○林百郎君 大體この問題は、やはりある
中心をも
つていかなければ、
議論が散漫になるではないかと思います。大體
國家としてこの際
政黨を
規制しなければならぬという要請がかりにありとするならば、やはり今一番問題になる點は、手もとに
配付されました
政黨法案を
參考にして
考えてみますと、こういう點が將來非常に心配になるので、新しい
政黨法をかりにつくるとしても、こういう點は愼重なる考慮をしなければならないという點が三つ
考えられるのであります。第一點としては、
政黨の
範圍が第一章に規定されておりますが、
政黨の
範圍をこうした
法律できめてしまう必要があるかどうか。たとえば議會内に一定の數をもつものでなければ
政黨と言えないとか、あるいは下部組織が、たとえば何十萬なら何十萬の組織をもたなければならない、あるいは
選擧の得票數が幾らでなければならない、こういうような規定をつくる必要があるかどうか。すなわち
政黨の
範圍を
法律でも
つてわくをきめる必要があるかどうか、やつとわれわれは民主
主義を身につけたばかりで、これからほんとうに民主
主義が肉となり血とな
つていく
前提が、今も
つて暗中模索の最中で、小さい
政黨でも將來は伸びる可能性のあるものもあると思います。そういう場合、今から一定の人數とか、あるいはいろいろな
法律のわくをきめてしま
つて、これでなければ
政黨と言えないということをきめてしまうことがいいことかどうか。それから第二點としては組織の問題ですが、
政黨の組織について主務大臣に全部
屆出をして、その
屆出を怠るときは懲役の罰則まで設けている。しかもこれは行政大臣が
政黨の監督をするということがいいかどうた。第三點として
政黨の會計の點ですが、この手もとにある
試案によりますと、會計檢査院、最高裁判所の長が會計檢査員ときめて、これが各
政黨の會計を檢査するという點がある。かつ地方支部では地方の裁判官がこれを審査する。結局
政黨というものが組織の點を會計の點で、行政官竝びに司法官のような官僚に大きな干渉を許す可能性が非常に多い。われわれ
政黨の意義は、結局官僚を
政黨が監視するということが大事だ。殊に國會は國權の最高機關である。民主
主義的に民衆の
支持を得、人民の
支持を得た
政黨こそ、眞に
日本の國の最高權威者にならなければならない。それから長い間の
日本の國の弊習であ
つた官僚の跋扈に對して、にらみをきかせるものは
政黨のみしかないという自覺をも
つている際に、
政黨と組織の點竝びに
政黨の會計の點で、官僚に干渉の餘地のあるような
法案をつくることがいいかどうか。結局私は以上三つの
政黨の
範圍を今早速
法律でわくをきめなければならないかどうかという點、それから
政黨の組織について主務大臣に
屆出その他の干渉を許していいかどうかという點、
政黨の會計について司法官竝びに行政官僚の干渉を許していいかどうかという點、こういう點が將來非常に由々しい問題になると思う。これによ
つてわれわれ
政黨が官僚に監視され干渉されるということになれば、これは大變な問題でありまして、
日本の民主
主義の發展がこのために阻害される危險が非常にある。この點について各黨の皆さんによく研究していただきたいと思う。
なお
一つ希望いたしますが、もし外國の
政黨法に關する
資料がありましたならば、はなはだ煩瑣だとは思いますが、これを各
委員に配
つていただければ將來の研究の非常にいい材料になると思います。これだけ申し上げておきます。