○中村(俊)委員 私のお尋ねしたいことは、
憲法第三十
五條と本案第二條の
關係をお伺いしようと思つたのですが、ただいま
佐瀬委員から御
質問があ
つて、
政府の御
答辯もあつたので、私のこれに關する
質問を省きたいと思いますが、ただお尋ねいたしたいのは、
經濟安定本部監査委員會規程の第二條の第一號の經濟違反取締の基本方針についてですが、とにかく提案理由はいろいろとあるけれ
ども、本案の
目的は主眼を經濟違反の取締りにおいておられることは間違いないと思うのであります。
從つてどういう方法で經濟違反の取締りをなさるのか。言いかえますと、今日本全國の業者で、おそらくやみの取引をしていない業者はなかろうと思います。もちろんそれはよくないことであります。あるいは工員の給料がだんだんと上
つてくる。そしてどうしても金錢支拂ができないから現物で支給してやるということもほとんどや
つております。またいわゆる價格等統政令で禁止されております物交な
ども盛んに行われているのでありまして、ある會社のごときは、その業者の集まりにおいて、物交はやむを得ないのだということを
言つて、それがためにこの物交が問題に
なつたときに、起訴猶豫に
なつた
事件もあるくらいでありまして、おそらく
臨檢をされれば、古疂をたたくごとく必ずそういう經濟違反の問題が起るだろうと思われるのであります。そのときに、よほどこの運用を誤らないようにされなければ、今やかましく言われている生産増強ということは萎縮してしま
つて、逆効果を來すことが多々あろうと思われるのであります。しかもそれに伴
つて必ず涜職
事件が頻繁に起りはしないか。現在の官吏全體のことを言うのではないが、おそらく頻々として日常の新聞に掲載されていることが、いわゆる官吏の涜職
事件ということが、この本件第一條の運用を誤ることによ
つて頻發してくると思います。私はこの一條の運用を誤つたならば、一面においては生産を阻害し、一面においてはその業者と
臨檢經濟査察官との間に忌わしき職
事件が頻々として起ることを心配するのでございます。
從つて當局としては、この
臨檢をなさる、あるいは業務の状況を視察なさるのか、またいま私の申し上げるような心配を、どういうような方法をも
つてこれを防ごうとされるのか、この點についてお尋ねしたいと思います。