○小川原
委員 簡單にいたしたいと思いますが、なかなか大きな問題なのでしばらくお許しを願います。永井君から御
質問がありましたことは、社會黨の案とか自由黨案とかいうのではない、永井君の主張も私の主張も
北海道民として
考えるときに同じ線を歩んでおる。永井君は大體において總論的な
質問でありますから、その點は私は拔きにいたしますけれ
ども、私は
北海道として
考えるとにろを一應申し上げたいと思います。
林野局長が
北海道においでに
なつたかどうかしりませんが、おそらくおいでにならぬと想像するのであります。
北海道がこれまで拓植計畫をされまして、總額を全部勘定いたしましたが、その總額を今日の金に直すと、おそらくは何千萬億という金になると思います。そうして
北海道の開發ができて、それが國家の力によりまして國有に
なつた。そこで
北海道からみると、この根本的な
施業案を變えてもらわなければならぬという心配は、
内地の木でありますと百年で育つならば、
北海道の木であるならば三百年を要する。そうして人口はどんどん殖えて、この八千萬の現在の國民をどこにやるかと言えば、
北海道にも
つていかなければならぬ。
北海道は何によ
つて食うかと言えば、木を頼りにして食わなければならぬ。それは今も昔も同じである。そういうことからいうと、この
林政ということに對しては非常な大きな關心をも
つておる。そうして
日本の國の
森林の根本策は
北海道から立てなければならないという現状であるのでありますが、ここに
北海道が熱意をも
つておるということをまず第一お認め願わなければならぬと思う。
そこで私
どもの
考えます點はどういうことか、餘計なことは申しませんが、ここに
林政が一元化されたということに對しまして、どういう計畫をお立てに
なつたかということをまず
北海道民として聽きたい。國家が
林政を一元化して、その一元化した上の根本
方針は何によ
つて立てられたかということであります。それが
北海道長官を初めといたし、道民全體の聽こうとするところでありますから、この
施業案というものができてお
つたら、ただちに御發表していただきたいし、できておらぬというのでありましたら、即刻お尋ねいたさなければならぬ。そこでなぜそういうことをとつくりお聽きするかというと、一體今日あるあの
森林地帶はいりますと、御
承知の
通り伸びていくところの材積と、これをむしばんでいく荒廢に屬しておるところの材積とでは、大變大きな開きがあるのです。なぜかというと、
森林に
森林病菌とでも言うか、つきまして、倒壊していく材木は大したものです。これらの
森林をどうして擁護していくかということを、まず私
どもは聽かなければならぬ。それから帝室有であ
つたところの
森林であるとか、あるいは牧野であるとか、
山林であるとか、耕地であるとかいうものが、どういうふうに編入されてまい
つたか。こういうことであります。それから今まで軍部がも
つてお
つた國有林野をどういうふうに編入されておるか。それから大學林であ
つたものが、今度國有に歸屬した
林野もあろうと思う、例をあげればもつとありましようが、大體以上の問題が代表的な問題であろうと思いますから、この點をわれわれは知りたい、一例を申し上げますと、帝室
林野において農耕に適する
土地はいかように
開放されたか。その材木はどういうふうなことにな
つておるか。また今後それをどうしていくかという點であります。それがなければよろしいが、私はないと思わない。相當多數のものがあると私は記憶しておる。こういうことをまずお尋ねいたしたいのであります。
第二點においては、先ほど永井君から
お話がありましたが、
國有林と
公有林の交換分合、このことは
北海道では二十年前から申しておるのであります。これはただ一口に交換分合と言
つても、それはまだ計畫しておらぬと言われればそれきりでありますが、これは
北海道では相當に
考えておるのです。
北海道をお知りにならないから、さつき永井君にああいう御
答辯をなす
つたのだと思うのです。なぜわれわれがそういうことを聽くかと申しますと、都會地に近いところに
國有林がある。奥の方に
公有林があるということになると、非常にこれは開發上困ることになります。ですからこの
國有林というものを
公有林と交換いたしますれば、これがすぐ自由に
開墾に付することができる。こういう部面がたくさんあります。ところがそうでなくて、
公有林が細長く
國有林の中にはい
つておる。その反對に
國有林が
公有林の中に細長くはい
つておるということで、交通の上から言
つても、食事情の上から言
つても非常に多くの支障を來たしておる。こういうことはもう
調査はでき上
つておる。それをただ實行するかせぬかというところに止ま
つておる。こういう點をいかようになさ
つていくかということであります。
それからもう
一つ、非常に
北海道の財政はこれまではよか
つたのであるが、敗戰後は非常に惡くなりました。そうすると地方財政というものが破壊されてしまう。殊に
北海道の開發というものは、明治時代には非常に心配されて、よそになか
つた公有林という制度を設けられたのでありますが、今日は
公有林ではとうてい
北海道の
收支は償わないという現状にな
つてまい
つたのでありますから、國は
公有林を殖やしていかれるところのお
考えをも
つておられるかどうか。今までに相當
公有林をふやさなければならぬ。こういう三、四百の町村に對して、これからまだまだ町村が殖えてくるのであるから、
公有林というものは相當に殖やさなければならぬという
方針できたのでありますが、建設
日本の今日の
考えとしては、當局はどんなお
考えをも
つておられるかということを、一應特にお伺いしたい。この點について
お話申し上げたいことは、先に永井君から特賣の問題が出ておりましたが、私はもつと
具體的にこの問題を申し上げなければならぬ。
北海道は特賣によ
つて開發されたと言
つても過言でない。たとえば三井に材木を拂い下げたときは、大きな道路がなく、金がないから道路をつくることができないので、三井に十何里も二十里も道路をつくらして材木を出したという、これは開發の當初であるが、こんなこともあ
つた。今日の時代はもうそんな必要はなく
なつた。あるいは藤原に大きな
面積の
森林を賣渡しておるが、こういう必要はなくな
つたのであります。今これをおやりになるかどうか。それから小さい特賣をや
つておるのでありますが、この小さい特賣の中には、特賣をしなければならぬものもあるが、それで生活をしておるところの、妙な言葉を使えば中間搾取と申しますが、そういう
人間がある。安く材木代を支拂
つて高くそれを賣
つて、それで食べておるという人があります。そういうものは特賣の必要はないのであります。これは道廳では
調査ができております。これはやるかやらぬか、た
つた一言で濟むことでありますが、これを
農林省ではいかように御
處置なさる御意思であるか。
第三點について申し上げたいのでありますが、さきのあなたの御
答辯もありましたが、無理からぬことであると
考えたのでありますが、
國有林に對するところの
採草地であるとか、
放牧地であるとかいうものは、至急にや
つていただかなければならない。今日私が申し上げるまでもなく、今まで牧野をも
つておりましたものが四十町歩に切られてしま
つて、
北海道はこれからは牧畜というものを盛んにすることはできない。私
どもは非常にこれを悲しんでおる。四十町や五十町もら
つたつてや
つていけないという
理由をあなたがお知りであればさいわいであるが、お知りでなか
つたら私
委員長初め
政務次官に聽いていただきたい。
北海道の牧野というものは二つなければいけない。これは素人ではわからない。本当の専門家でなければわからない。こういう二つのものをもつのが理想であります。それがどれほどの
面積をも
つておるかというと、大體千町歩か二千町歩という
土地をもたなければいけないのであります。それで雪が降らなければいいのでありますが、雪が降るのでありますから、大體千町歩あると、馬を三百頭かそこら放すのが限度であります。この牧場に馬を放すと、春雪が消えて草が芽を出す。そうするとそればかり食うから草がなくな
つてしまう。三年も續けば荒廢してしまう。そこへあなた方を連れていくと、大變いい牧場だとお褒めになるかも知れない。そこで春ここの牧場の草を食わして、翌年はこつちの牧場へも
つてきて馬を入れる。そうすれば先に入れた牧場の春草は食わないから、そこの草は育つのであります。そういうふうに交換していかなければ
北海道の牧場というものは成立たない。殊に外國からは
日本の馬が欲しいと言
つてきておる。種牛が欲しいと言
つてきております。朝鮮へも五十頭の馬を賣りました。ロシヤも
日本の馬くらいいい馬はないから、ぜひ馬をくれとい
つて、満州へや
つた馬を皆も
つてい
つてしま
つた。蒋介石は
日本の馬でなければ支那の開發はできないと言
つておる。そういう大きな金をどんどんと外國から入れてくることができるのに、牧野を荒してしまう。馬を育てられない。どうだと言
つているのですが、これは實になさけないことであります。これはよけいな話でありますけれ
ども、一應聽いておいていただきたいのでありますが、今度の貿易におきましても、百三十萬ドルの貿易を申込んでこられまして、そのうちの三十萬ドル以上は畜産であります。こんな大きな
生産を
日本はも
つているのであります。それに牧野に對して四十町歩くらいに切
つてしまう。それでは
日本の畜産というものは
將來火の消えたようにな
つてしまう。それをおそれるのでありますから、ここに計畫性があるのかないのか、そしてこういうふうにな
つてきたことは、一體どういうふうにして
國有林で償われるか、われわれはこれを非常に心配しております。この點を
考えていただきたい。これは理論の問題じやないのです。現實の問題であります。こういう點をよくお
考えを願いまして御
答辯願いたいと思うのであります。大分大きなことをべちやべちやと喋
つて、三つ申し上げたのですが、この點についてひとまず御
答辯を聽いて、次に私は二、三問お尋ねをしたいと思うのであります。