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門司委員 ただいま提案にな
つております
警察法つきまして、一應
意見を申し述べたいと思います。これは
警察法の五十
一條ないし五十二條のかん係でありますが、
原案におきましては「特別區の存する區域においては、特別區が連合してその區域内における
警察の席に任ずる。」
という字句がはい
つております。さらに五十三條におきまして、特區はこれを
一つの市とみなすとかいてあるのでございます。そこで五十二條におきましては、「前條の特別區にはと知事の所轄の下に
市町村公安委員會に相當する特別區
公安委員會を置き、その
委員は、と知事が、都の
議會の同意を経てこれを任命する。こういうように書いてあるのでありますが、これを
條文通りに解読いたしますと、その責に人する所在というものが區の連合體にな
つているのであります。そうして五十二條において、その
公安委員會を任命することは、都知事がこれを推薦して、都會において同意を得るというように書いてあります。その
責任の所在が區の連合にあ
つて、
公安委員の専任だけは都に権限があるという形にな
つておりますので、これは
責任とその義務を完全に一致させることのためには、どうしても私
どもは、特別區の存する區域においては、特に
警察の目的のために特別區の
組合を組織し、その區内における
警察の責に任ずるというように改める。さらに五十二條において、これを前條の
組合には、都知事の所轄のもとに
市町村公安委員會に相當する
一つの特別區行員
委員會を置き、その
委員は都知事がその
組合の
會議の同意を経てこれを任命するというように書き改めることによ
つて、初めて義務と権利との
関係が明確になると
考えるのであります。しかしながらこの
法案が極めて暫定的であり、さらにこの
法案をこのままの姿で認めるといたしますならば、この特別區は連合してということを、都においていわゆる特別區の場合は、都がその
警察の責に任ずというようになお訂正することによ
つて、
はつきりすると
考えるのでございますが、私
どもは東京都自體の
情勢を今
考えますと、これが自治法によるほんとうな特別市という形していない。さらに東京の區もまた完全なる自治區の形態を備えていないというようなことを
考え、さらに東京という
一つの大きな都市の治安を完全に維持することのために、いろいろ
考え合わせますときに、やはりこれはそうしたものの総合的の
一つの
警察制度というものが立てられなければならないというようなことが
考えられるのであります。従いまして現存の段階におきましては、一應この
原案のままを承認するのでございますが、當局におきましては、近い将来に、こういう疑義のあるようなあるいは取扱に非常に困窮な、あるいは解読に二様の解読ができるというような曖昧な文字でなく
つて、この點を明確にして、
運営にあた
つていただきたいといことを
希望するのであります。
さらに
警察法の全體を見ますときに、従來の
警察官の立場において、いろいろな弊害があ
つた點が多少改められるかとも
考えますが、われわれが深く従來のけ意札關の
制度のう、あるいは
警察官のいろいろな状態の上から、最も遺憾に
考えているものは、
警察に努めております署長、あるいはその他の要員が退職の場合におきまして、その退職後直ちに自己の従來所轄いたしておりました行政區内において、大きな会社等に就職することが従來多か
つたのであります。そのことのためであるかどうかということは
はつきりわかりませんが、ただ外部から見ますと、そういうことが多か
つたために、その在職中に往々にして、その會社にいろいろな便宜を與えてお
つたのではないかという見方もまたできないのではなか
つたのであります。こういう點につきましては、特に注意すべき問題でありますので、われわれはそういう弊害を防止することのために、その所轄いたしておりました行政區域内においては、退職後
一定の期間を定め、その間はその區域内の大會社などに就職することができないということを、一應
規定したらどうかというように
考えるのであります。これは
公務員法の中にも、ややこれに似たような字句はあるようでございますが、これも至
つて抽象的であり、
はつきりそういうことを明示していないというきらいもありますので、特に私はこの
機會に、そういうことのないように一言申し添えておきたいと思うのであります。
以上をもちまして翻案に對しまする私の
意見といたします。その他につきましては、大體ただいま
修正意見の出したことに贊成いたすものでございます。