運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1947-09-18 第1回国会 衆議院 治安及び地方制度委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十二年九月十八日(木曜日) 午前十一時十七分
開議
出席委員
委員長
坂東幸太郎
君
理事
門司
亮君
理事
矢尾喜三郎
君
理事
高岡 忠弘君
理事
川橋豊治郎
君
理事
松野 頼三君 笠原 貞造君 菊池
重作
君
久保田鶴松
君
大澤嘉平治
君 佐藤
通吉
君 坂口 主税君
千賀
康治君 中垣 國男君 小枝 一雄君
加藤吉太夫君
出席政府委員
内務事務官
久山
秀雄君
内務事務官
林 敬三君
委員外
の
出席者
議 員
磯崎
貞序
君
農林事務官
村田 朔郎君
農林事務官
池田 大助君
専門調査員
有松 昇君
—————————————
九月十五日
地方税法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
) (第五七號) の審査を本
委員會
に付託された。
—————————————
本日の會議に付した事件
關東地方水害状況
に關する
説明聽取
北海道總合開發機構
に關する件
町村
の
財源
不與に關する
請願
(
神山榮一
君紹 介)(第七〇號)
茅ヶ崎
町に
市制施行
の
請願
(
磯崎貞序
君紹介) (第二四六號)
—————————————
坂東幸太郎
1
○
坂東委員長
これより
治安
及び
地方制度委員會
を開會いたします。 本日の
日程
は
北海道總合開發機構
に關する件、それから
請願
は
町村
の
財源付與
に關する
請願
、第二は
行政書士法制定
に關する
請願
、
茅ヶ崎
町に
市制施行
の
請願
であります。その次には陳情が第一より四十三まで、以上が本日の
日程
であります。
大澤嘉平治
2
○
大澤委員
實は
關東
の
風水害
による
災害
に對しての
治安
の
對策
に對して、
警保局長
のお
考え
を伺いたいと思います。同時に
新聞等
で御
承知
の
通り
、
栃木
、
群馬
、
埼玉
、
茨城等
の最も
水害
の激しか
つた
地方
に對しましては、
東北
における
風水害
とは違い、時期において
米穀等
がすでににみの
つて
、もはや明日にも収穫でき得るという時期にな
つて
おるにもかかわらず、このたびの
災害
であるだけに、思想の上にも、あるいはいろいろの明日に備える
國民生活
という上からまいりましても、非常に重大な問題であると思うのであります、これに對しまして、
政府
の確固たる
對策
に對してのお
考え
をお伺いいたしたいと思います。なお同時に
當委員會
としましては、これに對して救濟、あるいは慰問、あるいは
治安
の點に對して
對策
を講じ、完全なる
國家
の
治安
を保ち得るだけの
對策
に對する決議を、
委員各位
に
お願い
をいたすべく提案をいたします。
坂東幸太郎
3
○
坂東委員長
ただいまの
大澤
君の
緊急動議
に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂東幸太郎
4
○
坂東委員長
それでは
政府
よりひとつ御
答辯
を
お願い
いたします。
久山秀雄
5
○
久山政府委員
それでは私から今囘の
關東
、
東北地方
一帶にわたりまする
水害
の
状況
につきまして、現在まで、私
ども
の方にわか
つて
おりまする
資料
を總合いたしまして、
概要
を御
説明
申し上げたいと思います。 今囘の颱風は割合に風が豫想したほど大したものでありませんでしたので、風によります
被害
は非常に輕微であ
つたの
でありますけれ
ども
、雨が非常にたくさん降りまして、
關東
、
東北
各縣にわたりまして、二百ミリないし六百ミリというふうな
降雨量
にな
つて
おりましたために、あらゆる
河川
が
氾濫
をいたしまして、いろいろの
災害
を引き起しておるのであります。特に
利根川
及びこれの
支流
が各所に
堤防
の
決壊
によりまして
氾濫
をいたしまして、
群馬
、
栃木
、
埼玉
を
中心
といたします
地域
に、非常に大きな
被害
を與えるに
至つたの
でありまして、その
概要
を申し上げますと、第一は
埼玉縣
でありますが、これは十四日頃から非常な豪雨でありまして、水量がか
つて
ないような増量を來して、遂に十六日の午前零時三十分頃というのでありますが、
利根川中流
の
栗橋
の
上流
のところの
堤防
が、約四百メートルほど
決壊
いたしたのであります。そのときの
水位
は約八メートル九九という
報告
を受けておるのでありまして、これはもうか
つて
ない高い
水位
だそうであります。そのために
利根川
の
濁流
が、
栗橋
から
幸手
に至りまする一帶に侵入をいたしまして、その邊一帶がまたたく間に泥海に
なつ
たという
状態
であ
つたの
であります。さらに十五日よりこれは前でありますが、午後十時過ぎ
荒川
の
上流
の
熊谷附近
の
堤防
が
決壊
いたしまして、そこから
氾濫
いたしました水が、菖蒲、
久喜方面
に達しまして、前の
栗橋上流
から
氾濫
いたしました
利根川
の
上流
の水と
杉戸附近
で合流いたしまして、漸次南の方に下
つて
おる。そして現在
埼玉縣
の
東南
の隅に達しておるというふうな
状況
であります。
春日部あたり
では、大體五尺くらいの水深にな
つて
おるようでありまして、吉川の
あたり
では、ただいま二尺というふうな
報告
を受けております。現在
東南隅
の
地域
まで水が流れておりまして、
東京
都の境までもう四、五里というところに來ておるようであります。そういう
状態
でありまして、
埼玉縣
は全縣下、主として今申しました
利根川
と
荒川
の間にありまする約四十箇
町村
というものが
濁流
におおわれておるというふうな
状況
であります。そのうち
栗橋
及び
幸手
の
附近
におきましては、逃げ遲れた
住民
が、
附近
の高い所なりまた
堤防
の上、あるいは家の屋根の
上あたり
に
散々孤立
をしているというふうな
状況
でありまして、これが
救援
につきまして、
目下全力
をあげておるのであります。 ただいままでに判明いたしております
被害
の
概數
を申し上げますと、
死者
が四十三名、
負傷者
が十六名、行方不明の者が三十四名、
家屋
の
倒壊
及び
流出
が三百五十九戸、
家屋
の
浸水
が六萬六、
田畑
の
流出
が五百八十五
町歩
、それから四畑の
冠水
が三萬六千百六十九
町歩
、
道路
の
決壊
はもう多数でありますが、
橋梁
の
流失
が二百四十九箇所、
堤防
の
決壊
が四十八箇所というふうな
状況
にな
つて
おりますが、この
数字
は
被害
の一番ひどいと思われます
栗橋
、
幸手附近
の
浸水地區
のものを含んでおりませんので、その
地域
の
被害
が判明いたしまする場合には、さらに非常に大きなものになるだろうと豫期されるのであります。 その次は
栃木縣
でありますが、
栃木縣
の
被害
の
中心
は、縣南の下都賀郡の渡良瀬川と
巴波川
、これは
利根川
の
支流
でありますが、その合流する
地域
にありまする部屋、生井、この二つの村が
堤防
の
決壊
のために、たちまち九メートルくらいの水嵩の
襲來
を受けまして、約一
萬餘
りの
住民
が身をも
つて
逃れまして、
附近
の
堤防
に約三里くらいの長さにわた
つて
難を避けているというような
状況
でありますが、これもまだ完全なる
連絡
がつきかねておりますので、詳細は判明いたしませんが、そういう
人々
の
救出
なり
食糧補給等
の問題につきましても、いろいろ問題があるようであります。この
地域
が一番
被害
がひどいのではないかと想像されるのであります。 次いで足利及び
宇都宮附近
につきましても、やはり同様の
被害
が
相當
きびしくありまして、現在まで判明いたしておりますところでは、
死者
が百六十六名、
負傷者
が五十七名、行方不明が千四百九十八名、
家屋
の
倒壊
及び
流失
が千七百八十六戸、
浸水
が四萬二千二百九十戸、
田畑
の
流失
が三十五
町歩
、
冠水
が一萬一千二百八十
町歩
、
道路
の
決壊
は千六百十八箇所、
橋梁
の
流失
が百四十箇所、
堤防
の
決壊
が一、こういうふうにな
つて
おります。この數も
被害
の
調査
の進むにつれまして、さらに増加するものと豫想されます。 それから
群馬縣
でありますが、
群馬縣
の
被害
は主として
赤城山麓
から西の方高崎に通じまする線から東その間であります。殊に流域の
被害
が一番ひどいように思われるのでありますが、これも
縣下全般
にわたりまして
交通通信
が杜絶しておりますので、
被害
の詳細を知ることがまた困難であるのであります。しかし
群馬縣
の
當局
が
徒歩連絡
その他あらゆる
方法
をいたしました結果、ただいままで
報告
がありましたところによりましても、
死者
が二百九十四名、
負傷者
が二百九十三名、行方不明が三百五十八名、
家屋
の
倒壊
及び
流失
が三千二十戸、
浸水
が七萬二千九百四十八戸、
田畑
の
流失冠水
が五萬六千
町歩
、
道路
の
決壊
が百八十六、
橋梁
の
流失
が二百七、
堤防
の
決壊
七十三というふうな
数字
にな
つて
おりまして、これも
調査
の進むに從いまして、さらに増加するものと思われるのであります。 以上のほか
茨城縣
では
死者
が四十名、傷者が十三名、行方不明が十七名、
家屋
の
流失
及び
倒壊
が二百六十三戸、
浸水
が一萬四千四百七十八戸、
冠水
が一萬五千百七
町歩
、
道路
の
決壊
は百十七箇所、
橋梁
の
流失
が百三十一、
堤防
の
決壊
百十六、こういうふうな
状況
にな
つて
おるわけであります。 さらに
宮城縣
では現在まで
死者
が一名、行方不明が九名、
家屋
の
流失
が二十五戸、
浸水
が一萬一千三百八十戸、
田畑
の
流失
が五百八十
町歩
、
冠水
が三萬二千四百五十七
町歩
、
道路
の
決壊
が八箇所、
橋梁
の
流失
が七百八十六箇所、
堤防
の
決壊
が百二十五箇所、こういう
状況
でありまして、相
當被害
が多いのであります。
岩手縣
では
家屋
の
倒壊
、
流失
が六戸と、
浸水
が千百六十八戸、田の
流失
が百三十九
町歩
というふうな
報告
がはい
つて
おるのでありますが、このほかに一の關の
方面
に
相當
の
被害
がある
模様
でありますけれ
ども
、これもまだ
連絡
がついておりませんので、詳細な
状況
は判明をいたさぬのであります。
福島縣
におきましては、
死者
七名、
家屋
の
浸水
三千二百一戸、
田畑
の
流失
が百二十六
町歩
、
冠水
が三千八百四十五
町歩
、
道路
の
決壊
二十六、
橋梁
の
流失
三十二、
堤防
の
決壊
九十二というふうな
被害
が發生しておりまして、これも詳細はまだ
調査
中であります。 そういうふうな
状況
でありまして、なおそのほかにそれに加えまして、
東京
、
千葉
、神奈川、山梨、長野、新潟、
靜岡
、愛知、山形、
北海道
、そうい
つた
ような
方面
にも、
相當
の
被害
があ
つた
模様
でありまして、
概數
はお手もとに配布
報告
いたしておるのでありますが、本日午前九時現在の
状況
によりますと、總括いたしまして、行方不明が千九百二十一、
死者
が五百七十六、
負傷者
が三百九十二、
家屋
の
被害
が、
倒壊
が二千四百九十二、
流失
が三千三百四十、
浸水
は二十四萬九千七百七十三戸、それから
田畑
の
流失
ないし
道路
、
橋梁
、
堤防
その他の
決壊
の
状況
につきましても、
相當
の
被害
があ
つたの
でありまして、そのうち最初に申し上げました
埼玉
、
群馬
、
栃木
というのが、現在最もひどい
被害
を受けた縣と
考え
られるのであります。そういうやうな
被害
の
状況
に對處いたしまして、今まで各縣のとりました
警防救護
などの
對策
につきまして、私
ども
の
承知
いたしておりまする範囲におきまして、簡単に御
説明
を申し上げますと、各縣それぞれ
被害
の甚大な
地域
に
對策本部
を設置いたしまして、縣の職員はもちろん、
關係現地諸機關
と緊密な
連絡
をいたしまして、給食なり、
避難
なり、醫療なり、その他各種の
救護措置
に當
つて
おるわけであります。大體非常に雨がたくさん降
つた
わけでありまするので、
河川
の
氾濫
に備えまして、各縣ではいち早く
警察官
なり
警防團員等
を招集いたしまして、
危険地域
の
住民
に對しましては、警報または
避難命令
を出しまして、あるいはまた
防水作業
にあたらせるというような
萬全
の
措置
を事前に講じてお
つた
わけでありますので、
堤防
の
決壊
によりまして
濁流
にのまれました
地域
においても、
被害
を
相當
輕減することができたと
考え
られるのであります。なお
埼玉縣
の
栗橋
、
幸手方面
においては、先ほど申しましたように、非常に
廣汎
な
地域
にわたりまして水におおわれておりますために、逃げ遲れました
住民
の一部が
水中
に
孤立
をして、救いを求めておるという
状況
でありますので、
埼玉縣
といたしましても、これが
救出
に非常な苦心いたしておるのでありますけれ
ども
、何しろ二箇所の
決壊部分
から
流失
いたします水勢が非常に激しいために、なかなか
救出作業
が困難をきわめておる
模様
でもあるのであります。十六日の夜に
東京
から
村山貯水池
にあります
モーターボート
一隻をすぐにトラツクで運びまして、これが
救出
にあた
つたの
でありますが、とても一隻では少くありますので、十七日になりまして、
現地進駐軍
の方に
お願い
をいたしまして、カツターを七隻、それからMFの方から
モーターボート
を一隻、計八隻を借りまして
救出
に
あたり
ましたほかに、
警視廳
から
水上署
の
モーターボート
三隻を派遣いたしまして、結局十二隻で主として
孤立
しました人の
救出
にあた
つて
おるという
状況
にな
つて
おるのであります。 それから
岩手縣
の一の關におきまする
状況
につきましては、
交通通信とも
に杜絶いたしておりますために、
罹災者
の
救護
なり
連絡等
がま
つた
く不可能に陥
つて
おりまして、非常に苦心をいたしておるのでありますけれ
ども
、これも
現地軍
の計らいによりまして、ただちに
大型飛行機
三基を出してもらいまして、
食糧
の投下とか
連絡
ということにあた
つて
おる
現状
でありまして、これらの
救出
なり
連絡
に對しまして、
進駐軍
が非常に好意を示されたのであります。
埼玉縣
の
濁流
は、先ほど申しましたように、現在
東南
の隅、
東京
都との境界の四、五里のところに水が來ておるのでありますが、これが最悪の場合には、
東京
都の足立、葛飾、
江戸川
の三區に流入してまいるおそれがありますので、
警視廳
においても、これに對してすでに
萬全
の
對策
を講じておるのでありますが、さいわい
江戸川
及び
荒川
の方の水は、非常に
減水
をいたしておりますので、あるいはこの邊で食い止められるような
措置
が講ぜられるかとも
考え
られるのでありますが、一應そういうおそれを豫想いたしまして、十分なる
對策
を講じておるのであります。
中央
においても
被害地區
の
救援
につきましては、早速
視察連絡員
を派遣いたしまして、
被害
の
實相
を確かめるということに努めまして、現在その
地方
に係官が参りまして
連絡
に當
つて
おるのでありますが、何とい
つて
も離れております。
堤防
の
決壊
を止めないことには水が治まらない。水が治まらない限りにおいては、人心の安定も望めないのでありまして、結局
減水
をまちまして、なるべく速やかに
決壊箇所
を修復する。
應急
に水を止めるという
處置
が第一になさるべき問題で、
治安
の面からいたしましても、
まつ先
に希望せられることは、
堤防
の
現状
固囘復ということでありまするので、これは
國土局
が
中心
とな
つて
、
目下全力
をあげてその
對策
を講じておるわけであります。
埼玉縣
においても、さいわい
進駐軍
の方から
移動無線機
を二臺お借りして、早速加須と岩槻に備えつけ、現場との
連絡
に當
つて
おるのでありまして、
目下
のところ取殘された
人々
の
救援
のために、縣としての舟艇を動員して
全力
を盡しておる
状況
にあります。どのくらいの人が殘
つて
おるかよくわからないのでありますが、相
當多數
の人が取殘されておるのではないかというふうに想像せられるのであります。またこの
栗橋附近
の
住民
は相
當多數河
を
渡つて茨城縣
の
古河
の
方面
に
避難
をいたしておる向きも數千名あります。そういう點についても、
茨城縣側
に對して、
茨城縣
の方においても、相
當被害
が多いのでありますけれ
ども
、こういう際には、もうそういうことにこだわることなく、そういう
住民
に對してできるだけ
救護
の
萬全
を期するように、
中央
からも特に
茨城縣
に對し要請しておるわけであ
つて
、現在のところ大體そういう
状況
であります。
群馬縣
の方はその後大體水が引いたようであります。一時非常に
心配
をせられてお
つた館林
の
附近
も水がすつかり引いてしまいまして、案外
被害
がなか
つた
という
報告
も受けておるのでありまして、最初非常に
心配
をしてお
つた
ところが、
事情
が判明すれば案外
被害
が少か
つた
というようなこともあろうかと思いますけれ
ども
、現在のところはつきりしないのが、先ほど申しました
栃木縣
の南の方の二箇村の
住民
の所在で、これに對する
救援
の
方法
、それから
岩手縣
の一關
附近
の惨害に對する
實情
がはつきりわかりませんことの
心配
と、それから
埼玉縣
におけるこの水をいかにして防ぎ、殘された人をいかに
安全地帯
に
救出
するか、及び罹災した
住民
に對していかに適切なる
救助
を與えるかというようなことを、
應急
の問題として私
ども
考え
ておるのでありまして、これが
將來人心
の上に、ひいて
治安
の上にどういう影響を及ぼすかという點については、
政府
としても、縣としても、
全力
をあげて
救助
の
萬全
を期するということによ
つて
、
災害
は
災害
として、これをさらに
將來
の新しい建設の
一つ
の契機として起ち上るというふうにも
つて
いくことができれば、一番さいわいでありますし、またそういう気構えでこの
救助
に當らなければならぬと
考え
ておるのでありますが、ただいまのところ別に
治安
上の問題としては、ただ
救助
、
救出
ということに
全力
を注いでおる
状態
でありまして、
將來
のいろいろの問題は、すべて今後のこの
救助對策
のいかんにかか
つて
おりまして、私
ども治安
の面を擔當しておる者からすれば、この際
國家
といたしましても、いろいろ困難なときでありますけれ
ども
、思い切
つた
災害對策
を立てることによ
つて
、そうい
つた
ような問題をすべて解決することができるようになることを希望をいたすのでありますけれ
ども
、一
應現在當局
としてとりました
處置
の
概要
なり、
被害
の大要なりを、以上申し上げたところであります。
坂東幸太郎
6
○
坂東委員長
ただいま
久山警保局長
の
説明
に對して質問がありますれば、この際簡單に
お願い
いたします。
大澤嘉平治
7
○
大澤委員
ただいまの
警保局長
の御
説明
によ
つて
、大體の
概略
はつかむことができたのでありますが、
利根川
の
橋梁
で、かりに
茨城
なりあるいは
栃木
にわたるもので通れる橋がどのくらいあるか、もし
調査
ができておれば、それを
伺つて——實
は私
たち選擧區
の
關係
で、
東京
と
地方
との
連絡
上、きようにもそちらに参りたいと
考え
ておるのでありますが、もしわかりましたら、その
橋梁
の點をお伺いしたいと思います。
久山秀雄
8
○
久山政府委員
通行可能な橋なり
道路
なりの詳細な
状況
については、現在私
ども
はつきり
承知
をしておらぬのでありまして、これはあるいは
國土局
の方でもう少しはつきりしたそういう
資料
をも
つて
おられるかと思いますが、非常に迂囘しますと
茨城縣
の
古河
なり、そうい
つた
ような
方面
、つまり
利根川
を
渡つて茨城縣側
に出る
方法
もあるようでありますが、それがどういう
程度
の
交通路
であり、あるいはそれが自動車で通れるのかというふうな
状況
については、現在のところまだよくわか
つて
おりません。しかし非常に遠
まわり
をすれば
交通
ができるようであります。
千賀康治
9
○
千賀委員
私は
東京
、
北海道
の
鐡道線路
の
連絡状況
を伺いたいのが
一つ
、
田畑
の収穫皆無を豫想せられる
浸水面積
はどれくらいあるか。それから
浸水
した
家屋
で、所有する
食糧
その他
重要生活資材
をことごとく
水中
に埋没といいましようか、すつかり
浸水
さしてしま
つて
、再び
生活
の用に供することができない、このロスの
程度
、ま
つた
く
食糧
がだめにな
つて
しまうだろうと豫想される
程度
の
浸水家屋
がどれくらいあるか、この三つを伺いたいのでありまするが、こういう方針の
集計
ができてお
つた
ら、
概略
でもいいからお伺いしたいと思います。
久山秀雄
10
○
久山政府委員
今千賀
さんの
お尋ね
のような
集計
は、實はまだできておりません。とにかくきわめて大
ざつぱな浸水
とか、
流失
とか、
冠水
という
程度
の見積りだけはありますけれ
ども
、これは一應水でも引きまして、よほど詳細な
調査
をいたしませんと、ただいま
お尋ね
のような
状況
に對しまする
資料
は得られないのではないか。しかしそれもおそらく
農林省
その他におきまして、急速にそういうことの
調査
をやると思いまするが、現在おそらく
農林省
といたしましても、そうい
つた
ような
程度
の
資料
はまだも
つて
おらぬのではないかと想像いたします。 それから
鐡道
の方は、實はただいま私
ども鐡道
からいただいた
資料
によりますと、やはり
相當
期間經ちませんと、
北海道
の方への
連絡
はむずかしいのではないか。
東北
本線は白岡から
古河
の間は
通り
ませんし、小牛田から水澤の間が不通でありまして、修復の見込みも立たないようであります。その他高崎線、常磐線、
上越線
、すべて
相當
ひどい損害のようであります。おそらくいろいろの
連絡
、途中を歩くとい
つた
ようなことによ
つて
行くことは行けるかもしれませんが、
鐡道そのもの
の全通というのは容易でないような
報告
を受けております。
門司亮
11
○
門司委員
それではおかしいことを聽くようですが、
將來
の
關係
でありまするが、
ちよ
つとお
聽きし
ておきたいと思います。
從來
こうした大きな
被害
のあ
つた
場合には、出先におりまする
警察官
のみでとうてい
治安
の維持、それからそれを豫防することが非常に困難だ
つた
ために、
相當
軍隊
が活動してお
つた
と思いますが、
軍隊
のない今日、そういう
方面
に對してどういうふうな不便があ
つた
かというようなことを、これは近いうちに
日本
の
警察
の再
整備
の問題と關連いたしまして、
相當
参考になると
考え
ますので、一應もしお氣づきの點がありましたら、この際御
報告
のでき得る御
報告
願いたいと思います。
久山秀雄
12
○
久山政府委員
門司
さんの
お尋ね
につきまして、大體われわれといたしまして、今もし
軍隊
の出動があれほどの
程度
に未然に防ぎ得、またさらに
復舊
につきまして、どの
程度
に急速に行われただろうかというふうなことと、そうでない場合との比較の問題につきまして、もちろん
具體的
な
資料
ももちませんし、お答えいたすこともできぬのでありますが、
從來
の經驗によりましても、やはり
相當
軍隊
的な
組織力
と、しかもいろいろ工事をやる場合のいろいろの
道具類
を常備いたしておりまする
軍隊
が、こういう
災害
の場合に非常に大きな働きをしたということは、十分
考え
られるのでありまして、
災害
の面から
考え
ます場合に、そういう装備をも
つた
組織
的な
施設
がないということは、確かに
一つ
の大きな痛手であるというふうに
考え
られるのであります。そういうことに對しまして、
將來軍隊
のない場合に、どういう
組織
でそういう場合の急に
應ずる有效
なる態勢を整えるかということは、確かに
お話
のように
一つ
の大きな問題として
考え
ていいのではないかと思うのでありますが、現在のところはそれに對しまする
具體的
な
考え
もありませんし、今囘の
災害
におきまして、そういう場合にどれだけの效果があ
つた
かというふうなことにつきましても、現在
お話
する
資料
をも
つて
おりませんが、十分ひとつこれは研究問題として私
ども
も研究してみたいと思います。
坂東幸太郎
13
○
坂東委員長
なお私から申し上げますが、
軍隊
のない
日本
の
將來
におきまして、今囘の
災害
から
考え
ますと、
消防
に關する
機械器具
の増産、
消防數
の増加、並びにその
組織
の
整備等
が必要と思いますが、いかがですか。
久山秀雄
14
○
久山政府委員
お話
の
通り
であると思いまして、これもひとつ御協力を得まして、こうい
つた
ような
水火
に對しまする
消防
の
充實
、
器具
の
整備
ということにつきましては、できるだけ努力いたさねばならぬと
考え
るのでありまして、
ちようど警防團
が今
消防團
に切替えられる過程にありますし、それを總括いたしまして、
一つ
の有力なるそういう
方面
の
機關
としての新しい
消防團
の
連合隊
の結成も、その
方面
の有志の方々によりまして進められておるような
状況
でありまして、そうい
つた
ような
民間側
におきまする自發的な
消防組織
の新しい民主的な形におきまする發展と相まちまして、
政府
におきましても新しい
水火消防
の
施設
と人員の
整備
につきましては、一段と急速にこれが
實現
を見まするように努力をいたしたい、かように
考え
ております。
門司亮
15
○
門司委員
なおもう少しつつこんでお
聽きし
ておきたいと思いますが、地元、當該の
被害
を受けておりまする
地區
は、そこに多少の
消防團
あるいは
警察等
がありましても、やはり自分の身の
まわり
、それからさらに
家族等
というようなことを
考え
てみますと、直接なかなか活動は困難であると言えると思ひます。それで今度のような場合に、そうした直接
被害
を受けていない
地區
の何らか
團體的
の
救援作業
か何かが行われておるかどうか、もしこういうことがおわかりにな
つて
おりましたら、お聽かせを願いたいと思います。
久山秀雄
16
○
久山政府委員
私
ども
も、もちろんそういう
事情
を十分
承知
いたしておりますので、
關係
の縣、殊に
埼玉縣
に對しましては、もう遠慮なく
警察官
なりその他あらゆる面につきまして應援の要求を申し出てもらえば、でき得る限りそれに
應ずる
というふうに、早速手配をいたしまして、
警視廳及び千葉縣
に對しましては、
相當
數の
警察力
をただちに應援のために派遣できるような準備も、併せて命じてお
つたの
でありますけれ
ども
、
埼玉縣
といたしましては、縣内の他の
方面
の
警察官
の動員によりまして、縣内の警備力で十分間に合うというふうなことで、積極的な應援の申し出がありませんので、
警視廳
、
千葉
におきましても、用意はいたしましたが、現在までそのままにいたしておるのでありまして、おそらく
相當
、
警察力
がありまするので、縣下の他の
方面
からの移動配置によりまして、おそらくその點は
心配
なくい
つて
おるのではないか、かように
考え
ております。
千賀康治
17
○
千賀委員
昭和七年の七月でありますが、愛知縣に非常な
水害
がありまして、このときには、三日間に七百五十ミリくらい降
つて
おります。今囘は二日間で約五百ミリくらいかと思うのですが、その際愛知縣におきましては、雨の
中心
に
なつ
た地帶は山崩れ、なぎによる
被害
というものがずいぶん多かつなのですが、今囘の
關東
地方
において
上流
地方
ではなきというものはあまり出ておりませんが、いかがですか。
久山秀雄
18
○
久山政府委員
ただいままでのところでは山崩れと申しますか、山津波と申しますか、そうい
つた
意味の
被害
の
状況
は聽いておりません。ただ
群馬縣
からはい
つた
情報では、足尾の鑛山が山崩れのために相
當被害
があるのではないか。しかも
連絡
がつかないということの
お話
がありまして、
目下
栃木
、
群馬
兩縣に對しまして、そういう情報があるから、この點についても至急
調査
をして
連絡
をするように、特に無電で話をいたしておるのであります。そのほか今
お尋ね
のような意味の
災害
の
報告
は、あまりはい
つて
おりません。
千賀康治
19
○
千賀委員
いま
一つ
お伺いいたします。新聞を見ますと、今囘の
水害
も、やはり山林の濫伐が原因であるということが、どの新聞にも書いてあります。先ほど申しましたなぎというのはむしろ濫伐の結果でなしに、山に
相當
木がある場合に出る
災害
でありますが、ながが出ておらないとすると、あるいは濫伐の結果もあるかもしれませんが、私
ども
は一向こちらの
事情
は知りませんが、
當局
もこの
關東
地方
の
上流
地帶が非常に濫伐をされておる事實をお認めになりますか、いかがですか。伺
つて
おきます。
久山秀雄
20
○
久山政府委員
私
ども
具體的
に
關東
地方
の山が。どういう
程度
の植林なり、あるいは濫伐の
状況
にあるかということは
承知
いたしていないのでありますが、一般に常識的に言われております
程度
に濫伐というものがこの洪水の全部の責任ではないかもしれませんが、一部分の責任があるのではないかと常識的に思うだけでありまして、現實にどういう
程度
に山が今囘の
災害
を起した
状況
にあるのかということは、
具體的
には
承知
いたしておりません。
坂東幸太郎
21
○
坂東委員長
今の點について
農林省
の
政府
委員がおられますから、お答え願います。
池田大助
22
○池田
説明
員 ただいまの
お尋ね
につきましてお答えいたします。なぎその他の山崩れがあるかという點でありますが、この點は
農林省
にもただいまのところ
報告
は全然はい
つて
おりません。御
承知
のように、山林の
被害
は奥地にある
關係
上、いつも
報告
が遲れるのでございます。
東北地方
の
災害
につきましても、山林の
報告
が約一週間以上後にぽぽつ入
つて
くるような
状況
でございますので、ただいまのところ
報告
はございませんが、今後の雨の量について
考え
ましても、
相當
量の山崩れその他の
被害
がある見込みでございます。この點はただいま積極的に
調査
いたしております。 そから山林の伐採がどういうふうにな
つて
いるかというふうな
お尋ね
でございますが、これは
日本
の全體の森林の伐採
状況
でございますが、昭和十一年頃を戰前といたしますと、戰時中最も伐採をやりましたのは十七、八年でございまして、この伐採の
状況
は約戰前の一割五、六分くらいにな
つて
おります。その
日本
全體の
状況
に比較いたしまして、
埼玉
、
群馬
あたり
の伐採の
状況
がどういう
關係
にあるかという點でございますが、
埼玉
、
群馬
の兩縣は、比較的全體の平均よりか伐採の
程度
は少くな
つて
おります。 それから
群馬
、
栃木
がただいまのような
状況
、それから
埼玉
、
茨城
の兩縣はその平均の數字よりも伐採の
状況
は多くな
つて
きておりますが、大體そういうふうな
状況
でございます。
川橋豊治郎
23
○川橋委員 戰争の影響とでも申しますか、最近の秋田縣の大
水害
、また今囘の四十何年來の大
水害
が起りまして、われわれは
災害
の跡始末について、十分なる考慮を拂わなければならぬと
考え
ております。ただこの
水害
は秋田、
關東
に止まりましたが、もし關西の
方面
にこういう
水害
があ
つた
場合は、人口が非常に密集しておるいろいろな
關係
において、さらに大なる惨事を呈するということが
考え
られるのであります。今年の雨季はこれで大體去
つたの
であろうと
考え
ますが、來年またこういことを繰返すかもしれない。すなわち到るところ山林の濫伐等により、こういうような事柄が生ずるのであります。來年のことを豫想する場合に、今からそれに對する
對策
も十分考慮する必要があると
考え
ます。今後われわれの
心配
いたします
災害
の問題であります。最近大蔵省の分室が焼けまして、この問題についての國民の関心がだんだん高ま
つて
まいりました。先般商工省
方面
から聞きますと、最近の火災の原因が電熱器等から盛んに起
つて
いるということを聞いております。つまり最近のこうい
つた
器具
、機械の製造が資材等の関係で非常に亂雑にな
つて
おりまして、そういうものが火災の原因にな
つて
いるということを聞いております。そういう點についても、
相當
の考慮を拂い、火災の防備に對する總合的な
對策
の見地からいたしまして、この點にも
相當
の考慮を拂わなければならぬと
考え
ております。今日のような情勢でまいりますと、冬季のいわゆる火災の時期に入りますと、
相當
こういうようなことが各
方面
に起るかと深憂いたしております。そこで
當局
としましては、こういう各種の
災害
に對して、今
委員長
よりも御注意がありましたが、最後の策を立てるために、なるべく早くいろいろの
方法
を講じてもらいたい。近く
消防
局の設置ができる場合でありますから、これについても、われわれは
相當
のこれに對する見解をも
つて
おりますが、營局におかれましては、そうい
つた
ようなすべての
災害
に對しまして、
萬全
の
措置
を講じられんことを希望いたしておきます。
—————————————
坂東幸太郎
24
○
坂東委員長
これで大島君の動議の
水害
に關する件は終りました。 先ほど委員諸君が非公式に聽きました
通り
、
北海道
の燃料に關する陳情があ
つたの
でありますが、これは
北海道
の開發機構に
關係
がありますからして、
政府
の
關係
筋の方々の御意見をお聽かせ願いたいと思います。先ほどお聽きの
通り
、
北海道
は普通ならば一戸につき三トン半の石炭が要りまするが、現在の石炭
事情
では二トンも渡らない。從
つて
その不足を薪で補うことにな
つて
おりますが、普通やみ値が五尺、六尺で一時わずかに六百圓であ
つた
ものが、公定價格でその倍の千二百圓にな
つて
おる。これでははなはだ困る。そういたしますと、一戸の燃料費が一箇月に千五百圓くらいかかります。それではたえられませんから、從
つて
薪の價格を訂正するか、あるいはまた適當な燃料の配給を願いたいというのが趣旨でありますが、これに關しまして
政府
の御意見を発表していただきたいと思います。
池田大助
25
○池田
説明
員 私林務の関係でございまして、燃料の方を所管いたしておりませんので、御滿足のいくような御囘答ができませんのは、はなはだ申譯ございませんが、
お話
の點は歸りまして早速どういうふうな
關係
で、そういうことになりましたかどういうような點につきまして、十分
調査
いたしまして申し上げたいと思います。
坂東幸太郎
26
○
坂東委員長
本件は單に
農林省
のみでなく、各省におきまして十分檢討していただきたいということを
お願い
いたします。今日の
日程
の
北海道總合開發機構
に關する件に關連して……。
林敬三
27
○林(敬)
政府
委員 ただいまの
北海道
——私の方では
東北
の
方面
も含めておりますが、石炭の價格が値上りをし、また薪炭の價格が値上りをする。そのために實は公共團體、たとえば道廳、縣廳あるいは市
町村
役場、學校、そういう
方面
で、やむを得ずああいう寒冷地帶に要しますところの薪炭費というものが、非常に莫大に上りまして、それらの費用というものを、
相當
に拂わなければならない。そのために
地方
經濟がもち行かぬというような
實情
に相な
つて
おりますので、これは立ち行くように、分與税の配付の際には、その點は十分考慮いたしまして、八月の配付にもすでにその點を考究して、他
地方
よりは増額配付をいたしております。第二囘目の分與税についても、その點は十分考慮してまいります。
坂東幸太郎
28
○
坂東委員長
それではその點は終りまして、次にやはり
北海道
の機構に
關係
する問題でありますが、これまで數囘
日程
に上せましたけれ
ども
、
政府
委員の都合で延ばしておりました。それは
北海道
の甜菜事業に關する件でありますが、御
承知
の
通り
、砂糖は輸入量が少いので、いやでも應でも
北海道
のビートによらなければならぬことにな
つて
おるが、これにつきまして
農林省
は
北海道
の甜菜つまりビート糖業政策の方針であるはずでありますが、農政局長からまずその
政府
の方針をひとつ伺いたいと思います。
村田朔郎
29
○村田
説明
員 農政局長は先ほどまでおられましたのですが、ほかの
委員會
の方へまた呼ばれまして行かれましたものですから、私が代りまして申し上げます。砂糖の需給の問題につきましては、
農林省
においても食品局の方でや
つて
おりまして、詳しいことはなおそちらの方からこの次の機會にでも御
説明
を願うことにいたして、甜菜糖の増産という面につきましては、農政局の方でこれを取上げまして、ただいま經濟安定本部とも相談をいたしておりまして、五箇年計畫で五萬
町歩
の甜菜の生産作付を計畫しておるわけであります。但しこれにつきましては、これに對する肥料その他の生産資材というものの裏付がないと十分いきませんので、そういう
方面
に檢討を加えつつあるわけであります。なお甜菜の増産につきまして必要な事項としましては、この甜菜生産の増強に關する試験研究の
施設
というものについて、これも
北海道
の農業試驗場と
連絡
をとりまして、いろいろどういう形にこの試験研究を増強していくかということを立案中であります。それからなおいい種を配
つて
やらないと、農家でそのまま種をとりますと、砂糖の糖分含有量が減
つて
まいりますので、いい種を配るということについても、
北海道
廳と
連絡
をとりまして、どういうやり方をや
つた
らいいかということについて研究をしておるわけであります。それからなおそのほか栽培法の改善等につきまして、これもいい
方法
が試験場等においてはわか
つて
おりましても、実際の栽培
方法
を同知浸透せしめるということについて、どういう
方法
をと
つた
らよろしいかということについて、これも
目下
北海道
廳においても甜菜糖審議會というものをつく
つて
もらいまして、そこで審議をしてもら
つて
おるわけであります。
坂東幸太郎
30
○
坂東委員長
私から伺いますが、
日本
の一箇月の砂糖の消費量の最低量はいくらくらいであるか、
北海道
のビート五萬
町歩
完成すれば、大體何トンぐらい砂糖を得られますか。
村田朔郎
31
○村田
説明
員 五萬
町歩
できた際に二十萬ピクルの計畫をされております。全體の需要量については、實はこれは最低と申しましても、非常に限度があるわけでありまして、戰前の非常に多いときには、百五十萬トンぐらいの消費がありました。しかしこれは加工したものがまた出ていく量もはい
つて
おりますので、純消費ということになると、百萬トン以下で濟むじやないかと思いますが、その後人口の増加とか、いろいろありますから、詳細の點は食品局の方でないと、私の方でどの
程度
に推定していいか判然としないのであります。大體二十萬ピクルといいますと、乳幼児、病人等の必要量の最低限度の
程度
ではないかと思います。
坂東幸太郎
32
○
坂東委員長
輸入糖の見込量はどんなものですか。
村田朔郎
33
○村田
説明
員 これも私責任をも
つて
申し上げるわけにまいりませんが、知
つて
おりますところによると、G・H・Qに對して三十萬トンぐらいの數量の輸入を許可申請を出しておるのであります。それに對してまだこれだけやるというはつきりした囘答が來ていないように聞いておるだけでありまして、はたしてそうであるかどうかは食品局の方に確かめませんと、私はまだそこまで判然としておりませんので、お答え申し上げかねる次第であります。
坂東幸太郎
34
○
坂東委員長
砂糖問題に質問がありましたら
お願い
いたします。——それではこの
日程
の
北海道總合開發機構
に關する件の審議は、きようはこれで止めておきます。
—————————————
坂東幸太郎
35
○
坂東委員長
次の
日程
は
町村
の
財源付與
に関する
請願
であります。紹介議員から
説明
を願います。
千賀康治
36
○
千賀委員
町村
に
財源
を付與する件に關する
請願
の紹介議員に代
つて
御
説明
を申し上げます。
町村
の費用が最近はま
つた
く増加をしてまいりまして、たとえば給與金の増加であるとか、または物價高及び六・三制の中學校の新設であるとか、かれこれ總合いたしますと、ほとんど從前の二十倍にも達する額にな
つて
くるのでございます。しかしながら一方
町村
吏員の給與補助のごときも打切られました今日、非常にこの
財源
には窮しておるのでございますから、ぜひとも
政府
におかれましては、分與税のごときは
從來
の七、八倍くらいは
町村
に補給していただきたい。同時にまた
町村
が各種の新税を考案設定をいたしました際のごときは、できるだけこれを許可していただきたい。かくいたしまして、
町村
制の運行に對しまして、豫算が最小限度バランスがとれますように、ぜひとも
町村
に對して畫期的な御推進が願いたいと思うのでございます。何とぞこの際本
委員會
におかれましては、この
町村
側の切なる希望を御了察くださいまして、採擇相なるよう
お願い
する次第であります。
坂東幸太郎
37
○
坂東委員長
政府
側のこれに對する
説明
を
お願い
いたします。
林敬三
38
○林(敬)
政府
委員 ただいま御紹介になりました
町村
の
財源付與
に關する
請願
について、
政府
といたしましての所見を申し述べます。 ただいまお述べになりましたように、
町村
財政は
國家
財政、その他公共團體の財政とともに、極度に窮迫しておると存じます。これが
對策
といたしまして、ここに
請願
者が述べておられるように、分與税を前年度の少くも八倍以上には引上げる豫定であります、近く追加豫算としてそれは
お願い
でき得るとかように存じます。また
町村
民税の賦課限度の緩和ということを
請願
されておりますが、これはこの
通り
現在の八十圓から百二十圓に平均額を引上げる豫定にな
つて
おりまして、これも別途
地方税法
の改正
法律案
が提出する見込みでございます。また
町村
會で議決いたしました新税の許可でありますが、これは
町村
の意向を尊重いたしまして、物價體系を混亂させること、あるいは經濟の流通再建の妨げとなること、もしくは他の
地方
公共團體の
住民
のみに負擔をさせるというような、著しい支障のあるものでない限りは、極力許可いたしまして、この
請願
の趣旨に副いたいと存ずる次第であります。
門司亮
39
○
門司委員
この際
ちよ
つと承
つて
おきたいと思います。
地方
財政が極度に窮迫していることは、
お話
申し上げるまでもないと思いますが、この際
政府
は
地方
財政の
財源
涵養に
相當
意を用いてもらいたいと思います。それについては、
日本
には官民有林が
相當
たくさんあると思いますし、またこれに伴う原野等もあると思います。これらを
地方
自治體に拂下げるか、あるいはそのままこれをわけてや
つて
、そうして
地方
財源
の涵養に努める御方針があるかどうか。これは現在の
日本
の情勢からみますと、大體山の下の方は民有林、中腹が村有林、官有林であ
つて
、その上が國有林にな
つて
おります。しかしまた
地方
によりますと、
相當
多くの官有林原野を有しております。これらを
地方
自治體の
財源
として拂下げる意思があるかどうか、お伺いいたします。
林敬三
40
○林(敬)
政府
委員 ただいまの
お話
は、自治體側からみれば、まことにごもつともなことであります。殊にわれわれも
東北地方
からはそういう希望と
お話
を承
つて
おります。しかし問題はいわゆる自治體と、それから山林を保管しております
農林省
との間の問題であります。
農林省
の方では、また最近の
水害
の
状況
その他の現象もありますし、林野荒廢の
現状
からみまして、また國土保全という見地からみますと、これに對しては、やはり
相當
大切にしていかなければならない。
國家
でもそれを保全していかなければならないという意向も非常に強いのであります。その間のところをにらみ合わせ、支障のないような調整をと
つて
まいりたい。かように
考え
ております。
坂東幸太郎
41
○
坂東委員長
この
請願
は
政府
におきましても、大體この趣意に副うような御
答辯
でありましたから、採擇に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂東幸太郎
42
○
坂東委員長
それでは御異議ないものと認めまして、採擇に決します。
—————————————
坂東幸太郎
43
○
坂東委員長
次は
日程
の順序を變更して、
日程
第三
茅ヶ崎
町に
市制施行
の
請願
、文書表第二四六號を議題といたします。紹介議員の
磯崎
君からその
説明
を求めます。
磯崎貞序
44
○
磯崎貞序
君 簡單に
請願
の要旨を申し上げます。現在神奈川縣下における唯一無二の厖大
町村
と申してよい
茅ヶ崎
町を區域として、市制の
實現
を要請せんとするのであります。
茅ヶ崎
町は神奈川縣における
中心
地帶にありまして、東は藤澤市、西は相模川を隔てて平塚市に接續し、南は太平洋、北は新興都市といわれておる寒川町、小出村に境しております。廣装二萬三千有平方キロメートルという厖大なる面積を有しております。實は本町は明治三十三年ごろ驛を設定されまして以來、都人士の足を引くものがつとに加わりまして、宛然湘南地帶における別莊地帶、あるいは住宅街をも
つて
相當
名をなしておるのであります。その後相模
鐡道
の開通がありまして、
茅ヶ崎
を起點に八王子に通する北進路線があります。この
關係
から物資が
茅ヶ崎
を
中心
に集散しております。さらに戰争中にいろいろの
關係
から、北部の地帶に工場の新設が大分多うございまして、現に三十有餘の工場をつく
つて
おります。この點から申しますと、
茅ヶ崎
は工場地であると申しても差支えないと思われます。こんな環境にある意味から、いわゆる住宅地帶、あるいは工場の招致に伴
つて
の人口の移入によ
つて
、是然商業の殷盛をきわめるようになりまして、わずか十数年の間に、目ざましい發展をいたしました。現在この人口は四萬三千九百有餘ございます。戸數が九千四百十六戸、
中心
の市街地いわゆる連擔戸數を申しましようか、そうした觀點から申して、五千八百九十五戸が、その連擔
地域
にな
つて
おりまして、すでに隣りに市制を布いておる藤澤市ないし平塚市に比べ徑庭はおろか、むしろ
茅ヶ崎
の方が人口においてまさり、物資の集散においてもまさ
つて
おるような現況であります。いろいろの生産物資などからして、一年に總額一億有餘の多くの生産の力をも
つて
おるようなわけでございまして、そこにはあるいは中學校、
警察
、病院——病院はみずから
茅ヶ崎
町が特別經濟で經營いたしております。そのほかいろいろの區畫整理に伴い、最近は上下水の
施設
等も完備しておるような次第であります。たまたまこの平塚市と藤澤市の二市が
實現
したにかかわらず、その
中心
にある
茅ヶ崎
市が、一日の遲れをと
つて
あるゆえんのものは、あたかも戰爭に突入した
關係
から、そうしたものが後日に譲られたということであ
つて
、實體は今日むしろその兩市にまさるとも劣らない形にな
つて
おります。かかる情勢におきまする
茅ヶ崎
町を區域として、ぜひ市制
實現
方を
委員會
の皆様の全會一致で御承認を煩わしたい。しかもこの要請は、四萬四千にな
つて
おる町民全部の希望でございまして、一名の反對すらないということを申し上げても過言でないということに
考え
ております。よろしく御採擇を願いたいと思います。
林敬三
45
○林(敬)
政府
委員 ただいまの
茅ヶ崎
町の
市制施行
の
請願
につきまして、
政府
の所見を申し述べたいと存じます。ただいま
磯崎
さんからお述べに
なつ
た
通り
でありまして、この
市制施行
につきましては、全町一致しての要望もあり、また神奈川縣廳においても
調査
をいたしました結果、何ら支障がないという
報告
に接しております。なおさらに内務省といたしましても、直接係員を派して、さらに再
調査
を行
つたの
でございますが、人口といいましても、生産力といいましても、その他都市形態において、十分市にし得る資格があるという所見をも
つて
おります。よ
つて
當局
の諮問に對し、正式の當該町からの答申がありましたならば、これは認可をいたしまして、市制を施行することができるものと
考え
ております。
坂東幸太郎
46
○
坂東委員長
ただいま
磯崎
君御紹介の
茅ヶ崎
町に
市制施行
の
請願
につきましては、
政府
委員より贊成の御意見の發表がありました。採擇に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂東幸太郎
47
○
坂東委員長
それでは異議なしと認めまして、その
通り
決定いたします。
—————————————
坂東幸太郎
48
○
坂東委員長
二の
行政書士法制定
に關する
請願
はこの次にまわします。 本日はこれをも
つて
散會いたします。 午後零時三十四分散會