○八木
委員 簡單に五つの點について
お尋ねいたしたいと思います。
第一點は、この
法律を實施してまいりますには、相當豫算を伴うと
考えられますが、その豫算の概要を伺いたい。それからその豫算と
法律との関係で、豫算は豫算
委員會で審議されるでしようが、豫算が伴わなかつた際に實施に困るだろうから、この
法律は豫算と切り離して實施できるものかどうか。それが第一點であります。
第二點は、
法律の標題が
農業生産調整法とな
つておりまして、
農業の
増産こそ必要でありまするが、この際にことさら調整、コントロールするというような題目からまず氣に食わないのですが、こういう氣に食わない
法律を出す
考え方の基本的なところが解しかねるのです。どうも讀んでみますと、戰爭中困
つてきて、企圖して大失敗をしたあの
作付統制令と同じところに
考えがある。ただ言いまわしをかえただけではないかという感じをもつのでありますが、それはどういうわけか、
納得のいくように御
説明を願いたいと思います。
第三點は、
法律施行の骨になる
指示權と言いますか、計畫
生産をやらせようという
指示は、むしろ
命令生産と言つた方がさつぱりするのではないか。ここに
委員會に諮るとか何とか書いてありますが、究極の
指示權の所在はやはり安本にあり、
農林大臣にあり、
知事にあり、
市町村長にありまして、あと
委員會とか何とかということはごまかしであ
つて、ほんの相談をする權關というだけではないかと思うのであります。先ほどの御
説明では、獨断專行はこれによ
つてさけるのだという程度のお話でありますが、究極においては、
責任の所在は今申しましたように安本、
農林大臣、
知事、
市町村長の手に歸していると思うのであります。それもまだ讀み方が足らないから私の
考え方が違
つているのか、それも伺いたい。
第四點は、全體の問題として、最近農林省がこの農林
委員會に提案されましたいろいろな
法律を見ましても、どうも要らない
法律をつく
つて出すような感じがするのです。この
法律もその
一つでありますから、率直にそう申し上げる。農林省自體が、食糧の
生産省であり、食糧の
増産省でなければならないのが、戦時中の惰性で食糧の配給省にな
つてし
まつた。食糧の問題を追いまわしておるあまりに、かえ
つて食糧の減産を期待するようなところに力を入れている。そういう
法律ばかりたくさんつく
つているという感が深い。そういうような意味合からいたしまして、この
法律はなくても支障はないのじやないかという點です。
供出要綱あるいは
食糧管理法、むしろこれを強力
行政の線に沿
つて、
増産の方に力を入れていくのならばいざしらず、かような、今まで同僚の質問になりました、
大島委員からも質問になりましたような點に觸れて
考えますと、どうもこれはなくてもやれる、要綱でもやれる範囲のものではないかという氣がいたしますから、これも率直に伺いたいと思います。
それから第五點は、たくさん
農業關係の
法律をつく
つて、大嶋
委員の言葉を借りると、
百姓をやるがゆえに懲役にいかなければならぬというような、脅かされるような
法律がたくさん出てまいります。この
法律をたくさんつくる農林省のかんじんなる
法律用語の中に、この
法律では
耕作を營む者を
農業者と呼んでおります。
農業協同組合法においては
農民と呼んでおります。的場
委員が
農業協同組合法の際に
お尋ねにな
つておりましたが、同じ
農業者に對して、
農民と言い、また
農業者と言
つておる。これは何か意味があるのですか、伺いたいと思います。