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坂口委員 二、三お問いいたします。第一、本法によりまして
警察の
事務というものが、大
體警察固有の
事務といわれておりますものに限定されていることは、しつかり出ているようであります。この中の
公共の
秩序の
維持、
公安の
維持ということは普通使うことでございます。これを
具體的にいたしますと、第
二條のところに出ております
運營管理の中の「
公共の
秩序の
維持」というものと同じ
意味になるのか、あるいはなおそれより廣い
意味におとりにな
つておるのか。
從來の
警察において弊害があ
つたというふうに認められておりますことは、要するにすべてのことが
公安の
維持ということと、押しつめていけば關連しないものはない。
從つて警察仕事がだんだんそういうふうに擴が
つていくおそれがやはりあるのであります。從いましてここで、この
意味をはつきりしておかれることが必要であると思うのであります。たとえば
從來の特に本案と關連します營業の
取締、あるいは
風俗警察といわれているようなものは、この際大體において他の方へ移り、
警察では與からないことになると思うのであります。これと結びつきまして
公安の
維持、あるいは
公共の
秩序の
維持と關連して、御
解釋を承りたいと思います。
次には第
五條の
國家公安委員會の點であります。これはあとの
都道府縣、
市町村の
委員會でも同樣でありますが、この中に強調されておりますことは、
從來警察あるいは
職業的公務員の
經歴のある者を
缺格條項にしてあるようであります。
マツカーサー元帥の書簡によりましてそういう
意味が現われ、
希望されておるようでございますが、これは他の
缺格條項であります
從來ある程度以上の
犯罪を犯した者や、また
將來この
憲法のもとにおいて、
日本の
國家に對する反逆というようなことの
缺格條項は別といたしまして、
從來いやしくも
官吏であ
つたものの全體に對して、この
公安委員會の
委員たる
資格がないというようなことを、
恒久法であるところの
警察法で排除するということは
適當であるかどうか、私は大いに疑うのであります。何十萬あるいは何百萬とおりますところの
從來の官職の
經歴者、そういうものが平穏公然と職を
行つて國家生活をしてきておるものに對しまして、
恒久法でありますところの法規の中で
永久にこれを排除する形において、そういう
條項を入れるということは
適當でない。
憲法にも、すべての
國民が法の前に平等である。
人種が
違つても、あるいはその他のいろいろな、性別はもちろんでありますが、宗教その他一切のものが無差別平等であ
つて、そのために
社會的あるいは政治的の
條件で、差別されることはないとということが明らかに宣言されておるのであります。こういう
りつぱな憲法のもとにおいて、新たにつくられますこの恒久的な
法律において、
國民の相當の部分を占めますものに對して、こういう形においてこれを排除するということは私は
適當ではないと考えます。もちろんこれは
マツカーサー元帥の
希望というか指示によりまして、その必要があるするならば、何か他の方法があると思う。たとえば
ポツダム勅令によりますところのパージの諸
條項なり、あるいはまた、かりにそういうものでなくても何かのものによりまして、
將來これは
任命でありますから、内
閣總理大臣なり
都道府縣知事なり、そういう人を
任命する側において、こういうものは當分
任命しない、あるいは
永久に
任命しないという
一つの基準をさえも
つておりましたならば、こういう
人種を脅かすというか、侮辱するかに見えます
條項をここに入れるようなことなくして、
マツカーサー元帥の心情なり
希望に副うことができると私は考える。そういう點について御意見を承りたい。
それから
特別區というものがありまして、
自治體警察として少し特別なやり方にな
つておるようでありますが、この點は
日本の最も大きい
都市に關するものでありまして、この
條項によ
つてほぼ了承はできますけれども、しかしたとえば各區が連合して
警察の責に
任ずる、しかしまた他の一方においては、各區がそれぞれ普通の市と同じような立場にあるというようなこともあります。またもし
公安委員會というものが、
一つでこれだけをやるということであれば、他の
市町村竝びに三人の定員でいいのであるかどうか、あるいは五人なりもつと數を殖やしてやる必要はないか。そういうことも考えますが、とりあえずこのこの
特別區に對しまして
警保局長の御
説明を讀みましても、それほど詳しくありませんので、この點は特に重大と考えますから、もう少し詳しく
具體的御説明をお願いしたいと思います。
それから
國家警察の
運營といいますか、
事務の
範圍について掲げられておりますが、それ以外の
鐵道とかあるいは
水上、
海上の
警察というようなこと、殊に今後
日本に軍備がなくなりますと、こういう島でありますので、
日本の置かれました地理的の
條件から申しますと、近い
周圍にいろいろな國がありまして、
從來の
實情から申しますと、
密渡航のごときもあり得る。
密貿易もある。またそれのみならず、さらに今までの
實情から考えますならば、
海賊というようなもののおそれもあります。またある場合には、特に對岸から
日本に暴力をも
つてはい
つてくるというようなおそれもある。これもある程度までは、やはり
日本の
警察において防禦しなくてはならぬ。そういう點に對するところの
考慮は、もちろん
國家警察なり
自治體警察なり、
國家非常事態として全般を動かしてやられると思うのでありますが、そういう點を御
考慮の上の十二萬五千であろうと考えますが、そういう點についての御見解、特に平時の
水上警察というものはどういうかつこうになるのでありますか。多くの
港灣は
自治體で經營しておりまして、その中に包含されておりますが、そういうのも
自治體警察でおやりになるのであるか。
公安、
水上警察、そういうものについてお伺いしておきたい。
最後に
警察管區の問題でありますが、
別表によりまして
管區の名稱、
區域というようなものが示されております。多くは妥當であると思いますが、
九州管區につきましては
福岡にな
つておるようでありますが、私はこれははやり
交通を考えた上の地理的の
中心が最も望ましい、こういうふうに考えます。他の方で見てみますと、大體
交通がそこから出ておりまして、必ずしも嚴密な地理的の
中心地ではありませんけれども、
交通的にも
中心には
つておるようでありますが、
九州だけは
福岡よりも
熊本がやはり
交通地位の上において
中心である。これはやはり先の長いことを考えて、私はおきめにな
つておく方がよろしいと思います。いろいろな
施設もだんだんしていかなければならぬ。ただ現在の
ちよつとした
便宜のためになるということは、よほどお考えにならなくちやならぬ。どういう
理由で
福岡におきめにな
つて、
熊本ではないのか。この點についてお尋ねしたいと思います。