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1947-07-29 第1回国会 衆議院 司法委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十二年七月二十九日(火曜日) 午前十一時十六分
開議
出席委員
委員長
松永
義雄君
理事
石川金次郎
君
理事
荊木 一久君
理事
鍛冶
良作君 井伊 誠一君 池谷 信一君 榊原 千代君 安田 幹太君
中村
俊夫君
中村
又一君 八並 達雄君 山下 春江君 吉田 安君
岡井藤志郎
君
北浦圭太郎
君 佐瀬 昌三君
花村
四郎
君
明禮輝三郎
君
酒井
俊雄
君
出席政府委員
司法事務官
奧野
健一君 ――
―――――――――――
七月二十八日
東北辯護士會決議事項實
現要望に關する
陳情書
借家人保護
の
法律制定
に關する
陳情書
が本
委員會
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
會議
に付した
事件
國家賠償法案
(
内閣提出
)(第四號) ――
―――――――――――
松永義雄
1
○
松永委員長
會議
を開きます。
國家賠償法案
に對する質疑を進めます。
酒井俊雄
君。
酒井俊雄
2
○
酒井委員
賠償法案
第
一條
につきまして
政府委員
に少し
お尋ね
をいたします。
一條
によりますると、「國又は
公共團體
の
公權力
の
行使
に當る
公務員
が、」とございます。この
賠償法案
の基本ともなるべき
憲法
の
條文
第十七條によりますれば、「何人も、
公務員
の
不法行為
により、
損害
を受けたときは、
法律
の定めるところにより、國又は
公共團體
に、その
賠償
を求めることができる。」とありまして、
公務員
の
不法行為
によ
つて損害
が
國民
に生じたときには、その
不法行為
が
公權力
の
行使
であらうとあるまいと、それにかかわらず國または
公共團體
は
損害
の
賠償
の責に任じなければならない、こういう
規定
がありまするが、
憲法
で保障したこの
國民
の
權利
を
範圍
を狭めて、
公權力
の
行使
にあたる
公務員
がその
職務
を行うについて
損害
を與えたときにのみ、國または
公共團體
が
賠償
するということに、この
賠償法
で
規定
をしようとしまするのは、立案上どういう
意義
がございますか、お答え願いたいと思います。
奧野健一
3
○
奧野政府委員
從來
國または
公共團體
の
公權力
の
行使
の場合における
損害賠償
については、
判例
、
學説
ともにこれを否定してお
つたの
であります。
公務員
といえども
一般
に
公權力行使
以外の
不法行為
によ
つて損害
を生ぜしめた場合においては、
從來
といえども
民法
の
一般規定
によ
つて
、
被害者
は
救濟
を與えられてお
つたの
でありまして、その場合については何ら特に
民法
のほかに
規定
を設ける必要がないのでありまして、ただ
公權力
の
行使
の場合だけ、
國家
あるいは
公共團體
は
責任
に任じないということにな
つて
お
つた
。それを撤廢したのが
憲法
の
趣旨
であると
考え
ますのと、これによ
つて公權力行使
の場合だけを
規定
すれば、他はすべて
私法關係
においては
民法
が働くので、これによ
つて
すべての
公務員
の
不法行為
について、
被害者
又は
救濟
を受け得ることになるというわけでありまして、すなわち
憲法
の
趣旨
もまた
公権力
の
行使
の場合に、その
救濟
の途を開くということで、必要にして十分であらうと思います。
酒井俊雄
4
○
酒井委員
從來公權力
の
行使
以外の場合で、
公務員
がその
職務
を行うについて
國民
に
損害
を與えた場合には、その
公務員個人
が
責任
を
もつ
ということで、
國家
あるいは
公共團體
がこの
責任
を負擔するということにはな
つて
いなか
つた
ように
考え
ております。そういたしますとこの場合
公務員
が
公權力
の
行使
以外の場合で
損害
を與えた場合には、やはり
民法
の
規定
によ
つて
、
將來
もその
公務員個人
に對して
——私人
に對して
賠償
を請求するということになりますので、
權利
の
保護
が
國家
に對して
賠償
を請求する場合よりも、
實質
上には非常に
薄弱
になる。
個人
の
賠償力
というものは、
國家
の
賠償力
に比較したならば非常に逕庭があるわけであります。そういう
意味
からいたしましても、
憲法
が
公權力
の
行使
であると否とにかかわらず、その
公務員
の
職務行為
による
損害
に對して
賠償
を保障した以上、やはり
國家
が
賠償
するという
保護
を、この
國家賠償法
におきましても
規定
しなければ、
憲法
が
保護
するところのその
範圍
を、やはり狭めることになるのではないかと私は解釋いたします。さらに御
答辯
を願いたいと思ひます。
奧野健一
5
○
奧野政府委員
公權力
の
行使
以外の場合における
不法行為
につきましては、
公務員
の
個人
の
責任
はもよよりでありますが、
國家
もまた
民法
第七百十
五條
及び
民法
四十四條の
趣旨
からいたしまして、國自體も
民法
上
損害賠償
の責があるというふうに
考え
ております。
酒井俊雄
6
○
酒井委員
重ねて
お尋ね
をいたしますが、その
民法
の
規定
でまいりますると、
國家
あるいは
公共團體
は、
公務員
の
選任監督
について
瑕疵
がなか
つた
ということを
立證
すれば
責任
を免れ得ることにな
つて
いると思います。今度の
賠償法
では
選任監督
に
瑕疵
がなか
つた
ということを
立證
しても、
責任
は免れ得ないことにな
つて
いるんじやないかと思います。誤解かもわかりませんが、この責を
はつきり
御
答辯
を願いたいと思います。
奧野健一
7
○
奧野政府委員
ただいま
民法
七百十
五條
あるいは
民法
四十四條の
規定
の
適用
によ
つて
、國が
賠償
の責に
任ずる
ということを申し上げましたが、その
公務員
と國との
關係
につきましてやや
雇傭關係的
なものが七百十
五條
に該當しますが、そうではなく、むしろ上級の
公務員
というものは、おそらく四十四條の方が
適用
されると思うのであります。ただ下級の
傭員雇員
とい
つた
ようなものについては、七百十
五條
で
選任監督
の
注意
を怠らなか
つた
ことを
立證
して、
賠償
を免れることができる途がありますが、四十四條の場合においてはおそらく
當然
にはそういうことがないのではないかというふにう
考え
ております。いずれにしても
民法
でゆく場合は七百十
五條
が
働らく
場合がありますから、その場合には無
過失
を
立證
明して、
國家
が責を免れる場合があり得るのでありますが、これは
從來
その
關係
においては
國家
も
一般私人
と同樣な
立場
に立つわけでありますから、特に
國家
の場合だけは、その場合でも
選任監督
に
注意
して過ちがなか
つた
ということを
立證
しても、なお
國家
に
責任
があるということは、いささか行過ぎではなかろうかと感ずるわけでありまして、そういう
意味
において
民法
の七百十
五條
の
適用
のある場合においては、やはり
民法
の
原則
によ
つて責
を免れる但書の
適用
があるというふうに
考え
ております。
酒井俊雄
8
○
酒井委員
本
法案
の第
一條
の中に「違法」という
文字
がございますが、
故意
または
過失
によ
つて他人
に
損害
を加えると、
民法
の
不法行為
の
文字
によれば、
故意
または
過失
によ
つて他人
の
權利
を侵害した者は、これによ
つて
生じた
損害
を
賠償
する
義務
がある。そうしますと、
故意
、
過失
によ
つて他人
に
損害
を加えれば、そのことが違法ということになるんじやないか。この違法という言葉を加えた
意義
を御説明願いたいと思います。
奧野健一
9
○
奧野政府委員
この前御説明申し上げましたように、本案におきましては、
民法
七百九條とやや趣きを異にして、
權利
の侵害ということを特に掲げなか
つたの
でありまして、
權利侵害
を掲げなか
つた
からと申しまして、適法な
行為
による損失までも
賠償
せねばならぬという
意味
ではないので、要するに違法の場合、すなわちそれは同時に
權利
を害するということになるのであろうと思うのでありますが、そういう
意味
で
權利侵害
の
要件
を掲げなか
つたの
と、反面において違法ということを掲げて適法な場合でない、いわゆる違法の場合にのみ
限つて賠償
の
責任
があるということを明らかにいたしたわけであります。
故意
、
過失
と申しますのは、いわゆる主
觀的
な
心理状態
でありますが、違法というものはその
行為
の
客觀的
な
要件
、
故意
、
過失
は主
觀的
な
要件
というふうに
考え
まして、この
兩者
は
兩方とも
に併存する
要件
というふうに
考え
ておるわけであります。
酒井俊雄
10
○
酒井委員
次に、これは前にも
お尋ね
があ
つた
問題でございますが、特に重要だと
考え
ますので、さらに詳しい御
答辯
を得る
意味
で、重ねて
お尋ね
を申し上げたいと思います。それは
立證責任
に關する問題でありますが、前の
質問者
の
質問
の
趣旨
にもございましたように、私
ども訴訟
に永年携わ
つて
まいりました經驗上から申しまして、
故意
、
過失
の存在の
立證
というものは非常に困難であります。しかし
立證責任
の
原則
として、
權利
を主張する者が、これに對する
立證
の
責任
を
もつ
ということにな
つて
おるのであります。だが
實際
訴訟
をや
つて
みると、この
立證
がつかないのです。結果において
損害
が現われておりながら敗訴になる。あるいはその
損害
の何分の一というような
輕微
な
損害
を認められるというような不利を招いてきた。まして
賠償
を請求するところの
相手——賠償義務者
は、
國家
または
公共團體
でございまして、大きな力をも
つて
おる。これに對して
個人
である
國民
は、
訴訟
の上で爭うという場合に、はたしてこの
立法
によ
つて
企圖しておるところの
國民
の
救濟
が、その
立法
精神
通り
與えられるかどうかということは、非常な疑問だと思う。そこで正面上のみから見れば、この
立證責任
はひとつ轉嫁したらどうか。
國家
あるいは
公共團體
は無
過失
であ
つた
ということを自分の方から
立證
しない限り、相手方に
損害
を加えれば、
賠償
しなければならぬということにしたらどうかということを強く
考え
られるのでありまするが、この
立證責任
を
轉換
する意思ありやなしや。もしなしとすれば、その
根據
は一體どういうところにあるか。詳細に御
答辯
願いたいと思います。
奧野健一
11
○
奧野政府委員
その問題につきましては、昨日
來いろいろ論議
の對象にな
つて
おるのでありまして、
政府
の方でもその後いろいろ
研究
議論いたしたのでありますが、たびたび申し上げますように、現在の段階におきましては、
一般不法行為
について
過失主義
をと
つて
いるということ、
竝びにこれを
全部無
過失
で
國家
が
賠償
するということになりますと、もうこれは
將來
の問題でありまして、
豫測
はつかないのであります。とにかく無制限に無
過失賠償責任
を負わなければならないということになりますと、
國家財政
の上において非常に憂慮しなければならないことも
考え
られます。あるいはそういう場合においては、
賠償
に、ある一定の限度を與えるというふうなことを
考え
るとか、あるいは
責任保險等
の問題も併せて
研究
をいたさなければならないのではないかというような
事柄
、
竝びに公權力行使
の場合は、無
過失賠償
を認めるということにいたしますと、
公權力行使
以外の場合において、
國家
が
賠償責任
を負う場合は、
民法
の
一般規定
によ
つて責任
を負うのでありまして、この場合は
行為者
に
故意過失
がなければならない。すなわち
公權力行使
の場合は無
過失
であるが、それ以外の場合の、
國家
が
賠償
の
義務
を負う場合は、
故意過失
を
要件
とするということになりますと、
兩者
の間において
平仄
が合わないということに相なるかと
考え
ます。そうい
つた
ような
事柄
、
竝びにいやしくも官公吏
が
十分注意
をして
過失
がない場合でも、これによ
つて損害
をかければ、
國家
が
損害
の
賠償
の責に任じなければならないということになりましては、
官公吏
が行うべき
職務
の正當な執行にさえ、あるいは臆病になるおそれがあるのではないかという點も
考え
まして、あれこれいろいろ
考え
ましたが、やはり何とい
つて
も
國家財政
の點を強く
考え
まして、やはり
從來
の
建前通り
、
過失主義
でいくのが妥當ではないかというふうに現在
考え
ておる次第であります。
酒井俊雄
12
○
酒井委員
私の氣持から言いますと、問いと
答辯
がちよつと食い
違つたよう
に思うのでありますが、問い方が惡か
つた
かもわかりませんから、さらに
お尋ね
をいたします。無
過失
責任
、無
過失賠償
のことを
お尋ね
したのではなくて、
立證責任義務
の
轉換
について
お尋ね
したわけであります。
權利
を主張する者が
立證責任
を
もつ
というこの
原則
に從うと、かかる場合の
損害
の
救濟
には、非常にその
救濟
が
薄弱
になる。だからこの
法案
においてはその
責任義務
を
轉換
して、
國家
、
公共團體
の方で
過失
がなか
つた
ということを
立證
しなければ、
賠償
の責を免れることができないというに
規定
される御用意はないか。一
般立證責任
の
原則
にこの場合も從おうとするならば、その
理由
はどこにあるかという點についてお答えを願いたいと思います。
奧野健一
13
○
奧野政府委員
立證責任
を
轉換
することによ
つて
、
救濟
の途を廣く與えることができるのではないかという御
意見
、ご
もつ
ともと
考え
るのであります。あるいはそういうことも十分考慮いたさなければならないと
考え
るのでありますが、
先ほど
も申し上げましたように、
一般
の
公權力行使
以外の場合、
司法關係
に立つ場合においては、やはり
立證責任
の
轉換
ということをやらないでおいて、
公權力
の
行使
の場合だけに
立證責任
の
轉換
をやるということも、やはり法制の
建前
といたしまして統一しない憾みがあるという點と、それからやはり
國家
あるいは
公共團體
の方で、無
過失
を立証するということは非常に實は困難でありまして、
事實
上は無
過失損害
、
損害賠償責任
と同樣な結果になるのではないか。その結果
濫訴
をひき起すというような弊も
考え
られますので、
國家財政
の
立場
からその點についてもいろいろ考慮し、さらに
研究
しなければならないのではないかというふうにただいま
考え
ております。
酒井俊雄
14
○
酒井委員
要はこの無
過失賠償
は別といたしまして、
立證責任
の
轉換
について問題になるのは、結局
國民
が
憲法
の
精神
に基きまして完全に
保護
されるという
建前
からいけば、
立證責任轉換
は最も必要なことだと私ども
考え
ます。しかしこの反面から言いますと、それがためにただいまおつしや
つた
ように
濫訴
の
恐れ
なしとせず、結局法の最も深い
精神
は、いずれの法といえども
社會國家
の
秩序
の維持であるということになるのでありますから、
濫訴
の
恐れ
があり、これによ
つて
むしろ日本の
社会機構
に、その
秩序
を保つ上において惡影響を與えるということになれば、これは相當
考え
なければならぬ問題だと思います。そこで
比較考量
の問題にな
つて
くるかと私ども
考え
るのであります。
政府
におかれてはこの點の何か見透しとかいうようなものを、おもちにな
つて
いらつしやるのでございましようか。
奧野健一
15
○
奧野政府委員
たびたび申し上げますように、この
法案
を現實に
適用
する結果、どれだけの
事件
が起るかということについては、
豫測
がつかないということを正直に申し上げるのでありますが、これをもし無
過失賠償
ということにいたしますれば、これは相當
國家
の
損害賠償
の負擔が大きくなるのではないか。これは
輸送關係
の事故についてお手もとに差上げておる表を見ましても、これは
司法關係
の問題でありますが、二十一年度では五千
萬圓
からの支出をいたしておるのでありまして、二十二年度においてはさらにこれよりも相
當上囘つた金額
が支出されておるということでありまして、從いましてこれが無
過失賠償
ということになりますと、
國家財政
の上において相當な
金額
の負擔になるのではないかというふうに
考え
ますので、この點いろいろ
考え
ましたが、やはり
政府
といたしましては、
原案通り
ぜひお認めを願えれば幸いと
考え
るのであります。
酒井俊雄
16
○
酒井委員
大體
政府
のお
考え
は了承いたしました。 次に第
五條
に關する問題について
お尋ね
を申し上げたいと思います。この
國家賠償
は「
民法
以外の他の
法律
に別段の定があるときは、その定めるところによる。」と
規定
してございます。ところが過去における
民法
以外の
賠償
に關する
特別法
を通覽いたしますると、大體において非常にその
賠償
の
責任
の生ずる場合を局限しておることと、生じた
責任
も非常に
輕微
にしかこれが
賠償
されないような形に現わされておるし、非常に窮屈な
規定
にな
つて
おると思いまするが、
一般法
、
特別法
の
關係
から申しますると、
特別法
は
一般法
に優先して
適用
されるというようなことになりますると、むしろ狭く
考え
られ、窮屈に
規定
された
特別法
が生きておるということになると、一體この
國家賠償法
との
關係上
、その
特別法
をどう解釋すべきかということが疑問でございますが、この點についてお答え願いたいと思います。
奧野健一
17
○
奧野政府委員
本
法案
が
國家賠償
の
一般法
になり、さらに
特別法
があればその
特別法
によるという
建前
が
五條
であります。ただいまこの
五條
の
特別法
と申しますのは、
郵便法
のごときものを指しておるわけでありますが、御指摘のように
郵便法
は非常に古い
法律
でありまして、またその場合
賠償額等
につきましてもいろいろ制限があるようでありまして、これは新しく
國家賠償法
が制定されるということになりますれば、こういう
特別法
についても、さらに
檢討
を要するのではなかろうかというふうに
考え
ております。そこでその點は
所管
が違う
關係
から、この
國會
の審議の際の御
意見等
を
所管官廳
にも
お話
をいたしまして、その點についてよく
研究
再
檢討
を加えていきたいと
考え
ております。
酒井俊雄
18
○
酒井委員
有難うございました。これで
質問
を打切ります。
松永義雄
19
○
松永委員長
花村四郎
君。
花村四郎
20
○
花村委員
ただいまの第
一條
の違法という
文字
ですが、
民法
の
損害賠償
の
規定
は
不法
という
文字
を用い、しかも
國家賠償
に關しまする諸
外國
の
立法例
も
不法
という
文字
を用いておるのですが、それを特にここで違法という
文字
を用いた
理由
はどこにあるか。それが一つ。そしてただいまの
立證責任
の問題で、要するに
立證責任
の
故意過失
がなか
つた
という
立證
と、そして
故意過失
があ
つた
という
立證
と、双方の
立證責任
の問題が起きてくるのでありますが、今
政府委員
の言われたところによりますと、
故意過失
がなか
つた
という
立證
は相常にむずかしいと言われる
お話
であ
つたの
であります。これはご
もつ
ともと存じます。しかしながら
行為
をや
つた
人の
故意過失
がなか
つた
という
立證
と、そして
被害者
の
方面
の
故意過失
があ
つた
という
立證とど
つちがむずかしいでしようか。むしろ
行為
をや
つた
人の
方面
に
故意過失
があ
つた
という
立證
よりも、
被害
を受けた人が、
行為
をした人に
故意過失
がなか
つた
という
立證
をする方が、私はなおむずかしいと思う。そのむずかしい
立證責任
を
被害者
に負わせるということで、はたしてこの
立法
の
國民救濟
の
趣旨
が徹底するでありましようか。それを
お尋ね
したいと思います。
民法
の
方面
においてはその
立證責任
は
被害者
の
方面
に課せられておるから、
從つて
この
法案
もそうすべきものであるというその議論は私は當らぬと思います。
民法
は
民法
、
國家賠償法
は
賠償法
で、
民法
と異
つた規定
を設けてあえて差支えない。
民法
にそういう
規定
を設けてあるから、それと同じ
規定
を設けなければならぬということは、これは
意味
をなさぬのみならず、むしろこういう新
立法
をしまする以上は、
民法
よりもやはり進んだ
規定
を設けるということがあ
つて
こそ初めて
意義
を
もつ
、でありまするからその二點をお伺いいたしておきます。
奧野健一
21
○
奧野政府委員
違法と申しますのも、
不法
と申しますのも、同じ
意味
に
考え
ております。ただ
國家公共團體
の
行政
上の
行為
でありまする
關係上
、
不法
というよりも違法という感じの方が
適當
であろうというだけの
趣旨
でありまして、
不法
も違法も同樣であります。 それから
立證責任
の問題でありますが、御説のように、
被害者
の方から
加害者
に
故意過失
があ
つた
ということを
立證
することは、必ずしも容易ではないかと思いますが、これは大體現在の
民法不法行為
の場合において、
實際
の
訴訟等
におきまして、すでに相當そういう
過失
の
立證
についてはいろいろ
判例等
があり、場合によ
つて
は裁判所が
事情
によ
つて適當
に
立證責任
の
轉換
を行うような
やり方
によりまして、おのずから
過失
の證明を認めている事例もたくさんあるのであります。そういう
意味
をもちまして、大體今までの
不法行為
の行き方を踏襲していいのではないか。御説のように新
立法
をやるのであるから、さらに進歩的なことをやるべきではないかという御説ご
もつ
ともと思います。無
過失
あるいは
立證責任
の
轉換
ということをここに
規定
いたしますならば、この案よりもさらに進歩的になることは、
被害者
の救際という點から言いまするならば、御説の
通り
と
考え
るのでありますが、
先ほど
來申しましたように、
公權力行使
以外の場合の
平仄
を
考え
てみますると、
公權力行使
以外の場合においては、やはり
被害者
が
故意過失
を
立證
しなければならないことにな
つて
おり、しかも
從來
は、
公權力行使
の場合には全然
國家
に
賠償
の
義務
がないということを、今囘
賠償
の
義務
があるということにいたした際でありまして、これが一足飛びに無
過失賠償
まで進歩的に發展せしむるということについては、まだ
政府
といたしましても
國家
の
財政等
を勘案いたしまして、そこまで積極的に
規定
するという段取にはまいらなか
つた
次第であります。
花村四郎
22
○
花村委員
どうも
答辯
がぴんときませんが、それでは
簡單
にこういうふうに
質問
しましよう。
加害者
が
故意過失
があ
つた
ということを
立證
することは、すこぶる困難だとおつしやられたが、それはご
もつ
ともです。われわれもそう思います。そうすると
被害者
が、
加害者
に
故意過失
があ
つた
ということを
立證
することはどうでありましよう。むずかしくないでしようか。そうしてただいま申しました
加害者
の
故意過失
がなか
つた
という
立證
と、それから
被害者
の、
加害者
に
故意過失
があ
つた
という
立證とど
ちらがむずしかしいでしようか、私は後者の方がむずかしいと思う。そのむずかしい
立證責任
を、
保護
を受ける人に課するというのはどういう
意味
でありましようか。それを
簡單
におつしや
つて
いただけばいい。餘計なことはいらない。
奧野健一
23
○
奧野政府委員
加害者
が無
過失
であ
つた
ということの
立證
も、これは非常にむずかしい問題であろうかと
考え
ます。しからば
被害者
の方から
加害者
に
過失
があ
つた
ということを
立證
するのと、どちらがむずかしいかということは、一概には申し上げられないと
考え
ます。各
具體的
な事案によ
つて
決定されるのであろうというように
考え
ます。ただ
損害
の
賠償
を請求し得る場合というものが、
原則
としてはすべての
法律條件
を
立證
していくということが一應
從來
の
建前
にな
つて
おりまして、特に特別な
事情
の場合に、
立證責任
の
轉換
であるとか、その例外を認めるということにな
つて
おります。つまり
先ほど
も申しましたように、
從來
の
やり方
を踏襲したというわけであります。
公團
につきましては何ぶん新しい制度でありますので、その
性格等
についてなお
研究
いたさなければ明確な御
答辯
を申し上げかねるのでありますが、やはり
公團
も
公法人
であろうかというふうに
考え
ております。その
公法人
が行う
作用
が、いわゆる公法限りの
命令
、
行政
に關する
行政作用
を
營むという
場合におきましては、第
一條
の
適用
を受けるのだというように
考え
ます。
鍛冶良作
24
○
鍛冶委員
特別法
に基く營團がありますね。それらはなるべく入れようというお
考え
ですか。それとも
公權力
でないから入れないというお
考え
でしようか。その點を伺いたい。
奧野健一
25
○
奧野政府委員
その
營む作用
が
公権力
の
行使
である場合は、
當然
これにはいるというふうに
考え
ます。
鍛冶良作
26
○
鍛冶委員
公權力
という
意味
は、
行政行為
という
意味
にまた廣く
考え
てよろしゆうございますか。
行政
ではありませんですね。
奧野健一
27
○
奧野政府委員
公權力行使
と申しますのは、
命令
、
行政
する
行政
的な
行為
というふうに
考え
ます。
松永義雄
28
○
松永委員長
本日はこれにて散會いたします。 午後零時七
分散會