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片柳政府委員 ただいまの御
陳情の
趣旨は詳細に拝聴いたしたわけでありますが、實はこの問題は
食糧營團の側からもいろいろ意見が出ておりまするし、またかねて
砂糖の
取扱業者の方からもいろいろ
陳情をお聴きしておりまして、實は
行政措置といたしましては未だ最終の
決定までは至
つておりませんが、私考えておりますることをこの機会に申し上げてみたいと思うのであります。お話のように
從来砂糖を
取扱つておられました方々は戦争中ほとんど
扱い數量が減
つてしま
つた。この御
事情はよくわかるのでありますが、ただ私の方の
主要食糧の
配給の
立場からみてまいりますると、實は本年度の世界的な
食糧事情からまいりまして、穀類だけではなかなか
日本の
要求量に対して補填ができ得ない。供給ができ得ない。
從つてその代りに
主食として一定量の
砂糖を
日本に供給するがどうであろうか。こういうことから問題が起
つておるのでありまして、はい
つてくる先から
主食として實ははい
つてくるのであります。
砂糖としてはい
つてきましたものを
國内事情によ
つて主食に振りかえるのではないのでありまして、最初から一部は
主食としてはい
つてまいる。この辺が
食糧營團をして扱わしめたいという第一の
考え方であります。
第二は、われわれは
食糧管理法の建前に從いまして、現
實主食の
配給をや
つておるのであります。この点は私から御
説明するまでもないことでありまして、
食糧事情の
急迫化に應じまして、
米麦だけではとうてい
配給量の確保ができませんので、
米麦以外の
いも、
カン詰あるいは今回は
砂糖というような、すべてのものを各家庭にちんばにならないような
状況で、総合的にこれを
配給いたすことが實は
食糧管理法の精神でありますし、また
食糧營團が
法律上規定されました
趣旨であるのでありまして、從いまして私
ども食糧管理法が現存いたします以上は、やはり交際上
支障のない限りは、
食糧營團をして総合的に扱わせることが
法律の命ずるところでありますから、全然それは
配給の能力がないという場合におきましては、これは他の機関の協力等を得ることはもちろんでありますが、一應建前といたしましては、
食糧營團をして
配給せしむることが法の命ずるところであるというふうに實は理解をしておるのであります。現に過去におきまして、あるいは甘藷等につきましても、
從来野菜の扱
業者の方で扱
つてお
つた甘藷を、現在ではほとんど全部
食糧營團が扱
つておる、あるいは小麦、
カン詰等につきましても、
從来の米屋さんが扱
つておらなか
つたのでありますが、これも
主食として用途の特定しましたものは同じく
食糧營團をして
配給せしめておる。ただ昨食糧年度の食糧期の際に希望
配給で、あるいはぶとう糖ですりますとか、あるいは酒類等の
配給をしました場合におきましては、どうしても不
都合なものは他の
業者の方々の協力を得て酒類等は
配給した例がありますが、今回
砂糖は實は數量が非常にわずかなもので、ここ臨時のものでありますれば酒と同じような方法もとり得るかと存じまするが、現在までの情報によりますれば、相當多量のものが
主食としてはい
つてくるというような
状況であります。從いましてこの扱いが
食糧營團の
配給から除外されますと、實は
營團それ自身の経理にも相當な影響は當然出てくるのであります。ただ問題はいかに
法律の精神がさようであり、また輸入食糧のはい
つてくる前提からも、
主食である以上は
營團であると申しましても、
實力がなければこれは何ともできないのでありまして、特に貴重なる
砂糖であり、また報告その他につきまして特に厳重を要します
砂糖の
配給につきまして、その間に一点の齟齬がありましてもいけないわけでありますから、
配給能力の点につきましては、實は十分な
注意を払
つて今後の
配給をや
つてまいりたいと思
つております。ただ私の方でいろいろ調べますと、過去におきまして相當小口なものを
營團は扱
つておりまして、もちろん米それ自身でも何グラムという
配給は端數として
計量する場合も起りまするし、またたとえば正月の賃もちなり、あるいはお供えを
配給するという場合におきましても、小さなものをやはり
計量をして
配給するという例もあるのでありまして、大體これは今日まで
營團側につきまして調査しましたところによりますれば、もちろんどこの場所におきましても全部ということは断言できないかもしれませんが、原則といたしましては
食糧營團側において
配給能力がある、こういう認識をも
つておるのでありまして、さようなことで原則として
食糧營團をして
配給せしめていくことが適當ではないかというふうに考えておるのであります。御指摘の
食糧營團が
独占禁止法にも抵触する、これはまさしくその
通りであります。その意味で近くこれを食糧
公團ということに全面的に切りかえることにいたしたのでありまして、ただ
主食の
関係は他の
物資と違いまして登録制等をと
つて、
消費者の
選択に任して
配給するまでの實は
状況にな
つておらないのでありまして、やはり
公團組織で
配給所の一本のパイプを通じて地域的な
配給をすることが、現在の食糧
情勢下においてはなおその必要がありはせぬだろうか、もちろん
情勢がゆるんできますればできるだけその辺は自由競争の色彩を入れたいと思
つておりますが、現状ではその期に至
つておらないということで、實は非常に押迫
つておりますが、今議会に
食糧營團法を本日提案いたしたようなわけでありまして、その意味におきましては
食糧營團は近く解體をいたし、そして
公團ができました場合におきまして、要するに
主食は
公團をして一元的に
配給せしめるというのが骨子でもあるのでありまして、さような点からも能力がある限度におきましては、これは現在の
食糧營團あるいは議会の協賛を得ますればやがてできます
公團組織を通じて
配給をしていきたいと思
つておるのであります。ただ先ほも原則としてということを申し上げたのであります。地方によ
つてあるいははかり等の設備が
配給所で足りないとか、あるいは特に御指摘の
倉庫等につきましては、なかなか穀類を入れておく
倉庫に
砂糖を入れることもできないでありましようから、
砂糖を
從来扱
つておる
倉庫等に入れていただくというような
方面につきましては當然考えなければならぬと思うのでありますが、それはしかしあくまで
食糧營團が扱う、その協力を願うということで、
主食に向けるべき
砂糖を
砂糖としてこれを
食糧營團を除外して、直接
砂糖の
業者に売却することは
食糧管理法でできないのであります。協力を願う場合におきましても、名目上はやはり
政府から
主食の分は
食糧營團に売却する計算になるのであります。ただその實務の分配の場合におきまして、地方の
實情によ
つてどうしても
營團でその能力がないという場合におきましては、これは協力を求めてや
つていきたいと考えておるのであります。ただ
行政的にはまだ最終の
決定まで至
つておりませんから、
陳情の
趣旨をなおよく研究なりしてみますが、大體現在考えております私
どもの
考え方は以上の点でありまして、御了承願いたいと思います。