○
久山政府委員 地方的な
状況によりまして
取締まりが一律にいかない、いろいろその土地々々の
事情等によりまして、
取締りの
差異があるということにつきまして、どういうふうなこれを矯正する
方法があるかという點につきましては、現在は
統一的に
國家が
運營をいたしておるのでありますが、もちろんそういう中におきましても、
地方的な
實情によりましていろいろ
差異が生じます。しかし、主として
地方的に
差異があるということの一番大きな問題は、
經濟警察に關して起ることが多いと思うのでありまして、それ以外の點につきましては、あまりそういう
地方的な
差異というものも少いのでありますが、要するに
經濟に關するいろいろな
警察の問題につきましては、相當その
地方の
實情によ
つて、重點が違い、またそれに對する扱いがいろいろ
違つておることは、ある
程度やむを得ないのでありまして、現在におきましても、その
地方々々によりまして、いろいろ
取締りの
内容について
相違があることは、ある
程度認めておるのであります。ただそれが、この新しい
制度の上におきます場合におきましては、
自治體においては
自治體自體が最高の
警察の
責任と権威をもつわけでありますので、おのずと
自治體のみの
利害に拘泥いたしまして、一層ある種の、殊に経済的な関係における
警察に関しましては、著しくそれが
自治體本意に偏しまして、
國家としての全體の
施策を害するというような點につきまして、非常に
心配されることが多いのであります。そういう觀點からいたしまして、特にそういう面から起こりまする
利害によ
つて、
國家の全
體的な
施策を害するような経済の問題につきましては、この
制度のもとにおきましては、うまく運営ができないというおそれがありますので、それは一貫した同じ
組織のよう
統一ある
取締のできまするような
組織に改めねばならぬので、現在案を練
つておるような次第であります。それ以外の、本来の
警察に負わされました問題につきまして、
地方ごとに
相違があつた場合の處置につきましても、これは
自治體が
責任者でありますので、ある
程度この
地方の
實情が反映いたしまして
差異が生ずるということも、これはもうこういう
建前をとります以上、ある
程度はやむ得ないとしなければならぬのであります。しかしそれにもおのずから一定の限度もありましようし、何と申しましても、
國家の
統一というものを害するというようなことになりましては、せつかくこういう
制度をつくりました根本の趣旨にもとるわけでありますので、それはもう互いに協力し合うというふうなことによりまして、そういうまちまちな取扱から起こりまする弊害を防ぐと同時に、一般的な
自治の原則、民主主義の原則によりまして、一般の
市町村の
自治體の住民が、
自治の本旨を活かして
制度の運営にあたるために、絶えずそういうことを自覺いたしましてこの
制度の運用を監視する。逆に、こういう
制度を運営することによりまして、そういつたような民主的な
自治的な能力の
向上をはかるというようなことによりまして、
統一を害するような偏頗な
組織のないように、これはもう
國民がみずからの
責任として、この運営にあたるということが期待されるのでありまして、さらに犯罪等の検挙につきましては、検察廰の方の関係におきまして相當な
統一が保たれますので、経済
警察のような特殊のものを除外いたしますれば、まずこういう
制度におきましても、そう
地方的な
事情の
相違によ
つて、
統一が害されるようなところまでは、いくおそれはなかろうと
考えておるような次第であります。
婦人警察官の問題につきましては、これも、全體の職員と、
警察が當面いたしておりまする問題の重點等の関係によりまして、相當多数に採用していくことができるかどうか、あるいは現在の
程度に止まるか。さらに考慮を要する問題でありまして、暴力的な犯罪が非常に殖えまして、そういう方面に對する
警察の仕事の重點が非常に高ま
つてまいりまして、しかも全體の
定員というふうなものが限定されておりまする場合におきましては、いろいろ
婦人警察官をして擔當せしめることが
適當であるというふうな部門が多数ある場合におきましても、男子の
警察官をしてこれにあたらしめ、そういつたような一斉
取締り等の場合におきまして、それを運用していくというふうな必要性が強いような
状況―おそらくこれは
當分そういう
状況が続くのではないかと想像いたされるのでありますが、そういう點から、ここ
當分婦人警察官の人数というふうなものは、そう現在以上に殖やしていくことは困難ではないかというように
考えるのであります。鐵道の方に新しく司法
警察權をもつことを認められいました人員の数は、たいか八千名くらいであろうと記憶いたしておるのでありますが、海上保安廰方は、まだ
定員が何名というところまでは的確に話が進んでおらぬのではないか。殊にこういう新しい
警察制度のもとにおきまして、海上における一切の
警察が海上保安廰の
責任にかか
つてまいりますると、従来
考えておりましたように、沿海の部分のみを擔當するような
状況で
考えておりました海上保安廰の機構なり人員等につきまして、さらに
考え直さなければならぬと
考えるのでありまして、現在どのくらいの人員をも
つてこれにあたることが
適當であるかということにつきましては、なお運輸省の方面と接衝中でありまして、現在何名くらいを
考えておるかというところまでは、まだ的確に話が進んでおらぬのであります。
警察官の
定員につきましては、この
法律に書いてありまする三萬といい、九萬五千というのは、これは
警察の
定員でありまして、
警察の仕事を
執行いたしまする上に、必要なる
警察官以外の
警察職員というものは、この
定員の中にははい
つておらぬのであります。そして現在何人くらい
警察官でない
警察職員がおるかということは、後刻、少くとも現在の人員につきましては、調査いたしまして御
報告申し上げたいと存じますが、相當数のそういつたような職員がおるのであります。そういつた
警察官及びそれに必要なる
警察職員の配置の
基準、どういうふうにしてこれを各
市町村、あるいは
國家警察に配置をするかという點につきましては、いろいろ
考えておるのでありまするが、大體
市町村が自由に、その
要求に應じて決定することができまする
状況になりますればまた別でありまするが、少なくとも現在の寛員をそのまま固定いたしまして、一應この経済的な時代におきまする
警察官の配置というものは、大體現在のその土地々々に必要として配置いたしておりまする
警察官の数というものを、根本として
考えておるのであります。何と申しましても、いろいろの
警察的な
要求から必要な数がきま
つておるわけでありまするので、まず現在必要に應じて配置されておりまする
警察職員の数を基本にいたしまして
配分を考慮いたすのであります。ただ、少なくとも独立して
一つの
警察をもつということになりますと、現在は大きく包含されて、その所に一人なり二人なりが常時駐在をいたしておる、しかしいろいろの統合的な
警察の仕事は、
一つの
警察署において相當の人員をも
つてや
つておるという場合に、これをどういうふうに分散するかという問題は、いろいろ
考えられるのでありますが、少くとも最低限度四名とか五名とかいう
程度の人がおりませんと、どうしても独立した
警察としての職務が最低限度行えないのであります。これも現在の實員を離れて
考えますれば、私どもどうしても十四、五人というものが、最低限度の
警察署の人員の単位であると
考えるのでありますが、これを現在員をそのままくぎづけにしていかなければならぬ過渡適な状態といたしましては、そういうことも言えないのでありまして、あるいは三人なり四人なりの
警察官の配置を、独立した
警察における最低の単位といたしまして、九萬三千九百三十七人という現在の人員の配置されておりまする
状況を大體基本といたし、しかもこの独立した最低の
警察をもつ場合には、どうしても四、五人というところを
基準にいたしまして、全體の割振りを現在いたしておる、こういう
状況であります。
それから
地方自治財政が確立いたすのはいつであるかということでありますが、これはいつになりますか、現在はつきり見透しはつかないだろうと思うのでありますが、一應
都道府縣と
國家が半分に分擔をいたしまして、現在の
警察の費用を賄
つておるのでありますが、これを
配分する仕方を變更いたしまして、
自治體がそれぞれ
府縣と
國家の関係でなく、みずからの費用で一應現在員を賄うことができるような意味合における
財政配分の變更というものは、これはおそらく通常議會に提案せられまして、それが決定いたしますれば、四月早々から
實施することになると思うのでありますが、おそれがただちに、ここで申します
地方自治財政の確立と言えるかどうか、あるいはその際にさらに、一般的な租税の問題等につきましても新しい
法律ができまして、これで確實に
地方自治財政が確立したのであるというふうになりますのはいつでありますか、ちよつと私今ここでその見透しを申し上げることはできないのであります。