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1947-11-11 第1回国会 衆議院 通信委員会 第18号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十二年十一月十一日(火曜日) 午後二時十五分
開議
出席委員
委員長代理
理事
重井
鹿治
君
理事
天野 久君 海野 三朗君
大石ヨシエ
君
梶川
靜雄君 片島 港君 成田 知巳君 野上 健次君
千賀
康治君 田島
房邦
君
長谷川俊一
君
長谷川政友
君 多田 勇君 森 直次君 林 百郎君
出席政府委員
遞信政務次官
椎熊
三郎君
遞信事務官
小笠原光壽
君
遞信事務官
山戸 利生君
委員外
の
出席者
專門調査員
吉田
弘苗
君 ――
―――――――――――
十一月十日
特定郵便局
に關する
陳情書
(第五四八號) を本
委員會
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
會議
に付した事件
郵便法案
(
内閣提出
)(第八二號) ――
―――――――――――
重井鹿治
1
○
重井委員長代理
これより
會議
を開きます。 前會に引續き
郵便法案
を議題として
質疑
を續行いたします。前會における
千賀委員
よりの
損害賠償
に關する
質疑
に對して
政府側
の
説明
を聽取いたします。
小笠原光壽
2
○
小笠原政府委員
前
會御質問
のございました
一つ
は、
山猫爭議
のような
爭議行
為の結果として
損害
を生じた場合において、
遞信官署
はその
損害
を
賠償
するかどうか。それからもう
一つ
は、合法的な
爭議行
為によ
つて損害
が發生した場合において、
遞信官署
はそれに對して
賠償
の責に
任ずる
かどうかという點につきまして御質問がございまして、その後研究いたしたのでございますが、何分にも
勞働關係
の法制はきわめて最近において制定されておりまして、またこれに關する
具體的
な問題が
裁判所
において取げられております事例も未だほとんど少い
關係上——
これらの問題は終局においては
裁判所
の判決によ
つて
確定する次第でございますから、ただいま一應研究いたしました結果を申し上げてお答えにいたしたいと思います。
郵便關係
の
損害賠償
につきまして、
郵便物
の
取扱い
、
郵便物
を公衆から引受けて配達するということにつきまして、
損害
が發生した場合において、國が
賠償
の責に
任ずる
という問題につきましては、最近
制定公布
をされましたところの
國家賠償法
の
特別法
といたしまして、この
郵便法案
の第六章に
損害賠償
に關する
規定
を設けてある次第でございます。この
特別法
であるところの
郵便法
の六十
八條
の
規定
は、
損害
を
賠償
いたします場合と、その限度とを制限いたしておるのであります。すなわち六十
八條
におきましては、
損害賠償
をする
事由
といたしまして、「
遞信大臣
は、この
法律
又はこの
法律
に基く
省令
に
規定
に
從つて
差し出された
郵便物
が左の各號の一に該當する場合に限り、その
損害
を
賠償
する。」その一といたしまして、「
書留
又は
保險扱
とした
郵便物
の全部若しくは一部を亡失し、又はき損したとき。」二といたしまして、「
引換金
を取り立てないで
代金引換
とした
郵便物
を交付したとき。」この二つの場合に
限つて損害賠償
の責の
任ずる
。しかもその次の六十九條におきまして、いわゆる
免責規定
といたしまして、かりに
損害發生
の
事由
が六十
八條
に
規定
されている場合でありましても、「
損害
が
差出人
若しくは
受取人
の
過失
、
當該郵便物
の
性質
若しくは
缺陷又
は
不可抗力
に困り發生したものであるときは、
遞信大臣
は、前條の
規定
にかかわらず、その
損害
を
賠償
しない。」というふうに立案してあるのでありまして、
從つて
ただいまの問題の場合は、第一にはそれはかりに
爭議行
為によりまして、
書留
または
保險扱
をした
郵便物
の忘失または
毀損
が生じたと假定いたした場合におきまして、それが
郵便法案
第六十九條の「
差出人
若しくは
受取人
の
過失
、
當該郵便物
の
性質
若しくは
缺陷又
は
不可抗力
」というものによつたかどうかということが、第一に問題になるわけであります。この場合におきまして、正當な
爭議行
為、適法な
爭議行
為であります場合には、これは
使用者
である
遞信大臣
から考えます場合には、適法な爭議權の
行使
として行われる
爭議行
為によ
つて
、かりに發生した
損害
であるといたします場合には、それは
使用者側
に故意もしくは
過失
と
認むべきもの
がないと考えられますので、この場合には六十九條の
免責
の
規定
によりまして、
損害
を
賠償
しないものと解釋いたすのでございます。しかしながら適法ならざる
爭議行
為によ
つて
生じた
損害
の場合には、これはいささか事情が異なります。この點につきましては、なお十分檢討を要する次第でございますが、一
應私ども
といたしましては、その場合は必ずしも
不可抗力
という
言葉
で責を免れるわけにはいかないのではないか。
民法
七百十
五條
にいわゆる
使用者
としての選任、監督上の
過失
の有無ということが問題にな
つて
まいりますので、そういうような場合には、むしろ
原則
として
賠償
の責の任じなければならないということに、一應解釋されると思います。 次に
具體的
に、
爭議行
為によ
つて亡失
または
毀損
ということが發生いたしました場合には、ただいま申し上げたような次第でありますが、その場合において、たとえばこの間の
東京中郵
における場合のごとく、
小包郵便物
が長い間停滯して、そのために思わざる
損害
、すなわちその間の
腐敗
による
損害
を
賠償
するかしないかという問題にな
つて
まいりますと、
一つ
の問題としては、それが
郵便法
の六十
八條
の、いわゆる
毀損
したという
言葉
に該當するかどうかという問題にな
つて
まいります。大體この
毀損
という
言葉
は、外部からのある種の作意によ
つてそのもの
に
損害
を與える場合を考えておるのでありまして、
そのもの
の
性質
から自然的な變化によ
つて
變質するというような場合は、
原則
として、いわゆる
毀損
という
言葉
にはあてはまらないのではないとか一應考えられますが、かりに
腐敗
をする場合に、その一部の場合が
毀損
に該當するとしましても、その場合には六十九條の
規定
によりまして、
郵便物
の
性質
もしくは缺陷によ
つて
發生したものであるときには、
損害
を
賠償
しないという案にな
つて
おりますので、この
法案
から考えまして、それが
郵便物
の
性質
上變質するようなものであつたという場合においては、
賠償
の責に任じないということにな
つて
くるものと考える次第であります。 いずれにいたしましても、この
勞働爭議關係
から發生する
各種
の
法律
問題につきましては、初めに申し上げましたように、今後いろいろの場合にぶつかり、いろいろの
範例
も將來できるものと考えるのでございますが、私
ども
といたしましても、今後さような
範例
その他いろいろの場合を孝究いたしまして、この
法案
が可決せられました場合には、將來愼重に扱
つて
いきたいと考えておる次第であります。
重井鹿治
3
○
重井委員長代理
この際お諮りいたします。先ほどの
理事會
で、本
法案
の
取扱い
を協議したところ、大
體各章別
に
政府側
の
説明
を聽取した後、その各章についての
質疑
をし、各章における
質疑
が
終つて
から、總括的な
質疑
をし、三囘ないし四囘くらいで討論採決したいということに決定いたしましたので、まず第一章
總則
について
政府
よりの
説明
を聽取した後、第二章についての
質疑
に入りたいと思います。では、
政府側
の第一章
總則
に對する
説明
を聽取いたします。
小笠原光壽
4
○
小笠原政府委員
この
郵便法
の構成は、お手もとに差上げました新舊對照を御覽になりますと、非常に簡單にわかります。 第一章
總則
で總論的なことを
規定
いたしました。第二章で
郵便物
とはどういうものか、また
郵便物
の種類はどういつたようなものか、
竝びにその料金
はいくらであるかというようなことを
規定
いたしました。第三章では
郵便
に關する
料金
につきまして、その
納付及
が還付について、第四章は
郵便物
の
取扱い
につきまして必要な
規定
を網羅いたしました。第五章は
郵便物
の
特殊扱
、第六章は
損害賠償
、第七章は
罰則
、こういうふうに分類いたしたのであります。 この第一章の第
一條
でございますが、第
一條
はこの
法律
の
目的
を
規定
いたしたのでございます。すなわちこの
法律
は
郵便
のサービスをなるべく安い
料金
で、あまねく、しかも公平に提供することによ
つて
、公共の福祉を増進することを
目的
とする、これが
郵便法
の
目的
であります。 第
二條
は、
郵便
の
國營及び遞信大臣
の
職責
について
規定
いたしたのでございます。
郵便
の
國營
につきましては、從來の
現行法
におきましても、法の第
一條
に「
郵便ハ政府
之
ヲ管掌ス
」こういうように
規定
されております。同時に
現行法
の第
二條
で「
何人
ト雖信書
ノ
送達
ヲ
營業ト
為
スコトヲ得ス
、
運送營業者
、其ノ
代表者
又
ハ代理人其
ノ他ノ
從業者ハ其
ノ
運送方法
ニ依り
他人
ノ為
ニ信書
ノ
送達
を為
スコトヲ得ス
但
シ貨物ニ添附スル
無封ノ
添状
又
ハ送状ハ此
ノ
限ニ
在ラス」ということで、
政府
の
事業
であることを
意味
しておるのでございますが、新しい
法案
におきましては、第
二條
におきまして、前囘の
委員會
におきまして大臣から御
説明
申し上げましたように、
郵便事業
は國の行う
事業
であるということを
法律
に明瞭に
規定
いたしますると同時に、その
管理主體
が
遞信大臣
であるということを明確にいたしたのでございます。それから
遞信大臣
の
職責
につきましては、本來官制によ
つて
規定
せらるべき事柄でございますけれ
ども
、
郵便法案
は
郵便
に關して基本的な
性格
を與えるという
意味
におきまして、
遞信大臣
の
郵便事業管理
上の
職責
がいかなるものであるかということを、この
法律
に
規定
することが
適當
と考えまして、第
二條
第二項にそれを
規定
いたした次第でございます。すなはわち「
遞信大臣
は、この
法律
の
目的
を達成するため、左の
職責
を有する。」は「
郵便
に關する條約及び
法律
に從い、
省令
を發すること。」これも
行政官廳法
にあるわけでございますけれ
ども
、特に
郵便
に關しましてこの
規定
を入れたのでございます。これから第二號は「
法律
に觸れない
範圍
において、
郵便局
を設置し、又は廢止し、
郵便局
の
窓口取扱
時間及び
取扱事務
の
範圍
を定めること。」第三號は「
郵便物
の取集、
遞送及び配達
に關する施設をすること。」第四號は「
郵便
の
業務
に從事する者をその
職務
につき指揮監督すること。」この第四號も
行政官廳法
にあるわけでございます。一號、三號、五號、六號といつたようなものは、すべて本來官制的な
規定
でありまして、また當然のことでございまするが、先ほど言つたような
趣旨
でありますと同時に、最後に漏れなく包括するために「前各號に掲げるものを除いて、
郵便
に關し
遞信大臣
の
職責
として法令の定める
事項
を掌理すること。」というようにいたした次第でございます。 第三條は
遞信大臣
の
職權
の委任、これは「
遞信大臣
はこの
法律
に定める
職權
で細目の
事項
に關するものを、
條件
を定めて、
遞信局長又
は
郵便局長
に委任することができる。」この
郵便法案
におきましては、すべて
原則
としまして、
權限
の主體を
遞信大臣
といたしまして
規定
いたしましたので、その
權限
を
遞信局長
または
郵便局長
に委任して、しかもこれは對外的に對抗するためには、この
條文
を必要といたしまするので、この
規定
を設けた次第でございます。 第四條は
郵便
の
業務
に從事する
官吏
のことを
規定
いたしたのでございます。これは「
郵便
の
業務
に從事する
官吏
の身分、
給與
及び服務に關する
事項竝びに特定郵便局長
の
郵便局
の
運營
に關する
事項
は、この
法律
でこれを定めず、別に
法律
でこれを定める。」すなわち
一般
の
官吏
につきましては、先般制定せられました
國家公務員法
に
規定
されておるわけでございます。
現業廳
の
職員
については、
特別職
として
國家公務員法
は直接は適用されません。しかしながら
當然現業廳
の
職員
に對する
特別法
ができるわけでございます。それがこの第四條に示しておるところでございます。 第
五條
は
事業
の
獨占
でございますが、「
何人
も、
郵便
の
業務
を業とし、又國の行う
郵便
の
業務
に從事する場合を除いて、
郵便
の
業務
に從事してはならない。但し、
遞信大臣
が、
法律
の定めるところに從い、
契約
により
遞信官署
のため
郵便
の
業務
の一部を行わせることを妨げない。」すなわち、たとえば
東京都内
を走
つて
おる
赤自動車
、つまり
郵便物
を
運送
しておるものですが、ああいうものは
郵便
の
業務
の一部を行
つて
おりますが、これは
法律
の定めるところに從い、
契約
によ
つて
や
つて
おるもので、そういう場合は差支えないけれ
ども
、しからざる場合は、すべて
郵便
というものを國以外のものはや
つて
はいけない。こういうわけであります。そこで
郵便
とは一
體何
かということになりますが、私
ども
は
郵便
というのは、
信書
の
送達竝びに信書
の
送達
を
取扱
う
機關
による
信書
以外のものの
送達
竝びに
これに附帶する
業務
を稱して
郵便
というふうに觀念しておりまして、ひの業を國以外のものがや
つて
はいけないという
趣旨
でございます。すなわち
事業
の
獨占
の主體にな
つて
おるのでございます。この
獨占
を侵しました場合には、この第七十六修に
事業
の
獨占
をみだす罪という
罰則
の
規定
があるのでありまして、「第
五條
の
規定
に違反した者は、これと三年以下の懲役又は一
萬圓
以下の罰金に處する。」ということにな
つて
おりまして、國の
獨占
權を保護しておるわけでございます。それから第
五條
の第二項は「
何人
も、
信書
の
送達
を
營業
としてはならない。」たとえ
郵便
という名稱でやらないでも、
信書
の
送達
を
營業
してはいけないのでありまして、
營業
としない場合、すなわちある
會社
の
本店
と
支店
との間において、その
會社
の
關係
の
書類
を送る。
自分
のところの使用人をして、
本店
から
自分
の
支店
にあてた
信書
、
書類
を運ばせるということは、これは
營業
としておるのではありませんから、その場合に差支えないと考えておる次第でございます。それから「
運送營業者
、その
代表者
又はその
代理外
その他の
從業者
は、その
運送方法
により
他人
のために
信書
の
送達
をしてはならない。但し、
貨物
に添附する無封の
添状
又は
送状
は、この限りでない。」
貨物
を送ります場合には、これに
添状
または
送状
というものをつけるのが
一般
の慣習でございます。これも
信書
であるがゆえをも
つて
禁止
することは、
一般
の
實情
に即しませんので、
貨物
に添附する
添状送状
は特にこれを認めることにいたしますが、それ以外のものは
運送營業者
が
運送方法
によ
つて他人
のために
信書
の
送達
をすることは、その
信書
の
送達
がたとえ
營業
でなくても、
運送營業者
のやる場合にはいけないというような
規定
でございます。これは
現行法
の第
二條
第二項
竝びに
第三項とまつたく同じでございます。 第六條は
利用
の公平でございますが、これは
憲法
の十四條に「すべて
國民
は、法の下に平等であ
つて
、人種、
信條
。性別、
社會的身分
又は門地により、政治的、經濟的又は
社會的關係
において、差別されない。」という
規定
がございますが、その
趣旨
に則りまして「
何人
も、
郵便
の
利用
について差別されることがない」ということを、この
法律
に明記いることにいたしたいと考えたのでございます。 第
七條
は
利用
の制度及び
業務
の停止でございますが、
遞信大臣
は、天災その他やむを得ない
事由
がある場合におきまして、重要な
郵便物
の
取扱い
を確保するため、必要があるときは、
郵便
の
利用
を制限する、すなわちたとえば
小包
として引受ける
郵便物
のあるいは重量を制限し、箇數を制限する、そういうことができるようにな
つて
おります。また今後
業務
の一部を停止することができる。すなわちたとえば
小包
は引受けない。
小包業務
を停止することもこの
規定
によ
つて
認められることになるわけであります。さようなことは、要するに重要な
郵便物
のために
郵便
を
利用
するのに制限を加えることになりますので、
法律
に
規定
することが
適當
と考えまして、この
條文
を新たに設けた次第でございます。 第
八條
は
檢閲
の
禁止
でございますが、これは
憲法
の二十
一條
の第二項に「
檢閲
は、これをしてはならない。
通信
の
秘密
は、これを侵してはならない。」という
規定
がございます。その
趣旨
を
郵便法
につきまして
郵便物
を
對象
にいたしまして「
郵便物
の
檢閲
は、これをしてはならない。」ということを明記いたしたのでございます。 第九條は
秘密
の確保についてでございます。これもただいま言いました
憲法
の二十
一條
の第二項に、「
通信
の
秘密
は、これを侵してはならない。」と
規定
されております。その
趣旨
によりまして「
遞信官署
の
取扱
中に係る
信書
の
秘密
は、これを侵してはならない。
郵便
の
業務
に從事する者は、
在職
中
郵便物
に關して知り得た
他人
の
秘密
を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。」といたしました。すなわち第一項は
郵便
の
業務
に從事する者
竝びにそれ
以外の者すべてにつきまして
一般
的に
規定
し、第二項は
郵便
の
業務
に從事する者だけ、
在職
中
郵便物
に關して知り得た
他人
の
秘密
、たとえば何某からだれそれあてにどれくらいの量の
郵便
がいつ送られているといつたようなことも、
郵便物
に關して知り得た
他人
の
秘密
ということになるものと考えております。 それから第十條は
郵便物運送
の
義務
を
規定
してあるのでございます。これは
趣旨
におきましては
現行法
の第三條と同様の
趣旨
でございます。すなわち「左の者は、
郵便物
の
運送
に關する
法律
の定めるところにより、
遞信大臣
の
要求
があるときは、
郵便物
の
運送
をしなければならない。」この
郵便物
の
運送
に關する
法律
は、この次の會期におきまして
國會
に提出する豫定で
目下立案
中でございますが、この第十條は
遞信大臣
の
要求
があるときは、左に掲げてありますところの
運送營業者
は
郵便物
を
運送
しなければならないという
義務
をこの
規定
によ
つて
課せられるわけでございます。しかしながら、いかなる場合に
遞信大臣
はそういう
要求
をすることができるのか。また
要求
された場合において、どの程度の
義務
を負擔するのか。また第二項に書いてございますように「前項の場合には、
遞信大臣
は、
郵便物
の
運送
に關する
法律
の定めるところにより、相當の
運送料金
を支拂わなければならない。」とございますように、
運送義務
を課した場合において、相當の
運送料金
というものは、一
體何
を基準にして相當の
運送料金
と考えるのかといつたような報償の問題、そういうような點につきまして、
郵便物運送
に關する
法律
に
規定
するようにいたしたいと思うのでございます。その邊が
現行法
におきましてははつきり示されておりません。しかしながら
現行法
におきましてはこのほかに、別に
鐵道船舶郵便法
という
法律
がございまして、その
法律
には、
鐵道
と
船舶
に關しましてはこの
運送義務
を課する場合のいろいろの
條件等
が
規定
されております。今日は
鐵道
、
船舶
のみならず
自動車
もございますし、そのほかの
郵便機關
もございますので、新しく
規定
せらるべき
郵便物運送
に關する
法律
は、そういうふうな
各種
の
郵便物運送
のために使用するいろいろの
輸送機關
を包含いたしまして、ただいま申し上げたような
趣旨
の
規定
を含めることにいたしたいと考えておる次第であります。
現行法
においては、
運送營業者
の
範圍
ということが必ずしも明瞭に示されておりませんが、新しい
法律
においては、第一には國有
鐵道國營船舶竝びに國營
の
自動車事業
、これらもこの
規定
の
對象
になりますことを明らかにいたしたのでございます。そのほか
地方鐵道事業者
、
軌道經營者
、
船舶
の
運送業者
、
自動車業者
、
索道業者
、その別の
運送業
を
營む者
を包括いたしたのでございます。 それから第十
一條
は
海損
の分擔の免除でございます。これは
現行法
にもございまして、
現行法
の第
七條
三項にそれと同じ
趣旨
のことがございますが、「
郵便物及其
ノ
取扱ニ必要ナル物件ハ海損
ヲ分
擔セス
」とあります。 それから第十
二條
は
檢疫
の優先でございますが、これも
現行法
にありますと同様でありまして、「
郵便物
が
檢疫
を受くべき場合には、他の
物件
の先だ
つて
、直ちに
檢疫
を受ける。」ということによ
つて
、
郵便物
の
速達性
を確保しようという
規定
でございます。 第十三條は
郵便法
と條約との
關係
でありますが、
憲法上條
約は當然尊重しなければならぬので、必ずしも十三條の
規定
をまつまでもないのでありますが、一應
郵便
に關する基本的な
事項
を生かす
意味
において、また
現行法
にも局様な
規定
がございますので、ここに設けた次第でございます。すなわち「
郵便
に關し條約に別段の定ある場合には、その
規定
による。」ということにいたしたのであります。 以上新しい
郵便法案
における
總則
の
規定
でございますが、なお
現行
の
郵便法
のいろいろの
規定
のうちで、
總則
的な
性格
をもつところの
規定
で、今度削除することにいたしました
條文
がございます。それは
現行郵便法
の第四條、第
五條
、第六條、第
七條
、第
八條
、第十條の
規定
でございます。第四條は
職務執行
中の
郵便遞送人
、
郵便集配人
及び
郵便專用車馬等
が、
道路
に障害があ
つて
通行しがたき場合に、
他人
の牆壁または
欄棚
のない
宅地田畑
その他の
場所
を通行することができるという
特權
を
規定
した
條項
であります。第
五條
は、
同様事故
に遭遇しました場合において、助力を
要求
し得る
特權
を
規定
しておるのでございます。第六條は
渡津
、運河、
道路
、橋梁その他の
場所
における
通行特權
を
規定
いたしております。同時に
職務執行
中の
郵便遞送人
、
郵便集配人
は何どきでも
渡津
の出船を求めることができるという
一つ
の權利を
規定
しておるのでございます。これらの四條、
五條
、六條の
規定
は今日までの
郵便事業管理
における
經驗
に徴しまして、必ずしもかような
特權的
な
規定
によ
つて國民
に
法律
上の
義務
を課さなければ、
郵便事業
の運行を確保し得ないとも考えられません。さような場合の問題の處理は、
一般
の
社會的
な常識に基いて、適正に處理し得るものと考えられますのと、一面かような
規定
で、
國民
の憲本土保障されております
自由權
を、少しでも制限することは
適當
でないと考えまして、削除することにいたしたのでございます。また
現行法
の第
七條
には、「
郵便專用
ノ
物件及現ニ郵便
ノ
用ニ供スル物件ハ
之
ヲ差押フルコトヲ得ス
」と書いてございますが、これも
郵便專用物
件、
竝びに郵便現用物件
の
差押
を
禁止
する結果は、その
債務者
に特別の
法律
上の利益を結果において與えることになりますので、これまた
適當
とは考えられませんので、削除することにいたしたのでございます。それから
現行法
の第
七條
の二項には、「
郵便專用
ノ
物件ハ何等
の賦課ヲ
受クルコトナシ
」とあ
つて
、一切の公課を免除されておるのでございますが、この
規定
もまた、結局
郵便專用
の
物件
を提出しておる私人に、
特權
を結果において與えるかつこうになりますので、これも
適當
でないと考えまして、削ることにいたしたのでございます。第
八條
は「
郵便官署ハ郵便物
ノ遞送中又
ハ其
ノ發送ノ
準備完了
ノ後
ニ限リ其
ノ
差押
ヲ
拒ムコトヲ得
」という
規定
でございますが、これは
司法權獨立
に關する
憲法
の
趣旨
から考えまして、
行政官廳
が
司法權
の
行使
を拒むことは、よほどの理由がない限りは
適當
でないと考えまして、この
規定
は削除することにいたしたのでございます。第十條は「
郵便取扱ニ關シ無能力者
ノ
郵便官署ニ對シ
て為
シタル行為ハ能力者
ノ為シタルモノト見
傚ス
」という
現行規定
でございますが、これもこれまでの
郵便事業管理
上の
經驗
に徴しまして、必ずしもこの
規定
がなくてもさして支障がないと考えられます。一面
一般
の
金融機關
その他に關しましては、かような
民法
の
規定
を特に排除しておるような
規定
がないわけでございますので、
郵便事業
につきましても、
一般
の私企業の場合と同様の
取扱い
をすることにいたしまして、この
規定
を削除することにいたした次第でございます。
重井鹿治
5
○
重井委員長代理
では第一章
總則
に對する
質疑
に入ります。
質疑
はこれを許します。
梶川
君。
梶川靜雄
6
○
梶川委員
今の御
説明
で大體よくわかりましたが、私は三點ほどお伺いいたしたいと思います。それは
郵便
の
定義
という問題でありますが、これは先ほどの御
説明
によりまして大體わかりますけれ
ども
、この
條文
に
郵便
の
定義
をやはり掲げておく必要があるのではないかと考える次第であります。 次に第
五條
の
事業
の
獨占
のところでありますが、
信書
の
送達
という
問合
につきまして、やはり現在
鐵道弘濟會
でや
つて
をります
メツセンジヤーあたり
が、
事實
上において
信書
の
送達
をやり、
料金
をと
つて
おるわけであります。こういう場合はやはり
事業獨占
の違反になるわけでありますかどうか、この點を伺いたいのであります。 その次に第
八條
の
檢閲
の
禁止
でありますが、この
檢閲
の内容がわからないのでありまして、どういうことが
檢閲
になるのか。七十
七條
には
郵便物
を開いた場合の罪という
規定
がありますけれ
ども
、これが
檢閲
の場合の
罰則
に當るのか、こういうような點が明確でありません。第九條その他の場合には
罰則
規定
が明瞭に載
つて
おりますが、第
八條
には
罰則
規定
がはつきり掲げられていないのであります。
從つて
檢閲
という
言葉
の内容をもう少し
具體的
に
説明
していただきたいと思います。以上三點を簡單にお伺いいたします。
小笠原光壽
7
○
小笠原政府委員
郵便
の
定義
を
規定
してはどうかという第一點の御質問でございますが、この點は
現行郵便法
においても、
郵便
とは何ぞやということが
規定
の上に現われておらないのであります。新しい
郵便法案
におきましても、必ずしも
定義
をあげることは必要がないように考えられますので、むしろ學問的な問題になるこの
定義
は、
法律
の字句として
規定
することを避けた次第でございます。 それから第二點の
鐵道弘濟會
による
信書
の
送達
というお話がございましたが、私は實は
鐵道弘濟會
が
信書
の
送達
をしているかどうか存じなかつたのであります。いずれにいたしましても、この新しい
法案
にございますように、
營業
としてやることが
禁止
され、
現行法
におきましても
禁止
されておる。
鐵道弘濟會
のははたして
信書
の
送達
であるかどうか、またそれが
營業
であるかどうかという點は、今後研究いたしてみなければならないと考えます。 それから最後の
檢閲
でございますが、これは
憲法
上にも、
檢閲
はこれをなしてはならない、かように
規定
されておるのでございまして、その
檢閲
とは何ぞやということは、これまた解釋に讓られておる次第でございます。從いまして新しい
郵便法
におきましても、ここに
檢閲
の内容を
法律
的に明文で提示することを避けまして、解釋に讓つた次第でございますが、大體におきまして、私
ども
はこの
郵便法案
が制定されました場合にどういうふうに運用するつもりでおるかという話になりますと、大體
檢閲
と申しますのは、本人の意思に基かないで、國家の權力的な行為によ
つて
、その人の思想や、あるいは發表の自由を制限するような意思をも
つて
、内容を價置判斷するようなこと、そういうようなことがいわゆる
檢閲
の比較的顯著な場合でないかと考えておる次第でございます。
梶川靜雄
8
○
梶川委員
そうすると第七十
七條
の
罰則
と、どういう
關係
がありますか。
小笠原光壽
9
○
小笠原政府委員
今の
檢閲
に關しまする第
八條
の
規定
は、これは國の行為としてやる問題でございますから、
檢閲
はこれをなしてはならない。すなわち
法律
上合法的
檢閲
ということは、絶對にあり得ないわけであります。
從つて
いかなる
問合
にも
檢閲
というものはないわけでございます。たまたまそれが
郵便物
を開いて中を續んでみるというようはことがかりにあつたと假定すれば、そういう場合は國の行政
機關
の問題としてよりも、
郵便事業
に從業する者の不法行為として規律される問題にな
つて
くると考えます。かような
意味
におきまして、さような正當の
事由
なくして開披するという場合には、七十
七條
のこの
罰則
の適用を受けるものと考える次第であります。
重井鹿治
10
○
重井委員長代理
第一章に對する
質疑
は他にございませんか。
多田勇
11
○多田委員 第
一條
の
法律
の
目的
についてでございますが、
郵便
の
業務
をなるべく安い
料金
で、あまねく、公平に提供するというように
規定
されております。このなるべく安い
料金
で行うということと、次の
郵便
の
事業
が國の行う
事業
であるという
規定
との關連でございますが、これは國が
郵便
の
業務
を行うことが最も安い
料金
で行うことができるというような考え方で、この現定ができたものであるかどうか。その點についてお伺いしたい。
椎熊三郎
12
○
椎熊
政府
委員 もともと
郵便
を國がやるということは營利
事業
でやるのではないのでございます。公共
事業
だと考えておるのです。從いまして
國民
全體に影響を及ぼす信用を確保する大切な
事業
でございます。營利上に觀點を置かずになるべく安い
料金
でやる、こういう考え方から來ておるのであります。
多田勇
13
○多田委員 ただいまの御
説明
で了承いたしましたが、そういたしますと私
ども
の考え方からいたしますれば、國で行う
事業
によ
つて
なるべく安い
料金
で、しかも公平に公共の福祉を増進するために
郵便事業
が行われるのであります。少くとも
郵便事業
による収入によ
つて
、
郵便事業
の經營を維持するといういわゆる獨立採算制の考え方が、はたして
郵便
の
事業
の
性格
そのもの
に適合するかどうかということについては、非常に疑問がもたされるわけであります。先ほど新聞紙上の報道するところによりますと、現在
通信
事業
の特別會計を、さらに
郵便
あるいは電信電話等、個々の業態の
事業
に分離いたしまして、獨立採算制をとられるように報道されておりますが、もしかりにこのように特別會計というものを分離いたしますると、
郵便事業
そのもの
による特別會計の獨立採算制が、はたしてこの
郵便事業
の精神に副うかどうか、非常に疑問がもたれるのではないかというように考えられるのであります。たとえば國の文化の向上の面に非常に重大なる役割をもつところの
郵便事業
が、今日出版あるいは新聞紙等に對する
料金
が相當程度引上げられてお
つて
、はたして現在の最も要望されるところの文化の普及を促進することができるかどうかということは、非常に考えなければならぬ點ではないと思うのであります。この獨立採算——特別會計を各業態別に獨立して行うというような考え方がありまするかどうか。さらにこの
事業
の採算制をあくまで堅持する建前で進まれるのかどうか。この點についてお伺いいたします。
椎熊三郎
14
○
椎熊
政府
委員 この獨立採算制というような問題は時の
政府
の財政方針なのでありまして、
郵便事業
自體の本質を束縛するものではないと考えます。現にこの
政府
が獨立採算制を主張しておりましても、われわれは
郵便
料金
をなるべく低廉にやりたいというところから、今度提出します追加豫算等においても、
一般
會計の繰入れ等も多分にありるでございます。一應今の
政府
の考え方としては、なるべくそういうものは
原則
的に獨立採算制でいきたいというような考え方なのでしようけれ
ども
、それも現實の社會情勢、財政状態とを勘案して、現に獨立採算制を主張するこの
政府
ですら
一般
會計から繰入れるという状況なのでございまして、われわれは今お説のように、一切の仕事を分割的に全部獨立採算制でや
つて
いくという建前をと
つて
おるのではございません。もう
一つ
附け加えて新聞その他雑誌等の輸送料のことでございますが、これらも
一般
の今日の安本などの考えておられます物價體系から見ますると、ずつと低廉なものにな
つて
おると實は私
ども
考えております。
林百郎
15
○林(百)委員
郵便法
の第
二條
と、それから
遞信大臣
と全遞從業員組合との經營協議會規約との
關係
なんですが、
郵便法
の第
二條
によりますと、「
遞信大臣
は、この
法律
の
目的
を達成するため、左の
職責
を有する。」とありまして、この第二號に「
法律
に觸れない
範圍
において、
郵便局
を設置し、又は廢止し、
郵便局
の
窓口取扱
時間及び
取扱事務
の
範圍
を定めること。」というようなことがあります。これを經營協議會の第
二條
を見ますと、
業務
の
運營
竝びに
企畫に關すること、第
二條
の第一項第三號の中には勞働
條件
の關することというようなことがある。これは必ず
遞信大臣
が全遞從業員組合との經營協議會にかけて決定するというようにな
つて
おるのであります。そこで本
郵便法
と經營協議會との規約との
關係
にあるかということの答辯を伺います。
椎熊三郎
16
○
椎熊
政府
委員 第
二條
の第二項にありますのは、
遞信大臣
が決定し得る範圓と
規定
しておるのですが、勞働協約の方では
遞信大臣
がそれをきめる場合には組合との間において協約を成立せしめてやるということになるのでありまして、結局において、
遞信大臣
の命によりそれが發動するものでありますけれ
ども
、その發動するにあた
つて
は勞動協約に束縛されることは當然だと思います。
千賀康治
17
○
千賀委員
郵便
料が安いということは、從前のわれわれの觀念でさようであつたのでありまして、また
事實
そういう結果でもあつたのでありますが、最近の
郵便
料は相當に高くな
つて
おります。今日表をいただいたのを見ても相當高くな
つて
おる。しかしこれは安本の標準から言えば、まだ相當安いという
政府
の見解でありますが、
國民
の間ではインフレに惠まれておる人々は、これははなはだ安いという人もありましようし、未亡人あるいは恩給者というようなもので、ほとんど収入が増していないのに、物が高いということばかりをかこちながら生活しておる人は、依然としてインフレに慣れておらないので、非常にこれは困るだろうと思います。その
一つ
の事例といたしまして、私の郷里では飛脚屋というものが相當に起
つて
おりまして、岡崎と名古屋とはわずか十里ばかりですが、
小包
で頼むよりも飛脚に頼んだ方が確實であ
つて
早く行くということで、相當に小荷物の運搬は飛脚屋がや
つて
いるのであります。從前はがきが三錢のころはもちろん飛脚屋に頼んでもできないし、考えもそこにいかなかつたのでありましようが、今日のようにはがきが五十錢ということにな
つて
くると、相當に金額も集約的に扱えばのしてきますし、封書ならば一囘二十錢、それより安くや
つて
も飛脚屋たちの
營業
にはなると思うのであります。そこで
政府
が
獨占
する精神は、
國民
が個々にやるよりは、安くつくから
獨占
的にやるのだという思想からい
つて
いるのか、そのほかに、高くな
つて
も、
國民
の方で安くやるというものであ
つて
も、ほかに何か思想の根源があ
つて
、この
郵便法
で將來必ず
獨占
でいこうとするのか、そこの思想のよ
つて
きたるところはどういうものがあるのか、それを伺いたいとともに、現に今囘も爭議があ
つて
、
國民
は非常に困
つて
いるから、飛脚屋の繁昌することはもちろんでありまして、名古屋、岡崎間、あるいは名古屋、東京間というような飛脚も相當起
つて
おるし、
郵便
のごときも、もち爭議のために、はがき、封書も動かぬことにな
つて
くれば、ますますこの飛脚屋は起
つて
くると思います。そこでそういう場合の飛脚屋の仕事でも、
政府
の官業に
規定
されているから、もらさぬというのでありましようか。そうなれば、爭議というものは使用人という立場の
政府
に對して行われているのでなくて、
國民
に對して爭議が行われるのだということになるはずでありましようが、爭議中のごとき、
國民
がどうしても困るという場合に、
各種
の形において飛脚屋であるとか、あるいは
郵便
屋というものが起
つて
きても、これは大目に見ていくべきものであるか。徹底的にやはり取締るべきものであるか、どうお考えになりましようか。
會社
の場合におきましては、もちろん爭議中は新しくそういうことはさせぬということもありましよう。これは
一つ
の資本家と勞働者との爭議でありますから、さようなことも結構であります。勞働基準法な
ども
そういうわけで私
ども
は承認をしているわけでありますが、
國民
全體を相手にして爭議をするのかどうかというようなこの
郵便物
のごとき立場にな
つて
くると、相當に考えさせられるのであります。この點どういう御見解でありましようか、伺います。
椎熊三郎
18
○
椎熊
政府
委員 ただいま
千賀委員
は、飛脚制度が實際に行われているということでありますが、これはたいへんなことで、
郵便法
上違法でございますので、斷固として取締らなければならない。それが官業でや
つて
いるところの
郵便
料よりも安いということですが、安かろうが高かろうが、それは許されないのであります。しかも安いということばかりで
國營
にしているのではなくして、
通信
ということは非常に
國民
生活の上に重大なる影響を及ぼすものでありますし、
秘密
の厳守であるとか、あるいはこれを輸送する間の責任であるとかいうものは、個人の営業等に任しておいてはできない。公共の福祉をほんとうに確保するためには、やはり國家が責任をも
つて
いくとということが最もよい。名古屋、岡崎間のごとき近距離においてたまたまそういう現象があつたといたしましても、そういうものがしからば北海道から九州までの飛脚をや
つて
いけるかというと、今日の状況ではそういうことはとうてい想像もできない。國がやることによ
つて
、全國が統一されて完全に
通信
事業
が保たれるものであると確信しております。また爭議によ
つて
郵便物
が停頓した場合に、民間で勝手にそういうことをやり出すということを許すものか、許さぬものかと、いうお尋ねであれば、そういう場合であ
つて
も、
郵便法
の
規定
するところは、斷じて
營業
としてこの
事業
をやることは許されないものであります。
梶川靜雄
19
○
梶川委員
もう
一つ
補足
説明
をお願いしたいと思いますのは、第
二條
の第二號の
規定
であります。前段の「
法律
に觸れない
範圍
において、
郵便局
を設置し、又は廢止し」という
條項
でありますが、この場合の
法律
に觸れない
範圍
というのは、どういう
意味
であるのかという點をお伺いいたしたいと思います。さらに
郵便局
を設置しまたは廢止するということは、これはいわば
一つ
の官制の更改であると思うのであります。
從つて
豫算の面にも影響いたしますし、また官制
そのもの
の更改になるという
意味
からいたしまして、いささかこの前の
説明
でのむというわけにいかないように思いますが、もう少し「
法律
に觸れない
範圍
において」という
意味
を御
説明
願いたいと思う。
小笠原光壽
20
○
小笠原政府委員
「
法律
に觸れない
範圍
において」と書きましたのは、これはいわば
遞信大臣
がその
職責
として管理いたしますからには、もちろん常に合法的でなければいけないことは當然でございまして、
從つて
法律
に抵觸しない範圓でということは、實ばかりにそういう
規定
がなくても、同様に考えなければならないわけでございます。現在は
郵便局
の設置または廢止については、直接これを計畫名から制限するような
規定
はもちろんございません。しかしながら、もちろん
郵便局
の設置については、豫算提示というような點から見れば、財政法なりそういうものが
關係
してくるわけでございますが、どの程度の
郵便局
を設置するかといつた問題については、豫算の面におきまして
國會
の審議を經た上で實施されるわけでございますから、豫算との
關係
は支障はない。かように考えております。
梶川靜雄
21
○
梶川委員
もちろん豫算の面を見てからつくるというふうなことだから、支障ないのでありますけれ
ども
、これは
權限
として
遞信大臣
に與えられるものでありますから、
遞信大臣
がつく
つて
から——架空の
郵便局
をつく
つて
やるということもできるわけでありまして、そういうようなことは非常に困る問題を惹起するおそれがあると思うのであります。從いまして
郵便局
の設置廢止ということが官制上の問題というふうに解釋されると思うのでありますが、そういうふうであるならば、これを
法律
によらずして
規定
するということは非常にまずいではないかというふうに考えるわけであります。
椎熊三郎
22
○
椎熊
政府
委員 その設置廃止には、宮制等に直接觸れてくる場合は、
法律
に觸れてくることなんですから、そういうときはやれない。そういう
法律
に觸れない
範圍
でやれるというのは、たとえば陸上競技大會があ
つて
、急にそこに
郵便局
をつくる。そういうことは何も官制に
關係
しませんし、それを一々器會に
法律
を出してやることは間に合いませんし、そういうようなことを
意味
しておるので、かりそめにもそれが官制に影響したり、豫算の
範圍
を越えるようなことがあつたり、架空の
郵便局
を設置したりするということがあれば、それは
遞信大臣
として
職責
を全うせざるものであ
つて
、許すべからざることである。そんなことはできません。それ自體が國法違反である。そういうふうに
法律
に觸れる
範圍
では斷じてできません。觸れない
範圍
というものがある。それを指しております。
梶川靜雄
23
○
梶川委員
今の次官の方の
説明
によりますと、常置的な
郵便局
というものは大體
法律
に觸れるからやらない。臨時
郵便局
ならば觸れないからいい。そういう御解釋であるならば、私は了承するのでありますけれ
ども
、先ほどの
小笠原政府委員
の御
説明
によりますと、
法律
に觸れない
範圍
というのは、そういう
意味
にとれなかつたから私は發言したのでありますが。
法律
に觸れない
範圍
における
郵便局
の設置廃止という問題は、臨時的な措置としていう
意味
に解してよいのでありますか。
椎熊三郎
24
○
椎熊
政府
委員
郵便局
を設置するかどうかということは、建設費などで豫算をと
つて
おる。その
範圍
でどこに
郵便局
をつくるかなんということは、この
法律
に觸れない
範圍
であ
つて
、
遞信大臣
がきめてよろしいということなのであります。ですから常置的であ
つて
も臨時的であ
つて
も、
法律
には觸れない
範圍
でできる。こういうのであります。
梶川靜雄
25
○
梶川委員
それくらいで私の質問は、保留しておきます。
大石ヨシエ
26
○大石(ヨ)委員 第
五條
に「
何人
も、
郵便
の
業務
を業とし、」ということがありますが、私たち關西の方ではこのごろ
郵便局
に託して手紙をやりますと、私たちの方は軍港地でございますから、進駐軍の
檢閲
があるのです。そうすると
郵便物
は約一箇月くらいかかることがある。また早いときは一週間くらいで來るときもありますが、とにかく非常に遅延するわけなんです。それで關西の方では飛脚と言わずに、定便と言うておりますが、その定便が各地に二、三軒もしくは五、六軒業としてお
つて
、一囘の
郵便物
を預か
つて
いくのに、多い人は三十圓も五十圓もとります。その人は朝行
つて
晩にすぐその返事をもら
つて
くる。そうすると京都ですと、
郵便
で出すと五、六日も一週間も
檢閲
のために遅れる。それを定便屋さんに頼むとその手紙が早く著く。これは一體どうなるのでしよう。國が
獨占
しておる
營業
を定便屋はや
つて
おるわけです。もう
一つ
、
小包
を
郵便局
に託すると、殊に食物なんかは、失禮ですが、なくな
つて
しまうわけです。定便屋さんに託したなら必ず、
小包
は著するというわけです。すると國が
獨占
する
營業
を、關西においては定便屋がや
つて
おる。これをいかになさるのでしよう。それを私はお聽きしたいと思います。
椎熊三郎
27
○
椎熊
政府
委員
郵便物
の最近の遅滞の状況についてはまことに申譯ないと思
つて
おります。これらの問題は、先般來の爭議の
關係
とか、あるいは
檢閲
の問題等についてもこの席上で論議されましたから、重ねてここで申上げることは避けたいと思いますが。
小包
はほとんど食物であると全部なくなるということは、それは稀にはそういうことがあるかと思いますか、ごく小部分だと私は思うのでありまして、そういう點についてもわれわれの監督の不十分なる點についてはまつたく
國民
に對して申譯ない。今後は絶對にそういうことのないように、從業員諸君にもお願いし、私
ども
も嚴に戒めていきたいと思
つて
おります。 定便屋なるものがや
つて
おることは私は初めて知りました。そういうことを
營業
としてや
つて
おるならば、これまた嚴格にこれを取締らなければならぬと思います。
林百郎
28
○林(百)委員 第九條の
秘密
の確保の
條項
ですが、これは
條文
を見ますと、「
遞信官署
の
取扱
中に係る
信書
の
秘密
は、これを侵してはならない。」とあります。これがまた第八十條によ
つて
一年以下の懲役または二千圓以下の罰金、また
郵便
の
業務
に從事する者は、二年以下の懲役または五千圓以下の罰金ということにな
つて
おりまして、これは相當重要な
條文
だと思うのであります。これは私の一時
郵便
事務に
關係
した
經驗
によりますと、ある一定の
條件
のものに對しては手紙を開くことを許されていたような場合もあつたようです。これは治安の確保のために開封などを許していた場合もあつたと思いますが、そういう場合は今後絶對にないのか、たとえば第
八條
の
檢閲
の
禁止
、これは絶對に今後どんな場合でもしないのかどうかという問題と、それから
秘密
を侵すということは、
具體的
にどういう場合を言うのか、この二つをお聽きしたいと思います。
椎熊三郎
29
○
椎熊
政府
委員 第一の點は、今後は絶對に
檢閲
をしないのです。戰時中などは
特別法
規が出まして、戰爭の必要上からそういうことをやつたのでありますが、今後は
憲法
の精神に
從つて
斷じてそういうことはやらない。 第二の侵すということは、
信書
の
秘密
が第三者の手によ
つて
暴露される場合、
秘密
が嚴守されない場合を言うのであります。これはもとより故意でなければならぬと思います。偶發的事故によ
つて
自然に内容が壊れて出たなどというのは、それは必ずしも
秘密
の暴露とは考えられないかもしれないと思います。
多田勇
30
○多田委員 第三條の
遞信大臣
の
職權
の委任でありますが、これは
職權
の委任は從來行
つて
いる程度の
職權
の委任でありましようか。實は現在各府縣に管掌局と申しますか、中央
郵便局
が
郵便局
を指定して、管掌局として一部の調査その他を委任しておるようでありますが、その他は全部
遞信局長
が委任されておるというような状況にな
つて
おりまして、各府縣の
郵便局
の連絡、あるいは
郵便
事務の
運營
の圓滑の面に、いろいろ支障を生じておるというような聲を聞いております。これを各府縣の現在管掌局として指定されておる局に、その府縣の
郵便
行政について相當程度の
權限
の委任をなさる方がいいのではないかというような聲が相當ありますので、この點についてお考えを伺
つて
おきます。
椎熊三郎
31
○
椎熊
政府
委員 今度の改正
法案
においては、その點は從來と何ら變
つて
おりません。從前通りや
つて
いきたいと思
つて
おります。
多田勇
32
○多田委員 各府縣の
郵便
行政を掌
つて
いる
郵便
携その他において、管掌局に相當、もつと現在以上の
權限
を委任することがいいという聲が非常に多いのでありますが、現在程度の委任に止めて、各府縣の管掌局に現在以上の
權限
を委
任ずる
ということを御考慮願えないものかどうか。この點についてお聽きいたします。
椎熊三郎
33
○
椎熊
政府
委員 御發言もありますので、そういう點については今後愼重に研究してみたいと思います。今のところではそういう行き方ではありません。
多田勇
34
○多田委員 第四條の「
郵便
の
業務
に從事する
官吏
」に關連がありますが、この
法律
を見ますと、
郵便事業
は國の
獨占
事業
だということが明瞭にな
つて
おります。
特定郵便局
の制度については從來は請負制度というか、
特定郵便局
長に相當程度の請負を行わせておつたのでありますが、將來
特定郵便局
は、この
法律
が施行されますれば、國の管理移すという考え方でおられるのかどうか。その點についてお伺いいたします。
椎熊三郎
35
○
椎熊
政府
委員
特定郵便局
は現在でも國の管理のもとにあるわけであります。それからこの
法律
を施行するにあた
つて
、
特定郵便局
を特別にどう考えるかということですが、われわれはこの
法律
が施行されても
特定郵便局
は存置しておきたいと考えております。
大石ヨシエ
36
○大石(ヨ)委員
椎熊
次官にお聽きしたいのですが、關西では定便屋を業としている者が何萬軒あるかわからない。この定便を
一つ
のビジネスとしている人をただちに中止させるお考えですか。これをお聽きしたいと思います。
椎熊三郎
37
○
椎熊
政府
委員 先ほ
ども
申し上げたごとく、そういうものが實在しているとは知らなかつたのでありますが、さつそく調査して善慮したいと思います。
多田勇
38
○多田委員 もう
一つ
お伺いしたいのですが、便利屋あるいは國家の
事業
以外に
信書
の
送達
をや
つて
いる者についい今いろいろ意見が出たわけでありますけれ
ども
、最近銀行あるいは
會社
等においても非常に
信書
の
送達
をや
つて
おります。これが現在の
郵便
の配達状況からいくとだんだん多くな
つて
いく傾向にあると考えられます。先ほどの
政府
委員の御
説明
を聽きますと、銀行、
會社
等がその
業務
について
信書
を
送達
する場合にはこの
法律
には該當しないということでしたが、この點についていま一度御答辯を願います。
椎熊三郎
39
○
椎熊
政府
委員 同一の
會社
内の
業務
で
本店
と
支店
との連絡をメッセンジャー・ボーイがやることはこの
規定
外でありまして何ら差支えないと思います。今日の
郵便
の状態ではますますこれが殖えるだろうという御意見はまことに恐縮でありまして、大事な
通信
事業
を擔當している私
ども
としては深き責任を感じております。實は監督においても、指導においてもよろしきを得、また今日の社會情勢が安定して、從業員諸君の生活がまつたく樂になり、この組合運動についても從業員諸君がほんとうに大切な
事業
だということに自覺をも
つて
くれるように私は希望しているのであります。何を申せ戰爭後の社會状態が、ひとり
通信
事業
ばかりでなく、まことに混亂状態にあり、殊に急激に發展しております勞働運動においては、國の實際とそぐわないように思われる状況もまま見受けられるのでございまして、國家のためにまことに遺憾千萬であります。私
ども
はつとめてこれらの原因を除去して、主として從業員の生活權の確保をはかり、そしてこれらがほんとうに正常な氣持をも
つて
大事な仕事に、携わるという自覺を促して、一日も早く今日のような状態から脱却したいと、實は念願しておる次第でございまして、今日の状況を指摘されましてはまことに恐縮にたえない次第でございます。
千賀康治
40
○
千賀委員
先ほど林君から
信書
の
秘密
を侵すとは、どういうことだというお尋ねがあつたのですか、こういうこともそうだと思うのです。今年の選擧で私が發送しました文書は、ある村のだけが大部分本人不在とか、死亡とか、居所不明とか、妙な附箋がついて歸
つて
きた。これはいずれその
取扱
者がある
目的
でやつたのだろう。選擧が濟んだら必ず告發してねじり上げてやろうと思
つて
いたのですが、おかげで當選して萬歳々々でや
つて
いるうちに、證擔
書類
がなくな
つて
しま
つて
告發が實際できなかつた。こういう場合、もちろん局長とかその上のだれだれがそういう謀議に携わつたはずは常識から見てもないと思うのです。その直接の
取扱
者がやつたいたずらか何かしりませんが、こういう場合の責任は將來は當人だけがもつのか、監督の位価にある人もここに明示れていおる處分法によ
つて
連累されて來るのでありますか、その點はいかがでございましよう。
椎熊三郎
41
○
椎熊
政府
委員
信書
の
秘密
暴露等に對しては、舊來は親告罪でございましたが、今度はそうでなく、第三者からも告發することができます。責任の所在は個々の事態について
具體的
に檢討しなければわからないのであります。
林百郎
42
○林(百)委員 先ほどから各委員から
郵便事業
の
獨占
ということに關していろいろ質問があつたのですが、この
郵便法
で言う
郵便
とはどういうことかという
定義
が實はここにないように思う。農地調整法にしても、あるいは
獨占
禁止
法にしても、最近の立法には、たとえば農地とはかくかくとか、
事業
の
獨占
とはこうこうとかいう
定義
がある。
郵便法
についても、本法に言う
郵便
とは、これこれこういうことを言うというような
定義
をされたらどうかと思うのですが、この點をお聽きしたい。
郵便局
では電報や電信も電話も扱
つて
いますが、電信などは
郵便
の中に入らないかどうかというようなことも素人だとちよつと考える。そのほか將來
郵便法
の
獨占
の取締りの場合に、こういうものは
郵便法
に違反するのだ、違反しないのだという問題の處理のためにも、
郵便
の
定義
の
郵便法
の第
一條
か、第
二條
にうたわれたらどうかと思うが、
政府
のお考えを承りたい。
椎熊三郎
43
○
椎熊
政府
委員 今遞信省でや
つて
いる常識的に言う
郵便
というものは、なかなか廣範團だろうと思いますが、電氣
通信
と
信書
、
小包
などはまつたく別な業態にあると思います。また保険とか貯金とかはまつたく別な管轄にあるのですが、
一般
には
郵便局
で何でもやることにな
つて
おるものですから、すべて
郵便局
の
取扱事務
範團のことだと考えておるようでございます。これは一面規範がないから不便なようであるが、
郵便局
に行けば何でもできるという好都合の點もあるので、非常に大衆と
郵便局
が密着しておることは御承知の通りであります。ただわれわれは、今遞信省の
事業
形態の機構を大改革しなければならぬと考えておるので、そういうことが明確にできますれば、遞信省で
取扱
う
郵便
というものにも明確なる範團ができるだろうと思いますが、現在はそういうことを明確に
規定
しておく必要はないのではないだろうかという考え方で、こういう
法案
をつく
つて
おります。
林百郎
44
○林(百)委員
椎熊
次官の言われるのもわかるのですが、第
五條
の
事業
の
獨占
に違反した場合には、
罰則
がある。七十六條で第
五條
の
規定
に違反した場合には三年以下の懲役または一
萬圓
以下の罰金に處するということにな
つて
おるのでありますが、
條文
で見ますと「
何人
も、
郵便
の
業務
を業とし、又、國の行う
郵便
の
業務
に從事する場合を除いて、
郵便
の
業務
に從事してはならない。」とあるように、
郵便
々々という
言葉
がたくさん出ておるにもかかわらず、
郵便
ということがどういうことかわからないでは、どうも取締る方も、取締られる方も不安極まるものだと思うのです。できるならば、本法でいう
郵便
とはこういうことだという
定義
を下される方が親切だと思いますが、ひとつ再考願いたいと思います。
小笠原光壽
45
○
小笠原政府委員
その點につきましては、先ほ
ども
御質問があつたのでございますが、私
ども
が考えておる
郵便
の
定義
は、
信書
の
送達
及び
信書
の
送達
を
取扱
う
機關
による
信書
以外の物の
送達
、
竝びに
これに附帶する
業務
というものを總括して
郵便
と、かように考えております。それは結局
郵便法
全體によ
つて
範團が明らかにな
つて
くるわけなのでありまして、そういうような
條文
で明示するということも
一つ
の方法であると思います。
現行郵便法
にもそういう
定義
は載せてないので、むしろ
郵便
という
言葉
で、世間
一般
の常識として大體の概念はできているのであります。さらにそれを明確につかむためには、この
郵便法
全體を考えることによりまして、その範團がはつきりしてくる、かように考えておるわけであります。それでそういうような
定義
的なものは、むしろ
一般
の學説と言いますか、研究と言いますか、そういう方にまつようにして、むしろ
郵便法
では實際の仕事
そのもの
を把握していくというので十分ではないか、かように考えて、特に
定義
を掲げることをいたさなかつたのでございます。
林百郎
46
○林(百)委員 私の方も研究しておくつもりですが、ただこれが非常に重い
罰則
の
規定
に
關係
しますし、素人だと
郵便法
全部を讀むわけにいかないと思いますから、できるなら將來何か
定義
をきめるような方法を、もし考慮の餘地があるなら考慮を願いたいと思います。私の方もまた研究してみます。
千賀康治
47
○
千賀委員
飛脚屋なり定便屋ですが、私はこれは
郵便
ではないと考えております。現在の程度では——非常にこれが廣範團に
取扱
われていますが、ポストでも
自分
の家の前に掲げて、皆がその人特有の切手かまた現金を添えてポストに入れて、それを
取扱
うということになれば、
郵便
かも知れませんが、現在飛脚屋を使いますのは、
小包
よりも確かであ
つて
、殊に大多數の場合は、その依頼主の意圖を人間として受けてい
つて
、物を届けると同時に、ある程度の商談を果してくれるとか、その他の依頼
事項
もここに果してくれるということで、それが主として民衆に魅力を投げかけているのでありますから、飛脚屋あるいは定便屋をただちに
郵便
の類似行為なりとしてこれに彈壓を加えることは、これははなはだ不都合であると思います。最近
郵便
が窮屈に
なつ
た結果から、特にこの飛脚屋というものが活躍し出しているという
事實
は認めないわけにはいきませんし、總括的にいいまして、私は前述した理由のもとに
營業
として成り立
つて
いる。かような觀點から、研究なさることは結構ではありますけれ
ども
、ただちにこれを
郵便
行為として告發をしていこうというようなことは、お考えに
なつ
た方がいいのだと私は思います。
椎熊三郎
48
○
椎熊
政府
委員 御意見ですから承
つて
おきます。
重井鹿治
49
○
重井委員長代理
他に
質疑
はございませんか—それでは第一章に對する
質疑
を大體終りまして、第二章
郵便物
及びその
料金
について
政府側
の
説明
を聽取いたします。
小笠原光壽
50
○
小笠原政府委員
第十四條は
郵便
禁制品を
規定
いたしたのでございます。
郵便
禁制品は、すなわち
郵便物
として差出すことができないものの
意味
でありまして、それを差出す場合は、あとの方の條分によ
つて
刑事上の責任を負わなければならないことにな
つて
いるのでございます。
郵便
禁制品として掲げてありますものの第一、第二、第三、これは危險性のあるもの、あるいは
郵便
從業員、あるいはさらに
郵便物
を通じて他の一設の社會にも危險を及ぼすという場合もあるわけでございます。つまり暴發性、發火性のものであるとか、あるいは毒薬、劇薬であるとか、あるいは黴菌のごときもの、そういうようなものの差出しを
原則
として
禁止
いたしたのでございますが、これは
現行
におきましても、
郵便法
上は
現行法
の二十三條に、
郵便
禁制品の種類は命令の定めるところによるということで、命令に委任してあるのでございます。その命令に委任してある
事項
で今後存續する必要のあるものをこの法立にあげたわけでございます。第四號は、この法令に基いて移動または頒布を
禁止
された物、これは
一般
の法令によ
つて
移動頒布を
禁止
されている物は、
郵便
においてもまたもとよりこれを
禁止
すべきものと考えて、これを
郵便
禁制品にすることにいたしたのでございます。 それから第十
五條
は、
郵便
禁制品というような刑事上の責任まで負わせないけれ
ども
、しかしながら差出しを
禁止
する必要のある程度の物がございますので、これを
遞信大臣
は
省令
によ
つて
指定し得ることにいたしたのでございます。すなわち
郵便
の
業務
に從事する者または他の
郵便物
に對する傷害または
損害
を避けるため必要があると認めるときは、
郵便物
として差出すことを
禁止
することができることにいたしたのであります。たとえて申しますれば、みそであるとか、しようゆであるとか、そういつたようなほかの
郵便物
に
損害
を與えるような危險がある物、あるいはナイフのような、
郵便
從業員に場合によ
つて
は怪我をさせるおそれがあるような物、そういう物も必要なればそれに應じて省命で
禁止
し得るようにいたしたのでございます。 それから十六條は、
郵便物
の種類をまず通常
郵便物
と
小包郵便物
とに大別いたしますが、通常
郵便物
を第一種から第五種までにわけることにいたしたのでございます。これは
現行
のわけ方に大體一致しておるのでございます。 十
七條
は、
郵便物
として
取扱
うものの容積と重量の制限を
規定
いたしました。これもおおむね
現行
に同じでございますが、ただ若干
現行
と違
つて
おりまするところは、重量におきまして通常
郵便物
の第一種の重量を四キログラムに制限いたしましたこと、それから容積におきまして長さを四十センチメートルでありますのを、四十五センチに延ばしたことでございます。そのほかは大體現状の通りであります。
小包郵便物
も
原則
は四キロをも
つて
重量最高限にするのでございますけれ
ども
、「
遞信大臣
は、
取扱
上支障がないと認めるときは、必要な
取扱
條件
を定め、容積において前項の長さ、幅及び厚さの各、二倍を、重量において二十キログラムを越えない
小包郵便物
を
取扱
うことができる。」私
ども
もこれを特別
小包
と申しておりますが、普通の大きさの
小包
より大きい特別
小包
を、
遞信大臣
は扱い得ることに
規定
いたしたのでございます。 十
八條
の
郵便物
の「包装の仕方及びあて名等の記載力」は、
遞信大臣
は
省令
で定めることができる。
省令
に委任した
規定
でございます。大體この委任によりまして、
省令
に
規定
いたしますることも、おおむね現状を踏襲する所存でございますが、將來私
ども
の考えております
一つ
の問題は、
郵便物
のあて名に、配達
郵便局
の名前を書いていただくことにいたしたいものであると考えております。名あての
受取人
の住所の配達を受けつもておる
郵便局
の名前を、
郵便物
のあて名に書きこむこと、將來そういよように
一般
の
利用
者に書いていただくように勸奨する。お願いすることにいたしたいと、目下研究いたしております。これによりまして
郵便物
の
取扱い
が非常に簡易化されまして、間違つた區分というようなことも、ほとんどなくなると思われます。
從つて
郵便物
の速度を確保する上におきましても、正確さを確保する上におきましても、相當の効果があるものと考えます。ただ
一般
に現在は相手の住所を受けも
つて
おる
郵便局
が、何という名前の局であるかということは、あまり
一般
の方々に關心をもたれておりませんので、そういうような關心をも
つて
いただくように、必要な準備工作をした上で、ただいま申し上げたような事を將來お願いすることにいたしたいものと考えておる次第でございます。 十九條は「通貨及び貴重品の差出方」についてでありまして、通貨あるいは貴重品、こういうものは比較的安全な
送達
方法を
利用
していただくことを要請たしたい。かような
趣旨
でこの
規定
を設けた次第でございます。すなわち通貨を
郵便物
として差出すときは、これを
保險扱
としていただく。それから
遞信大臣
の指定する貴金属、實玉石その他の貴重品は、
書留
または
保險扱
としていただくということを
條件
にいたしまして、
郵便事業
の信用を確保することにいたしたいと思うのでございます。 第二十條の無料
郵便
の
規定
は、
現行
におきましては
郵便法
の第二十
八條
に「
郵便
、
郵便
為替、
郵便
貯金、電信、電話、無線電信、無線電話、年金恩給支給、國庫金受拂又は收入印紙賣捌ノ事務ニ關スル
郵便物
ハ命令ノ定ムル所ニ依リ無料ト為スコトヲ得」という
規定
がありまして、その内容が命令に委任されておるのでございますが、今囘は
法律
に無料となし得る場合を明瞭に
規定
することにいたしたのでございます。すなわち今申し上げました種類の事務に關する
郵便物
で、
遞信官署
から差出されるもの、
遞信官署
の依頼によ
つて
遞信官署
にあてて差出されるものに限
つて
無料
郵便
を認める。もとよりこのほかにも、たとえば
現行
で申しましても、選擧無料
郵便
というようなものがございます。これはそれぞれ他の
法律
によりまして、無料
郵便
を
規定
する場合でございます。
現行
と違いますのは、
一般
に現在は公衆から、あるいは事故の調査であるとか、あるいは申告というような
目的
のために
遞信官署
にあてて出す
郵便物
は、無料扱いを認めておるのでございますけれ
ども
、しかしながら、かような場合におきましても、そういう特殊のサービスを、公衆が
要求
する場合においては、これに對して
料金
を負擔することはむしろ當然である。
一般
の
郵便事業
の
利用
者の負擔において、一部の
利用
者がさような調査等を無料でサービスを受けるということは、必ずしも
適當
でないと考えますと同時に、一面現在の
通信
財政の状況をもにらみ合わせて、これら單に公衆の方が一方的に差出すものは、無料を認めないことにいたしたのでございます。
林百郎
51
○林(百)委員
政府側
の
説明
もそれだけにしていただいて、質問も、きようは本
會議
もありますし、豫算の公聽會もあります。各委員も非常に細密な質問をなされてお疲れだと思います。きようはこのくらいで打切
つて
いただきたいと思います。
重井鹿治
52
○
重井委員長代理
皆様にお諮りいたします。第二章のただいままでの
説明
に對する
質疑
は、後日に讓ることにいたしまして、本日はこの程度にして散會いたしたいと思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
重井鹿治
53
○
重井
委員長 それでは本日はこの程度にして散會いたします。 午後三時五十五分散會