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鈴木國務大臣 その新聞記事については、どうも私も西尾官房長官も、全的に
責任を
もつわけにはいかぬと思う。現に昨日参議院の方で私の説明いたしましたことでも、けさの新聞を読むと、やはり正確に出ておらないのでありまして、速記録にでもよるほかは、ちよつと正確を期するわけにはいかないのであります。その記事について特に私が関與して、そういう発表をさせたかという御
質問になりましたから、私はそれには関與しておらないと申し上げたのでありまするが、むろん
内閣の名譽を毀損せられた場合に、どういう処置をとるべきかということにつきましては、相談を受けたのであります。それに対する私の答えを申し上げれば自然わかると思うのでありますが、たれが一体現
閣僚のうちニ、三の者が怪しい、あるいはうしろめいたことがないとは言われないというようなことを言
つたのか。それは私どもにはまだ明らかでないのであります。また世耕氏が言
つたか、言わないかということすら明らかでないのでありますが、少なくともだんだん傳わる傳わ
つて、和田安本長官の名前が出、木村内務
大臣の名前が出、さらにその他の
閣僚の名前が出まして、そして頻りにデマが飛んだ。最後には外人記者が英米にまで電報を打
つたという事実が明らかになりまして、その電文を示して、芦田外務
大臣から閣議の席ににおいて発言がありましたために、この問題が取上げられたわけであります。私は、その際改ま
つたことは申しませんでした。外に出てきて新聞記者諸君に、たしか囲まれたように記憶しますけれども、その時は申さなか
つた。しかしもし私にそういうことに対する処置を正確にお聽きになりますならば、こう答えたと思うのであります。そにかく最初に現
内閣中に怪しい者があると言
つたのは何者であるかを確かめて、世耕氏がかりに言
つたとして、世耕氏以前にそういう種を提供した人があるのでありましよう。それからその他いろいろな人がこれを傳聞して、外人記者が
外國に電報を打つまでの経路をだんだんたど
つていきまして、たれが、名前の指してかくのごとき事実を指摘したか、その人こそ
責任を負う。複数であるますならば、その複数者が
責任を負う。かりに名前がはつきりしたしますならば、その人だけが告訴をすればよろしいのでありまして、
内閣員全体が告訴するというようなことは必要ない。ただ当時わからなか
つたがゆえに、特定多数人のうちの不特定多数人が名譽を毀損された場合であるから、わかるまでの間は全閣員が告訴牽者になることはなかろうというようなことは
考えてことがあるのでありまして、少なくとも
内閣を法人と
考えて、代理人を立てて告訴するというようなことは申したこともなく、
考えてこともない。あるいは西尾官房長官は
法律にそれほど詳しい人でありませんから、あつさり自分がひとつ代表してや
つてやろうというようなことをおつしや
つたかもしれませんが、別にそう取立てて問題にするほどのことはなかろうと思うのであります。少くともこういうことは、
司法大臣としては一應その当時取調べてあ
つたのでありまして、根拠なき流説であるということを確信しておりましたがゆえに、これは早くそういう流説の拡まることを防がなければならない。殊に國際的にまでも延びていくことを防がなければならないという
考えから、これに対してある手をうたなければならないということは
考えたのであります。そういう説が世界的に廣まるということは、
内閣のためということではなく、むしろ日本の恥でありますから、そういう
意味において適当な対策を講じなければならぬ。こういうふうに
考えまして、それらのうわさの出所、経路等を
調査すべきことを
檢察当局に命じたことは事実であります。ただいまその
調査の過程にあるのでありまして、いまだか
つて世耕氏を告訴することを私は申したことはないのであります。これはひとえに新聞記者諸君なんかも、ただ相手方は世耕氏を告訴するということを私は申したことはないのであります。これはひとえに新聞記者諸君なんかも、ただ相手方は世耕氏だけであるかのごとく早合点をされて、そして新聞等にお書きになる場合が多いようにお見受けするのでありますが、どうかそれは私どもの本意でない。世耕氏に
責任があるということが明らかになりましたならば、世耕氏もその告訴を受ける一人にはいるかもしれませんが、そういう仮定論を今申し上げることは差控えたいと思います。私どもとしては決してそういうことは
考えておらない。眞の
責任者、最初矢島某という者が、文書の上に
閣僚の名を書いたようでありますから、そういう者が
責任のあることは明らかでありますが、眞の
責任者を追及しておるのであります。今その過程にあるのだということを御了承を願いたいと思います。