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木村(公)
委員 私は
政黨というものは、やはり自然發生的なものでなければならない、かように
考える者でありまして、從いましていわゆる
法律の力をも
つて政黨をつくつたりやめさしたりするというようなことは、これは不自然な姿であ
つて、長く續かないものと思います。今いろいろ御説があ
つたのでありますが、結局
議事を圓滿に進めるために、
群小政黨が對立してお
つたのでは、現實の問題としてだめではないかという御説がありますが、それならば別に
政黨というものを抑壓することなく、出てこられた代議士の中で、たとえば各派交渉會は何人以上をも
つて組織するというような
院内法規でも
つて、そういうようなことはおのずから工夫の途があるのではないかとも
考える。なかんずく今
綱島さんでありましたか、
お話しの中にありましたが、
思想傾向が異なるものがあります以上は、やはり
政治的
意見を異にするものでありますから、おのおの同志的立場によ
つて寄合いをいたしますれば、
社會情勢が
複雜であればあるほど、
政黨の數が多からざるを得ないのでありまして、今日の
政黨の數だ多いということは、今日の
社會情勢が
複雜多岐であり
思想がいまだまとま
つておらないというこてを如實に表現している
一つの
社會現象だともいい得るのでありますが、萬一將來の理想が二
大政黨であり三
大政黨であるとするならば、やがてそれは
國民的自覺によりまして、
思想が陶治され淨化され、あるいはおのずから歸一統一されまして、下から自然に同志相はか
つて團體を整理統合していくというふうになり得るのではないか。それを特に
法律の力をも
つて、
政黨とはかくあるべし、
政黨はかくあらねばならぬというようなことはきわめて不自然で、かような
法律をおつくりになろうとも長續きはするまいと御承知ありたいのであります。なかんずく、これは私だけの
意見と御承知ありたいのでありますが、最も私の不愉快といたしますことは、
政黨のいわゆる
推薦制、かようなるものは、ここに先輩諸氏もおられますが、東條内閣におきましていかに
推薦制というものが不埓千萬のものであつたかということは、もやは試驗濟みであります。先ほど私が特にドイツ、
ナチスの
選擧制度を
調べて、その資料を出していただきたい、あるいはソヴイエト・ロシヤの
選擧制度を
調べてくれと申しましたのも、こういう
推薦制を評價することによりまして、
ナチスあるいはソヴイエト・ロシヤの
共産主義思想を基盤にするような
選擧制度と混合、誤解あるいは同一のようになるおそれがあるからであ
つたのであります。私は
政黨法それ自身に對しては、全面的にこれを否定しようとはいたしません。黨の立場もありますから、私
どもの態度に對しましては、今後なお研究の餘地がありますが、
政黨というものはあくまで自然發生的なものでなければならぬということは、私
どもの理想であり、現實もさようでなければならぬと思
つておる、それと同時に
政黨の
推薦制、このことに對しては遺憾ながら贊成をしかねるのであります。一應私の
意見を申し上げます。