○花村
委員 政黨が
法律化されまするこの場合において、その設立行爲竝びに性格、
行動等が法文化され、ある
程度の制約を受くべきことは
當然であると申さなければならぬのであります。從いまして
政黨の
組織に關しましても、
政黨の根本をなしておりまする
黨則を明らかにすることは、これは必要でありますので、
從つてこの
黨則の
屆出ということに對する
義務を課するのは、これは
當然であろうと思うのであります。從いまして第四
政黨の
組織の分の四、五、六、七というような條項については、あえて論ずる必要はないと思います。すなわち
屆出の
義務を課するの必要はないと、こう私は申し上げてよかろうと思います。但し黨の
代表者竝びに重要なる
役員に對しては、その
屆出の
義務を課することがよかろうと思うのであります。そこでただいま問題に相な
つておりまする會計の點でありますが、これは要するに黨活動の源泉をなすものであり、黨の生命を持續する上においてのいわゆる種にも等しいものでありますから、この會計についてこれを明確にいたすことは、
當然すぎるほど
當然であると申さなければならぬと思うのであります。從いましてその會計の收支に關しまする帳簿を備えつけておき、あるいは一定の期間その帳簿を保存していかなければならぬという
義務を負わせますることも、これまた
當然であると申し上げてよかろうと思うのであります。そこでこの
政黨の費用についての問題でありますが、これは大體において、原則として
黨員の負擔によるべきことは
當然でありますが、しかし寄附を希望する者に對しては、
政黨がその寄附を受けるということも、これまたそれに對する何らの
制限をする必要を認めないと、こう申し上げてよろしいと思うのであります。要するに寄附をしようという者は、その
政黨を支援してやろうという氣持から出てくるのでありますから、その寄附をする人がいかなる人であろうが、あるいはその職業がいかなる職業であろうが、あえてそれは問うところでない。要するに
政黨を援助しようという氣持をもちまして寄附をする者があるならば、
政黨としては何人から受けてもよろしいということに相ならなければ、理論が一貫せぬと思うのであります。しかしながらその受取
つた寄附金というものは、おのずから明瞭にすべき備えつけ帳簿の會計簿によ
つて明瞭に相な
つておりますがゆえに、從いまして寄附金の性質等に關しまして、あるいはそれが忌むべきものであるかどうかというようなことは、おのずからこの會計簿を見ることによ
つて明瞭いたしますのみならず、むしろ進んではこの會計簿を
公表する。備えつけ帳簿を何人でも
——何人でもと申してはあまり廣きに失すると思うのでありますが、少くとも利害
關係をも
つている者は、その帳簿の閲覽をいつでもできるというところまで帳簿を公開いたしますならば、おのずからこの寄附につきましても、ただいままでいろいろ申し述べられましたような不合理、あるいは懸念は生ぜぬのではないかと、こう私は思うのであります。しかしこの
政黨に對して國庫の面から補助すべきものなりや否や、補助するのがいいか惡いか。これについても
議論があ
つたようでありますが、私はこれは
當然補助すべきものなりという斷定をいたすのであります。と申しますのは
政黨を
法制化するということは、要するに
政黨の立憲
政治に對しますところのより大きい貢獻をなさしめんとするところに、その意圖があると申してよかろうと思うのであります。立憲
政治のもとにおいて
政黨の生じてまいりますことは、これは必然であります。その好むと好まざるとにかかわらず、必ず
政黨というものが生じてまいりますことは、これは御承知の
通り事實でございます。從いまして、
政治をや
つていく上において、
政黨が缺くべからざるものであるという
意味において、
政治の面から見て、
政黨を度外視するわけにはいかぬのであります、從いましてその
政黨政治がよいか惡いか、その
政黨がよいか惡いか、
政黨が充實しておるか充實しておらぬかという
政黨の性格そのものが、ただちに
政治に
影響を及ぼすのであります。從いまして
政治というものと
政黨というものは不分離の
關係にある。しかして今日まで自由に相な
つておりますところの
政黨を、今日初めてこれを法文化していう。
法制化していこうということは、要するに
政黨の使命の上から、立憲
政治に大きな寄與をさせようという
意味でここに
法制化するものである。こう申し上げてよかろうと思うのであります。そういうことでありますならば、やはり國家財政の見地から見て、國家の
政治をよりよく改善し、よりよく運行するその基盤となり、その原動力と相な
つてまいりますところの
政黨に對して、國家が補助するということは、決して怪しむに足らぬ。これは
當然であると申し上げてよかろうと思うのであります。殊に今日の憲法の上から見ても、
議會政治運行の上から見ましても、
政黨というものの力、
政黨の權威というようなものが
相當に増大せられてきたのでありまして、殊に議員の發案權というものは今後の
議會においては
相當強く働かなければならぬというような方面に
議會政治が
發展向上いたしてきたのでございますが、こういう點から見ましても、
政黨がその主義
政策を掲げ、そうして立憲
政治をりつぱに運行していこうというのには、どうしてもその主義、
政策に關する調査
機關の充實したものをもたなければならぬ。今日までの
政黨はどちらかと言えば、ま
つたくこういう政務調査會の方面が、名ばかりで充實しておらぬのであります。これは私はまことに遺憾に思う。むしろ
政黨の中心はここにあ
つてしかるべきものである。それでこういう政務調査研究をいたし、さらに進んではその
政黨に屬する議員の發案權の行使にもまた妨げのないように、
相當の材料を集めて、そうして
法律案等をつくるというようなところまでやはり進むべきものであろうと思うのであります。もちろん
議會の面においても、こういう發案權行使に缺くるところのないように、それぞれの發案
機關に關する整備充實をしてまいらなければならぬことは
當然であります。これは各議員がおのおのその使命を果し得るように、
議會内における機能を
發達向上せしめてまいらなければならぬことは
當然でありますけれども、
政黨政治に缺くべからざる、しかも
法制化された
政黨というものから見ます場合において、その
政黨の眞に生命とも頼むべきところの主義、政綱というものをつく
つてまいりますその
機關を充實せしむるということも、これまた公の面から考えられなければならぬと思うのであります。はたしてしかりとするならば、その費用を國家が負擔することにおいて何の異存がありましようか。決してそれは遠慮すべきものじやない。國家の
政治と
政黨というものとは不分離な
關係にある。密接な
關係にある、離るべからざる
關係にある。
政黨の進歩
發達は要するに
政治の進歩
發達を促すことになる。でありますからこういう見地から考えまして、國庫が負擔をすべきは
當然である。否むしろ進んで國家財政が許されることでありますならば、その大部分の
黨費を負擔することもいいでありましよう。けれども今日の國家財政の上におきましては、そういうことは理想でありますけれども、實行はなかなか困難であろうとは思うのでありますけれども、觀念的にはやはり幾分でありましても、その費用を國庫が負擔する。そうしてその
政黨が最も憲政のために働き得るように仕向けてやるということこそ望ましいと申さなければならぬのであります。かような次第でありますから、この會計の點はまことに重大なる問題でありますので、ただいま申し上げましたような
方向に向
つて條文化されんことを希望いたします。