主食代替
の
砂糖配給
に關する請願(岡野繁 藏君紹介)(第一三二二號) 七六 西八田村の
酪農經營助成
の請願(
大石ヨシ
エ君紹介)(第一二五三號) 七七 甲賀、
蒲生兩郡
の
旱害應急對策費國庫補助
の請願(今井耕君紹介)(第一二二六號) 七八
十勝種畜牧場開放
の請願(
高倉定助
君紹 介)(第第一二五六號) 七九
砂防行政
を農林省に
一元移管
の請願(生方 大吉君外二十一名紹介)(第一三二一號) 八〇
砂防行政
を農林省に
一元移管
の請願(中村
元治郎外
二名紹介)(第一三二八號) 八一
群馬縣下
の
森林治水竝びに災害防止林造成
事業擴充施行
の請願(
生方大吉外
一名紹 介)(第八九〇號) 八二 豊水村外六箇町村の
普通水利組合用水改良
工事斷續施行
の請願(
寺本齋君外
四名紹 介)(第九二九號) 八三一戸、
伊保内間林道開設
の請願(
山本猛夫
君 紹介)(第九六六號) 八四
適地開拓
計畫樹立の請願(
葉梨新五郎
君紹 介)(第九七四號) 八五
岩手山麓開發
に關する請願(
山本猛夫
君紹 介)(第一〇一九號) 八六 引揚者の
開拓入植助成
に關する請願(川合 彰武君紹介)(第一〇四七號) 八七 入間郡下の
民有林開拓
計畫中止の請願(山 口六郎次君紹介)(第一〇六八號) 八八 五十
澤村地内林道開設
の請願(
田中角榮
君 紹介)(第一一〇九號) 八九 伊勢崎市の農道及び
用排水路等災害復舊費
國庫補助
の請願(
鈴木強平
君外三名紹介) (第一一三六號) 九〇 入出村
内浦干拓工事施行
の請願(
川合彰武
君紹介)(第一一四七號) 九一 小倉市
曽根地先干拓工事施行
の請願(成重 光眞君紹介)(第一一五三號) 九二
植林用苗木無償配付
の請願(
葉梨新五郎
君 紹介)(第九七六號) 九三 北海道における
薪炭價格改訂
の請願(佐々 木秀世君紹介)(第一一六三號) 九四
岩手縣木材
産組合に
災害復舊費國庫補助
の 請願(
山本猛夫
君紹介)(第九二七號) 九五
農業保險制度確立
の請願(
大石倫治
君紹 介)(第一〇〇六號) 九六
農業災害補償制度確立
の請願(
大石倫治
君 紹介)(第一〇〇七號) 九七 木炭の
生産施設水害復舊費國庫補助
の請願 (
佐々木秀世
君紹介)(第一〇八六號) 九八
埼玉縣水害地域
内の農業會に
補助金交付
の 請願(
馬場秀夫
君外十一名紹介)(第一一 六號) 九九
農業生産
の調整及び
主要食糧
の
供出制度改
善に關する請願(野溝勝君紹介)(第九一 七號) 一〇〇
麦酒麦栽培奨勵
に關する請願(
的場金右
衞門君紹介)(第一〇二〇號) 一〇一
開墾開拓
と
治山治水
との調整に關する請 願(
秋田大助
君外一名紹介)(第一三七八 號) 一〇二 國有林の
地方移管
に關する請願(秋田大 助君外一名紹介)(第一三八〇號) 一〇三
地方競馬法
の一部を改正する請願(秋田 大助君外一名紹介)(第一三八二號) 一〇四
北海道アイヌ族所有農地
に對して農地法
適用除外
の請願(
三好竹勇
君紹介)(第一 三八三號) 一〇五
米單作地帯
に對する
農業生産調整法
の特 別措置に關する請願(野溝勝君紹介)(第 一三九四號) 一〇六
耕地事業
に關する請願(野溝勝君紹介) (第一三九五號) 一〇七
農業技術指導農場整備擴充
に關する請願 (野溝勝君紹介)(第一三九九號) 一〇八 民有林の
造林促進
に關する請願(猪俣浩 三君外一名紹介)(第一四一三號) 一〇九
土地改良事業費
の
全額國庫
負擔に關する 請願(
猪俣浩三
君外一名紹介)(第一四一 四號) 一一〇
勝尾寺川沿岸用水改良費國庫補助
の請願 (
松原喜之次
君外一名紹介)(第一四一八 號) 一一一 中込、
野邊山間林道開設
の請願(井出一 太郎君紹介)(第一四二三號) 一一二 北信五縣の
治山災害防止事業
の
擴充強化
に關する請願(亘四郎君外二名紹介)(第 一四二五號) 一一三
砂防行政
を農林省に
一元移管
の請願(森 幸太郎君紹介)(第一四二六號) 一一四 同(
早稻田柳右エ門
君紹介)(第一四二 七號) 一一五 住之江港に
干拓研究所設置
の請願(森直 次君外一名紹介)(第一四三六號) 一一六
薪炭緊急確保
に關する請願(
櫻内義雄
君 紹介)(第一四四〇號) 一一七 伊東市の農地に
自作農創設特別措置法
第 五條第四項の
規定適用
の請願(
小松勇次
君 紹介)(第一四四七號)一一八 新
安積緊急開拓費増額
の請願(原孝吉君 紹介)(第一四四八號) 一一九
男女群島開發
(
藤原繁太郎
君紹介)(第 一四五七號) 一二〇
砂防行政
を農林省に
一元移管
の請願(長
谷川俊一
君外八名紹介)(第一四六一號) 一二一 木津、
加茂兩町所
在
國有竹林拂下げ
の請 願(
坂東幸太郎
君紹介)(第一四七四號) 一二二
公團式食糧配給統制
反對に關する請願外 三件(野溝勝君紹介)(第一四七七號) 一二三
公團式食糧配給統制
反對に關する請願(
島村一郎
君外二名紹介)(第一四八三號) 一二四
田澤村地内官有林
一部拂下等の請願(田 中健吉君紹介)(第一四八七號) 一二五 硫安の
生産増額
に關する請願(今澄勇君 紹介)(第一四八八號) 一二六
砂防行政
を農林省に
一元移管
の請願(岡 田勢一君外四名紹介)(第一四九〇號) 一二七 同(
平井義一
君紹介)(第一四九五號) 一二八
有機質肥料
及びその
原料輸入
の請願(橋 本金一君紹介)(第一五〇一號) 一二九
農業技術指導員農場
に
國庫補助等
に關す る請願(
栗山長次郎
君紹介)(第一五〇二 號) 一三〇
農業會農業技術員
の
設置費國庫補助
の請 願(
後藤悦治
君紹介)(第一五〇八號) 一三一 農村に
報奨物資
を
無料配給
の請願(飯田 義茂君紹介)(第五〇號) 一三二 米の
生産者價格再檢討
の他に關する請願 (
神山榮一
君紹介)(第七一號) 一三三
麦類竝びに馬鈴薯
の豫相收穫高再調査の 請願(
庄司一郎紹介
)(第一九八號) 一三四
供出制度是正
の請願(
栗田英男
君紹介) (第四二五號) 一三五 早
堀甘藷買上價格即
時決定その他に關す る請願(
的場金右衞門
君紹介)(第五六三 號) 一三六 昭和二十二年度産
米買上價格
その他に關 する請願(野溝勝君紹介)(第五八三號) 一三七 米の多
收競技會設置
の請願(
廣川弘禪君
紹介)(第六二四號) 一三八
山口縣東南部地方
の
主食供出
割當輕減そ の他に關する請願(
受田新吉
君外四名紹 介)(第七二六號) 一三九
山形縣農業會技術員
の
待遇改善費國庫補
助の請願(
金野定吉
君外二名紹介)(第五 五號) 一四〇
農業會農業技術員
の
設置費國庫補助
の請 願(
志賀健次郎
君紹介)(第八五號) 一四一
農業技術員費國庫補助
に關する請願(坂
東幸太郎
君紹介)(第一四九號) 一四二
農業技術指導農場施設費増額
の請願(今 井耕君紹介)(第二五六號) 一四三
農業會農業技術員
の
設置費國庫補助
の 請願外二件(
山本猛夫
君紹介)(第四六六 號) 一四四
農業會農業技術員
の
設置費國庫補助
の請 願(
井谷正吉
君外四名紹介)(第六〇二 號) 一四五
農業技術指導農場整備擴充
に關する請願 (今井耕君外一名紹介)(第五八六號) 一四六
農業會農業技術員
の
設置費國庫補助
の請 願(
西村久之
君紹介)(第六一五號) 一四七
農業會農業技術員
の
設置費國庫補助
の請 願外四件(
佐々木盛雄
君紹介)(第七三三 號) 一四八 肥料の
配給是正
に關する請願(
庄司一郎
君紹介)(第一一號) 一四九 酒田市に
肥料工場設置
の請願(圖司安正 君外三名紹介)(第一五三號) 一五〇
間接肥料
大
陽菌販賣認可
の請願(野溝勝 君紹介)(第二八一號) 一五一 農作物の
榮養週期栽培
の
普及害施
に關す る請願外二件(野溝勝君紹介)(第三〇五 號) 一五二 農作物の
榮養週期栽培法
の
普及實施
に關 する請願外三件(野溝勝君紹介)(第四七 〇號) 一五三
肥料配給是正
の請願(
佐竹晴記
君紹介) (第四八一號) 一五四
澱粉等菓子原料品
の
配給機構改善
その他 に關する請願(
大石倫治
君紹介)(第四六 九號) 一五五 北海道の
甜菜糖業助成
の請願(永井勝次 郎君外三名紹介)(第四八四號) 一五六 青果物の
統制是正
に關する請願(本多市 郎君紹介)(第四九七號) 一五七
鹿兒島縣
産百合
根輸出取扱
その他に關す る請願(
的場金右衞門
君紹介)(第五六二 號) 一五八
三菱商事會社經營
の
澱粉工場
を幡羅村に 譲渡の請願(野溝勝君紹介)(第六二〇 號) 一五九 乳肉衞生行政を農林省に
一元移管
の請願 (五坪茂雄外一名紹介)(第八二三號) —————————————
野溝勝
1
○
野溝委員長
會議
を開きます。本日は
審議
の都合によりまして
請願
の
審議
を先に進めたいと思います。
日程
は便宜上變更して
紹介議員
の
出席
の方から先に進めることにいたします。
日程
第一より
日程
第二四までは
紹介議員
が見えませんからあとまわしにいたします。 —————————————
野溝勝
2
○
野溝委員長
日程
第二五、
淀川右岸用排水改良費國庫補助
の
請願
、
文書表
第一一九三號、
紹介委員松原喜之次
君。
松原喜之次
3
○
松原喜之次
君 この
請願
の
要旨
をきわめて
節單
に説明を申し上
げた
いと存じます。本
請願
は
淀川右岸
において九
箇町村
二千三百
町歩
の
耕地
に關する問題でありまして、從來
淀川
の
右岸
におきましては、
淀川
の數箇所によ
つて用水
を取入れておつたのでありますが、
淀川
の水位がその
工事
のできた當時よりも一メートル半ばかり下りましたものですから、現在ではもはやその用をなしにくくなつておりますので、これが
改良工事
を進めておるわけであります。昨年の十一月から本
工事
を進めたのでありまして、當初の
豫算
は四百五十
萬圓
をもつて始めたのでありますが、その後
物價工賃等
の高騰によりまして、それを改めて本年の七月に全工費千八百
萬圓
に増加いたし、そのうち本
年度
は八百三
萬圓
を計上いたしておるのであります。そうして九月末までにそのうちすでに四百六十五
萬圓
は支出濟によつておりまして、その
豫算
のうち殘り三百三十八
萬圓
は
來年
の三月までにこれを必要としておるのであります。
來年
の
植付
に間に合せるために、かつまたすでに
淀川
の
提防
に新しい
樋管
の
敷設工事
を始めておりますものですから、萬一
増水等
の場合に、
淀川
の
右岸
の
提防
に非常な
危險
がありまする等のことより、一日も早くこの
工事
を豫定通り
完成
しなければならないという
事情
に至つております。しかるに本
年度
の
豫算
八百三
萬圓
中百二十
萬圓
は、すでに第五次
土地改良事業費
から支出されることに決定いたしておりますが、その殘り六百八十三
萬圓
が未だにその
豫算
が決定いたしておらないのであります。初めもちろん
農林省當局
ともよく相談の上、
用排水事業費
としてこれを認められるという見透しの下に本
年度
の
豫算
を立てたわけでありますが、その後
事情
が變りまして、未だに決定されておらぬようなわけであります。そこでかれこれ考え合わせまして、先ほど申し上げました第五次
土地改良事業費
から出されまする百二十
萬圓
、そのほかさらに同じ第五次
土地改良事業費
より百五十三
萬圓
を出していただき、さらに同じ
大阪府下
の泉南郡の
大池用水改良事業費
の中から三十
萬圓
をこちらへまわしていただく。そういたしますと三百三
萬圓
が出てまいりますので、殘りの五百
萬圓
を
農林省
の
用排水事業
の
補助支拂額
として決定されたいというのが本
請願
の
要旨
でございます。何分にも二市九
箇町村
にわたるところの廣い面積の
來年度
以降の
生産
に關する問題でありまするし、さらに
淀川堤防
が現在
工事
中非常に
危險
の状態にありますので、早くこれを
完成
したいという點がその要點であります。よろしく御採擇のほどをお願いいたしたいと存じます。
野溝勝
4
○
野溝委員長
政府委員
の意見を求めます。
井上良次
5
○
井上政府委員
ただいまの御
請願
の趣旨につきましては、
農林當局
といたしましてはよく了解をいたしております。私存じの
通り大阪
は大
消費地
でございまして、府内産における
主要食糧
の
増産
に非常な力を
地元
でもいたしておりますので、特に今お述べになりました
淀川右岸
の
用排水
の
改良事業
は、
淀川北岸
の二千二百
町歩
に及ぶ厖大な灌漑をいたす
工事
でありまして、これが
完成
の暁には非常な
増收
を豫想されますし、かつまた二毛
田等
も開設されますので、この
工事
は
來年度
の
出水期
までに
完成
をするように、
地元
の
當局
とよく歩調を合わせて今やつておる次第であります。ただ
豫算關係
において、いろいろお話がございましたが、お示しのように大體向うから要求しております本
年度
八百
萬圓
のうちで、さしあたり第五次
土地改良事業費
、あるいはまた
大池
の
用排水改良事業費
の一部、さらにまた本年二千
萬圓
の
用排水追加豫算
のうちで約二百
萬圓
をこの方に振向けまして、それでなおかつどうしても足らぬ場合は、多少そこをやりくりをいたしまして、
絶對不足
であります百五六十
萬圓
は、一時
地元
で立替えていただきまして、
來年
の
豫算
にこれを計上して
完成
をしてもらうようにいたしたい。つまり
來年三月
ごろまでにはこの
工事
をぜひ
完成
するようにいたしたい、こういうつもりで本省もやつておりますからさよう御了承いただきたいと思います。
大島義晴
6
○
大島
(義)
委員
ただいま
松原喜之次
君の
紹介
によるこの
請願
は、きわめて必要な
施設
のように考えますので、本
委員會
においてこれを採擇し
内閣
にこの旨御送付あらんことを希望いたします。
野溝勝
7
○
野溝委員長
大島委員
の動議に異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
8
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
9
○
野溝委員長
次は
日程
三四、
下駄用木材
割
當増加
の
請願
、
文書表
三七三號、
細川八十八
君
紹介
。
堀川恭平
10
○
堀川委員
代つて説明いたします。
げた用木材
割當
に關する
請願
でありますが、
政府
の
割當
てた本
年度
の
げた用木材
の數量は五十一
萬石
であります。この程度の
割當
てをもつては、
國民
の
日常生活
に
不可缺
の
げた
の
必要量
を確保できないのみならず、
げた製
産者の
工場經營
を不可能とするものであるから、左記
事情
御賢察の上、年間
必要量
四百
萬石
の供給方について特別のお取計らいを願いたいのであります。その一つは
昭和
二十二
年度
げた
用として
政府
で
割當
てた數量は五十一
萬石
、一・四半期十二萬七千五百石の
割當
であるが、
げた
百足の
生産
に
木材
一石を要するから、
政府
割當
では近々五千百萬足分に過ぎないのであります。從つて乳幼兒を除く
げた
の使用者七千三百萬人に對して、一箇年一人當り〇・七足の供給量となり、
昭和
十九
年度
の供給量一箇年一人當りは一・〇五強の
木材
割當
七十六萬五千石に比べて三分の一の供給量となつておるのであります。これが
國民
の保健衞生上に及ぼす影響は決して少くないのであります。その二つは全國の
げた
工場總數は約二千五百工場に達していますが、
政府
の
割當
五十一
萬石
を平等に分配するとすれば、一工場當り一箇年二百四石の割合となるのであります。しかるに
げた
工場の
生産
能力は、規模最小の工場で年産十八萬足、日産六百足、一箇月操業二十五日、月産一萬五千足で、一箇年千八百石の
木材
が必要であるのであります。從つて
政府
の
割當
では僅かに一箇月餘の
生産
をさせるに過ぎないために、資材入手の關係上、爾餘の
げた
工場の經營はきわめて困難な状態となつておるのであります。かような意味でありますので、何とか今
年度
はこの
木材
の
割當
の増量をお願いいたしたいのであります。
野溝勝
11
○
野溝委員長
政府
の意見を求めます。
井上良次
12
○
井上政府委員
下駄用木材
の割
當増加
に關する
請願
につきましては、その御趣旨ごもつともと存じます。ただ御存じの通り、最近の
木材
生産
の状況から考えましても、第一は建築用材、それから薪炭等に重要な資材がとられております關係上、なかなか思うようにまいりません。しかし
國民
の保健衞生の上から、また經濟生活の安定の上から、この分はある程度確保せなければなりませんので、
政府
におきましても全體をうまく
調整
いたしまして、できるだけこの
割當
の確保に努力したいということで御了承いただきたいと思います。
大島義晴
13
○
大島
(義)
委員
ただいまの
下駄用木材
割
當増加
の
請願
も、
國民
生活の必需物資でありますので、きわめて重要な
請願
だと考えられますので、この際本
委員會
において採擇し、この旨
政府
に送達せられんことを希望いたします。
野溝勝
14
○
野溝委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
15
○
野溝委員長
ではさよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
16
○
野溝委員長
次は遡りまして
日程
一五、一八。
野原正勝
17
○野原
委員
岩手
山麓の
開拓竝びに岩手種畜牧場擴充
の
請願
でありますが、本
請願
の
要旨
は、
岩手
縣におきまして、
岩手
山の山麓一帶が開拓地としてきわめて適當な場所であり、あの地帶一帶を國營をもつて總合開發をいたしたいというのでありまして、現に各開拓の地帶はばらばらに分れて、すでに開拓に著手しておりますけれども、その間に一貫した方針もないような状態でありまして、開拓の成果ははなはだ心配にたえないのであります。どうしてもあの地帶としましては、總合的に全體を一つの構想をもつて行うところの國管開拓でなければ、この成果を期待しがたいと考えられますので、ここを國營をもつて開拓を行うような總合開發の計畫をもつて進んでいただきたい、こういう考え方であります。同時にまた現在國立の
農林省
の
岩手
種畜牧場がございますが、これもまた東北の、特に
岩手
縣としましては、今後の農業經營が立體的に畜産、いわゆる酪農を取入れての總合的な經營形體に移行されなければ、とうてい將來のあの地帶の農業は完全なものでないと考えますので、この
岩手
にありますところの種畜牧場を、そうした將來の立體農業、酪農經營というような面におきまして、もつともつとこれを強化していただいて、そうして
岩手
山麓一帶の大開發とともに、その畜産の事業を含めて、大きなここに新しい構想によるところの農業を行いたい、こういう目的であります。この
岩手
山麓の
開拓竝びに岩手種畜牧場擴充
の
請願
につきまして、何とぞ御
審議
の上、この
請願
の實現せられんことをひとえにお願いする次第であります。
野溝勝
18
○
野溝委員長
政府
の意見を求めます。
井上良次
19
○
井上政府委員
岩手
山麓の開發に關する
請願
につきまして、
政府
としての意見を申し上
げた
いと思います。本
地域
につきましては、さきに
岩手
縣より總合開發事業としての
調査
方を本省に依頼してまいりました。そこで本省といたしましては、總合開發の豫定
地域
としまして仙臺
農地
事務所の事業部と連絡をしまして、目下該地帶に對する
調査
を進めております。今後の見透しといたしましては、
昭和
二十三
年度
において、總合開發計畫費の
豫算
を要求いたしまして、さらに具體的に總合開發の計畫を樹立し、その後に國營
開墾事業
を行いまして、今の御
請願
の
要旨
に副うように進めてまいりたいつもりでありますから、さよう御了承願いたいと存じます。
野原正勝
20
○野原
委員
なお
請願
の
日程
第一八について、
岩手
縣におきます三農業用水の
改良事業
を國營に採擇を願いたいという問題なのでありますが、この農業利水は、今まで縣營事業あるいはまた
農地
開發營團等々でやつてまいつたのでありますが、この事業は、どうしましてもこの重要性に鑑みまして、國家的見地から國營でやつていかなければとうてい完全な成果を期待できないと考えられますので、この
請願
に及んだわけであります。これは葛丸川沿岸の用水
改良事業
と、西部稗和郡用水
改良事業
、それからもう一つは山王海農業水利
改良事業
、この三つの事業にわかれておるのでありまして、その葛丸川及び稗和郡の西部用水の事業は、その事業主體を
岩手
縣がやつておるのでありまして、この二つの事業とそれから山王海の事業は開發營團が事業主體としてやつてまいつておるわけであります。この開發營團のやつておりました事業は、今囘の開發營團の事業の國營化によりまして、國營になることと承知しておりますが、この
岩手
縣でやつておりますところの二つの事業は、これまたやはり國營でやつていただきたい、こう考えいるものであります。食糧
増産
は非常に今日の國家的見地からきわめて重大な問題でありまして、これを一日も速やかに完全に行うためには、どうしてもこの農業水利の問題を解決しなければとうてい完全になし得ないのであります。そこでかねがねこの三つの用水路を完全に整備いたしまして、そうして
岩手
縣としましてはきわめて重大な地帶に對しまして、この利水事業を完全に行い、
耕地
整理も行い、そうして從來非常に水不足に惱んでおりましたこの地帶一帶が、この水利によりまして非常な收穫をあげ得る。なおそれのみでなく、新たに相當面積の水田としての利用面積が増大いたすというような、非常に大きな國家的意義をもつておるのでありまして、その點をお考えになり、この
委員會
でぜひとも御採擇を願いまして、この三つの用水事業が國家の力によりまして速やかに實施せられることをお願いいたす次第であります。
野溝勝
21
○
野溝委員長
ただいまの野原
委員
からの
請願
の御趣旨の説明に對して
政府
の意見を求めます。
井上良次
22
○
井上政府委員
ただいまの
請願
は大體葛丸川と稗和西部の二地區についての用配水の問題でありますが、これは大體葛丸川、稗和二地區は從來縣營でやつております。山王海の方は營團經營でやつておつたのでありますが、今御意見のように、これを全部國營でやるということにつきましては、開拓法の關係もありまして、ただちにその實現は困難でありますので、將來經濟情勢の變動に伴うていろいろ經費がかさむと考えますから、そういう陳情が出たと考えます。そこで
政府
といたしましては、この沿岸の農業水利事業につきましては相當
豫算
を増額をいたしまして、縣營の事業が圓滑に遂行できるように處置をはかりまして、今の御
請願
の趣旨にこたえるような實質をねらつてやりたい、こう考えております。さよう御了承を願いたいと思います。
野原正勝
23
○野原
委員
この利水事業に對しまして、
地元
が相當の事業費の負擔をしましても、ぜひともこの實現を期したいという意氣込みで、
地元
の關係者一同大いにその期待をしておつて、現にやつておるわけでありますが、御承知のように最近は
工事
費その他も非常に最初の豫想と違い、たいへんな
豫算
になつてまいつたのであります。そこでもし萬一にもこれが從來のような補助率その他でもつて
地元
が負擔するということになりますと、その水利事業が
完成
した曉、その地帶一帶の農村というものが、その經費の負擔によつてほとんど農業經營すらもやつていけないようなことに立ち至るのではないかと考えておるのであります。情勢がまつたく變化してまいつております今日におきましては、特に
生産
されるその食糧は、ほとんどわずかな自家保有を除きましては、全部これが
政府
に供出をされるという
事情
でもございますので、當然その非常に
豫算
の自然増加になりまする部分に對しましては、これは關係の農業者が十分に立ち行くようなめんどうを見てもらわなければ、この利水事業の效果はあがらないと考えるものであります。この際農林次官のそれに對する御方針を伺いたい。
井上良次
24
○
井上政府委員
ただいま申し上
げた
通り、これは原則として開拓法により縣營事業としてやらしておりますが、今お話のように、實際その
工事
の施行にあたつて、最近の經濟状況の關係から、非常に
工事
費がかさんでまいつておりまして、
地元
負擔としてはとても耐えきれないという切なる要望がありますので、
政府
としてはこれの
追加
豫算
を目下交渉いたしております。その
追加
豫算
が確定をしたならば、御意見通り相當増額をいたしまして、この
工事
の進行に寄與したいというつもりで努力しておりますから、さよう御了承願いたいと思います。
大島義晴
25
○
大島
(義)
委員
ただいま説明された
請願
は、いずれも必要な事項に属しますので、本
委員會
において採擇し、この旨
政府
に通達せられんことを希望いたします。
野溝勝
26
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
27
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
28
○
野溝委員長
次は
日程
第八二、
紹介議員
寺本
齋君。
寺本齋
29
○
寺本
委員
私は
日程
第八二の熊本縣玉名郡豐水村外六
箇町村
普通水利組合用水改良
工事
繼續に關する
請願
の趣旨を申し上げます。 熊本縣玉名郡豐水村外六名
箇町村
普通水利
組合
は、灌漑面積千六百八十八
町歩
を有し、菊池川の水を取入れて灌漑しつつありますが、その淵源は遠く實歴年間に始まり、當時は六百餘
町歩
を潤しておりましたが、下流有明海面に數囘にわたる干拓新地の築造せらるるものがあつて、今日の千六百八十八
町歩
に及んだのでありまして、この用水せきの設備は舊來の土俵せきにして、用水路もまたこの地積を潤するには狹隘を感ずるものがあり、加うるに下流における砂及び砂利等採取のために河床の低下はなはだしく、そのために費す空俵の數は年額八萬俵に及び、なわ四萬斤と、こに要する人夫延七千人を要しつつあるのでありまして、これは年々歳々すべて消耗し終る性質のものであります。しかも五、六、七、八、九月の間に雨量のために増水することあらんか、直ちに土俵せきの決壊を來すのでありまして、その復舊には一囘につき少くとも七日の日數を要し、空俵一囘に五千俵以上を消費するのでありますが、重要な灌水期に七日間も旱天にさらされるれば、稲の成育に重大なる影響も及ぼすのでありまして、昨
昭和
二十一年のごとき、實に平年作に比し三割以上の減收を見たので、供出に大いなる障害を及ぼし、管内横島村のごときは、一箇村で昨年約四萬俵の
割當
を受けたが、遂に百%の供出をなし得なかつた状態で、この天草一郡の米供出量をしのぐ横島村のほかに、大濱町豐水村等有數の肥後米産地がいずれも百%完納をなし得なかつたゆえんのもは、實にこの用水不足に原因するのであります。本
組合
には現在右灌漑段別のほかに、大濱飛行場跡地二百歩が開墾されましたが、本年は用水不足のため約五十
町歩
の灌水に止め、明年よりはぜひ全域に灌漑する豫定であり、また國營にかかる横島干拓新地は著々
工事
進行中にして、近く開田すれば五百四十
町歩
の増段を豫想されるので、これを合すれば實に二千四百二十餘
町歩
の美田を得て、收穫高八
萬石
を超え、用水潤澤なるときの
増産
石數は一萬六千三百四十石を豫想さるるのであります。このような
事情
により、土俵せきによる用水は、本
組合
として速やかに改善するの要あり、
昭和
二十年より三箇年繼續事業として電力水場設備を計畫し、當時五百七十三萬三千圓の
豫算
をもつて、横島干拓竝びに元大濱飛行場跡開發營團等國庫の負擔金と、第五次
土地改良事業費
二百
萬圓
に對する
國庫補助
金とをもつて現に施工中にして、すでに電動機、電線、ポンプその他必要の資材も入手しあり、明二十三年五月までには必ず
完成
せしむべく努力中でありますが、承れば今般國財政の都合により、これ等土地
改良事業
に對する補助打切りの御意向やに聞き及びますが、當
組合
のこの事業にしてもし中斷せんか、肥後米の主産地たる美田をしてふたたび旱害の悲運を招き、耕作者の
生産
意欲を阻害するのみならず、從つて供出に多大の支障を來すことなきやを恐るるのであります。當初五百七十三萬三千圓の豫定は、その後公定價格の値上りにより、現今一千二百
萬圓
となりまして、殘り一千萬の
工事
費に對する相當額の補助金を下付相なり、豫定のごとく
昭和
二十三年産米の
増産
に十分使命を達成し得ますよう、特別の御詮議をもつて御認めの上、
國庫補助
相なりたく、管内七
箇町村
四萬の農民を代表して右
請願
いたします。
野溝勝
30
○
野溝委員長
政府
の意見を求めます。
井上良次
31
○
井上政府委員
本
請願
は開墾と干拓及び土地
改良事業
の二課にわたる事業でありまして、今御
請願
の趣旨は、大體二十三
年度
において實現をしたいと考えております。なおこの
工事
施行に必要なるセメント約二百トンは、G・H・Qの承認を得て特配いたしましたから、必ず御
請願
の趣旨に副うようにまいると思います。さよう御了承願いたいと思います。
大島義晴
32
○
大島
(義)
委員
本
請願
はいずれも緊急必要な事業と存じますので、本
委員會
において採擇し、この旨
政府
に通達せられんことを望みます。
野溝勝
33
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
34
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
35
○
野溝委員長
次は
日程
第四三、
農地委員會經費國庫
負擔の
請願
。
野上健次
36
○野上
委員
紹介議員
に代りまして、私から
請願
の趣旨を御説明申し上げます。本
請願
の趣旨は、國家の重要施策である
農地法
に基く諸般の經費を都道府縣、市町村竝びに受益者負擔とすることは妥當ではないと考えられるのであります。殊に地方財政の最も窮迫している今日、
政府
は速やかに
農地
委員會
の所要經費を國庫負擔とされたいというのであります。何とぞ
請願
の趣旨を御採擇されんことをお願いいたします。
野溝勝
37
○
野溝委員長
政府
の意見を伺います。
井上良次
38
○
井上政府委員
農地
改革の必要上、
農地
委員會
の經費は大體國庫において負擔する方針で進んでおります。さしあたり現在
豫算
の關係があつて、一
委員會
約五萬三千圓を
追加
豫算
で認めていただきましたが、なおこれでは不十分でありますので、今後増額いたすつもりでおります。
大島義晴
39
○
大島
(義)
委員
ただいまの
請願
は日本民主化のために、ぜひとも必要な
請願
でありますので、本
委員會
において採擇し、その旨
政府
に通達せられんことを望みます。
野溝勝
40
○
野溝委員長
ただいまの
請願
は、
大島委員
の動議の通り、
農地
改革、農村民主化のために絶對必要と思いますので、この點強く
政府
に要望する意圖をもつております。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
41
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
42
○
野溝委員長
次は
日程
五六、
山口縣
の
旱害對策
に關する
請願
、
野溝勝
君
紹介
。代つて野上君。
野上健次
43
○野上
委員
請願
の趣旨を御説明申し上げます。 本
請願
の
要旨
は、
山口縣
周東三郡を中心とする本年の旱害は、
昭和
十四年の大旱害に匹敵するもので、應急對策も何ら效果なく、
農業生産
に及ぼす被害は多大であつた、ついては耕作農家の食糧確保、災害地の改良及び農家經濟の安定補助に關し格別の
措置
を講ぜられたいというのであります。何とぞ
請願
の趣旨を御採擇されんことをお願いいたします。
井上良次
44
○
井上政府委員
山口縣
の
旱害對策
費の
請願
でございますが、今年の夏の旱害は單に
山口縣
だけのみならず、近畿及び關東の一部にもございますので、
政府
といたしましては、第一囘五千
萬圓
を
旱害對策
費として要求し、さらに目下、これでは不足をいたしますので、
追加
を要求いたしております。最近の情勢では、大體七千
萬圓
くらい補助されるのではないかという考えであります。なおこれでは不足いたしますので、國會の皆さん方とも協力をして、關係
當局
に要求中でありますから、御了承願いたいと思います。
大島義晴
45
○
大島
(義)
委員
ただいまの
請願
もきわめて重要な案件と存じますので、本
委員會
において採擇し、この旨
政府
に通知されんことを希望いたします。
野溝勝
46
○
野溝委員長
ただいま
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
47
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
48
○
野溝委員長
次は
日程
六三、
北海道
農業試驗場畜産部復興助成の
請願
、
紹介議員
小川原修信君。
小川原政信
49
○小川原
委員
本
請願
は、明治九年に札幌郊外にこの試驗場を立てたのでございます。今日までに七十餘年經つておるのでございます。これは非常に重要な問題でありますから、ひとつ聴いていただきたいと思うのであります。 この試驗場は最初畜産試驗場としてできたのですが、後に農事試驗場に編入されたのであります。なぜ眞駒内を選んだかということであります。これはフランスのペルシユロンの出ます地方と氣候風土が同じであるということから、この眞駒内を選んで、畜産試驗場を設けました。ところが存外日本としてはよい動物ができることになりました。それで非常にこの竣功が早くなりまして、石狩平野のその附近の當別あるいは篠路というところには、ペルシユロンの非常にりつぱなものができましたので、
農林省
はこの種をなくしてはならぬというので、非常に特別な
保護
を與えて、増殖をさせておるのであります。言わば日本のペルシユロンの本山であつたのであります。それが敗戰後になりまして、ある筋の方々から札幌村を建設したいということでありまして、寒村間に一つもできる所がないということになつて、
北海道
は非常に調べたのでありますが、中にばかなやつがおりまして、この眞駒内こそはいい所でありますというので、ちようど
北海道
長官の送り目で、まだ赴任してこないその間に、火事どろぼう的に、何にもわからぬ所に判をつかして、そうしてその試驗場を追い拂つてしまつたのであります。そこで今
北海道
ではこの試驗場が宙に迷うておる。ようやく十勝に土地を見つけましたが、とうてい氣候風土が合わぬので、なかなか容易でないことになつております。これまで道民の入れました金は何億という金でありますが、今日これをこしらえることになりましても容易でないことになります。そこで仕方がありませんから試驗場を移すことになりましたが、とうてい
北海道
民の力ではこれをやることができないので、農家十八萬名の人たちが非常にこれに奔走いたしまして、その半額だけはどうにかして地方費が出せるということになりましたが、これはもともと國の
施設
でありますから、これを道民に負わせるということはとうていできない。こういう意味で
請願
をいたしたような次第でありまして、その半額はぜひとも國家がもつていただきたい。そこでもしこれが急速にできないということになりますと、農耕用馬は別といたしましても、一年に十萬頭を要するところの輓馬の種というものはまつたく切れてしまうというような危機に瀕しておるのでありまして、そこでこの畜産に關係あるところの諸團體の團體長が調印をいたしまして本
請願
をしたような次第で、まことに深刻な場面にぶつかつておるような次第でありますので、これらの品種は非常によろしいということで、今囘も御
當局
は御承知の通り、日本から朝鮮へ五十八頭という馬を送り出して、日本の馬が非常によいと言つて賞讃を博しておる矢先に、こういうことになつたということは、非常に憂うべきことでありますから、ぜひひとつ
政府
も經費御多端の際であつて、われわれもよく承知をいたしておりますが、この點は日本の畜産獎勵のために、あるいはこれからの日本の輸出馬のために、特段のお力添えを願いたいと思いまして、この
請願
をいたした次第でありますが、何とぞ
委員長
におかれましても、十分農林
委員會
においてこれをお取上げくださいまして、
政府
の方にもこの
施設
を早くせしめられるように
委員長
からも一段のお力添えを願いまして、ともにともに國家のために復興をさしていただきたい、かように思いまして今日
請願
をいたした次第であります。
野溝勝
50
○
野溝委員長
午前中はこれにて休憩いたします。午後一時から正確に再開いたします。 午後零時十六分休憩 ————————————— 午後一時五十一分
開議
野溝勝
51
○
野溝委員長
午前に引續き
會議
を開きます。小川原
議員
に對する
政府
の意見聴取はあとまわしにいたします。 —————————————
野溝勝
52
○
野溝委員長
次に
日程
二〇にさかのぼりますが、
灌漑用水
工事
に
セメント特配
の
請願
。
紹介議員
の説明を求めます。
野原正勝
53
○野原
委員
紹介議員
がおりませんから、代つて私から申し上げます。
野溝勝
54
○
野溝委員長
ちよつと申し上げますが、
請願
がたくさん出ておりますので、
要旨
だけをお述べ願いたいと思います。
野原正勝
55
○野原
委員
なおそれでは
日程
二〇と、四一、八三、八五、九四これを一括して申し上
げた
いと思います。
野溝勝
56
○
野溝委員長
許します。
野原正勝
57
○野原
委員
それでは
請願
の
要旨
を申し上げます。 まず
請願
二〇號でありますが、これは
岩手
縣
岩手
郡巻堀村の
灌漑用水
工事
にセメントをいただきたいという
請願
であります。これは松尾鑛山という鑛山から毎年非常な毒水が出てまいりまして、この一帶約三百
町歩
が毒水のためにほとんど
耕地
が全滅に瀕しています。これに對しまして、かねがねこの囘復に當りたいというので、松川というところからきれいな水を引つぱつてまいるということについて、村民あげてその
工事
を急いでおるわけでありますが、セメントがないために何ともすることができないということでありまして、このセメントの特配を御心配願いたい、こういう
請願
でございます。これに對しまして適當にこの
請願
の趣旨を貫徹できますよう御高配願いたいと思います。 次は
日程
四一號であります。
農地調整法
及び
自作農創設特別措置法改正
に關する
請願
でありまして、これは非常に長い内容をもつておりますのですが、これを一々内容に觸れますことは時間が許しませんので、要約して申し上げます。この
請願
は先に通過しました
改正
農地調整法
及び
自作農創設特別措置法
の内容は、地主というものに對しまして、非常に壓迫を加えておるような法案であり、地主の私有財産權を認めないというような傾向が多分に認められるという點からして、
農地
の買上價格を適正にしていただきたいとか、あるいはまた小作料というものを適正にしてもらいたい。あるいはまた
農地
買上代金等を現金をもつて拂つてもらいたい。あるいはまた
農地
委員
數を小作、地主、各同數にしてもらうとかいうような點を特に
請願
しております。なお開墾適地の選定を計畫的に公正にやつてもらいたい、いやしくも開墾に名をかりて林地などが不法に解放を迫られるという事態のないようにというようなことの内容の
請願
であります。このことはいわゆる地主側の今度のこうした
農地調整法
及び
自作農創設特別措置法
というものに對する考え方の中に、いろいろと檢討を加うべきものがあると存じますが、この
請願
の趣意はきわめて今日重要な問題でございますので、愼重にお取上げを願つて、いしくも私有財産權の否定ということは絶對ない、安心して堅實な農村をつくるための
措置
に出られるようにお願いしたいのであります。 第三は
日程
八三號の
請願
でありまして、一戸、伊保内間の林道開設の
請願
になつておりますが、これは
岩手
縣の九戸郡特に伊保内村、小輕米村、江刺家村、戸田村、山形村この五箇村は非常に不便な地帶であつて、日本のチベツトともいわれているような所でございます。この地帶は山嶽重疊となつておりまして、非常な
木炭
の産地であり、この地帶だけでも一箇年に二百九十萬俵の
木炭
が出ており、
岩手
縣においても一番大きな
木炭
の
生産地
でありますが、非常に交通が不便でありまして、この地帶から
生産
されます
木炭
なり、各種の豐富な林産物は、一々久慈港に出まして、久慈から八戸まで迂囘してそして東北本線によつて出てくる。その間非常に長い距離を要しますし、また非常に雪が多いので、この地帶の林産物は冬季になりますと、需要地に對する輸送がほとんど不可能であるという状態になつているのでありまして、先般もこの産地の實地視察に國會からまいられて、いろいろと現状の御視察を願つたような次第でありますが、この伊保内から東北本線の一戸町に通ずる最短距離の林道を開設されたい。ただいま北福岡に通ずるところの縣道がございますが、この途中は非常に勾配が急でありまして、ほとんどトラツクが通つておりません。從つて今日の時世におきましては、まつたくその效果を發揮しておりませんので、この林道の開設を願いまして、國内屈指の大資源であり、大實庫であるところの、この地帶一帶の林産資源の開發をいたしたいというのが、この
請願
の趣旨であります。 第四番目としまして
岩手
山山麓開發に關する
請願
でありますが、この
請願
は先ほど午前中に申し上げました、
請願
すなわち
日程
第一五號の
請願
の問題と重複をしておりますので、説明を省略いたします。 第五番目としまして
岩手縣木材
林産
組合
に
災害復舊費國庫補助
の
請願
というのが出ております。これは本年の水害によりまして特に林産物
生産
上の被害がきわめて重大でございます。
岩手
縣は申すまでもなく日本一の
木材
縣、林産縣でございまして、今囘の水害によりまして、ほとんど完膚なきまでに林産資源地帶が破壊されましたので、これをやつておりますのはもつぱら
木材
林産
組合
がその
生産
の責任を負つて、その供出に努力してまいつているのでありますが、この
組合
に對しましての補助というふうなものは、今まで何ら行われていない。從つてこうした
組合
を健全に育成し、そして
木炭
生産
需給の圓滑をはかるためにも、こうした
組合
に對しまして資金の融通であるとか、あるいはまたその復舊に對する補助いうふうなものをお考えを願いたいというのが、この
請願
の
要旨
でございます。 以上をもちましてこの五件を一括
請願
したわけでありまするが、何とぞ本
委員會
において愼重御
審議
の上採擇されんことをお願いいたします。
野溝勝
58
○
野溝委員長
政府
の意見を聽取いたします。
笹山茂太郎
59
○笹山
政府委員
ただいまの
請願
に對しましてお答え申し上げます。第一點の
灌漑用水路
のセメントの問題でございますが、現在全體的に非常に窮屈でございまして、御要求のような數量をただいますぐ供することはできかねるような次第でございます。縣に對しましては第一・四半期の
割當
がすでにいつておりまして、これが現物化しておるような状態でありますが、この中からわずかでも割いて間に合わしていただきたいと思います。なお第二・四半期以降のセメント供給につきましては、目下關係方面と折衝中でございまして近くこれを縣の方に指示いたす考えでございます。 第二點の
農地
買上げに關するこれらの問題は、
農地
改革としましてすでに
政府
の方針が示されておるのでございます。從いましてこの方針を實際に適正に移して、そうして愼重に取扱うということにいたしてまいりたいと思うのでございます。なお
農地
改革の一環としまして、未墾地の選定、未墾地の解放、この點につきましては、十分ひとつ關係方面の意見、それからその未墾地が開拓されて他に及ぼす影響、こういつた點を十分檢討した上で取扱うように、しばしば通牒をいたしておるような次第でございますが、今後とも十分その方面に氣をつけてまいりたいと思います。 第三點の林道の開設でございますが、この林道の關係につきましては、お話の道路は林道費でもつて支辨するか、あるいは一般産業道路費によつて支辨するか、もう少し實地を
調査
しなければ申しされないことと思うのであります。はずれにいたしましてもこういつた林産物の搬出、そういつた方面の林道
施設
を
完成
することは最も大切であると考えまして、近く係り官を派遣しまして、これらの實地
調査
をやるつもりでございます。 第四點の
岩手
山麓の開發につきましては、目下いろいろの技術官を派遣しまして、綿密な檢討を進めておるのでございます。それらのけんとうがついた上で設計を立て、必要なところから著手する、こういう方針であります。 次の水害によるところの林道の破壊でございまするが、これはすでに補助金、あるいは金融の
措置
が講ぜられておるのでございます。われわれしましても、この水害によるところの林道復舊、これは非常に大切であると考えまして、今後もこれらの水害の復舊費につきましては、引續いて縣に交付するつもりでございます。なお補助金の不足な分は極力資金の融通をもつて賄う方針でございます。
大島義晴
60
○
大島
(義)
委員
ただいま野原君から説明のあつた
請願
に對しましては、
日程
二〇は資材關係で
政府
も考慮すると言われておるのでありますから、これはよい。第四一は、すでに
農地法
の
改正
でその目的が達せられておるのでありますから、これを省略いたします。八三、八五、九四、この三件を本
委員會
において採擇いたしたいと思うのであります。
野溝勝
61
○
野溝委員長
ただいま
大島委員
からの動議に對して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
62
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
63
○
野溝委員長
次は
日程
第
一三
鳥取種畜牧場
を擴張して
大山牧場
を開設する
請願
。
文書表
第一一九五號。
紹介議員
稻田直道
君。
稻田直道
64
○
稻田直道
君
請願
の
一三
を御
紹介
いたします。日本の再建再興を期するには、日本のあらゆる經濟産業等の復興をはからなければなりませんが、なかんずく農業の振興において、特に酪農事業の勃興をはかり、もつて日本再建の一助となすことも、まことに緊要なる一事なりと信ずるものであります。しからばいかにして今後酪農事業の隆昌を期するかと言うに、それにはまず第一に、できるならば全國數箇所に模範的一大種畜農場を建設するの必要があると思います。しからばその牧場はどこに置くがよいかと言うに、その一箇所といたしましては、まず中國地方がよいと思います。それは思うに中國地方の芝草は、牧草としてきわめて良質でありまして、そのゆえかこの地方は昔から中國牛の名をもつて畜牛の名産地であります。しかるがゆえにこの中國地方に模範的種畜場を設けまして、諸種畜類の養殖に對し大々的に努力精進することが至當であると思います。しかしてまたその中國地方の大牧場の候補地といたしましては、これは伯耆の國
大山
原野數千
町歩
の好適牧場地がありまして、この牧場地を背後に控えておる現在の
農林省
鳥取種畜牧場
と適當に大砦擴張することが最上の策であると思うものであります。しかして本
請願
の趣旨とするところは、今二十二年三月三十日の議會において、
政府
も大いにこれに贊成せられまして、建議第四十八號案としてすでに衆議院を通過しておるところのものでありますからして、よつて
政府
におかせられましては、速やかに現在の
農林省
所管の
鳥取種畜牧場
を、背後の奥地數千
町歩
に大擴張をして、新たに
大山
種畜牧場を開設せられ、もつて如上の酪農日本の大事業を達成せられんことを願望する次第であります。 しかしてこれと同時に
政府
にお願い申し上
げた
いことは、この現在の
鳥取種畜牧場
は、今を去る五十餘年前に、これを
政府
が軍馬養成牧場として開設いたしました際において、
地元
民もこれが敷地なる農
耕地
百
町歩
餘を失いますことを擧つて反對せるに對しまして、時の
政府
すなわち陸軍は今後もしこの牧場を廢止するような場合には、
地元
に縁故拂下げをするからという公約のもとに、
地元
の大反對を押し切つて、ほとんどいわゆる二束三文的に強制的に收用してしまつたものでありましたが、しかるにその後
政府
がこの軍馬養成所を廢止しましたる際においては、この
地元
に返すという公約を無視して、これをそのまま
農林省
の所管に移して、現在の
鳥取種畜牧場
及び倉吉營林署、赤崎苗圃用地となしたるものでありまして、かくてこの土地は爾來五十餘年間、否特に近年はこの食糧事請難の折柄とて、この美田百
町歩
餘をあたら草林にしておくことを
地元
關係町村民は遺憾かつ殘念なりとして、返還を願望しておるものであります。かようないわく因縁づきの牧場でありますからして、
政府
におかれては今後本牧場を大擴張して數千
町歩
の
大山牧場
の開設せられる場合においては、希くは現在の牧場の敷地も、全部もしくはその大部分を、五十餘年前の公約に基いて、
地元
に縁故拂下げをされるとともに、またその使用建物の一切を、
政府
が多年
地元
民の農産收益を破壊損失せしめた補償の意味をもつて、これを
地元
町村に無償拂下げをなし、もつて
地元
民をして今やその新設に困窮しつつある新制赤崎中
學校
舎として使用せしめられたく、ここに關係町村民一萬餘名が連署し、熱誠を披瀝し、頓首千拜この段懇願申し上げる次第であります。これがこの
請願
の趣旨であります。しかして本
請願
は超黨派的なきのでありまして、すなわち
請願
の
紹介
も自由黨、民主黨、第一
議員
クラブが加わつております。建議案も民主黨の人が
紹介
しております。さような意味からして、どうか本
委員會
におきましても御採擇あらんことを希望いたす次第であります。
野溝勝
65
○
野溝委員長
政府
の意見を聽取いたします。
笹山茂太郎
66
○笹山
政府委員
酪農發展のために種畜牧場を擴張することは、私どもまつたく同感でございます。從つて鳥取種畜場の現在の用地は、われわれが考えてみましても十分ではないと思うのでございます。殊に背後地の
大山
原野の開拓が今後進まれ、開拓民に對する家畜の供給、そういつた點を考えますと、たしかに現在の牧場を擴張して、できるだけ
地元
民に種畜の供給という方面について努力してまいりたいと考ええておるのでございます。これらの擴張については財政上との見合わもあり、にわかに決定するわけに行きませんが、
農林省
の方針といたしましては、でき得るだけさような方針で努力したいと考えておるのであります。第二點の現在の赤崎苗圃の建物あるいは用地の拂下げの問題でありますが、これは御承知の通り、現在中國地方の畜産の振興のために最も大きな役目をつとめておる種畜場でありまして、これらの種畜場の經營にこれらの建物その他が必要な部分を占めておるのでございますから、これをただちに
地元
に開放することは今できかねるような状態でございます。しかしながら今後この種畜牧場の經營その他につきましては、でき得るだけ集約的に利用するという方針をもつて進んでおるのでございますから、建物等の不用のものがありますれば、それらの拂下げその他については今後研究してまいりたいと思うのでございます。
大島義晴
67
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつておりまする
請願
は御もつともな
請願
だと思いますので、速やかに本
委員會
において採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
68
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
69
○
野溝委員長
さように決定いたします。 —————————————
野溝勝
70
○
野溝委員長
次は
日程
四に戻りまして、浪逆浦干拓事業地區告示竝びに關係地主に
損害補償
の
請願外
二件、
紹介議員
小野瀬忠兵衞
君。
小野瀬忠兵衞
71
○小野瀬
委員
日程
第四號の
請願
の御
紹介
を申し上げます。本
請願
の
要旨
は、茨城縣行方郡潮來町、津知村、延方村地先内浪逆浦干拓事業は、
昭和
十六年十二月起工したが、埋立設計以外、新たに編入された干拓地區
耕地
は公法上の解決をみないため、關係地主は
耕地
の租税、附加税その他の費用を負擔しており、又産米の供出
耕地
割にも年々苦痛を感じている、ついては浪逆浦干拓事業地區に對して法定の告示をなし、且つ
昭和
十七年より關係地主の負擔した損害の補償をされたいというのであります。右
請願
の趣旨を速やかに御採擇あらんことをお願いいたします。なお他にまつたく同じ趣旨の
請願
二件が出ておりますが、まつたく同じ趣旨のものですから、説明を省略いたします。
野溝勝
72
○
野溝委員長
政府
の説明を聽取いたします。
笹山茂太郎
73
○笹山
政府委員
茨城縣の浪逆浦干拓に伴う問題でございますが、これは數年來研究がございまして、
政府
としましては當事者間でできるだけ圓滿に解決するようにという方針で進んできたのであります。今後とも茨城縣
當局
とも十分協議をいたしました上、速やかにこの問題を解決したいと考えておる次第でございます。
大島義晴
74
○
大島
(義)
委員
ただいまの
請願
は
政府
のいろいろな處理の都合もあらうと存じますので、しばらく留保にしていただくことが適當かと存じますので、さように御決定願いたいと思います。
野溝勝
75
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
76
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
77
○
野溝委員長
次は
日程
第三一、第七六、
大石ヨシエ
君に
紹介
の説明を願うことにいたします。
大石ヨシエ
78
○
大石ヨシエ
君 建部山官林拂下に關する
請願
でございます。建部山は京都府加佐郡八雲村にありまして、元來村有地でありましたが、明治二年以來官有地となりました。現在は
農林省
の所管になつておるような次第でございます。ところが八雲村は山林の少い土地てございまして、住民は自家用薪炭に非常に困つているような現状でございます。つきましてはこの山林はぜひとも當八雲村に拂下げをして、そうして薪炭の
生産
に充てたいと思うような次第でございます。かつまたこれを開墾いたしまして、食糧の
増産
に資したいと存ずる次第でございます。つきましてはこの建部山は、從來舞鶴の——すなわち重要なる軍の砲臺がございました所でございますが、今これは何もしないで遊んでおるような状態でございますから、ぜひともこれを八雲村に拂下げくださいまして、そうして村民及び京都府民が、有用にこれを使うことができるようにしてくださらんことを
請願
する次第でございます。 次に西八田村は京都府にございます、そうしてこの
請願
の
要旨
は、西八田村は日本海に面しております一寒村でございまして、米麥を主とする經營方針をとつておりますが、戰後經濟界の變動に際しまして、農家にも一大不況が來ますことは、これまた必然であると信ずるのでございます。これが打開策といたしまして、ぜひとも酪農を經營したいと存ずる次第でございます。ついてはこの西八田村は非常な貧村でございまして、田畑は非常に少うございます。つきましては該村の酪農經營をぜひとも
政府
において御助成くだされんことを切に懇望する次第でございます。これ本案を
請願
したゆえんでございます。
野溝勝
79
○
野溝委員長
政府
の意見を聽取します。
笹山茂太郎
80
○笹山
政府委員
最初の建部山官有林の開放の問題でございますが、御承知のように、森林は單に經濟的ばかりでなくて、國土保安的見地からも考えなければならぬと思うのでございます。從いまして建部山官有林は、國土保安的に重要でない所でありますれば、これを開放することができると思うのでございます。從來
國有林
につきましても、農耕適地は極力
地元
民に開放しまして、自作農創設という方面に努力しているような次第でございます。また自家用薪炭等につきまして、土地そのものを處分するという方法でなくても、あるいは委託林、あるいはその他の方法をもつて解決し得る問題であると思います。いずれにいたしましても、實情を十分
調査
しました上におきまして、これらの御要望の點について考えてみたいと思うのでございます。 第二點は西八田村におけるところの酪農經營の助成でございますが、現在の
豫算
におきましては、助成金は實はないのでございます。しかしながら酪農の發展のためには、できるだけ家畜の供給斡旋、または技術的な指導につきましては、
政府
としましてもせつかく努力したいと考えております。
大石ヨシエ
81
○
大石ヨシエ
君
政府委員
にお尋ねいたします。ただいま八雲村の官有地拂下げの件につきまして、できるだけのことを
政府
はしたいとおつしやいましたが、できるだけということは、どの範圍でございましようか、御説明願いたいと思います。
笹山茂太郎
82
○笹山
政府委員
先ほど申し上げましたように、この建部山
國有林
というのは、どういう状態であるかということにつきまして、もつと
調査
してみたいと思います。そこで普通の官有林でありますれば、そのうちで農耕適地につきましては、これを
地元
民に開墾用としまして開放いたしたい。そうして薪炭の供給としましては委託林その他の方法をもちまして
地元
民に薪炭の供給をいたしてまいりたい、こう思つております。ただ保安林としまして重要なところでありますれば、木を伐採する結果非常に影響がありまするので、そういう箇所においてはできませんけれども、しからざる箇所におきましてはでき得る限り
地元
民の用に資したい、こう考えております。
大島義晴
83
○
大島
(義)
委員
有名な
大石
女史が、この日曜日にもかかわらず出てきて、せつかく
請願
なさいます
日程
三一、七六の兩案は、本
委員會
において採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
84
○
野溝委員長
委員長
といたしましては、趣旨においてはまことにごもつともでありますが、一村だけの問題に限るというふうに言われますと、權威ある本
委員會
においても將來幾多問題を殘すと思いますので、これは採擇の趣旨に副つて參考送付にいたしたいと思います。
大石ヨシエ
85
○
大石ヨシエ
君 つまりこれを八雲村に拂下げてくれと言わないで、この薪炭を八雲村が請負つて、そうして京都府の人々にこの薪炭を配給したらお許しくださいますか。それについて私はこれは村民に頼まれておりますから、ぜひとも採擇して欲しいと思います。
野溝勝
86
○
野溝委員長
ただいま
大石
議員
の意見によりますると、その村の
生産
したものを京都その他の
消費地
にこれを配給しその圓滑を期する、こういう御趣旨でありますから、
大島委員
の動議を採擇することにいたしていかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
87
○
野溝委員長
ではさよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
88
○
野溝委員長
次は
日程
六三、小川原
紹介議員
の
請願
の説明に對しまして
政府
の意見を聽くことにいたします。
笹山茂太郎
89
○笹山
政府委員
眞駒内種畜場のあと始末と言いますか、善後
措置
の問題でございますが、この點につきましては私どもも非常に心配しておる次第でございます。
北海道
における種畜場、畜産試驗場、これは
北海道
の經濟開發につきまして最も必要なものでございまして、
農林省
としましても、將來
北海道
における畜産の發達上、基本的な
調査
研究につきましては、
農林省
みずからの責任において實は行いたいと思つておるのでございます。地方的な
施設
につきましては道廳の
施設
をもつてやつていきたい、こういうふうに考えておるのでございます。從いまして眞駒内種畜場は從來基本的な
調査
研究及び應用的な
調査
、こういつた兩面の性質を兼ね備えておると思うのでございますが、このうちで特に重要なものにつきましては、將來國費をもつて支辨して
施設
をしてまいりたい。なおその他のものにつきましては、でき得る限り
北海道
の
施設
に對しまして助成するように考えてまいりたい。こう考えております。
小川原政信
90
○小川原
委員
それは
來年
の
豫算
に計上願いたいのですが、いかがでございますか。
笹山茂太郎
91
○笹山
政府委員
明
年度
豫算
につきましては目下編成中でございまして、われわれとしましてはでき得るだけ近い機會においてさようなことを實現してまいりたい、こう考えております。
大島義晴
92
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつております
日程
六三の問題は、日本民主化のために今後の農村が多角的に、集約的に經營されなければならない、こういう前提におかれる。農村は、少くとも有畜農業をとり入れていくことなくしてはなかなか困難と存じますので、この家畜の
増産
に對するこれらの復興は非常に重大な問題と存じますので、速やかに本
委員會
においてこれを採擇し、この實現を希望するものであります。
野溝勝
93
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか——さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
94
○
野溝委員長
次は
日程
五五、糸價安定機關設置に關する
請願
、
紹介議員
小林君。
小林運美
95
○小林(運)
委員
紹介議員
は
委員長
になつておりますが、私が代つて申し上
げた
いと思います。糸價安定に關しましては、現在日本の蠶糸業の死命を制する生糸の値段は國家におきまして公定價格がきめられておるのであります。生糸は御存じのようにほとんど大部分がアメリカに輸出されるものでございまして、現在としては
政府
できめた値段で買いとつておる次第であります。今までのこういつた機關は日本蠶糸業會がやつておりましたが、先般日本蠶糸業會は閉鎖機關に指定されまして、續いて蠶糸業會が指定業務として生糸の一手買取販賣を行つておるのでありますが、何分にもこの生糸の價格が非常に高額なものでありまして、總額において相當の金額に上ります關係上、
政府
においてもこれを賄うことができないような状態にありまして、現在金融上非常に業者が困つております。しかも
政府
においては、こういつた機關をつくつておきながら、その金融の途も十分講じていないような次第であります。現在の状態に關しましては非常に困つたことだと思いますが、無力なる
政府
はこれをどうすることもできないような状態にあるのであります。これは非常に重要な問題でありまして、農林
委員會
の蠶糸對策
委員會
においても、先般こういつた根本問題につきましていろいろ研究をいたしておるのでありますが、本
請願
の趣旨は現在はもちろん、こういう重要な問題について
政府
として十分考えてもらわなければならぬけれども、將來貿易が再開されまして生糸が自由に賣買されるようになりまして、糸價の安定ということが一番大切なことである。過去において日本の蠶糸業が果しました日本に對する輸出の大宗であります生糸が、いかに日本の經濟を養つてきたかということは、大方の周知せられるところであります。今後においても日本の再建をはかるには、生糸の輸出が非常に重大な立場にあることは十分わかつておることであります。しかし過去において生絲の値段が非常に變動がありまして、これによつて内地における養蠶家はもちろん、製絲業者その他蠶絲業に關係あるすべての人たちが非常に迷惑をこうむつておりまして、その上アメリカにおける消費者であるアメリカの業者、機屋とか絹くつ下屋とか綿絲業者とか、そういつた關係業者も、生絲の値段に急激にしかも大幅の上下があることは、蠶絲業の發展の上に非常に重大なる缺陥であつたことは、われわれ日本の蠶絲業者はもちろん、アメリカの生絲關係業者も十分知つておつたのでございます。しかし
絲價安定
については、過去において帝蠶
組合
とか帝蠶會社とかいうような、いろいろな
施設
がしばしば行われましたが、その都度相當の成功を見ておつたのであります。しかるに戰爭が終りまして、生絲は現在
政府
が管理をいたしておりますが、來るべき貿易の再開に際しまして、また生絲の絲價の安定ということが關係業者間に非常に問題となつてきておるのであります。これらについて
政府
は何らの施策を講じておらないのでありまして、
政府
にただいま蠶糸
調査
會なるものもございますが、これは從來の官僚機構をそのままに反映いたしました機構でありまして、實に情ない
調査
會となつておるのでありまして、今後はこういつた國際商品については、國内の官民ともども力を入れるのはもちろんでありますが、外國の消費者の方面においても、十分こういうところへ參加をしていただいて、生絲の安定、絲價の安定をはかつていきたいというのがこの
請願
の趣旨であります。かような
事情
から、本
請願
にあります通りに、現在外國の業者を日本のこういつた機關にすぐにはいつていただけることができるかどうか。その邊はなかなかむつかしいことと思いますが、來るべき機會に、そういつた機會が訪れるならば、すぐにそういう方面に乘り移ることができるような、しつかりした機關をこの際早くつくりまして、生絲の信用を囘復するようにいたしてまいりたいと考えておるのであります。以上の理由からいたしまして、この
請願
にあります通りに、生絲取引協議
委員會
、現在の蠶糸
調査
會というようななまぬるい機關でなくて、もつと充實した機關を急速に設けてもらいたいというのが今囘の
請願
の趣旨でございます。以上
請願
の
要旨
を申し上げまして御贊同を得たいと思います。
笹山茂太郎
96
○笹山
政府委員
生絲は貿易の大宗として、また日本の農業における地位から考えまして、どうしても絲價の安定ということは今後とも考えていかなければならぬ問題だろうと思います。ただいまは管理貿易下にあるのでございまして、今後自由取引が許されるというような場合においてはどうしても絲價の安定ということについて、何らかの機構なり組織をもたなければならぬということはまつたく同感であります。將來わが國も國際貿易憲章に參加を許されることもあろうし、また協定のなかにおいて、できる限り糸價の安定という
施設
を考えてまいりたいと思うのでございます。ただお話のごとく、この際生絲取引協議會というものをただちに設置するということについては、現在のわが國のおかれておるところの經濟の現況から考えて、時期尚早ではないかというふうにも思つておるのであります。しかし絲價の安定の必要な點はよく
政府
もわかつておりまして、今後もこの國際貿易憲章、この線との協調のもとに、いかなる組織をつくるのがもつとも合理的であるかという點について、種々檢討いたしておるような次第であります。
小林運美
97
○小林(運)
委員
ただいま次官のお話では、こういうことが時期尚早であるというような御意見でありましたが、どうも私たちから考えますと時期尚早どころではない。非常にこういう問題について、
政府
が投げやりでけしからんと思うのであります。時期尚早どころではなく、これは非常に遅過ぎるとわれわれは考えるのであります。さような意味におきまして、この
請願
につきましては即刻お取上げを願いまして、實現をしていただきたいと思いますので、
委員長
にお願いいたします。
大島義晴
98
○
大島
(義)
委員
ただいま議題となつております件は、非常に重大な案件だと存じますので、少くとも日本の輸出の大宗を占める生絲の市價が常に變動することは、まつたく私どもも不安にたえないのであります。從つてこれが安定機關設置に關する
請願
は、時宜に適するきわめて必要な
請願
だと存じまするので、本
委員會
において採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
99
○
野溝委員長
委員長
もその趣旨においては絶對必要と認めます。内容については十分檢討しなければならぬ點があるかと思いますが、その趣旨においては贊成でございます。
大島委員
の動議に對して御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
100
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
101
○
野溝委員長
次は
日程
第二一、古
馬牧村外三箇
村に
灌漑用水路
築設助成の
請願
、
生方大吉
君
紹介
、
文書表
第三四八號、
紹介議員
鈴木
君。
鈴木強平
102
○
鈴木
(強)
委員
本
請願
の趣旨を説明いたします。群馬縣利根郡古馬牧村、桃野村、薄根村、川田村の四箇村の水田二百五十
町歩
は、利根川及び赤谷川下流に
灌漑用水路
の取入口を有しているのでありまして、
昭和
十九年日本發送電の岩本發電所建設
工事
により、兩河川沿岸に堰堤が築造されることになつたため、まつたく作付不能の危機にさらされるに至つたのであります。この
工事
は一度中止されましたが、再開されて、近く
完成
することになつているので、前記四箇村に
灌漑用水路
築設
工事
が緊要となつたのでありますが、今日の窮迫した農村經濟ではとても負擔にたえないのであります。ついては速やかに該
工事
の救濟策を立てていただきたいのであります。
笹山茂太郎
103
○笹山
政府委員
ただいまの用水路の問題でございますが、これはよく實地を
調査
した上において考えてみたいと思います。現在の
豫算
なりあるいは資材面からも、はたして御希望の通りできるかどうか、もう少し具體的に
調査
の日を貸していただきたいと思います。
大島義晴
104
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつております
日程
二一はきわめて必要な事項でありますので、本
委員會
において速やかに採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
105
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
106
○
野溝委員長
さように決定いたします。 —————————————
野溝勝
107
○
野溝委員長
日程
第六一、
砂防行政
を
農林省
に
一元移管
の
請願
、
鈴木強平
君外一名
紹介
、
文書表
第八九一號、
日程
第七九、
砂防行政
を
農林省
に
一元移管
の
請願
、
生方大吉
君外二十一名
紹介
、
文書表
第
一三
二一號、
日程
第八〇、
砂防行政
を
農林省
に
一元移管
の
請願
、
中村元治郎
君外二名
紹介
、
文書表
第
一三
二八號、
日程
第一二六、
砂防行政
を
農林省
に
一元移管
の
請願
、岡
田勢
一君外四名
紹介
、
文書表
第一四九〇號、以上は同一趣旨につき一括して
紹介議員
鈴木
君の説明を求めます。
鈴木強平
108
○
鈴木
(強)
委員
本
請願
の趣旨を説明いたします。本
請願
の
要旨
は、内務省の解體に伴いまして、
農林省
所管の森林治水事業の一部である荒廢林地復舊事業及び災害防止林
施設
等の業務を、砂防法による砂防事務と合せまして、森林を所管する官廳以外に
移管
しようとするやに聞き及ぶのでありますが、
砂防行政
は森林經營と不可分の關係を有しますので、他への統合は同意できないのであります。ついては
治山治水
事業の一部である内務省所管の砂防事業を
農林省
に
移管
統一いたしまして、眞に一貫した
治山治水
事業の徹底を期せられたいというのであります。
笹山茂太郎
109
○笹山
政府委員
農林省
の現在所管しております荒廢林地の復舊事業、あるいは災害防止林、これを他の省に
移管
するという考えは、今のところ
政府
部内にはありません。また從來内務省が所管しておりますところの
砂防行政
、主として下流の砂防でありますが、これを
農林省
に
移管
するということにつきましては、いろいろ關係もありまするので、なお愼重にひとつ研究してみたいと思います。
鈴木強平
110
○
鈴木
(強)
委員
ただいまの説明は徹底しておらない。
政府委員
の答辯がさよう愼重を期するという態度は、ごもつともと思いますが、この秋以來の水害は、ほとんど森林
行政
と離れた砂防
工事
をしたために、かような結果を來したことは、もはや論議の餘地はないと思います。内務省が解體の機會に、森林
行政
と
砂防行政
を合體せしめる。これは社會の世論であるので、
政府
におきましてはかような事業はいち早く手をつけてくださらんことを希望するのであります。重要な
請願
でありますので、なお
政府委員
の御答辯を煩したいと思つております。
笹山茂太郎
111
○笹山
政府委員
砂防の問題と森林
行政
の問題、これはお話のごとく非常に不可分な、密接な關係にあるのであります。しかしながら森林
行政
に密接であるというような關係からだけでこの點を解決することは、現在のいろいろの情勢から許されぬ状況にあるのでございます。
政府
全體としましては、いろいろ今後の各省にわたるところの
行政
を、どういうふうに按配するかという點については、いろいろ檢討されつつあるのでございますが、この問題も將來
行政
機構の再檢討というような問題と關連して考えておるということを、この際申し上
げた
いと思うのでございます。
成瀬喜五郎
112
○成瀬
委員
日程
第一二〇の
紹介議員
でありますが、今の
政府委員
の説明におきましては、なおあきたらない關係で一應
追加
いたしまして、その
要旨
を説明し、かつ答辯を煩したいと、かように考えております。今の答辯によりますと、下流の
砂防行政
という點に重點をおかれておるようであります。しかしながら本
行政
の趣旨というものは、關東及び東北等の水害におきましても如實に示しておりますように、この際砂防治水事業の見地よりいたしましても、森林と溪流のこれらの
砂防行政
を切離すということは、幾多の弊害を生じております。從つてこの溪流
砂防行政
を森野
行政
の一部として統一することは、現地關係者の熱望するところでありまして、この際、歐米先進國のすでに優秀な例があるのであります。かような例にならいまして、
農林省
に
一元移管
せられたいというところの趣旨でありまして、以上の件につきまして簡單な御答辯を煩わしたい、かように考えております。
笹山茂太郎
113
○笹山
政府委員
砂防の問題につきまして、下流に重點をおくというような考えは
農林省
としてはただいまもつておりません。これは上流、下流相平仄を合わせまして、そこに一貫したでき得るだけ緊密な連絡のもとに
行政
を進めなければならぬと考えております。奥地の溪流における砂防、これは御承知の通りに從來から
農林省
が擔當してまいつた問題であります。單にこれらの
行政
全般にわたる問題は
農林省
だけの立場から申すわけにはいきませんので、これは
政府
全體の
行政
の方面からひとつ檢討しなければならぬと思つておるのであります。
大島義晴
114
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつております
日程
六一、七九、一二六、これらはいずれも砂防
工事
の同樣の
請願
でありましてごもつともな次第と存じます。なお砂防
工事
に關する
請願
はこの三件をもつて代表的議案とわれわれは考えておりますので、これ以外の砂防
工事
の
請願
も本案の採擇によつて同一の效果あるものと認めて、速やかに本
委員會
において採擇をし、他の議案の方は省略を願いたいと思います。
野溝勝
115
○
野溝委員長
請願
の趣旨は妥當と
委員長
は認めております。當然この趣旨の貫徹には努力すべきが正しいと思いますので、
政府
においても十分この
請願
の意のあるところを了として善處されんことを特に
委員長
から要求しておきます。本
請願
は
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
116
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
117
○
野溝委員長
次は
日程
一一一、
紹介議員
井出一太郎
君。
井出一太郎
118
○
井出一太郎
君 簡單に申し上げます。本
請願
は小海線中込驛から同じ小海線の野邊山驛に通ずる六十五キロの林道でありまして、有名な八ヶ岳山麓、海拔千二百メートルくらいの標高線を走る林道の計畫でございます。これは
地元
の約七
箇町村
が非常な熱意をもつて願望いたしておるところでありまして、これによつておよそ數百
萬石
に上るであろうところの八ヶ岳山麓のもみ、つが、からまつ等の林産資源を開發し、併せてその附近町村一帶における開墾地とも直結しました林産道路であり、同時に開拓道路というふうな意味をも含めておるのであります。相當に經費は要するかと思いますけれども、
地元
民の失業對策にも一面には相なるのでございますから、ぜひ何箇年かの計畫のもとにこれを立案いたして要望におこたえ願いたいと思います。以上簡單に申し上げましてぜひ御採擇をお願いいたしたく
請願
の趣旨を申し述べたわけであります。
野溝勝
119
○
野溝委員長
政府委員
の意見を聽取します。
笹山茂太郎
120
○笹山
政府委員
ただいまの八ヶ岳山麓開發に關する林道の問題でありますが、これは私どももその必要性は十分認めておるのであります。目下八ヶ岳山麓の總合的開發、この問題につきましては先般來各方面の技術官を派遣しまして、それぞれ檢討中でございます。從いまして本件も將來財政なりあるいは資材が許す範圍におきまして、できるだけ速やかに實現したい、こう考えております。
大島義晴
121
○
大島
(義)
委員
日程
第一一一はもつともな議案と存じますので、本
委員會
において速やかに採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
122
○
野溝委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
123
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
124
○
野溝委員長
日程
八一、
紹介議員
鈴木強平
君。
鈴木強平
125
○
鈴木
(強)
委員
本
請願
の
要旨
は
群馬縣下
の森林は戰時中の濫伐と、終戰後の復興資材竝びに燃料用として過伐されたので、森林の荒廢は加速度的に惡化しました。各地に水害は續發しまして、國土の保全、産業の復興竝びに民生の安定を期することはできないのであります。また本件は利根川水系の水源の大部分を占める關係から、本縣の
治山治水
事業の成否は、單に本縣のみでなく、下流數都縣の治安にも重大なる影響を及ぼすもので、速やかに本縣下の
森林治水竝びに災害防止林造成
事業を
擴充強化
されたいのであります。本
請願
の採擇を願います。
笹山茂太郎
126
○笹山
政府委員
群馬縣下
の山林の荒廢復舊の問題でございますが、これは
農林省
としましては、從來から荒廢林復舊とか、あるいは災害防止林事業、こういつた方面について力を注いでまいつたのでありますが、利根川の今囘の洪水あるいは溢流という關係から、どうしても總合的にこの問題をやらなければならぬということで、先般來いろいろ關係省とも協議しまして、具體策について檢討中でございます。
農林省
としましては、二十三
年度
豫算
におきましては、利根川水系におけるところの洪水防止というような見地から、群馬縣の山林の復舊に特に重點をおいてまいりたいと思うのであります。
大島義晴
127
○
大島
(義)
委員
ただいま議題に上つております
日程
第八一の案件は、きわめて必要なことと存じますので、本
委員會
において速やかに採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
128
○
野溝委員長
ただいまの動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
129
○
野溝委員長
ではさように決定いたします。 —————————————
野溝勝
130
○
野溝委員長
日程
第八九、
紹介議員
鈴木強平
君。
鈴木強平
131
○
鈴木
(強)
委員
本
請願
の趣旨は伊勢崎市の農道及び
用排水路等災害復舊費
國庫補助
の件でありまして、伊勢崎市は本年九月の水害によつて農業、工業、商業その他あらゆる産業に大なる被害を受けましたが、特に農道及び
用排水
路の流失、埋没あるいは農
耕地
の流失などによりまして、これが復舊
工事
に着手しなければ、
來年度
の水稻
植付
に大きな障害を來たすのであります。ついては農道
用排水
路及び農
耕地
整理費を國費をもつて負擔されて、速やかにこれらの修復を願いたいと思つているのであります。本
請願
の採擇を希望いたします。
野溝勝
132
○
野溝委員長
政府委員
の意見を聽取します。
笹山茂太郎
133
○笹山
政府委員
ただいまの伊勢崎市の
耕地
復舊の問題でございますが、これはわれわれの方もできるだけの方法を考えてみたいと思います。
大島義晴
134
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつております
日程
第八九は、これまた水害復舊のためにぜひとも、必要な案件と存じますので、本
委員會
において速やかに採擇されんことを希望いたします。
野溝勝
135
○
野溝委員長
委員長
といたしましては、一市に關する
國庫補助
というような問題については相當考えなければならぬと思いますが、ただいま
紹介議員
の説明によりますと、水害をこうむつた伊勢崎市という理由のもとに、本案は
大島委員
の動議の通り採擇したいと思います。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
136
○
野溝委員長
さように決定いたします。 —————————————
野溝勝
137
○
野溝委員長
次は
日程
第一一〇、
紹介議員
松原喜之次
君。
松原喜之次
138
○
松原喜之次
君 これは勝尾寺川沿岸用水の
改良事業
に對して、
國庫補助
を
請願
いたしているのであります。本事業は
大阪
府三島郡豐川村ほか九
箇町村
に關するところのものでありまして、關係
耕地
面積九百三十
町歩
であります。これは二つにわけることができまして、一つは勝尾寺川の沿岸の
工事
、一つは山田村、新田村等の丘陵地のための問題、この二つでありますが、勝尾寺及びこの丘陵地の奥に四つの池をつくり、そうして二十萬立方坪の貯水をなし、そうして一朝豪雨の際においても洪水を防禦するとともに、一面勝尾寺川の貯水池においては、發電の設備をしたいというのでありまして、その工費約三千
萬圓
を要するのでありますが、本年の大旱害に鑑みまして、ぜひともこの十數年來の問題を解決したいということで、本衆議院においてこの
請願
を採擇され、この事業の促進を見るに至りますようにせられたいという趣旨であります。
笹山茂太郎
139
○笹山
政府委員
ただいまの用水路の改良費助成の問題でございますが、これは趣旨においてはまつたく同感であります。ただ財政の限度もあり、
農林省
としては全國的に
工事
の緩急をはかつて、順位をきめて施工してまいりたいと思うのであります。從つてこれらのお話の水路が該當するかどうか、もう少し具體的に
調査
を進めてまいりたいと思います。
大島義晴
140
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつております
日程
第一一〇、
勝尾寺川沿岸用水改良費國庫補助
の件は、きわめて必要なことと存じますので、速やかに本
委員會
において採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
141
○
野溝委員長
ただいまの
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
142
○
野溝委員長
ではさよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
143
○
野溝委員長
次は
日程
第一五〇、
間接肥料
大
陽菌販賣認可
の
請願
。
紹介議員
野溝勝
となつておりますが、森君すら代つて……。
森幸太郎
144
○森(幸)
委員
間接肥料
大陽菌に關する
請願
であります。
紹介議員
は
委員長
の名になつておりますが、便宜上私から概略その趣旨を簡單に申し上
げた
いと思います。
間接肥料
大陽菌の使用許可に對する
請願
は、本年三月二十四日第九十二議會において、
委員會
の滿場一致の採擇があつたのであります。この酵素
肥料
が
農作物
の育成を左右する點につきましては、申し上げるまでもないと思うのであります。
紹介
されておる
委員長
もすでに體驗されておることと思うのでありますが、この酵素菌のことについては、深野博士の挺身的確究があり、その他帝大における矢追博士、あるいは佐野井、久保田理學博士等の非常な賞讚を得て、この研究を慫慂されておられるのであります。かつて本
委員會
は懇諮會を開きまして、この責任者である深野博士の
出席
を求めて、その研究の過程を
調査
し、
委員
諸君もこの大陽菌に對する研究を深められたことと思うのでありますが、もはやこの菌は實行して差支えないと思うのであります。しかるに
政府
の手續の上において、本年十一月から、麥作において一應試驗をして、その試驗の結果によつて販賣を認めよう、こういう方針のように考えられるのであります。多分
政府
としては、事務上さような御答辯をとられることと思うのでありますが、すでに今日食糧
増産
の上において周期栽培法である、あるいはホルモン劑である、あるいは酵素であるというようなものを、この作物栽培の上に利用することは、もはや議論の餘地はないのであります。今日
増産
の叫ばれておる時代においては、あらゆる科學、あらゆる理化學を實地に應用するということは、當然過ぎるほど當然の處置であると思うのであります。ただ
政府
の手續上の意味において、一應農事試驗場の試驗の成績を見なければ、これを許可することができないことになつておるのでありますが、すでに
農林當局
においても、あるいは
肥料
課においても、すでにこの實地栽培の試驗成績を認められておるようでありますが、
政府
自身としては、本年十一月の麥の栽培からやる、すでに昨年來問題になつておることを、本年十一月の麥栽培からやるというような、實に緩漫な處置をとつておられるのであります。
農業生産
者といたしましては、一日も早くこれを公然と使用し得る場面を開きたいということを申しておるのでありまして、この
請願
の趣旨も、速やかに公然とこの大陽菌が販賣し得るよう許可してもらいたいというのでございます。どうぞ
委員
各位におかれましては、先般深野博士から直接この臨床に對する試驗研究も聽き取られたことであります。
委員會
においては、ぜひ本
請願
を採擇していただきまして、これを一日も早く販賣を許可するように、皆さんの御配慮をお願いいたしたいと思うのであります。以上
請願
の趣旨を申し述べて、皆さんの御贊成を求める次第であります。
笹山茂太郎
145
○笹山
政府委員
この
間接肥料
太陽菌に關しましては、御承知の通り從來からいろいろな過程において、それぞれ試驗研究をいたされておつたのであります。これらに關する處置は、もつぱら技術的見地からなされなければならぬということで、
農林省
においては農事試驗場を中心にして、いろいろ研究しておつたのであります。深野博士の方から申出のあります分については、實地にその通り試驗場においてやりました結果、生きた太陽菌が特別の效果があるというふうには、結論が出なかつたように聞いておるのでございます。ただこの問題につきましては深野さんからいろいろ指摘されております通り、試驗方法の問題とか、あるいは試驗の設計の問題とか、
農林省
の試驗とはいろいろ觀點の相違があります。從つて今後深野博士と
農林省
の試驗場の關係者、これらの者が立會試驗をやつたらどうかということについて、いろいろ相談いたしました結果、財團法人
肥料
研究所、これは東大の中にありますが、これらの中立的な人も加えて、
農林省
と
肥料
研究所と深野博士と、この三者合同の立會試驗をやるということで、九月十二日から試驗を行つておるのでございます。從つて
農林省
としましては、これらの再試驗の結果が明らかになつた上で、これらの販賣を許可するか否かをきめてまいりたいと考えております。
大島義晴
146
○
大島
(義)
委員
日程
第一五〇の問題については、議論の豫地はまだ相當あると思います。しかしながら農家にとつては主人の足跡が一番の
肥料
になると申しますように、田畑に足繁く通うことが
増産
の第一手段であります。しかも富山の藥よりもさらに效き目の多いと言われる太陽菌の問題でありますから、速やかに本
委員會
において採擇せられ、
増産
に邁進せられんことを希望する次第であります。
野溝勝
147
○
野溝委員長
委員長
から申します。ただいまの
政府
の答辯は、よほど前の筋書きの答辯でございまして、次官は最近の
調査
結果をよく了承しておらぬように見受けます。最近の試驗結果によりますと、相當に效果性のあるものと認められておるように聞いております。しかしまだ決定的な結論を得るに至らないという状態であるやに聞いております。そこで今は特に
肥料
を強く要求しておる際でありますので、科學的に弊害がないという點があつたらば、即刻かような農民の要求しておる
間接肥料
に對しましては、
政府
は緊急の
措置
をとらなければならぬ。かように
委員長
は考えておるのでございます、よつて
政府
におかれましても、即刻結論を得まして、この趣旨に副われるように善處されんことを要望しておきます。
大島委員
の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
148
○
野溝委員長
ではさように決定いたします。 —————————————
野溝勝
149
○
野溝委員長
次は
日程
四四、一〇七、一五一を一括して
紹介議員
の説明を求めます。
野上健次
150
○野上
委員
まず
日程
四四について
請願
の趣旨を説明申し上げます。本
請願
の要趣は靜岡縣
伊東
市は市
當局
を始めその他の勢力が益々強く、
農地
改革の促進を阻んでいる、しかして今なお一坪の
農地
買收すら不可能な實情にある、ついては
伊東
市
地域
における
農地
改革を促進されたいというのであります。いま少しく簡單にその實情を御説明申し上げますと、
伊東
市は舊
伊東
町の地主層によつて
農地
委員會
がほとんど構成されておりまして、
農地
改革に反對の陳情をしたり、
請願
を續けてきておるようであります。もつともこれは温泉地であります關係上、温泉地とその觀光ということを標榜いたしまして、
農地
改革が十分に促進していないようであります。今日
農地
改革を阻害することは、何人といえども私は許されないと思うのでありまして、速やかにかかる
農地
委員會
に對しては、リコール制に基くところの改組を命ずるなり、
農地
改革の推進のために、適當なる處置を急速に講じていただきたいというのが本
請願
の
要旨
であります。次に
日程
第一〇七について御説明申し上げます。これは農業技術指導、農場整備確充に關するところの
請願
でございますが、これは乏しき資源と狭隘なる國土から見て殊に
農地
改革に伴う現在及び將來にわたる農業經營の合理化、
農業生産
力の發展のためには、科學的技術の急速なる普及及び浸透が根本的に重要であり、さらに先般國會を通過した
農業協同組合法
による
農業會
の解體に伴い、末端における農業技術の指導普及は、もつぱら農業技術指導農場の活動にまたなければならないのであります。しかるに指導農場は發足後日淺く、また未設置の地區も多く、加うるに陣容の不備、經費の不足、資材の入手困難等によつて、當事者の熱烈なる努力にもかかわらず、本來の使命を達成すること能わざる状態であるのであります。かかる状態でありますので、速やかに
政府
におかれましては技術指導體制の一元化、農場職員の増置、あるいは經費の増額、建設資材の優先緊急配給等の點について、十分なる
措置
を講ぜられるよう
請願
を申し上げる次第でございます。次に
日程
第一五一の
請願
についての趣旨の説明を申し上げます。本件はただいま
日程
一五〇において森
委員
から説明がありましたことと大いに關連を有するのでありますが、
農作物
の
榮養週期栽培法
の普及及び實施に關する
請願
であります。今日日本の食糧
事情
がきわめて困難な状態におかれておる。まつたく一粒の米にいたしましても、一粒の麥にいたしましても、
増産
をはかりたいのはひとしくわれわれの念願とするところであります。しかるに現在日本再建の上において、食糧需給計畫こそ最重點であることは言うまでもないのであります。そしてまたこれは政治的あるいは經濟的部面から求められるものでなく、科學技術の面から求められるべきものでもあるのであります。すなわち科學的
増産
技術たる
榮養週期栽培法
の全國的な普及をはかることは、日本の食糧需給の上に非常に大なる效果をもたらすものと考えられます。これは全國におきましてもすでに二十萬からの會員を有して、著々
増産
の實績をあげつつある現状でありますので、速やかにこれを採擇されて、食糧
増産
に資せられんことを切望するものであります。以上三件につきましては、何卒愼重御研究の上、御採擇あらんことをお願いする次第であります。
野溝勝
151
○
野溝委員長
政府
の意見を求めます。
笹山茂太郎
152
○笹山
政府委員
第一點の都市における
農地
改革の問題でございますが、この點につきましては、從來からいろいろ
措置
につきまして意見がわかれ、なかなかきまつておらなかつたのでございまして、
政府
としましては今年の一月におきましてすでに縣の
農地
委員會
關係方面に實は根本方針を示しておるのでございます。ただ具體的な問題でありますと、この目途をどこにおくかということについて、特に都市計畫の施行されておる地區について論じておりますので、これらに關しては、つい最近一つの標準を示しまして、都市におけるところの
農地
改革が早く進捗するような手段をとつておるのでございます。 第二點の技術指導農場の強化の問題でございますが、これはわれわれも農業技術を浸透させる上におきまして、この指導農場の強化をはからなければならぬと思つて、實は今度の
追加
豫算
にも一億圓餘の經費を計上しておるのでございます。今後とも助成竝びに資材の斡旋といつた面については、極力努力してまいりたいと思うのでございます。第三點の榮養週期説の問題でございますが、これももつぱら技術的な觀點から決定されなければならぬ問題だろうと思います。本省の農事試驗場において、これらの問題はいろいろ前から問題もありまするので、取上げておるのでございますが、ただいままでのところ、これの裏づけとなるところの科學的基礎事實の發見はまだできておらないのでございます。今後これらのはつきりした證明ができますれば、それは農村に普及することもできるのでございますが、ただいままでのところかような段階には至つておらない状況でございます。
野上健次
153
○野上
委員
ただいま
政府委員
の御説明によりまして、
日程
一五一の點でありますが、まだいまのところ科學的にこの
榮養週期栽培法
が、實效ありや否やということについて證明されていないということでありますが、現に全國に二十萬の農民がこの農法によつて實收をあげつつあるのでありまして、これは理論的に研究室でデーターが出ないということによつて、これらの實施を延期するということは、今日の食糧
事情
からいつて許されないと思うのであります。現實に食糧の
増産
がはかれる、實質的に
増收
をはかれるということになりますれば、研究はあとに委ねてもいいのじやないかと私は思うのでありまして、速やかにこれが實施を普及徹底するようにおはかり願いたいと、重ねてお願いする次第であります。
森幸太郎
154
○森(幸)
委員
週期栽培法につきまして、今その時期に至らず、裏づけするものがない、こういうことを今
政府
當局
として發表されたのでありますが、一體農事試驗場を唯一無二の神様みたいに考えておられるような傾きがあるのであります。われわれは先般新聞に出ました稻の發芽に對するエツキス光線の問題について、東京大學の志村博士の研究發表をお聽きいたしておるのであります。しからば農事試驗場がどういうふうに研究したか。まだそういうことを實施をしておらぬのであります。それであるから、農業者あるいはそういう特に熱心な人が、科學的、理學的な研究を發表した場合には、それを取入れるにやぶさかであつてはならない。週期栽培法のごときは野上
委員
の言われたように、すでに二十數萬の實行者がある。それをそういう農法をやつてはいけない、こういうことを農事試驗場が技術上止めることが、非常に日本の
増産
に妨げを來している。太陽菌のごときも各地方において實際農家が使つている。それが農事試驗場の成績に現われないから、それを販賣を許可しない。そうして緩漫として、去年から問題になつているものを、この十一月から立會試驗をやるというようなことで、遅々として漫々的たる仕事をやつている。今、日本の食糧
事情
はそんなものではない。あらゆるものを取入れてこれを實行さして
増産
に努力するということでなければならぬと思うのであります。どうかひとつ
農林當局
といたしましては、この世間のそういう有名な研究をただちに取入れる、害がなかつたらこれをやらしてみるというふうな寛容な態度によつて、
増産
の資にせられんことを私は希望しておきます。
大島義晴
155
○
大島
(義)
委員
ただいま議題となつておりまする
日程
第四四號、第一〇七號、第一五一號、提案者は説明しておりませんが一五二號も、一五一號と同一の趣旨にあるものと存じますので、これを一括して本
委員會
において採擇、速やかにこれが實行を期せられるように取計らいを願いたいと存ずるのであります。
野溝勝
156
○
野溝委員長
ただいまの動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
157
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
158
○
野溝委員長
次は
日程
第九八、第一五五、第一五九、
紹介議員
成瀬
委員
。
成瀬喜五郎
159
○成瀬
委員
日程
九八は
埼玉縣水害地域
内の
農業會
に
補助金交付
の
請願
、
馬場秀夫
君ほか十名が
紹介議員
でありますが、代つて説明を申し上げます。本
請願
の
要旨
は、今囘の利根川堤防の決壊により北埼玉・北葛飾・南埼玉三郡の受けた被害は農民の死活問題にまで及び、
農業會
まだ水害によつて破産の危機に直面し、今後の運營はまことに憂慮にたえないものがある、ついては埼玉縣の水害
地域
内の
農業會
に對し、その損害竝びに今後の運營について助成されたいというのであります。よろしく御採擇あらんことをお願いいたします。 次に
日程
一五五、
北海道
の
甜菜糖業助成
の
請願
、
永井勝次
郎君外三名の
紹介
にかかるものでありますが、これも
紹介議員
に代つて説明いたします。 本
請願
の
要旨
は、過去における臺灣の糖業を確立せしめられた糖業
保護
助成策竝びに先進國の甜菜糖業に對するきわめて徹底的な
保護
助成策等を勘案して、速やかに
北海道
甜菜糖業確立に關する國策を立て、これが達成に必要な
保護
政策を講ぜられたいというのであります。これにつきましても御採擇あらんことをお願いいたします。 次に
日程
一五五、
乳肉衞
生
行政
を
農林省
に
一元移管
の
請願
、
紹介議員
は五坪茂雄君、原彪君でありますが、代つて説明申し上げます。 本
請願
の
要旨
は、食糧政策達成の一策として乳肉の
増産
は喫緊の要事であり、その性質上迅速な集荷と適正な配給が要請されている、又乳肉の衞生は
國民
保健上必要である、しかるにわが國の乳肉の
行政
に遺憾な點が多く、これがため乳肉の
増産
に支障を來している、ついては
乳肉衞
生
行政
を
農林省
に
一元移管
されたいというのであります。これまたよろしく御採擇あらんことをお願いいたします。
野溝勝
160
○
野溝委員長
政府
の意見を聽取します。
笹山茂太郎
161
○笹山
政府委員
水害
地域
における
農業會
の助成でございますが、これは
農業會
が、たとえば水害のあつたところの
耕地
を復舊するとか、そういう事業をやる場合におきましては、
農業會
に助成をいたす方針であります。第二の
北海道
における甜菜糖の事業の助成でございますが、これは實は
農林省
といたしまして目下檢討中の問題であります。將來日本のいわゆる砂糖というものをどの程度自給するかどうかというような點にもかかつておりますし、また國際貿易との關係ももちろんあるのでございまして、目下經濟安定本部あるいは財政
當局
といつた方面と檢討中でございます。その上で具體化に努めたいと思うのでございます。第三の
乳肉衞
生
行政
を
農林省
に統合する問題でございますか、これは
農林省
の現在やつておる
行政
とこの衞生の
行政
は非常に緊密な關係にありますので、われわれとしましては、できるだけこれと連絡を保ちつつ進まなければならぬというふうに考えております。この
行政
を
農林省
に
移管
するという問題につきましては、
政府
全般の
行政
事務のあんばいにも關係することでございますし、今すぐここで申し上げるまでには至らない
事情
にあるのでございます。
大島義晴
162
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつておりまする
請願
は、いずれも機宜に適した案件と存じますので、本
委員會
において採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
163
○
野溝委員長
委員長
から特に
政府
當局
に申し上げておきますが、二十年間いつも同じ答辯ばかりを聞かされておるのでございます。特に成瀬
委員
の第三點の
請願
ですが、一五九の
乳肉衞
生
行政
を
農林省
に一元化の件については、私衆議院
議員
になつた當初から
請願
が可決されております。今日約二十年になるのでございますが、それが依然としてその前の答辯と同じような答辯を繰返されております。まことに遺憾でありまして、かくのごとき日本の民主主義革命の進行過程において、十年一日のごとく同じことをやつているようなことでは、まことに心細い。どうか
政府
におかれましても、即刻總合
行政
を確立するように善處されんことを強く要望しておるものでございます——
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
164
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
165
○
野溝委員長
次は
日程
六七、
紹介議員
中村元治郎
君。
中村元治郎
166
○
中村
(元)
委員
この問題に關しましては、さきに他の同僚の方から詳しく陳情の趣旨についてお話があつたことと思うのでありまして、
請願
の趣旨は同じであらうと思いますから、至極簡單に要點だけ申し上げておきたいと思うのであります。 御承知のごとく、本問題は
政府
におかれまして旱害應急
施設
費の
國庫補助
はなさないことを風聞いたしました。關係の各二府十四縣は、去る十一月の五日、六日、七日の三日にわたりまして、全國同一歩調をもつて補助金の要請に各部門にわたつて逐一説明をいたしておりますから、よく御承知のことと思うのであります。その後風聞いたしますところによりますと、いくらかの補助金を計上せられたようでありますが、もし風聞いたします金額がそれであるといたしますならば、この二府十四縣にわたります
旱害對策
の
國庫補助
は微々たるものに過ぎないのであります。現在の農村の經濟状態は、この旱害應急
施設
のためにふところを使い果しておりまして、來るべき麥の作付あるいは
來年度
の稻作等におきましても、大なる恐慌を來しはせぬかということを憂えるのであります。と同時にまた供出の點におきましても、相當なる難關が横わるのではないかと憂慮せざるを得ないときにおきまして、いま一段の考慮を拂つていただきたいと思います。そうでないと、二府十四縣にわたりまする大なる被害のために、正式に出しております補助額は、いずれも皆マル公で申請をいたしておるのでありますが、その實際は申請の六倍ないし七倍にも達しておる現状でありながら、申請に對するわずかの部分を支拂われるというようなことでは、今後農家の
増産
に大なる影響がありはせぬかということを非常に懸念するものでありまして、國家の財政は相當緊迫しておることも豫想せられるのでありますが、いま一段の考慮を拂われて、増額せられんことを希望するのであります。
笹山茂太郎
167
○笹山
政府委員
旱害對策
につきましては、御承知の通り目下われわれの方で關係方面と折衝中であります。從來の
豫算
では不十分であることはお話の通りでありまして、今後増額について強力に進めてまいりたいと思つております。
田中織之進
168
○
田中
織之進君 ただいまの六七號の
請願
の前の六六號の
和歌山縣
の
旱害對策
に對する
請願
について補足的に意見を申し上
げた
いと思います。ただいま
中村
氏からも要望がありましたように、特に本年の旱害において
奈良縣
、
和歌山縣
、
大阪
府、京都府等の近畿の慘害は、實に想像にあまるものがあるのでありまして、この旱害に對する國庫の補助は、わずかに
追加
豫算
で五千
萬圓
しか認められなかつたので、自分たちの縣に一體どれだけ
割當
があるかということを心配した農民の供出意欲というものは、自然にがたおちになつて、先般私の方の
和歌山縣
知事が上京してまいつたときの話では、五〇%からどうしても上へ上らない、中だるみの状態となつて現われておるのであります。先般の
追加
豫算
の
委員會
において、
政府
當局
は昨日提出せられました補正第十號において約一億圓程度の
追加
豫算
を重ねて提出するということを言明されておるように
委員長
の報告にあつたのでありますが、實際國會に提出された
豫算
を見ますと、この經費が計上されていないのであります。最近の話によりますと、豫備金から七千
萬圓
程度出すべく目下その筋とも交渉中であるということでありますが、それを通計しましても一億二千
萬圓
で、
農林省當局
が財務
當局
に要求いたしました二億五千
萬圓
に比べましても半額に滿たないのであります。かりに第二豫備金で七千
萬圓
支出されたといたしましても、平野前農林大臣竝びにそこにおいでになる
井上
政務次官が旱害地を視察せられたときに、大體國から七割程度の補助は極力骨を折るというように言明されたことを、農民は非常に頼みにしておるのでありますが、一體その何割に當るかをよく考えていただきたいのであります。
農林當局
としてかりに一億二千
萬圓
が支出されたあと、まだ今
年度
中に通常國會も開かれることでありますから、重ねて
追加
豫算
を出して、少くとも、
農林省
は、これだけは要求してやらなければならないと考えられました二億五千
萬圓
を達成する熱意をもつて、この問題の解決に當つていただきたいということを重ねて要望しておく次第であります。
野溝勝
169
○
野溝委員長
政府
の意見を聽取します。
笹山茂太郎
170
○笹山
政府委員
旱害對策
の經費でございますが、先ほど申し上
げた
ように、
農林省
としましては極力増額するようにただいま準備中でございます。なお旱害の根本對策につきましては、二十三
年度
豫算
にこれを計上してまいりたいと思つております。
大島義晴
171
○
大島
(義)
委員
ただいまの
請願
は
日程
、第六六竝びに第六七でありますが、
日程
第六八より第七二はいずれも共通の案件でありまして、いずれも同一
事情
に基づくものと存じますので、一括採擇せられんことを望みます。
野溝勝
172
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
173
○
野溝委員長
それではさよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
174
○
野溝委員長
次は
日程
第六にさかのぼりまして
紹介議員
大内一郎
君。
大内一郎
175
○
大内一郎
君 食糧
増産
、農
耕地
の擴張が叫ばれておる際に、突如として國營開墾中止の
請願
を御
紹介
申し上げることは、異樣のお考えをお抱きになると思います。しかしながらこの福島縣安達郡
大山
村は非常に農
耕地
の多い所でありまして、森林地帯は少いのであります。しかるに
政府
はこの山林地蔕、殊に不毛の地と申してもよろしいような山林地蔕に對しまして、開墾を強行せんとしておるのであります。これに對しまして
大山
村の村會
議員
は、全部一致いたしまして中止の
請願
をいたし、また村民の九割五分はことごとく應援して、中止してもらいたいという
請願
をしておるのであります。また縣
當局
においても、この農村が山林資源に涸渇しておるという實情を認めまして、國營開墾を強行することは相當心すべきである。もしこれを強行するとすれば、これに代る
國有林
なり何なりこれを開放して、代償地を與え、薪炭に困らせないような處置をすべきものであるというようなことを縣
當局
に申しておるのであります。また過般福島縣の
農地
部
委員
が參りましたときに陳情いたしましたところが、福島縣會の
農地
部常任
委員
もこの實情を了としたような次第であります。まことに一町村の小さい問題のようでありますが、一面から申しますれば、かようなことを強行することは、實情を無視したところの開墾の行過ぎというようなことの一つの現われでありますからして、これに對して
政府
に反省を促す意味において、この
請願
を御採擇あらんことを、特に
委員
各位にお願いするものであります。
野溝勝
176
○
野溝委員長
政府
の意見を聽取いたします。
笹山茂太郎
177
○笹山
政府委員
お話の開墾地區の問題は、當初大體四百
町歩
程度の開墾をするという方針でございましたが、
地元
の御意見等もありまして、防風林あるいは家畜飼料の給源地という方面から考えまして、その面積を大體半分の二百
町歩
に減らしておるような状況であります。また一方土地の一部の村民からは、これは農
耕地
にして
農地
を擴張したいというような陳情も出ておるような次第でございまして、われわれといたしましては、現在開墾されているところの二百
町歩
の地區が、はたして
地元
にそうひどい影響を及ぼすかどうか、もう少し檢討した上で御囘答申し上
げた
いと思つております。
大島義晴
178
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつております
日程
第六は、
政府
の方針とも非常に食違いがありますので、この問題はもうしばらく檢討した上において決定いたしたいと存じますので、留保いたしたいと存じます。
野溝勝
179
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
180
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
181
○
野溝委員長
次に
日程
一四九、酒田市に
肥料工場設置
の
請願
紹介議員
圖司君。
圖司安正
182
○圖司
委員
本
請願
の趣旨は、全國に有名な庄内米の産地である庄内平野の中心をなしている酒田市に、
肥料
工場を設置してもらいたいということで、
肥料
工場というだけではつきりわかりませんが、たしか硫安工場であろうと思うのであります。硫安工場でありましたならば、なかなか容易でないことは
地元
としてはわかりきつておることです。しかし隣りの
秋田
市にあります東北
肥料
株式會社から
割當
をもらつておるのでありますが、
割當
てられましても現物がなかなか入手できぬ、しかも庄内平野は御承知のような單作地蔕でありまして、どうしても米に依存しなければ、農業經營も成立たなければ、農家經濟も維持していけぬというような状況にあります。從つて米作に對する熱意というものは、他地方とは比較にならぬものがあるのでありまして、それはとりもなおさず
肥料
に對する熱烈なる地方民の要望に現われておるのであります。しかも本年のごときは、庄内平野大水害のために、相當減收なるにかかわらず、供米の成績は一〇〇%に近い好成績を示しておるのでありまして、これらの農民の純眞なる熱情というものをおくみ取りいただきまして、どうしても酒田市に、ごむりではありましようけれども硫安工場を設置せられるよう、特段の
政府
の御配慮を仰ぎたい、こういう
請願
でございます。
野溝勝
183
○
野溝委員長
政府
の意見を聽取します。
笹山茂太郎
184
○笹山
政府委員
山形縣の
肥料
確保の見地から、酒田市に
肥料
工場を設けるという問題でございますが、御承知の通り
肥料
は現在全國的な統制のもとに配給をいたしておるのでございまするから、その縣に確保する
肥料
のためというような見地のみから考えて、その工場の新設を考えるわけにはいかぬではないかというふうに思つておるのでございます。從いまして
肥料
工場の新設の問題につきましては、これは商工省とも關係のある問題でございますが、
生産
條件の最も適當なところに新設するという方針で進みたいと考えておるのでございます。
大島義晴
185
○
大島
(義)
委員
ただいま議題になつております第一四九號の議案は、
肥料
工場を酒田市に設置しろということでございます。酸性工業の基礎を抑えられておる日本において、硫安工場の擴張は非常に困難だと思いまするけれども、石灰窒素の工場でありますならば、四面山嶽をもてる酒田市等においては、きわめて容易にその工場の設置ができるのであります。しかも水田地蔕におきましては、特に石灰窒素を今後大幅に要求しておりますので、それらの點を參酌いたしまして、速やかに本案を採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
186
○
野溝委員長
委員長
といたしましても、硫安工場設置という趣旨であつたならば、相當これは檢討してみなければならぬと思いますが、ただいま
大島委員
の動議の中にもあります通り、石灰窒素の工場というような安易にできるような工場設置に對しましては、本
請願
は最も意義があると存ずるので、
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
187
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
188
○
野溝委員長
日程
第五八、
十勝種畜牧場開放
の
請願
、
紹介議員
北君。
北二郎
189
○北
委員
私の
請願
は、今度の
農地
開放、自作農創設の處置で、大體
請願
の趣旨が通ると思つておりますので省略いたしておきます。
野溝勝
190
○
野溝委員長
最後に
日程
第一二四、
田澤村地内官有林
一部拂下等の
請願
、
紹介議員
田
中健吉
君。
田中健吉
191
○
田中
(健)
委員
田澤村地内官有林
一部拂下げの
請願
の趣旨を申し上げます。
秋田
縣仙北郡田澤村地内
國有林
中別紙圖面で表示いたしております土地およそ一萬二千
町歩
は、舊來田澤村が占有しておりました特別關係のある地所でありますから、今囘次の二つの
請願
の趣旨を御容認くださるようお願いをいたす次第でございます。 第一點は特別の御
措置
をもつて田澤村にこの土地を還元してもらいたい、第二點はこれが實現せられまするまでの間、樹木の特賣と自由に林野を使用管理するなどのことを許されたい、こういう
請願
の趣旨でございます。何とぞ御採擇あらんことをお願いいたす次第であります。
野溝勝
192
○
野溝委員長
政府
の意見を聽取いたします。
笹山茂太郎
193
○笹山
政府委員
國有林
の開放につきましては、
國有林
の立地條件、また現在もつておる使命等に鑑みまして檢討しなければならぬ問題でございまして、お話の官有林は、はたしてそういう見地からただちに開放ができるかどうかにつきましては、今ここで詳細申し上げることはできかねるような状態であります。なお
地元
民に
國有林
を使用させる問題、これは從來からも
國有林
の
地元
施設
としまして、委託林なりその他の制度をもちまして、極力薪炭なりあるいは採草の便益を與えておるのでございますが、今後もでき得る限りさような點につきましては努力してまいりたいと考えております。
大島義晴
194
○
大島
(義)
委員
ただいま議題となつております
日程
第一二四號は、地方開發のためにきわめて必要な條項と存じますので、本
委員會
において採擇せられんことを希望いたします。
野溝勝
195
○
野溝委員長
大島委員
の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
196
○
野溝委員長
さよう決定いたします。 —————————————
野溝勝
197
○
野溝委員長
お諮りいたします。本日の
請願
の
日程
中、第
一三
、一五、一八、二一、二五、三一、三四、四三、四四、五五、五六、六一、六三、六六、六七、六八、六九、七〇、七一、七二、七六、七九、八〇、八一、八二、八三、八五、八九、九四、九八、一〇七、一一〇、一一一、一
一三
、一一四、一二四、一二六、一四九、一五〇、一五一、一五二、一五五、一五九の各
請願
はいずれも採擇の上
内閣
に送付すべきものとし、第四、第六、第二〇、第四一、第五八の各
請願
は不採擇すべきものとし、その他の各
請願
はいずれも延期したいと思いますがいかがでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
198
○
野溝委員長
それではさように決定いたします。 —————————————
野溝勝
199
○
野溝委員長
次は本日の議題になつております
食糧管理法
の一部を
改正
する
法律案
に關する質疑を繼續いたします。 〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
200
○
野溝委員長
質疑の繼續中であります。
寺本
委員
の質疑が繼續中でありますから、その質問の後許します。 〔「
委員長
議事進行、議事進行」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
201
○
野溝委員長
私語を許しません。
寺本
君。
寺本齋
202
○
寺本
委員
私の質問に對しまして
井上
政務次官から…… 〔「議事進行、議事進行」と呼ぶ者あり〕
寺本齋
203
○
寺本
委員
委員長
、議事進行はどうしますか。
野溝勝
204
○
野溝委員長
あなたは發言を繼續しておるのですから、繼續しなければ發言を禁止いたします。
寺本齋
205
○
寺本
委員
かりに今この公團がこの國會を通過するといたしましても、一月一日の發足は不可能と思うがという私の質問に對して、
井上
農林次官から、現在の營團の役職員をそのまま公團に吸收し、設備その他を借り受けるから、至難ではあるけれどもたいして困難なくやれるというお話がありましたけれども、實際に役職員をそのまま公團に取入れるとおつしやいましても、この公團が設立になりますと、まず設立
委員
の任命が必要であります。そして定款を作成し諸般の準備をなし、しかる上に總裁副總裁以下の役員を
政府
が任命するのでありまして、その他帳簿書類の準備から印刷その他を考えますと、どうしてもわずか二十日間足らずの間に、これがうまく切替えられるとは考えられないのでありますが、その點いかにお考えでありましようか。
井上良次
206
○
井上政府委員
御指摘のように實際非常に困難な事態にあります。しかしながらこれは
來年
の一月一日から發足するという方針のもとで
政府
は進めておるのでありまして、あらん限りの努力を重ねまして、
來年
の一月一日から發足するつもりで準備を進める方針であります。 〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕
野溝勝
207
○
野溝委員長
寺本
君發言を私語にかかわりなく繼續してください。
寺本齋
208
○
寺本
委員
しからば公團設立と業務開始との關係はどういうぐあいになつておりますか。
井上良次
209
○
井上政府委員
最初あなたがお話になりましたように、發起人設立準備
委員
というものを任命いたしまして、それから發起人會を開き、それから實際上の準備を始めて、發足することになりますから、そういう順序でいきますれば、大體いけるという確信をもつております。 〔「定足數が缺けている」「法律違反」と呼び、その他發言する者あり〕
野溝勝
210
○
野溝委員長
私語を禁じます。
委員長
は規約違反も何もやつておりません。
寺本齋
211
○
寺本
委員
私は今議事中進行の聲がありますから、
委員長
にお尋ねいたしますが、異議がない場合は、定足數を缺いておつても、關連してこれは認むべきでありますが、この公團問題のごときいろいろの意見があつて、異議のあるものは、定足數を缺いておつても、そのままこれを進めていつて差支えないでしようか。
野溝勝
212
○
野溝委員長
私から申し上げます。質疑の通告を一旦繼續しております。あなたにそれを許した以上は、その發言中です。なお別に議事進行について採擇しておりません。その議事進行がいかなるものであるか、あなたの質疑を終つた後にこれを取上げます。
寺本齋
213
○
寺本
委員
公團設立において資本金を八千
萬圓
としてありますが、その八千
萬圓
の算出の基礎竝びにその使途はどういうふうになつておりましようか。
片柳眞吉
214
○片柳
政府委員
食糧公團の資本金を八千
萬圓
と計算いたしましたのは、從來の食糧營團の全國の拂込み濟み資本金の合計額が大體八千五百
萬圓
であります。大體それを基準にいたし、また他の公團との均衡等をも考慮して決定いたします。
寺本齋
215
○
寺本
委員
現在の營團の事業費といいますか、東京都内でも一日に二千五百
萬圓
要し、全國で二億五千
萬圓
を要するのでありますが、これをかりに十日間としましても、二十五億になりますが、わずか八千
萬圓
の資本金で、どういうふうにそれがうまく經營できるでございましようか。その點を、もう少し具體的にお伺いします。
片柳眞吉
216
○片柳
政府委員
この點は、從來やつておりました營團の業務を、大體そのまま今度の公團は引續いでやるわけでありまして、從來の各營團の資金の状況を見てまいりますと、もちろん一般銀行等から借入れをしてやつておるところもありますが、主として私どもの食糧管理特別會計に對する代金の延納というようなかつこうで、大體の資金のやりくりをやつておるようであります。從いまして、もちろん八千
萬圓
で私は十分とは申しませんけれども、結局復金からの金融なり、あるいは私どもの食管特別會計の代金の支拂い等につきまして、
調整
をしていきますれば、大體この資金で運用がつくと考えております。
寺本齋
217
○
寺本
委員
運營資金を復興金融金庫のみに限定してありますが、こういうことはインフレを促進し、また地方金融機關を壓迫し、また金融金庫の性格から言つてもこれはいけないことと思います。普通今までの營團にしても五つ、六つの銀行と金融しておるのが實際の状態であります。
地域
的にあるいは距離を隔てておるところには非常に不便が伴うと思いますが、これを復興金融金庫一本建にしたということはどういう理由でありますか。
片柳眞吉
218
○片柳
政府委員
結局この法律にも書いてありますように、公團の人件費と事務費は國庫の負擔でありまして、公團の事業費だけを八千
萬圓
の自己資金及び復金等からの金融でやつてまいるというのでありまして、從來のように人件費、事務費まで公團が負擔するわけではないのであります。その點からも先ほどの八千
萬圓
という關係は若干の見方ができると思います。從つて復金から借りますものは事業資金でもありますし、また御承知のように一旦
政府
から拂下げを受けまして、それを消費者に配給しますこの期間はそう長くはないのであります。消費者から主食の代價が返つてまいりますれば、以降は大體同じ車をもつて囘轉ができるわけでありです。この邊は復金の金融にもしもある程度の時期的な仕事でもありますれば、私どもの食糧管理特別會計からの代金の決濟についても、ある程度の考慮はできると思います。この點から私はこの八千
萬圓
の資金と復金からの金融なり、私どもの特別會計からの支援によりまして、資金の運營上には支障はない、かように考えております。
寺本齋
219
○
寺本
委員
今管理局長官のお話では、特別會計からの運用によつてある程度の融通がつくようなお話でありましたが、それならば經營が、消費者からの金が返つてまいりますのが非常に遅れる場合は、相當期間ある程度食糧管理特別會計の方へ延納を大體認められるわけでありますか。
片柳眞吉
220
○片柳
政府委員
現在の食糧營團でも、最近のインフレ状況から、主食の代金の決濟については考慮すべき問題が相當起つておるのであります。從つて公團になつても、この問題はさらに問題として大きな問題になつてくると思うのです。ただ公團になつても
主要食糧
を無計畫に、またその部分の相當量が損失に歸するということになつては問題であります。この邊はまた別の對策からこの問題は
調整
をしていかなければならぬ。しかしどうしても主食の代金等で囘收が遅れるという事態が全面的に起つてきた場合においては、私どもの方でも考慮はいたします。
寺本齋
221
○
寺本
委員
私はこの公團を全國一體にすることは、業務の迅速圓滑なる運營及び中央機關に要する經費や職員の増加を來して、地方的特色ある經營を不可能ならしめて、事務の澁滯を來して不適當と思いますが、この全國一本にされるところの理由を伺いたい。
片柳眞吉
222
○片柳
政府委員
從來府縣地區でできておりました營團を、全國に一本にいたしました理由でありますが、大體消費者に對する配給量、これはもちろん
政府
できめております一定の數量を消費者に配給するのであります。その意味で特に地方的に特色があるという特別な配給操作をする必要もないと思います。それからもう一つは、今囘の公團が芋類の會社とか澱粉の會社を一緒にする、これは大體全國にわたつて事業をやつておつたのでありまして、これらを吸收する點からも、やはり全國一本にする方が適當である。こういうようなことで全國一本の組織にいたしたのでありまして、また他の公團も大體これは全部全國一率にもなつておる點を參照いたしまして、決定いたしたような次第であります。ただそうなつた場合において、配給の方は府縣知事に必要な權限を委任いたしまして、大體從來と同じようにその府縣内の配給は府縣知事の監督のもとに配給いたすということになる點でありまして、その點は從來と變りがないのでありまして、しかも經理上についても全國一本になりまして、各支部の間に何ら勵みがなくなるということについては、御指摘のような
危險
があると思うのでありまして、各支部間におきまして、特別經理のようなかつこうをとりまして、ある支部で非常に勉強して經費が安く上つたというような場合においては、ある程度その邊に給與等についても彈力をもたせてまいりたいということによりまして、全國畫一制といたし、弊害はできるだけ他の方法で除去してまいりたい。かように考えております。
寺本齋
223
○
寺本
委員
今の御答辯で全國一本にはするけれども、各支部の獨自性を生かして、その能率のあがつたところには、給與その他の面でも彈力をもたせていくということを考えておるということであります。これは最もいいことだと思うのであります。今管理局長は地方的特色ある經營をやめてとおつしやいましたけれども、經費は一本にすると増大するだろうと思います。また今まで食糧營團では代位配給というものをやつておりましたが、この公團ができました場合に、その代位配給の處置をどうなさるのでありましようか。
片柳眞吉
224
○片柳
政府委員
代位配給は今囘公團をつくりまして、
政府
機關が自分の責任において消費者に主食の的確なる配給をいたす。こういう原則論は原則として、やはり代位配給もいけないというような理論的な結論になろうと思うのであります。ただ實際に状況を見てまいりますと、山間僻地等でごくわずかしかの配給量がないところについては、從來
農業會
等に代位配給をしていただいておつたのでありまして、これらの地区についても、公團の配給所を新たに設けまして、
政府
の官吏をそこに駐在せしめて配給するという必要なくて、大體從來の代配給機關でまずまず圓滑なる配給のできます地區につきましては、できるだけさようなことでやつていきたいと思います。
寺本齋
225
○
寺本
委員
そうすると山間僻地の不便なところには、ある程度代位配給を認めていくというようなお話でありますが、この營團の職員が官吏になるということになつておりますが、代位配給の職員は食糧管理局長のおつしやつた通りに、おおむね
農業會
その他に屬する人たちでありまして、そのほかにも兼業をしておつたのでありますが、これが官吏となるとどういうことになるのでありましようか。
片柳眞吉
226
○片柳
政府委員
今言いましたような代位配給に類したかつこうで差支えないところについては、その代位配給機關に職員の方は、これは
政府
の役人にはなりませんから、兼業禁止等の適用はなくなるのであります。
寺本齋
227
○
寺本
委員
既設のほかの公團は卸賣のみの機關でありますが、この食糧公團は末端配給まで包括しておりますが、その理由はどういうものでありますか。
片柳眞吉
228
○片柳
政府委員
これは
寺本
委員
も大體御承知と思うのでありますが、從來の食糧
事情
が戰時中以來漸次緊迫化をしてまいりました情勢におきまして、むしろ自然發生的に從來の個々獨立の米穀商の方が企業の合同をされまして、共精共賣からやがては食糧營團というようなかつこうに進んできたのでありまして、この過去の實際の事實から推しましても、當時以上に窮迫しております現在の食糧
事情
下におきまして、この形をかえて、ある程度自由競爭的な色彩を入れる時期になつておらぬことは、大體これは御承知の通りであります。われわれといたしましても、でき得れば自由競爭的な色彩を加味していきたいと考えておりますが、遺憾ながら現在の食糧情勢下におきましては、
政府
それ自身の手持も非常に僅少でありまして、各業者が獨立して主食の配給ができる程度のストツクを各業者にもつていただくことは、これは當然困難な状況でありまして、一元的な機構を通じて、最小限度のストツクで各
地域
について食糧の配給の確保をしてまいつた建前から、末端配給までこれを公團組織にいたさざるを得ないのでありまして、要しますに現在の食糧
事情
下におきまして、この公團組織を末端までとらざるを得ないというふうに考えておるのであります。
寺本齋
229
○
寺本
委員
末端まで入れたところの公團の組織になりまして、それに從事する者が官吏になる、いわゆる消費者も役職員もともに官吏になることは好まないことでありまして、これは政附
當局
においても十分おわかりだろうと思います。營團關係者たちが、これに對して非常に強硬な、熱烈な反對意見をもつておられることは、すでに御承知と思います。またわが日本が戰前における官吏による統制というものが、あまりにすべての
生産
部面まで統制しまして、その結果能率の減退を來して、いわゆる敗戰に導いた。終戰後の今日の
國民
は民主的な自由な生活をあこがれている、そういうときに、戰時中以上の統制を——今のような食生活の末端に至るまで官僚の統制によつて規制されるということは、
國民
感情としてはなはだおもしろくないのであります。それを強いてこの配給の末端まで官吏にしようというお考えはどこにありましようか、これをお伺いしたい。
片柳眞吉
230
○片柳
政府委員
この點は
食糧管理法
の提案理由の際にも申し上
げた
點でありまして、まず物資の統制をしていく場合におきまして、戰爭中やつてまいつたような民間の團體として統制をやらせてはいけないということが第一の點であります。その反面の結論といたしまして、統制を必要といたします以上は、やはり
政府
または
政府
機關をして統制をしなければならぬ、この點から實は公團の職員は官吏または
政府
職員となるという結論が出ているのであります。ただ御指摘のような消費者に接著して、主食の配給というような仕事をやるわけでありますから、いわゆる官僚化というような弊に陷らぬように、この點はできるだけ今後意を盡していきたいと思つております。
野溝勝
231
○
野溝委員長
寺本
君にお諮りいたしますが、まだ質問は相當ありますか。
寺本齋
232
○
寺本
委員
あります。
野溝勝
233
○
野溝委員長
速記の都合がありまして、四時過ぎはどうしても困るという申入れがありますので本日はこれにて散會いたします。 午後四時十三分散會