○
椎熊三郎君
厚田港の
船入澗築設に關する
請願でございますが、この
厚田港の
船入澗の問題は、
北海道としては長年の問題でございます。私は概略この
厚田港は
北海道におけるどのような地位にあるかということをまず冒頭に
説明申し上げまして、
委員諸君竝びに
政府當局の御注意を喚起したいとこう考えるのであります。
厚田港は札幌市の西北四十キロ石狩
河口より北上すること二十キロの
地點にあるのでありまして、札幌、留萌線の要地として、また
厚田・岩見澤線の分岐點に位しておりまして、その源を
厚田御料地に發する
厚田川が蜒蜿として流れておりまして、そうして
厚田港に注いでおるのでありまして、自然の灣形をなしております石狩灣を擁して渺茫たる
日本海に面しておるという
状態でございます。
本村は海線三二キロを有し、内徑二十方里の廣大なる地域を占めて、戸數は一千百餘戸に達しておるのであります。農林、
水産の資源豊富なるも、なかんずく
水産は産業中の首位を占めております。なお
本村における産業の首位であるこの
厚田港の
水産業というものは、
北海道全體としても實に重大なる
水産事業の
地點でございまして、さけ、ます、あるいはにしん、その他こぶ、あらゆる
水産物を多量に産出することができます。その願いは年額にしても二十萬圓を超えるという
状況でございます。しかも近年
水産物價格の騰貴によりましては、この金額はほとんどその何十倍にも達しておるという
状況でないかと想像せられるのであります。しかるににしんの
漁獲期は春なお淺い風浪のはげしいときでございまして、
漁港の築設がなければこのにしんの
漁獲物はむなしく流失するということは、この前の利尻鴛泊港の
漁港修築の時分に申し上げたと同じ
状況にあるのでございます。この二、三年來流失いたしましたるにしんの高だけでも。毎年五百萬圓を下らないという
状態なのでございます。從いましてもしそれこの
漁港を完全に築設することがだきますならば、ひとり舊來の流失せられたものを確保するのみならず、この
漁港を利用いたしまして、この
漁港を基點といたしまして、一層
漁業事業を殷賑ならしめ、しかも
漁業の根據地として重大な
利用價値を發生するものであることを確信して疑わないのであります。
北海道廳におきましても、長年このことが懸案にな
つておつたのでありますが、特に本年は農林當局等におかれましても御注意を喚起されまして、すでに現地の當局は詳細に御
承知のはずでございます。
北海道の
船入澗築設計畫中には、
北海道の中の筆頭に加えておるのであります。非公式ではございましたが、私どもは農林當局、たとえば
水産局長さんなどにお目にかかりましてお話を伺いました際にも、非常に御同情を賜わつた問題でありまして、當然來年度から著手せられて、これの完成を急いでいただきたい、こういうつもりでおります。從いまして
北海道においては、全道民こぞ
つてこの
厚田港の完成を期待し、農林當局においてもまたその必要の重大性を認められております。この
厚田港は特に來年度の豫算の上に計上せられて、多年要望いたしております
北海道水産業界のため、また
厚田村のために、何とぞ格別の御同情と御注意を賜わりまして、一日も早くこの
船入澗の完成をしていただきたいということを懇願する次第なのでございます。各
委員諸君におかれましては
愼重審議の上、何とぞ特段の御配慮をも
つてこの
請願を採擇賜わらんことをひとえに懇願する次第でございます。はなはだ
簡單でございますが
請願の
趣旨を申し述べました。