○
伊藤(佐)
政府委員 私
開拓局長の
伊藤でございます。ただいまから
開拓法の御
説明を申し上げるわけでありますが、その前に現在行われております緊急
開拓事業の概要を御
説明申し上げます。今囘御
審議を願いたいと
考えておりまする
開拓法は、この
開拓事業を強力に推進をしてまいりたいための
法案でございますので、その意味におきまして緊急
開拓事業の内容を簡單に御
説明申し上げたいと思います。
現在行われておりまする緊急
開拓事業は、昭和二十年の十一月に日本
政府が、閣議決定をも
つてきめられまして發足いたしたものであります。概要は内地、北海道を通じまして、百五十五萬町歩の新しき耕地を五箇年間につくる。それから十萬町歩の干拓を六箇年間にいたす。それから三箇年間に二百十町歩の土地改良をいたす、それからこれらの新しくできました土地に對しまして、合計百萬戸の
農家を歸農させる。この百萬戸と申しますのは純粹に入植いたしますものと、いわゆる地元増反、これは地元が非常に過小農でありますために、地元の一戸當りの
面積を殖やしまして、それによ
つて地元の
農家の經營を樂にするという意味合のいわゆる地元増反、これを合計いたしまして百萬戸のものを植えつける。それからこれによ
つて生じまするところの
食糧の増産でありまするが、主食の米に換算いたしまして、合計二千百萬石の増産をいたす。こういうのが大要の計畫でございます。
それで昭和二十年の十一月から發足いたしまして、今年の三月三十一日すなわち二十一年の會計年度末まで約一年半の間に、どの程度のことがなされたかということを見てみますと、まず開墾におきましては合計二十一萬九千町歩餘り、約二十二萬町歩の土地が新しくできたのであります。このうち内地が十八萬六千町歩ばかりでありまして、殘りの三萬町歩餘りが北海道でございます。それでこれらは計畫に對してどういうふうなことにな
つているかと申しますと、二十年度におきましては約七〇・三%のものが實現いたしております。それから二十一年度におきましては九三・五%が實現をされたのでございます。北海道の方は兩年度合わせまして、計畫に對して五八%實現いたしております。
ただいま申しましたパーセンテージはいずれも
豫算面から見ました計畫に對するものでありまして、當初百五十五萬町歩を五箇年間でやる計畫からいたしますと、
豫算資材等に制約をされまして、結局これは約半分のものにな
つております。それから干拓の方は御
承知の
ように手をつけましてから二年なり三年なりの年月がかかりまして、初めてでき上るものでございますので、今年の三月三十一日までにはまだでき上
つたものはほとんどございません。約一萬一千町歩のものが
施行をされている
状態でございます。
それから入植の戸數でございますが、これは内地と北海道を合計いたしまして、約四十一萬戸のものが地元増反と入植とではい
つております。そのうち十萬七千戸が純粹の入植數でございます。殘りの三十萬戸ばかりのものが、いわゆる地元増反にな
つております。それから土地改良
事業でございますが、これは三箇年に二百十萬町歩の計畫でございましたが、この方は成績が計畫
通りい
つておりまして、
事業の性質上六月末をも
つて切
つておりますが、一昨年から始めたものと、昨年から始めて今年の六月に終るものとありますが、一昨年から始めた分は百パーセントできております。それかう本年の六月をも
つて終りますもの、これも大體百パーセントできている。まだ集計はできておりませんが、さ
ように
考えております。
そこで住宅の建設
状況でございますが、これは十萬七千戸の純粹入植者に對しましては、これだけの住宅が要るわけでございますが、
豫算その他の
關係からいたしまして、昭和二十一年の三月までにでき上りましたものは、約三萬七千戸であります。住宅の點につきましては、今後相當必要とすると
考えておりますが、いずれも舊軍
用地等の建物等や何かを利用しておりますので、現在雨露にさらされておるという
ような
状態のものはございません。獨立の
農家を形成してや
つてまいるという點は、ただいま申し上げました
ようにまだ三萬七千戸ほどでございますが、この分は目下努力を續けておるわけでございます。ただいま申し上げましたのが緊急
開拓事業の概要と、それから現在までの實績の概要でございますが、これらの點をにらみ合わせてみまして、この
開拓事業計畫の改訂をいたしてまいる必要があると存じまして、目下その改訂案を檢討中でございます。近くこれも成案を得ました上で、實施に移したいと
考えておるわけでございます。
次に
開拓法の御
説明に移りますが、これは先ほど次官からも御
説明を申し上げました
通り、現在この
開拓事業を行
つておるのでありますが、法制的の根據が非常に乏しいのであります。そのために強力に
開拓政策を推進できない點が多々あるのでございまして、これらの點を法制の
裏づけによりまして、強力な推進ができる
ようにいたしたいというのが
開拓法を制定し御
審議を願います
目的であります。お手許に差し上げてございます
開拓法要綱を順序を追いまして概略御
説明を申し上げます。
まず第一の
目的でございますが、この
法律は土地の
開拓を行うことによりまして、國土の
農業上の利用を増進するということと、
農業におきます人口收容力の安定的な増大をはかるということと、
農業生産力の發展をはかることを
目的としております。この中の
農業における人口收容力の安定増大、これは何でもかんでも
農業に人口を押しこめればよろしい。こうい
つたような
考え方ではなくて、適正なる規模の、安定した經營を有するところの
農家を新しく創定することによりまして、また既設の
農家につきましても、それらの増反によりまして、安定した經營規模を有するものにしていく。そうい
つたような意味合いの
農業人口を殖やしていく、これを
目的をしておるわけであります。次の
農業生産力の發展ということは、これによりまして
主要食糧その他
農業生産物の増産をはか
つてまいる。この三點を
目的としておるわけであります。現在の緊急
開拓は、戰後の非常に混亂した時代におきまして、
食糧の外國からの見透しも全然つかなか
つたような時代、しかも戰災者あるいは外地からの復員、引揚者者というふうな者が、どんどんと歸
つてまいりまして、失業者がたくさん出るであろう、こういう
ような事態が豫測されました時代におきまして、失業者の救濟と
食糧の緊急増産というこの二つを
目的として、現在の緊急
開拓が行われておるのでございますが、元來
開拓というものは、結果においてそういうことになろうと思いますし、またできるだけそうい
つたようなことは
考えてやらなければならぬと存じますが、本來の
開拓の姿というものは、ただいま申し上げました
ような、この
法律の
目的に揚げました
ようなものであると存じまして、この
目的をここに
はつきりと揚げたわけでございます。
次は國營
開拓事業でございますが、この
開拓事業の種類といたしましては、國營の
開拓事業と國營の土地改良
事業、それからこれらに附帶して起りますところの附帶
事業と、土地開發
事業、それから補助
事業、大體この五つがございます。以下順を追いまして御
説明を申し上げます。
まず國營
開拓事業でございますが、これは
政府がこの
法律によりまして
農業用地を新しくつくりまして、その土地に自作農を創設する
事業を申しております。これがために以下のことを行うわけでございます。
まず第一に
開拓地の決定でありますが、この
開拓地の決定は、農林大臣がまず
一定の期間を限りまして
開拓の
豫定地域というものを指定いたしまして、その地域内において
一定の行為を制限するということを
考えております。これは現在は
開拓地の決定につきましては、地方の
農地委員會に決定をしてもら
つているわけでありまして、
農地委員會がこれを
開拓地と決定いたしますと、
政府がその土地を買い上げるということにいたしているのでございます。大體その決定に至りますまでに、それぞれその地方々々では、これらの土地が
開拓地になりそうだという氣配がありますと、まず立木の
所有者などが立木を急いで賣
つてしまうわけであります。その結果、
開拓地ときまりました場合、防風林ないし薪炭林もないという
ようなことが往々にしてございまして、各縣とも
開拓地の決定、土地の
買收につきましてはこの點に非常に手を燒いているのであります。これではせつかくの土地が
開拓地としまして有效に利用できない點がございますので、まず國が國營の地區につきまして
開拓の
豫定地と
考えました場合には、一應網をかける。そうして
一定期間、これは大體一年と
考えておりますが、その期間内においては立木の伐採、處分、あるいは構築物の移轉、除去等の處分を禁止するということにいたしたいと
考えております。そうして國の方で調査いたしました結果、差支えないものにつきましては適宜處分をしてもらう
ようにいたしたいと
考えているのであります。
次は、國營
開拓事業を行うべき土地は農林大臣がこれを定める。これはいわゆる
開拓開墾適地でありますが、農林大臣がこれを定めることにいたします。但しこの場合には、中央竝びに地方の
開拓委員會に諮問をいたしまして、その諮問に基きましてこれを定める
ようにいたしたいと
考えております。
開拓委員會の
機構は、現在の構成、メンバーでは十分でないと
考えますので、これはそれぞれ
關係方面の人を網羅した適當な構成にいたしたいと
考えております。次は、農林大臣が
開拓適地を決定いたします際には、現在立入權とか、あるいは測量檢査等の權限がございませんので、こういう法制上の權限を設けていきたいと
考えております。
こういう
ようにいたしまして、まず
開拓豫定地をきめ、續いて
開拓適地をきめまして、その次は
開拓計畫というものを具體的に立てるわけでございますが、これは農林大臣が
開拓計畫を立てることにな
つております。
次は土地等の取得でありますが、
政府は國營
開拓事業のために必要がありますときには、以下申し上げます
ようなものを
買收あるいは使用することができることにいたしたいと
考えております。これは、土地、それから
政府の所有する土地に關する
所有權及び擔保權以外の
權利、立木、工作物その他の物件、漁業權、水の使用に關する
權利、公有水面の埋立に關する
權利、こうい
つた權利を
買收または使用することができる
ようにいたしたいと
考えております。
次の2、3、4、は取得に關する手續及び管理の
關係でございますから省略いたします。
次は
事業の
施行でございますが、この
事業の施工者國營の
開拓事業計畫に基きまする
一定の
施設、これは基本
施設と申しておりまするが、これは
農林省が行うことにいたします。ただし農林大臣が直營をも
つて行いまする場合と、
農地開發營團でありますとか、あるいは都道府縣入植者の組織する團體、
農業會その他適當な團體に
事業を委託することができるという
ようにいたしたいと
考えております。これは現在と同じであります。右のこれらの
事業を
施行するに必要なる費用、すなわち基本
施設を行いますに必要な費用は、
全額國庫支出といたしたいと
考えております。これも現在と同様でございます。
次は六の
開拓者の決定でございますが、御
承知の
ように
開拓事業というものはなかなか容易なことではございませんので、よほどその人の選定を得ませんと、中途にして挫折することが往往にしてあるのでございます。現在軍
用地等にはい
つております
開拓者が相當ございますが、これは終戰後の混亂した時代におきまして、まだ國の施策が發足いたしません前に、これらの土地と建物を使用してや
つた人たちが大部分でありまして、ほとんど大部分の人たちは、
從來農業に經驗のないという方たちが多いわけであります。大體軍
用地というふうなところは、農耕地としては非常に不適當な、また改良にも困難なところが多いわけであります。それに經驗のない人たちがはいりましたために、非常に苦勞しているというのが現状であります。これにつきましては、國といたしましても、できるだけのことは今後ともいたしまするけれども、まず第一に適當な人を選んで入植をさせるということが一番大事なことと
考えております。從いましてこれらの人はまず
農家の子弟でありまするとか、あるいは海外において
農業に從事していた人たち、あるいは
農業に直接
關係はなくとも、
農業に從事する熱意とそれにふさわしい體力その他の條件を備えた方々こういう人たちにはい
つてもらうのが適當ではないかと
考えております。
次は、土地等の管理及び處分の問題でございますが、
政府はこの基本
施設に關する
事業が完了いたしましたときには、
開拓財産であるところの土地を
一定の配分計畫によりまして、
開拓者またはその組織する團體に對して無償でこれを使用させることにいたしたい。できるだけ土地の
割當は早くやりたい。そのことが
開拓者の前途を明るくいたしますとともに、落ちついて仕事ができるということになりまするので、土地の配分はできるだけ早くいたしますとともに、配分いたしました土地については、でき上るまで無償で使用させることにいたしたいと
考えております。
次は
開拓者あるいはその組織する團體は、使用の處分を受けたときから五箇年以内に開墾に成功しなければならないということにいたしまして、それまでに開墾に成功しないとき、あるいはその見込がないときにおいては、使用の處分を取消すということにいたしたい。ただしこの五箇年は、多少の事情によりまして延長をすることは差支えないと思います。
次は土地の賣却でございますが、
開拓に成功いたしました場合は、
政府は
開拓者またはその組織する團體に對して、その土地を賣り渡すのであります。
この賣却の
價格は、これはこの附近の類地の
價格によ
つて賣り渡すわけでありますが、その場合に賃貸
價格というものを同時につけておいた方が、別途につけるよりも手數が省けてよかろうというわけで、賃貸
價格も同時に設定することにいたしたいと
考えております。
次は
開拓における
農業經營の
指導上必要な土地、
指導農場をつくるとか、そういう
措置でありますが、または處分の相手方がない土地につきましては、これは別途特別に處分をいたしたいと
考えております。
次は流木等の賣渡し貸付でございますが、立木工作物その他の物件は、
開拓者もしくはその組織する團體あるいはその基本
施設に關する
事業を行う
農地開發營團等に貸付または賣り渡す
ようにいたしたいと
考えております。それからこれらの國營
開拓事業の結果できました道路、堤塘、溝渠、溜池等の公共的の基本
施設は、都道府縣
市町村等をして管理させることができる
ようにいたしたいと
考えております。場合によ
つては國みずからも管理できる
ようにいたしたいと
考えております。
次は防風林、薪炭林、
採草地等でありまして、共同の利用に供するに適當とするもの、あるいは水の使用に關する
權利は、
開拓者もしくはその組織する團體または、基本
施設に關するその
事業を行う
農地開墾經營團等に使用あるいは受益させることができる。國營開發
事業終了後、必要があるときはこれらのものをそれらの團體あるいは公共團體等に賣渡し、あるいは引渡すことができる
ようにいたしたいと
考えております。
それから次は土地等の對價の支拂いでございますが、これは
一定の均等年賦支拂いの方法によるものとして、現在の
措置法によるものと同様にいたしたいと
考えておりますが、收穫率と年賦金額との割合が
一定率以下になる
ような場合には、これは均等年賦支拂いの金額を減免することができる
ような規定を設けたいと
考えております。
次は土地の賣渡しを受けました、つまり
開拓者あるいはその相續人が自作をやめ
ようとする場合には、
政府がこれを買取るということにいたしたいと
考えております。
次は國營土地改良
事業でございますが、まずこの國營土地改良
事業というのは、
政府がこの
法律によ
つて農業水利
施設を新設し、變更し、または廢止する
事業を申すのであります。いわゆる用排水幹線
事業にあたるものがこれでございます。
事業の
施行につきましては、
原則としてはこれは既耕地の改良の問題でございますので、地元からの申請があ
つた場合にやることにいたしたい。但し特に必要がある場合には、農林大臣が積極的に行うこともできるというふうにいたしたいと
考えております。國營の土地改良
事業は農林大臣がこれを行うことになるのでありますが、これは現在と同様に、場合によ
つては
農地開發營團あるいは都道府縣をして行わせることができる
ようにいたしたいと
考えております。
次は手續の
關係でございますが、農林大臣が
施行地區及び土地改良
事業の計畫を定めますときにはその旨を報告して、
一定期間それぞれの場所において縦覽に供する。それに對して
異議のあるときには、農林大臣に
異議の申立ができる
ようにいたしたいと
考えております。
次はこれも手續上の問題でありますが、農林大臣が必要あるときにはこれらの國營
開拓事業を行う場合に、既耕地内の物件を移轉したり、除却したりすることができる
ような權限を與える
ようにいたしたいと
考えております。
次の(5)のものはいずれも國費支辨の點、あるいは立入測量の點、あるいは土地等の取得の點でありますが、國營の
開拓事業と同様の方法でや
つていきたいと
考えております。
次の道路、堤塘等の處分でございますが、これも前の國營
開拓事業と同様な方法でや
つてまいりたいと
考えております。
それから四の受益者負擔でございますが、これは國營の土地改良
事業の
施行によりまして利益を受けるもの、あるいはその
組合員の全部、あるいは一部とする土地開發
組合に對しまして、その受ける利益の限度内において、
事業の
施行に要する費用の一部を受益者負擔とすることができる
ようにいたしたいと
考えております。これも現在と同様であります。
次の特別附帶
事業でございますが、これは土地の
農業上の利用ということが主體になる地域でありまして、それに附隨いたしまして道路でありますとか、あるいは鐵道でありますとか、あるいは電力でありますとか、そうい
つたような
施設を附帶して同時に
施行することを必要とする
ような地區がございますので、そうい
つたようなものにつきましては、これは一緒に
施行する
ような特別の方法をとりたいというので、この規定を設けたわけでございます。
次の
事業の
施行の點でございますが、そうい
つたような必要がありまする場合には、農林大臣はそのことを内閣に對しまして申請をいたすわけであります。内閣におきましてもこれらのものが同時に附帶
事業として行うことが必要であるということを認められました場合には、農林大臣以外の
關係大臣、あるいは地方公共團體に對しましては、内閣からこれらのものをやる
ようにということの命令、あるいは地方の公共團體に對しては依頼をすることができるというふうにいたしたいと
考えております。これによりまして
農地を主體といたしまする總合的な開發がはじめて行われることになると
考えております。三は前の手續的なことを準用いたしたのでありますので省略いたします。
次の土地改良
事業でございますが、これは先ほど次官から御
説明いたしましたところで十分と
考えておりまするが、現在の
耕地整理法をここにも
つてきたわけであります。違いまする點は、現在の
耕地整理法につきましては、土地の
所有者が主體にな
つておりますけれども、
農地改革の今日におきましては、土地の
耕作者が當然主體になるものと
考えておりますので、その點を變えましてここに
耕地整理法をも
つてまい
つたわけであります。耕地整理
組合という名前は十分に意を盡くしておらぬと思いますので、土地開發
組合という名前に新しくいたしたわけであります。それから
從來の普通水利
組合、これは
耕地整理法の中にはい
つておりませんが、今囘は普通水利
組合もこの土地開發
組合と同様なものといたしまして
取扱つてまいりたいと
考えております。その結果現在の水利
組合法が一部
改正されることになるわけであります。
それから次は第六の助成でございますが、土地の取得及び處分、
政府は自作農の創設、土地開發
事業、または都道府縣の行う
農業水利
施設の新設、廢止、もしくは變更のために必要がありまする場合には、前に申しました
ような土地
權利または物件をあるいは
買收し、使用し、または
政府の所有に屬する土地物件を當該
事業の用に供する雜種財産とすることができることにいたしております。これらの右の
買收等の手續、及びこれらの土地または土地
權利または物件の賣渡しの手續等は、現行の
自作農創設特別措置法の規定によ
つてまいりたいと思います。
その次は助成金でありますが、これは大體現在と同じでありまして、耕地整理
組合、あるいは共同で
施行する場合、あるいは個人で
施行する場合もありまするが、これらのものが
農業水利
施設の新設、廢止または變更を行う場合に對しましては、毎年度これは
豫算の
範圍内で補助金を交付する
ようにいたしたい。これは現在の補助
施設と同じ
ように
考えております。
それから先ほどの個々の場合を申し上げたのでありますが、農林大臣はこの
法律によります職權、權限の一部を、必要によりまして、都道府縣知事に委任することができる
ようにいたしたいと
考えております。
最後は他の
法律との
關係でございまして、これは
自作農創設特別措置法、
農地開發法、水利
組合法の一部を
改正いたします。
耕地整理法及び北海道土功
組合はこれを廢止することにいたしたいと
考えております。以上は開發法の極く概要を申し上げたわけでございます。
その次に
開拓者資金融通法中一部
改正に關する件に對しまして御
説明申し上げます。現在
開拓者の
資金につきましては住宅
資金と
營農資金と、この二つが供給されておるわけであります。住宅
資金の方は現在一戸當り一萬五百圓、これに四千五百圓の
國庫助成金が加わりまして、一萬五千圓、
營農資金の方は一戸當り一萬圓ということで本年度からまい
つております。昨年は合計いたしまして、一萬圓ありましたが、それではとても足りませんので、合計いたしまして今年度から二萬五千圓にな
つておるわけであります。それでもなお物價、勞賃がどんどん上
つてまいりますから、むろん十分とは申し上げられませんが、ただいまのところは二萬五千圓にな
つております。それで
資金の
融通の點につきましてはそうい
つた個々のものに對するほかに、
共同施設に對する
資金の
融通をぜひや
つてくれという要望が非常に強いのでございまして、これはもつともでございますので、今囘
共同施設に對しましても
資金の
融通ができる
ようにいたしたい。その點につきましての
改正案でございまして、これは
全額さしあたり二千萬
圓程度のものと
考えております。償還期間は二十年以内でございまして、住宅と
營農資金の方も二十年以内で、年利三分六厘五毛の均等年賦償還でございます。違います點は住宅
資金及び
營農資金につきましては据置期間が五年にな
つております。この
共同施設の方は比較的早く可耕
農家によりまして利益を上げて行き得るという
建前の下に、据置期間を一年といたしております、いずれも据置期間中は無利子でございます。
以上簡單でございますが、兩
法案につきまして御
説明を申し上げました。