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1947-10-28 第1回国会 衆議院 財政及び金融委員会商業委員会鉱工業委員会連合審査会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十二年十月二十八日(火曜日) 午前十時四十五分
開議
出席委員
財政
及び
金融委員
理事
島田 晋作君
理事
中崎 敏君
理事
梅林 時雄君
理事
塚田十一郎
君
理事
葉梨新五郎
君
理事
吉川 久衛君 川合
彰武
君 川島 金次君 河井 榮藏君
佐藤觀次郎
君 田中織之進君 西村 榮一君 林
大作
君 松尾 トシ君 後藤 悦治君 松田 正一君 青木 孝義君 島村 一郎君 周東 英雄君
苫米地英俊
君
井出一太郎
君 内藤 友明君 石原 登君
商業委員
理事
石神 啓吾君
理事
笹口 晃君
理事
片岡伊三郎
君
理事
福永 一臣君
赤松
明勅
君 林
大作
君
松原喜之次
君 岡野 繁藏君 櫻内 義雄君 坪川 信三君 山本 猛夫君 鈴木 仙八君 辻 寛一君 星島
二郎
君
前田
郁君 松崎 朝治君
唐木田藤五郎
君
鑛工業委員
委員長
伊藤卯四郎
君
理事
大矢 省三君
理事
岡田 春夫君
理事
生
悦住貞太郎
君
理事
澁谷雄太郎
君
今澄
勇君 金野 定吉君 松本 七郎君 萬田
五郎
君 村尾 薩男君 生越 三郎君 庄 忠人君 西田 隆男君 三好
竹勇
君 有田
二郎
君
淵上房太郎
君
前田
正男君 高倉 定助君
出席政府委員
總理廳事務官
渡邊喜久造
君
經濟
安定本部
財政金融局長
佐多
忠隆
君
委員外
の
出席者
財政
及び
金融委
員會專門調査員
圓地與
四松君
財政
及び
金融委
員會專門調査員
氏家 武君
鑛工業委員會專
門調査員
谷崎 明君
推薦
により、
鑛工業委員長伊藤卯四郎
君が
委員長
席に著いた。 ————————————— 本日の會議に付した事件
經濟力集中排除法案
(
内閣提出
)(第六八號) —————————————
伊藤卯四郎
1
○
伊藤委員長
これより
財政
及び
金融委員會
、
商業委員會
、
鑛工業委員會連合審査會
を開きます。 本日は
委員諸君
の御
推薦
によりまして私が
委員長
を勤めることと相なりました。よろしくお願いいたします。 それでは
經濟力集中排除法案
を議題とし、前會に引續き、ただいまより
懇談會
に入ります。 ————◇————— 〔午前十時四十六分
懇談會
に入る〕 〔午後零時二十二分
懇談會
を終る〕 ————◇—————
伊藤卯四郎
2
○
伊藤委員長
懇談會
はこの
程度
で終ります。 次會は公報をも
つて
御通知いたします。 本日はこれにて散會いたします。 午後零時二十二
分散會
————◇—————
伊藤卯四郎
3
○
伊藤委員長
これより
懇談會
を開きます。
本案實施
については
持株會社整理委員會
の
笹山委員長
より忌憚なき御
意見
を承ることにいたします。
笹山忠夫
君。
笹山忠夫
4
○
笹山忠夫
君 ただいま御紹介にあずかりました
持株會社整理委員會
の
笹山
であります。よろしくお願いいたします。 今度の
經濟力集中排除法案
に關する私の個人的な
考え
を御參考までに申し上げます。この
法案
は先般來、ずいぶん全國にわた
つて
いろいろ問題にされております非常に重大な
意味
のある
法律
だと思いまするが、率直に申し上げますると、これが
世間
で問題になり始めましたころは、少し過度にこの
法律
が恐れられた傾きがなか
つた
かという氣がいたしております。私
ども
昨年
來財閥解體
の
仕事
に從事いたしておりました者は、こうい
つた
ことが
法律
になるとは思いませんでしたが、何等かの
方法
で
實際
問題として取上げられていくだろうということは、實は豫測しておりました。と申しますのは、一昨年の
司令部進駐
直後、御
承知
のように
占領初期
における
對日管理政策
というものが
總司令部
から宣言いたされました。その中に、工業、
商業
、農業、
金融各面
にわた
つて
の大きな
企業結合體
というものは、これは除去せられなければいけないということが
はつ
きりと宣言されておりますし、それに基いて
日本政府側
から、一昨年の十一月四日に、
三井本社
、
三菱本社
、
住友本社竝びに安田保全社
の四社の
解體
を自
發的
にやるということを申出たのに對して、十一月六日の
司令部覺書
には、四社を自
發的
に
解體
することはまことによろしい。それは了承する。しかしそれは、大きな
企業結合體
というものを除去するというのは、これは
最高司令官
の意圖するところであるので、そのただ
豫備的措置
としてのみ了承する。すなわち、四つの
本社
の
解體
はもちろん結構だが、それだけで
財閥解體
ということは終るのではなくて、それは
豫備的措置
であ
つて
、その線からさらに
具體的
に歩を進めて、好ましからざる
企業結合
、
資本
の面、
人的關係
、いろいろな
關係
においての
そういつた結合
というものを除去して、そうして平和的な、民主的な
經濟
に立ち歸らなければならぬ。そうい
つた
措置
は次々にと
つて
いけるということが、十一月六日の
覺書
に明示されております。
獨占禁止法
とい
つたよう
なものも、そこに由來して制定せられておるのだと思いますが、結局それが今日のこの
集中排除法
ということにも相な
つて
おるのではないかと思うのであります。私
ども
承知
しておりましたところでは、今度の
集中排除法
の中で、最も問題になると思われますのは、いわゆる
企業
の再
編成
、もう一つくだけて言えば、
分割
の問題だと思いますが、そのことは
最初
の
考え
では、
企業再建整備法
の方の
再建整備
計畫を
政府
に提出せられる場合に、單に
企業再建整法
の中に盛られております經理的な
措置
だけでなく、今度の
集中排除法案
の中に盛りこまれておりますような、
事業
の
實態
の方の再
編成
とい
つた
ものを織りこまなければ認可を得にくい。もちろんこれはどの
會社
ということでもありませんが、おもな
會社
、
ちようど
今度の
法案
で
對象
に取上げられるようなもの、殊にその中の
制限會社等
については、そうい
つた
考え
で
運用
の
方針
を考慮しておられたように察知いたしております。それですでに昨年の
春以來
、この
制限會社
の中の比較的大きいものとい
つたよう
なものについては、
實際
的にこれに對する再
編成
とい
つたよう
なことが慫慂せられておりました。
會社
筋でも
いろいろ具體的
に
折衝
もし、その再
編成
計畫を相當
具體的
に進めてお
つたところ
もあるように
承知
いたしております。その中で
世間
に公表せられた
最初
のものは
冨士産業株式會社
であります。御案内だと思いますが、昨年の八月に
冨士産業
は、それぞれの工場を
中心
にして十五の
會社
にわかれて再
出發
する。そういうふうに指令されておるとい
つた
記事が新聞に出たと思います。これが表に現われた
最初
のものでありますけれ
ども
、表にはそういうふうに
はつ
きりと公表されはしませんでしたが、その他日鐵初め
各社
において、そうい
つた
ことは昨年から
具體的
には
折衝
せられてお
つたの
であります。それが
企業再建整備法
の決定が今年の春まで遲れた
關係
上、昨年の秋からしばらくの間は、この再
編成
の問題は多少足踏みの状態でありました。しかしその間といえ
ども
、全然この問題の進行がま
つた
く停頓したわけではありません。やはり相當の
會社
は次々にいろいろそういう勸奨を受け、
指導
を受けてお
つたよう
に、われわれは
承知
いたしております。また今年の春、これも
世間
に公表された
事實
ですが、
三井物産
と、
三菱商事
と、この
兩商事會社
が十社以上に
分割
して再
出發
をしろという慫慂があ
つて
、
兩社
は一應その
方針
に向
つて
進んでお
つた
わけであります。その後
事情
がまた急轉下しまして、
兩社
とも
解散
ということに相なりました。一應は十社に
分割
して第二
會社
を拵えていくという線に向
つて
進んお
つた
わけであります。そうい
つた
ふうで今年の
春以來
、
再建整備
計畫提出の時期がだんだん迫
つて
くるのと竝行しまして、再
編成
計畫という問題は
具體的
に相當進んでおりました。そこへ新しく今度の
法案
の問題が起
つて
きたのであります。これは必ずしも新しいこの
法案
ができなくても、
實際
上の
運用
としましては、そういうふうに相
當程度
いろいろ實行の機運に向いつつあ
つたの
でありますから、
企業再建整備法
の
運用
ということでも、相
當程度目的
は達成せらるるではないかというふうにも
考え
られましたし、また
世間
でも問題にされましたように、
獨占禁止法
の面においても、同樣のことが相
當程度實
行できるんではないかというふうにも
考え
られました。しかし
企業再建整備法
では、
特定會社以外
には及ぼすことができないわけですし、また
内面指導
というだけでは、やはり
十分強行力
がないとい
つたよう
な面で、新しい立法というのも
考え
られたのではないかと思いますし、また
獨占禁止法
だけでも不十分な點があるように思います。たとえば
關連性
のない
事業
とい
つたよう
なものを
分割
するというようなことは、
獨占禁止法
ではやれない問題だと思いますが、そうい
つた
ものでも、あるいは
分割
を要するものがあるかもわかりません。いろいろな
意味
で、とにかくあらゆる場合を豫想して網は廣く
擴げ
ておき、そうして
實行力
を十分附加していくということからいくと、今度のような
法律
が必要にな
つて
くるという結果にな
つたの
ではないかと思いますし、またその他
財閥解體問題
につながる一連の
政策
というものは、いろいろ大きく、より高い
政策
と
關連性
があることと想像いたされます。
そういつた面
からの
事情
も加味されて、この
法案
を拵えるということにな
つたの
ではないかと私は推察いたしております。 それで今度の
法案
の
字句
を
字句通り
解釋いたしまして、この
法案
の許す限りで與えられた
權能
を十分に振りまわすということになれば、これは非常に強烈なものになると思います。一時
新聞紙上等
にも、全國にわた
つて
あらゆる
會社
が
個々
にこまぎれのように寸斷されるのではないか。こういうふうでは、せつかく復興しかけている
日本
の
經濟
にと
つて
由々しいことである。
生産
は非常に低下する。
日本
の
經濟
は非常に劣弱になるんではないかとい
つた
ふうなことが傳えられておりましたが、これは法文をそのまま見て、そうしてその
權能
を顧慮するところなく振りまわすということになれば、そうい
つた
懸念も起り得るし、ごもつともだと思います。しかし昨年
來いろいろ事實世間
に行われているところ、その
程度等
から想察いたしますと、この
法案
でねらわれている
對象
がどの
程度
のものであろうが、またその取扱いがどの
程度
であろうかということは、ほぼ推察できるのでありまするが、われわれ多少その
事情
を
從來側面
から見聞きしてお
つた者
といたしましては、先ほど申し上げたように、あらゆる
會社
が寸斷される、その結果
日本
の
生産力
に非常な障害を來すとい
つたよう
な結果が招來されるということは
考え
ておりません。
從來
この
財閥解體關係
で、純然たる
持株會社以外
に
現業部門
をも
つて
おります
會社
で、
持株會社的
な性格のあるところというのが、やはり
持株會社
ということに指定されて、われわれ
仕事
の
對象
にな
つて
おります。たとえば三菱重工業とか、
井華鑛業
とか、
扶桑金屬工業
とかいう
事業會社
でありますが、そうい
つた
ものの處置の場合に、そこの
生産
を阻害しないように
——持株會社的性質
を拂拭することは強力にやらなければならないが、
生産そのもの
を阻害しないように、
十分氣
をつけてそれをやれという
指導
を絶えず受けてきております。また
三井物産
、
三菱商事會社
の場合も、この
解散
は強行しなければならないが、そのために
商取引
、その他
金融關係等
に悪影響のないように、十分注意してやれということを言われております。そして物産、商事の場合でも、その點にわれわれは最も苦心して處置してまい
つたの
でありますが、同樣の
考え
方は今度の
法案
の中にも當然盛りこまれておると思います。もちろんある
程度
の
動き
はあるわけです。再
編成
の途上においては、ある
程度
の
動き
はこれは免れないわけですから、その過程において、ある
期間
若干の
生産能率
が落ちるということは免れないことだと思いますが、永久的にそのために
生産
が非常に落ちるということでありましたら、それはそのことを十分
説明
し、立證すれば、それをしもなおかつ
分割
するということはないと思います。その邊の
説明
を十分にすることは必要だと思いますが、
説明
が十分届けば、なおかつこれをぜひとも排除しなければならぬのだということはなかろうと私は
考え
ております。ただこの
産業
の
あり方
や、
從來
のような大きい
企業結合體
というものがいくつかあ
つて
、それが
中心的勢力
にな
つて
お
つて
、その他のものが特に抑えられて、思うように
延びることができないといつたような形
をなくして、
ほんとう
に公正な
自由競爭
を十分にやることができるような素地をつくりたいということが大きな
目的
だと思いますし、またその一面において、この
法案
の第一條には平和的、民主的で、健全な
經濟再建
の
基礎
をつくることが
目的
とされております、しかしその前に平和的ということも言われておるわけですから、
産業
の
あり方
を非武装的にする、武装的な面を排除することは、この
法案
の
實施
の上にも現われてくるのだろうと思いますが、結局平和な、民主的な
經濟
組織につくり上げることが
目的
とされておるのでありますから、やたらに、過度にこの
法律
に現われておる
權能
を振りまわして、そのために
日本
の
經濟
が不健全になることは
法案
自體が
目的
としていないところだと思いますから、そこまでこれが
運用
されることは萬々ないと私は
考え
ております。問題は、結局あらゆる場合に
字句通り
にとらわれないで、
個々
の
會社
の
實情
を十分檢討して、そしてそれぞれの
實情
にできるだけ適應したようにして、再
編成
を
考え
ていくことが必要であり、結局この
法案
の
運用
ということが大きい問題になるのだと思います。 その
運用
において、さつきも申し上げましたが、一體この
對象
になるところはどれくらいあるだろうかというようなこと、そしてどの
程度
にそれが
分割
されるだろうかということが一番眼目であり、おそらく
皆さん方
もこの點をお聽きになられたいところだと思いますが、
對象
がおよそどれくらいであろうかということは、まだ
具體的
のことを申し上げる
段階
にまで私の方の檢討はできておりません。
法案
が通りましたら、その邊のところについて、次次と
具體的
に
準備
を進めていきたいと
思つて
おりますが、ただいまのところでは、まだ
具體的
に數字等を申し上げる
段階
には立至
つて
おりません。しかしそんなに多くのものではないというふうに、われわれとしては想像いたしております。それからその
分割そのもの
も、そんなに極端に
こま切れ
にされることはないと
思つて
おります。いろいろこれまで傳えられておる
具體的
の一、二の
實例
もありますが、そうい
つた
問題も、まだ十分固ま
つて
おる
問題等
もございませんし、よく
實情
を檢討していけばそんなに
むりな手術
の
方法
にはならないだろうと
考え
ております。 大體私の感じておりますことは、一應この
程度
のことを申し上げることにいたしまして、何かまた御質問でもございましたら、私の
承知
いたしております限り御
説明
申し上げることにいたします。
伊藤卯四郎
5
○
伊藤委員長
ただいま
笹山
さんの御
發言
について
質疑
があればお許しいたします。なおその
發言
の際お名前を御發表願いたいと
思つて
おります。さらに
安定本部
の方からも
財政金融局長
以下係りの
政府委員
が見えておりますかて、御自由に
質疑
の御
發言
を願いたいと思います。
赤松明勅
6
○
赤松委員
ただいまの
持株會社整理委員會
の
笹山
さんに二、三質問いたしたいと思います。本
法律
が制定せられるとすれば、その
法律
の
運營
の全權を握るところの
持株會社整理委員會
、これが現在までのいわゆる
財閥解體
をやられた間における
經驗
を通してみて、今日の
持株會社整理委員會
の
機構
をも
つて
して、この
法律
を完全に
運營
できるかどうか、すなわち
はつ
きり言えば、この
委員會
の
構成要員
はすべて
資本家的色彩
をも
つた
方々ばかりであるが、
實際
運營上
において、本
法律
によ
つて
起るところの
企業再建整備
、この間におけるところの
勞働階層
に對する影響も相當のものがあるのじやないかと
思つて
おるが、この
持株會社整理委員會そのもの
に、いわゆるその
機構改廢
の要があると思われておるか、それともこのままのようなかつこうでいいと思われておるか、これが一點であります。これを
具體的
に言えば、
勞働階層
、
勤勞階層
の
代表者
をも加えることによ
つて
、眞の
意味
の民主的な
持株會社整理委員會
というものをつくる必要はないか、これが一點、あと續いて質問いたします。
笹山忠夫
7
○
笹山忠夫
君 それではただいまのお尋ねに對して御
説明
いたします。先ほど申し上げたように、この
集中排除法案
の中に盛られております一番大きな點の、
企業
の再
編成
という問題ですが、これはすでに
財閥解體問題
の
最初
から
關係方面
では
考え
ておられたことであります。
從つて持株會社整理委員會
が昨年スタートしましたときから、
制限會社
についてはその
當時
からいずれ再
編成
の問題が起るということで、それに對する
準備
を著々いたしておりました。昨年から
管理部
というものを設けまして、私
ども當時
の
考え
では、秋になれば
企業再建整備法
が
實施
されるようになるのではないか、秋になればこうい
つた
再
編成
の問題が必ず起
つて
くる。それまでに急いで
要員
を充實し、これを
訓練
してその
準備
をや
つて
いかなければならない。こう
思つて
、昨年の八月から著々
準備
をいたしておりました。それが
ちようど
當時
豫期してお
つた
よりは一箇年延びてきたわけです。先ほど申し上げたように、昨年
冨士産業
の
分割
の問題が考慮されて以後、
各社
についていろいろそうい
つた
具體的
の
折衝
も起
つて
お
つたの
であります。その經過はすべてわれわれの方もその間に介在して
承知
しており、また
會社
とも
連絡
していろいろ
實情
についての
打合せ等
もいたしてお
つたの
です。また
事情
もよく
調査
してお
つた
わけであります。ですから
制限會社
に關する限りは、昨年
以來相當資料
も用意いたしております。ただ今度の
法案
では、先に申し上げたように
制限會社以外
というようなものも一應含まれることにな
つて
おります。
そういつた面
についてはこれから新しく資料の
調製等
もいたさなければなりませんが、しかし結局今度の問題でも、主たる
部分
は
制限會社
にあるのではないかというふうに想像いたしておりまして、それについては昨年から用意いたしております。ごく最近の數字は覚えませんが、九月の頃のところで、その
管理部
の人員は約八十一名おりました。さらにそれを今度増員いたしますが、その
仕事
に對して昨年來
準備
的の
訓練
をいたしてきたわけであります。 それから人の點も、ただいま
資本家的色彩
の者が多いのではないかという
お話
でございましたが、もともとこの
財閥解體
をや
つて
いる
委員會
の
委員
その他についても、一切
財閥關係
の人はいけないとされております。それで當面の
委員會
の
仕事
に一番
接觸
の多い
關係方面
でも、
持株會社整理委員會
の
仕事
に從事する人には二つの
關所
がある、その一つは
内閣
の
公職審査委員會
であるがそれだけでは濟まないので、それにパスした者でも、この
財閥解體
というようなことによ
つて
不適格ではないかどうかということを調べる大きな
關所
がもう一つあるのです。それを
通つた者
でなければならぬということをいわれております
個々
の一人々々の
職員
まですることは、到底その煩にたえませんが、
委員
はもちろん、
部長程度
のところまでは、一切
財閥關係
の者はいかぬとされているので、われわれもそれを避けてきております。
日本
でいわゆる
資本家
といえば、
從來財閥
とい
つたよう
な
色彩
のところに大
部分
を網羅していると思いますが、その畑の方からは一人も參加しておりません。平の
職員
にもおりません。よほど昔、ある
期間
そうい
つたところ
で若干の
仕事
をしたとかいう者ははい
つて
おります。私自身も今から二十年近く前には、
安田關係
で四、五年暮したことがあります。非常に昔、ただ南年かお
つた
というような者は若干おりますが、
財閥
で最近まで
働つて
お
つた人
ではい
つて
いる人は一人もありません。それから有價證券とか、そうい
つた
會議的なものを非常に扱わなければならぬ
關係等
がありますし、それから今まとめて人を採用するには、なかなかそうどこからも得やすくありません。
從つて朝鮮銀行臺灣銀
行、滿州
中央銀行
というような
職員
が比較的多くまい
つて
おります。しかしそれ以外の
滿鐵
その他の
事業會社方面
からも相當はい
つて
おります。ただわれわれのところは永久的な
機關
ではありませんから若い人をぼつぼつ養成してかか
つて
いくという時間がありますん。なるべく三十から四十ぐらいの
ほんとう
に中堅とな
つて
働ける、すぐ間に合うとい
つた
訓練
のできた人を採用する
方針
でもつ
ぱら來
たので、そうい
つた人
が非常に多いのであります。そうい
つた
銀行
とか、
財閥
以外の大
會社
で働いていた者はたくさんいるわけですが、しかしみな
勤勞者
であります。私
ども委員
も、殊に
常務委員あたり
は、いわゆる
資本家
といわれるような金持ちは一人もおりません。
財産税
を拂う
資格
のなか
つた者ばり
です。われわれも
財閥
を
解體
するのですから、できるだけ
資本家的色彩
はないようにしたいと
思つて
おります。それから
勞働方面
との
連絡
については、昨年來實は
考え
ております。
常任委員
はわれわれの
仕事
に專念していただかなければならぬので、
實際
問題としてなかなか
簡單
に人をも
つて
きにくい。またいろいろやかましいストリームがありますので、各
方面
のいろいろの
知識
はできるだけ平
委員
の方によ
つて知識
を得るようにしたいと
考え
ております。それで昨年來ぜひ一人
勞働方面
の御
經驗
の方、それもただ理論的でなく、
實際
の體驗をも
つて
おられる方をお迎えしたいと努力してお
つたの
でありますが、それがやはり
資格査審
の
關係等
で非常にひまど
つて
、半年以上かか
つて
、今年の六月に大阪在佳の
金正米吉
さんに任命があ
つた
わけであります。ただいまのところその
方面
の
委員
は
金正
さんお一人であります。
常務委會
の中にはおりません。しかし大きい
事業
の
整理
については、
委員總會
できめて、それに基いてわれわれ
常任
の者が日常の
實務
をと
つて
おるという形であります。
金正
さんを通じて、ただいまのところはできるだけ
勞働方面
の
事情
をお伺ひすることにしております。
機構
の點は
從來管理部
というところで
企業
を
分割
しそうい
つた
問題の
準備
は十分いたしておりますから、これをさらに擴充しさらに
從來
の
管理部
でも人を補充しております。それから
調査部
についても
調査
第一課というのが、今年の春から各
事業
の
基礎的調査
をや
つて
おるので、それをそのまま今度の
仕事
に活用することにした方が能率的だと
思つて
、
公營關係
の
事業
とともに兩方やらせております。それから
個人關係
の方は
從來政治部
の
審査課
がや
つて
おります。これも
從來一課
であ
つたの
を二課としました。そういう形でや
つて
おりまして、
職員
は昨年來相當
訓練
されてきておりますが、半年後どうという大きいことは申しかねますが、何とか大過なくや
つて
いきたいと思います。しかし各
方面
とのいろいろの御
連絡
については、今後さらに構想を新たにしたいと、よりより
相談
をしております。
伊藤卯四郎
8
○
伊藤委員長
ちよ
つと御
相談
をしておきたいと思うのでありますが、多くの
委員各位
から
質疑
が相當あろうと思いますので、
質疑
も
答辯
もきわめて重要な點をひ
とつ
簡單
に
お話
を願うようにいたしたいと思いはす。
赤松明勅
9
○
赤松
(明)
委員
持株會社整理委員會
の
委員長
として、同じ
持株整理委員會
ではあるが、今日までの
財閥解體
は、これは
ポツダム宣言
にいわゆる直接
支配下
にある政令によ
つて
行われてきた。これは
官廳側
と私
ども
の
意見
が少し違うがこの點について
持株會社整理委員會委員長
として、今日ので
財閥解體
、
制限會社
に對する
指導
をや
つて
きた。しかもその
ポツダム宣言
に要綱中には、開放的な感じすらあ
つて
、しかも
日本
の
政府
を認める。いわゆる
一般行政權能
は認めて、そうしてその
管理下
にあ
つて
も、
憲法
は御
承知
のようにいわゆる
民主憲法
が制定せられた。その
民主憲法下
に第一囘の
國會
において制定するところの
經濟
力
集中排除法
というものは、いわゆる
日本
國民の要請によ
つて
できるわけなのである。この點については今まで
説明
を伺
つて
わか
つて
おり、われわれも了解しておるのであるが、これとこれとは殘しておきたいと
思つて
も、今までは強大な壓力によ
つて
どうにもならなか
つた
。しかし今後この
法律
を
運營
する氣構えは今までと同じ心構えでやられるのであるか。それともこの
法律
に準據して、少くとも
日本
國内の問題である限りは、向うの方々の對しても、これは
事情
が違うのであるから、この點でよいのだと言いきることができるかどうか。すなわち今日までのやり方と違
つて
、この
法律
を遵法しようとしてやられるかどうか。その點を伺いたい。
笹山忠夫
10
○
笹山忠夫
君
お話
の通りこの
法案
は
日本
の
國會
が取上け、自
發的
にこういう
法律
が制定されようとするわけでありまして、これを
運用
する私
ども
としては、
國會
と緊密な
連絡
のもとに、これが
運用
に當
つて
いかなければならないのでと
思つて
おります。こうい
つた
意味
でいよいよこれが
實施
されれば、何らかの形でこの
法案
の
運用
について、十分の御
指導
なり、管理していただくような、組織ができれば、たいへん結構だと
思つて
おります。
赤松明勅
11
○
赤松
(明)
委員
佐多さんに伺いたいが、第一に
經濟
安定本部
の立場として、これによ
つて
能率の低下をきたさないと思うかどうか。たとえば本法によ
つて
、巷間傳うるところの三百ばかりの
對象
を
分割
したときに、その間に影響をきたさないと言いきれるか。われわれとしては大きな影響があると思う。本
法律
制定後一箇年間かか
つて
指定を終り、その間税の徴收その他に大きな影響がありはしないか。この點の細密な檢討を行
つて
當局は立案したのであるかどうか。たとえば料理屋を禁止すればそれからあがる歳入に大きなくるいを生ずるごとく、今日
日本
の税のパーセンテージは知らないが、いわゆる
分割
指定を受けるものは、相當大きな税の負擔をも
つて
おる。これが
分割
されることによ
つて
起る收入面の大きな影響、これを仔細に御檢討なさ
つて
おるかどうか、これを聽いておきたい。
佐多忠隆
12
○佐多
政府委員
今の御質問のように經過的には
生産力
その他について若干の停滯があることは認めなければならない。それはこういう非常に大きな、いはば革命的な變革をいたすのであるから、これは
簡單
にはいくまいと思います。しかし繰返し御
説明
いたしておるように、所期するところは
經濟
を合理的に再組織するということが
目的
でございますから、そういう線に沿うように組織をやる。從
つて
長い目から見れば、決して
生産力
の低下、あるいは
事業
を細分化して縮少するというようなことでなしに、それを契機にしてより
生産力
が上
つて
いくということを庶幾しておりますから、
運營
の
方面
においてもそういうことをやるべく、あらゆる努力をしなければならない。そのためには、さらに指定なり排除なりを、急速に了えてしまうということも心掛けなければならないと思いまして、そういう萬般の
措置
によ
つて
、經過的な弊害をなるべく早く排除したいという所存であります。さらに税の問題でありますが、なるほど若干の影響があると思いますが、現實の問題といたしましては、
制限會社
あるいは特定
會社
等等は、ほとんど利益をあげておりません。それからあがる税收入はそうたくさんないのでございます。從
つて
御心配のように非常に大きな税收上の狂いがくるということは
考え
られないだろうと思います。
赤松明勅
13
○
赤松
(明)
委員
いま一つの問題、これは
笹山
さんに尋ね落しましたが、いずれにしても本
法案
は成立しなければならないような運命である。これは
笹山
さんからもたびたび承
つて
いる。しかし修正論議はわれわれの問題である。ところで本
法案
の
運用
にあた
つて
、公共の利益に適合すること、これを一般に解釋する者は、公共の利益ということを、ただ
生産
會社
であれば
生産
會社
が、その
生産
能力の低下することによ
つて
、これに伴
つて
物が少くなるからインフレを起らせるというような、一般社會通念として
考え
をも
つて
いるようであるが、しかしこの公共の利益の中に
勞働階層
の、今佐多さんの言
つたよう
な、經過的に必ず起るだろうというのは、おそらく
企業
合理化という名をかりて失業者を出すに違いないという面がすでにわか
つて
いる。たとえば、
井華鑛業
なら
井華鑛業
は、先ほど
笹山
さんが言われてお
つたよう
に、すでに一千何百名という者を
整理
しなければならない。別子の銅山において一箇月以前にこういうことを發表している。これが
分割
されるとするならば七つとかになるのである。その中で金屬を掘り出しているところ、別子銅山においてのみ一千何百名という勞働者をきらなければ成立していかないということを公表しており。この勞働者をも公共の利益の中に含めるか、含めないか。もちろん含めてもらはなければならぬが、これが心構えについて持株
整理
委員長
としてのお
考え
を承
つて
おきたい。
笹山忠夫
14
○
笹山忠夫
君 お答えいたします。
井華鑛業
の場合は、
分割
するということがなければそうい
つた
失業者を出すということが起らないで濟むかどうか。疑問ではないかと思います。この
法案
が出なくても、そうい
つた
問題はいろいろやかましく懸念されている點ではないかと思い。この
法案
目體によ
つて
失職者を増すということは、私は
考え
ないでいいのじやないかと思う。結局一つの
會社
が工場々々を單位にいたいくつかの
會社
になる。職場そのものが減るわけではない。そのままの状態であればこの
法案
によ
つて
ただちに失職者を増すということにはなり得ないのじやないかと思います。あるいはその後に經營の悪いところには失職者を出すことも起るかもしれぬ、その一面において經營をよりよくすることがさらに
從來
より人を殖やす必要も起
つて
きましようし、全面的に見て
生産能率
をあげるこの
法案
の
目的
にな
つて
いるわけでありますから、究局的に見れば、別に失職者を殖やすことにはならないと思います。私
ども
この
法案
の
運用
に當る者は、もちろんできるだけ一人でも多くの人が、やはり職場を得て働くことは望ましいわけでありますからことさらにそれに反對するような、そうい
つた
措置
はとらないように注意していきたいと思います。
赤松明勅
15
○
赤松
(明)
委員
ただいまの
笹山委員長
の
答辯
は認識不足だ。
井華鑛業
なら
井華鑛業
を
考え
てみても、
分割
するということが、その
會社
、
事業
場にいくつかの
會社
をつくるのでから失業者は出ない。あるいは能率があがるのだというがそれはいけない。たとえば銅の精錬所を
分割
するについて、その精錬所は他の鑛石をも
つて
きてここで收益をあげる銅山そのもの、鑛石そのものは公定價格からい
つた
ら成立をさすには、ほとんどだめなんだというものがたくさんある、いくつかの
事業
所をも
つて
お
つて
、どこかで赤字が出ておるけれ
ども
、
事業
内の傾斜
生産
によ
つて
。どこかで收益をあげて一方を補
つて
おるものがたくさんある、この面を
考え
ないで、どれも
分割
したからそのままだ、そうして失業者は出ないと
考え
ておるとすれば重大な問題である。これは別に
答辯
を必要としませんけれ
ども
、
持株會社整理委員會
が、本
法案
運營
の原動力になるとすれば、ただいまの認識は當然あらためていただかなければならぬということを要望しておきます。
前田正男
16
○
前田
(正)
委員
この
法案
に對してこの間から新聞に出ておるのでありますが、除外をする
産業
があり得るかどうか聞きたい。除外をするとすればどういう基準で除外される
考え
であるか、その點について聽いておきたい。
佐多忠隆
17
○佐多
政府委員
今のお尋ねに對して
政府委員
の方から御
答辯
いたします。この
法案
の第十七條に「國、地方公共團體、公團(特別調達廳を含む。)及び勞働組合については、第三條の規定による指定を行わない。この
法律
の施行は、配給統制に關する法令の適用を妨げるものではない。」という規定を設けまして、すなわち國營
事業
等々と公團だけは、
事業
の中で本
法案
の適用
對象
から除かれるとことにな
つて
おります。そのほかの
産業
はすべて建前としては一應この
法律
の
對象
になるというふうに
考え
ております。
前田正男
18
○
前田
(正)
委員
しまするとこの國營、公團というような
關係
からいくと、國家管理を行
つて
おるところ、あるいは國家管理に近い體制のところは、これは除くのであるかどうか。
佐多忠隆
19
○佐多
政府委員
お答えいたします。十七條に規定してありますような完全な國營
事業
だけを除いておりますので、かりに國家管理等々のことがありましても、それはこの
法律
の
對象
になるということになります。
前田正男
20
○
前田
(正)
委員
そうしますると、電力、その他それに近いような製鐵、鐵鋼
事業
、こうい
つた
ものはどうなる。
佐多忠隆
21
○佐多
政府委員
先ほど申したように、それらの
産業
もすべて
對象
にはなりますが、しかし先ほど繰返し御
説明
しておりますように、公共の利益のために排除いたしますので、もし公共の利益上、そういうものは排除する必要がないということになれば排除しません。そこいらの
運用
の問題としては、さらに愼重に考慮しなければならない問題かと
思つて
おります。
前田正男
22
○
前田
(正)
委員
次にお尋ねしたいことは、先ほど來御
説明
の中で、「將來
生産
の能率を合理的にあげるために細分化する」というような
方針
でおられるように聽きましたが、もしその御
方針
でありますならば、私はこれを一
持株會社整理委員會
の
考え
というようなことでなしに、國家全體の
産業
の再
編成
計畫、大工業でいくのが、中小工業を
基礎
としていくのか、あるいは農工一體でいくのか、
日本
は輸出
産業
でや
つて
いくのか、こういうふうな國家全體の今後の工業
政策
に
關係
があることであると思います。しかも
日本
の工業のやり方というものは總合計畫的でなか
つた
ために、たとえばこれから
分割
しようと
思つて
いるのは、ユニツト單位に
生産
を切離していくというようなことも
考え
なければなりませんし、あるいはまた農村の餘剩勞力を利用しなければならぬ。それにはアメリカにおきますところのユニツト單位の
生産
ということが、これからの近代的な
生産
には非常に大きな影響を與えてくるのではないかと思いますが、そうい
つた
國家全體の計畫が立てられなければならぬというものを、一
持株會社整理委員會
で決定していくということができるかどうか、お
考え
を承りたい。
佐多忠隆
23
○佐多
政府委員
おつしやる通りに、
日本
全體の
經濟再建
、特に
産業
全體をどういうふうに今後再建し、再組織していくか、さらには各個別の
産業
をどういう形態で、どういう規模においても
つて
いくかというような問題は、非常に重大な問題でありますし、
政府
としてもいろいろ檢討しなければならないと思いますし、それと關連して
國會
の方でもそういう大きな問題は十分
具體的
に御審議願
つて
、その
方針
に則
つて
いきたいと
思つて
おるのでございますが、さしあたりこの
法案
が
目的
としますところの
産業
の再
編成
は、恆久的な問題としましては、
獨占禁止法
が目途としておりますような獨占的な性格の諸
企業
を排除してい
つて
、公正な取引、自由な競爭のもとに
産業
が生存していけるような形をつくりたい。特にそういう状態をこの
集中排除法案
で急速にもたらすような
措置
をいたしたい。そういう
意味
で、ここで掲げられておりますように、獨占的な性質の
企業
なり、あるいは
關連性
のない
事業
分野で活動している
企業
なり、あるいは他の
企業
を支配している
企業
等々を、この際排除していくという、その限られた排除、再組織の
方法
だけは、本
法案
の
運營
によ
つて
や
つて
いきたいという心組みでございます。
前田正男
24
○
前田
(正)
委員
今の
お話
ではまことに當面の問題を排除されていくというようなことで一應の
お話
はあるようでありますが、しかし先ほど來御
説明
のありましたように、この再組織によりまして
日本
の
生産力
を合理的に能率的に上げていきたい、こういうようなお
考え
があるとするならば、それは私
ども
の
國會
でももちろん
日本
のこれからの
産業
の再
編成
問題については
考え
なければならぬ問題であると思います。あるいは
政府
においても
政府
の責任においてお
考え
にならなければならぬこともたくさんあるのでありまして、これを一々この
法案
の示すような
委員會
だけに委ねるというような
考え
方には、どうもおかしい點があるじやないかと思います。もう少し廣く
意見
を聽いてこの再
編成
問題を
考え
なければならぬ。殊にこの
法案
の
對象
になると思われるところの
企業
會社
は、
日本
の工業の
基礎
をなしているんじやないかと思うのでありますが、それを一
整理
委員會
などで
考え
ていくことは——
日本
のこれからの工業問題ということに對しては、もつとみなの總力を合わせて大いに研究しければならぬと思うのであります。この
集中排除法案
の
對象
になる
會社
工場に對する、もつとみなの
意見
の集まるような
方法
をお
考え
願えないかと思うのでありますが、そういう點に對して
政府
はどういうふうにお
考え
になりますか。
佐多忠隆
25
○佐多
政府委員
特株
會社
整理
委員會
が當面やりますのは、先ほど御
説明
いたしましたように、
經濟
力の集中を排除するということでございまして、それには獨占的な性質の
企業
、その他水平的な結合をしているもの、あるいは垂直的な結合をしているもの、そういう結合の仕方において、あるいはコンツエルンというようなものをつくり、それが
財閥
を形成してい
つて
、そういう形で
日本
の
經濟
をゆがめているという
考え
方に立脚して、さしあたりそういうものを排除していこう、しかも急速に排除していこう、その排除した後において國民
經濟
を合理的に再
編成
するということを
考え
ておりますので、さしあたります非除すること、しかも特定に今申しましたような諸
企業
を排除していくことを
考え
て、その上でそういう合理的な再組織の問題、さらに長期計畫との關連においての、そういう合理的な問題というようなものは、もつと廣汎な問題として審議していきたいというつもりでおります。
伊藤卯四郎
26
○
伊藤委員長
ちよ
つ御
相談
申しておきたいと思うのですが、
政府
側には今後本
法案
審査中に十分
質疑
ができることでございますので、本日は
持株會社整理委員會委員長
の
笹山
さんを
中心
にしてなるべく
質疑
をしていただきたいと思うのです。
苫米地英俊
27
○苫米地(英)
委員
この排除
法案
はいろいろの基準があるようでありますが、これは
企業
自體を
對象
としてお
考え
でありますか。もしくは
企業
の内部における各種の
生産
品がありますが、その各個の
生産
品というものを
對象
としてお
考え
になりますか、その點を一つお伺いしておきたいと思います。 次は、この合理的ということは、現在の國内
經濟
を
對象
としてのみ合理的と
考え
られるものであると
考え
ます。またこの
法案
を見ましても、外國の勢力が
日本
に及んできて、それが非常な力をも
つて
お
つて
も、これを排除することができないことは當然であります。そこで合理的ということは、現在の
實情
のみを
對象
としてお
考え
になるのか、將來展開せらるべき世界
經濟
との關連においてお
考え
になるのであるか、この二つの點を伺
つて
おきたいと思います。
笹山忠夫
28
○
笹山忠夫
君 お答えいたします。第一の御質問の、
企業
を
對象
として
考え
るか、
個々
の
生産
品を
對象
にして
考え
るかという御質問です。
個々
の
生産
品をこまかく一々
對象
にしたら、非常に煩雜になると思います。大體において
企業
を
對象
として
考え
ていくことになると思います。ただ
企業
と言
つて
も、非常に大まかな
企業
のわけ方では、あまりにまた茫漠になるから、いくらかそこは細分した形にはなると思います。それから合理化の問題ですが、この
法案
自體は非常に技術的なものであります。その再
編成
したものが、後に合理的な經營になるようにということは、これは平時の
經濟
状態の場合を想定して、その場合における
あり方
が合理的になるようにという
考え
方でありますから、外國貿易等も豫想せられる今日としては、そうい
つた
ことも頭に入れて、どうや
つた
ら合理的だということを檢討していかなければならぬ、そう
思つて
おります。
苫米地英俊
29
○苫米地(英)
委員
お話
は了承いたしましたが、この
企業
全體を
對象
をするということになりますと、化學工業のごときものは、非常に合理的に
考え
て
企業
が成立しなくなるのじやないかというようなことが
考え
られます。またこの需要のきわめて限られてる品で、ほとんど一つの
企業
が大
部分
の
生産
を占めているというようなこともあるのであります。そこで一々の商品あるいは製品を
對象
とすることができないということは、ごもつともでございますけれ
ども
、化學工業などにおいては、特に御考慮があるものでありましようかどうか、その點をもう一應お伺いしたいのであります。 それから第二の問題につきましても、外國貿易のみを私は
考え
ておるのではありません。國内的に
日本
の國民だけの
産業
を
對象
として合理的と
考え
ましても、外國
資本
が進入してくるとか、外國の
企業
が
日本
において創設されていくとか、もしくは移されてくるとかいうようなことにな
つた
ときに、やはり平和
産業
として合理的に存在し得るということをお
考え
にな
つて
いるかどうか、これをお伺いいたしたいのであります。
笹山忠夫
30
○
笹山忠夫
君 お
考え
いたします。順序が逆になりますが、第二の御質問に對しましては、ただいま御質問の御趣旨のようなふうに
考え
てい
つた
らいいじやないかと
思つて
おります。 それから化學工業の場合の
お話
、
ちよ
つとよく御質問の要旨が十分わかりかねる點があるのですが、
個々
の商品を相手にしてい
つた
方がいいというお
考え
ですか。
苫米地英俊
31
○苫米地(英)
委員
いやそうじやありません。化學工業の場合には化學工業の振興の過程においていろいろな製品ができてくる。そこでこれを小さくわけられると化學工業が成立しなくなる。そこでその點をどういうふうにお
考え
にな
つて
おりますか。
笹山忠夫
32
○
笹山忠夫
君 化學工業の場合は、これは大體今度の一つの工場の場合、いろいろ
生産
原價の上に共同的な
部分
が非常に多いわけです。そうい
つた
共同原價の
關係
のあるようなものは、なるべく切らないようにという
考え
方であります。全然地域的に異な
つた
場合、化學工業の場合でも
分割
して支障を來さざる場合があると思います。一工場の場合だと、大體化學工業の場合には
分割
されにくい係數が非常に多いじやないかと思います。その邊は十分考慮して
考え
ております。
苫米地英俊
33
○苫米地(英)
委員
その點についてこの化學工業の場合には、一工場でなしに、二、三の工場が一つの單位にな
つて
おる場合が非常に多いのであります。そういうものを工場が別であるがゆえにこれをおのおの切離してしまうということになると、全體の工場が成立しない、こういうことになるおそれがあるのでありますが、これは工場單位ということでいかれますか、もしくはその
企業
の成立する總體を一括としてお
考え
になりますか、その點を伺
つて
おきたいのであります。
笹山忠夫
34
○
笹山忠夫
君 工場が別であ
つて
も、その間に非常に緊密な
關連性
のある場合、これは二つが同一經營内にある方が合理的なわけであります。その點がよく立證せられるならば、それは
分割
されることはないと思います。
井出一太郎
35
○井出
委員
一點だけ
笹山委員長
にお尋ねいたします。先ほど
赤松
君の御質問に答えられて、
國會
と
持株會社整理委員會
との關連につきまして、十分に
國會
の監視を受け、鞭撻を受けてや
つて
いきたい、こういう御
答辯
でありました。私聞いております範圍では、この
持株會社整理委員會
の中に、
國會
議員をも
つて
構成をする
整理
監査
委員會
なるものができる。そうしてすでにその官制は決定に相な
つたよう
でありまするが、現在その
方面
へ政黨代表が出ておるかどうか、その構成が
實際
に
運用
をされておりますかどうか、その點私寡聞にして知らぬのでありますが、
最初
にお答えをいただきたいと思います。
笹山忠夫
36
○
笹山忠夫
君 お答えいたします。ただいま
お話
のように衆議院議員九名の方から成立ちます
持株會社整理委員會
監査
委員會
というものが、昨年來あ
つたの
であります。今年の春總選擧のときにお顔振れが大分變
つたの
であります。それと同時にこれは私よりも、あるいは佐多さんから御
説明
を願う方が的確な御
説明
ができると思いますが、
國會
法の
關係
で、そうい
つた
國會
外にある
委員會
制度というものが認められなくな
つた
というふうに私聞いております。そうい
つた
關係
で監査
委員會
委員
の方の何名かの方は再選せられませんでした。相當數が減
つた
わけですが、殘
つた
方も、その監査
委員會
そのものが法的にそのままでは存在しにくい形にな
つたよう
に伺
つて
おります。そうい
つた
關係
で實はその後空任の形にな
つて
おるのです。私
ども
としては至急官房長官その他にお願いして、
國會
の承認を得られれば監査
委員會
の
委員
の任命ということは、あるいはおできになるのではなかろうかというふうに
考え
られます。
國會
の承認を經た上でその監査
委員會
をひ
とつ
ぜひ一日も早く御復活願いたいということは、幾度もお願い申してお
つたの
でありますが、そのうち排除
法案
の
問題等
が起りまして、いろいろその邊についてのいくらか
政府
のお
考え
も、あるいは變
つて
きたのではないかと
思つて
おるのでありますが、
實情
はそんなぐあいで、ただいまのところは今年の
春以來
、
事實
上なしでや
つて
おります。それは私
ども
非常に遺憾に
思つて
おります。
井出一太郎
37
○井出
委員
關連しておりますから、
政府
當局の御見解をお伺いします。
佐多忠隆
38
○佐多
政府委員
お答えいたします。
持株會社整理委員會
にありました
持株會社
整理
監査
委員會
は、今
説明
がありましたように、
國會
議員をも
つて
構成されておるのでありますが、これは
持株會社整理委員會
が、大體
内閣
總理大臣の所管に屬することになりまして、一つの
政府
の代理
機關
という形になりますので、それ自體が一つの行政
機關
的な性質になることになります。これについては今まで若干曖昧な點がございましたが、今度
持株會社整理委員會
令の改正案をさらに御審議願
つて
、そこで明瞭に決定していただきたいと思うのでありますが、そういうふうになりますと、それに附屬する
整理
監査
委員會
というようなものを
國會
の
代表者
が構成するということは、行政と立法との混淆になるという
意味
で、今度の改正案におきましては
整理
監査
委員會
は廢止するということにいたしたいと
思つて
おるのであります。從いまして、そうすると
國會
との
關係
がどうなるかという問題になりますが、その場合には
國會
は直接に
内閣
總理大臣の監督に屬している
機關
を、總理大臣についての審査、監査という形において、
國會
自體で審議していただくということになると思います。さらにもう一點、不足經資を豫算によ
つて
國庫から支辨いたすことになりますので、そういう豫算の問題を通じて、さらに監査あるいは審査をしていただくという形になると思いますので、
國會
と
委員會
との
關係
は、今後そういうふうに改まるものと御
承知
を願いたい。
井出一太郎
39
○井出
委員
その點でありますが、これは確かに立法と行政の混淆というふうなむずかしい問題が出てまいると思いますけれ
ども
、例の私的
獨占禁止法
の中における公正取引
委員會
の例ののように、たとえば
持株會社
整理
委員
がその任免にあた
つて
は衆議院の同意を要する、ないしはその施行状況に對して毎年
國會
に報告をするとか、
ちようど
公正取引
委員會
と同じような内容を、近く改正されるであろうと今おつしやる特株
會社
整理
委員會
令の中に盛りこむような御意思がおありになるかどうか、この一點をお伺いしたい。
佐多忠隆
40
○佐多
政府委員
委員
の任免につきましては、公正取引
委員會
の場合とは別に
考え
ておりまして、單に
内閣
總理大臣が任免を行うということに
從來
な
つて
おりますが、今後もそういうふうに繼續したいというつもりでおります。それから報告につきましては、
内閣
總理大臣にいろいろな業務報告なり、會計報告なりをしなければならないことにな
つて
おりますので、その報告を通じて、
國會
の方で十分御審議願いたいというふうに
考え
ております。
今澄勇
41
○
今澄
委員
最後に少し
笹山
さんにお伺いしたいのでありますが、
集中排除法
による
企業
の再
編成
とか、あるいは新しく財界人の追放をま
つて
、重要
企業
の人事が刷新されるというような問題が、當面の
經濟
界としてはひとしく注目しておる大問題であるということは言うをまたないところであります。とろこがこうした問題がなかなか早くきまらない、しかも
産業
經濟
の合理的再
編成
とは言うけれ
ども
、次ぎ次ぎとこうしたものが現われるということは、眞に
日本
の
産業
の復興を願うものにと
つて
は、いささか
考え
させられる節もある。そこで私特株
會社
整理
委員會
の
委員長
としては、今囘の場合
集中排除法
をも
つて
一應自主的にごらんにな
つて
、
日本
の
經濟
を合理化
編成
するには、この前の獨占禁止竝びに
企業再建整備
、今度の臨時
措置
として
集中排除法
が出ましたが、これをも
つて
絶對に仕上げができるというお
考え
がございますか、まだなおこの次にもいろいろやらなければ完璧にはならないというような御
意見
でございますか、そこのところを
ちよ
つとお伺いしたいと思います。
笹山忠夫
42
○
笹山忠夫
君 ただいまの御質問は、私
ども
整理
委員會
だけの力では負えない大きい範圍にまで及んでおるわけであります。その點
ちよ
つとお答えに困るのでありまするが、しかし復興のための
企業
會社
の經理面の
措置
は、
再建整備
法で完了するわけです。
企業
面の方の
措置
は今度の
法案
で大體完了するのでありますが、それから一方恆久的な
措置
としては、すでに
獨占禁止法
が制定されております。大體この邊でやまが見えているのではないかという氣がいたします。これは私の單純な個人的な氣持ではありますが……。
今澄勇
43
○
今澄
委員
今の
お話
を承りまして非常に安堵いたしたのでありますが、特株
會社
整理
委員會
の
委員長
としては、少くとも
日本
の
産業
經濟
の合理的な再
編成
とは言いながら、そうい
つた
自信のある態度でも
つて
これに臨まれて、なお次ぎ次ぎとそうい
つたよう
なことをしなければならぬというようなことのないように、ひ
とつ
腹をしめてや
つて
いただきたいということを希望するとともに、いまひ
とつ
具體的
な問題でありますが、先ほどの御
説明
の、化學工業が有機的な關連の上に立
つて
おるので、一つの大きな
企業
であ
つて
も、有機的な
關連性
を重んじて、それを
分割
するということはしないという
お話
でございましたが、まことに結構だと思います。
具體的
に申し上げましても、三井化學の大牟田工場であるとか、あるいは三菱化成の黒崎の工場であるとか、朝日化成の延岡の工場であるとかいうものは、まことに一見厖大な工場組織のようでありますけれ
ども
、化學工業の特質の上に立
つて
これを眺めると、これは決してこれを
分割
して成り立ち得る
企業
でないということは、われわれ素人といえ
ども
大體わかるのであります。こうい
つたよう
な工場に對しては、
委員長
としては、個人的な見解で結構ですが、どういうふうな態度でお臨みになるのですか、併せてお伺いしたいと思います。
笹山忠夫
44
○
笹山忠夫
君 ただいま御質問の
具體的
な工場についての
考え
は、これは
ちよ
つともまだ今日私個人的立場においても申し上げる
段階
に立ち至
つて
いないと思います。ただ先ほど申し上げましたように、化學工業等は非常にそこに斷ちがたい
關連性
のあるような場合が多々あるわけです。そういう點は十分に考慮する。しかしかりに同じ敷地内にあ
つて
も、二つにわけられるものも中にはあるかと思います。しかしそれはわけることに非常にそこに不合理があればそういうことはされないと思います。同一工場で敷地が同じだと、必ずしもそれは絶對にわけないというものではなかろうと思います。しかしそうい
つた
ことは抽象的には
ちよ
つと論ぜられぬ問題でございまして、
個々
の
實情
についてよく檢討してむりのない
措置
を講じていきたいと
思つて
おります。
林大作
45
○林(大)
委員
笹山
さんにお尋ねいたしますが、この
法律
の第一條に明らかなるごとく、この
法律
は
日本
の
經濟
の平和化ということと民主化、この二つをねら
つて
おります。今日まで新聞紙上などで
委員長
の御
意見
を伺
つて
おりますと、いわゆる民主化のうちの細分化という點に非常に注意を排
つて
おられるのであります。そうして
日本
の
經濟
を一つのスタートラインにそろえて、
自由競爭
をさすという形の再
編成
ということを
中心
に
考え
ておられるようでありますが、私の見るところでは
日本
の
經濟
にとりましては、民主化よりもむしろ平和化の方が必要であろうと思うのであります。何となればアメリカのごとき大
企業
に比べまして、
日本
の
企業
をこれ以上細分化するとかいう
方面
の民主化の方は、むしろあまり勉強していただかなくてもいいのであ
つて
、平和化の方、武装國家として再び起ち得ないような方向、すなわち第一條の一番初めに書いてありまする平和的な再建ということに、重心をおいていただかなければならないと思うのであります。なおかつ民主化の方にも御
承知
のごとく二つの行き方があると思うのであります。一つは將來平和に支障のあるような
産業
を細分化することはよろしゆうございます。しかしながら
日本
の國民の幸福のために、また今の苦しい
實情
から一時でも早く逃れるために、
生産
を落してはならないと思うのであります。その
意味
において細分化するよりも、殊に公共的な
事業
に
關係
したものにつきましては、いわゆる社會化すると申しますか、第十七條で排除されるような方向にも
つて
いくことが、私は
ほんとう
であらうと思うのであります。その
意味
においてあくまで私は民主化にも
方法
が二つあり、そのうちの最も悪い、つまらない方向に力を注いでいかれないで、できることなら民主化のうちでもいわゆる社會化していく、公共
事業
の一つの
經濟
體としてそのまま殘していくような線をひ
とつ
ねら
つて
いただきたいということ、なおその上、今申し上げる民主化よりも平和化の方に力を注いで、そこでなるべく問題を小範圍に食い止めていただきたいということを私は
考え
るのであります。それらに關する忌憚ない御
意見
を承りたいと思うのであります。
笹山忠夫
46
○
笹山忠夫
君 お答えいたします。先ほ
ども
申し上げましたように、いたずらに細分化するということではないと思うのであります。ある一つの
事業
の中の、ある規模以上大き過ぎるもの、それをほば普通の規模のものに平準化するということだと思います。
企業
の
あり方
がそういう形になる方が、一つの
事業
の中でも大きい
企業結合體
がある状態よりも、
日本
の
經濟
の
あり方
が平和的になる、
簡單
に戰爭に突入するとい
つたよう
なことがなくなるのではないかということが、この
法案
に織りこまれておる精神だと
考え
ております。それから
自由競爭
とい
つたよう
なものが公正に取行われることが、大衆の利益を増進することになるのではないか、そうい
つた
状態をねら
つて
おるのだと
考え
られます。 それから社會化の問題でありますが、別にこの
法案
は社會化とい
つた
問題を排除しているわけでも何でもないと思います。それはそれとして別個に、並行的に
考え
られていい問題ではないかと思います。ただここで取上げられておるのは、そういう大きい
企業結合體
が、あるごく一部の限られた少數者によ
つて
獨占せられ、大衆の利益に合致しない、そういう状態を崩そう。そうして民主化を促進させようというところにあると思います。別にそれによ
つて
社會化を排除するのだとい
つたよう
なことではないと
考え
ております。
林大作
47
○林(大)
委員
今の御
説明
によりますと、大きい
企業
は平和的なものでないというような印象を受けるのでありまするが、これは判斷の基準でございまして、民主化する、すなわち細分化するというような
考え
方と、武装國家に再びならないという平和化の
方面
とは、判斷の基準がま
つた
く違うと思うのであります。あなたは大きければ、戰争に
關係
があるようにお
考え
になるというような點がうかがわれまするが私はいくら大きくても平和的に貢獻し得るものはいいのであろうというふうに
考え
たいのであります。どうかひ
とつ
そういうふうにお
考え
願いたいということと、それからもう一つは今の社會化の問題でありまするが、平和的な再建をするという
意味
の中には、社會化の問題も、あなたの將來擔當していただくお
仕事
の中に十分にはい
つて
おる問題である。そうして十分に織りこんで
考え
ていただかなければ、まず
解體
すればいいのだというのでほぐしてしま
つて
から、これは社會化の方がいいのだと、また集めるようなことがないように、ひ
とつ
十分あなたの將來のお
仕事
の一
部分
として、その邊を明確な観念をも
つて
進んでいただきたい、こういうことを希望するのであります。
中崎敏
48
○中崎
委員
一點だけお伺いいたします。獨占的な性質をも
つて
おるというのか、あるいは業界に支配力をも
つて
おるというような
企業
が、本
法案
によ
つて
排除されるという建前になるようですが、かりにそうしたものを再編しまして、小さいものにしていく。その場合において公正自由な取引ということが建前になりますから、その結果また再び大きなものが出てくるということは自然
考え
られるわけですが、こういうふうなものに對しては、本法とどういうふうな
關係
があるのか、將來そういうものはなりほうだいにな
つて
もいいのかどうかということについてお伺いいたします。
笹山忠夫
49
○
笹山忠夫
君 お答えいたします。この
法案
自體ではそこまで
考え
ておりませんが、
獨占禁止法
の方では公正な競争は許されておるわけです。ただそれがふたたびまた公共の利益に反するほど大きい力にな
つて
、獨占的な支配力をもつようなことにな
つて
は、その場合はいけないというので、あの
事業
能力の較差ということがありますが、
獨占禁止法
の方で、あの
事業
能力の較差ということに觸れない限りおいては、そこで取上げられるようにならない限りにおいては、今度は公正なる競争のもとに大きくなることは許されるであろう、こう
考え
ております。
伊藤卯四郎
50
○
伊藤委員長
ほかに……。
櫻内義雄
51
○櫻内
委員
すでに質問があ
つた
かとも思うのでありますが、私遲れてまいりましたので、
ちよ
つと重要なことなのでお尋ねしたいのであります。今ここに手もとに再
編成
の基準要旨というものが、渡されておるのでありますが、この基準要旨というものを一暼しておりまして、いろいろと疑問があるのであります。しかしながら今日はその一々についてお尋ねする餘裕もないと思いますので、この特殊
會社
整利
委員會
におきましては、ここに渡された基準要旨のような
考え
方をされるのであるかどうか、またこの基準要旨というものは、
經濟
安定本部
の書きおろしになるように思われますが、これについては
委員長
はよく御
承知
であ
つたの
かどうか。この點をお尋ねしたい。
笹山忠夫
52
○
笹山忠夫
君 お答えいたします。この基準要旨は私も
承知
しておりますが、要するにやはり一つ大きなよりどころとい
つた
程度
のものでありまして、何しろあらゆる
産業
を相手にして基準というものをこしらえるわけでありますから、非常に抽象的な點が多くなるのであります。また中には
具體的
なことをい
つて
おる點については、それを極端にこの通りにやると、先般からたびたび御質問もあ
つたよう
に、非常に細分化されるというようなことになるのじやないかという懸念が起りやすいと思います。しかしこれは要するにありとあらゆる
産業
を
對象
とした場合の、一つの原則的な大きいよりどころというのにすぎないのでありまして、
實際
の
運用
の場合は
個々
の
實情
を十分勘案して、大體こうい
つた
ことを頭において
考え
ていくわけでありますが、その
運用
は十分彈力性をもたせてやり、これに固執しないという
考え
方でおります。そうい
つた
點をひ
とつ
お含みおきで、ごらんを願
つた
らよろしいのではないかと思います。
櫻内義雄
53
○櫻内
委員
委員長
の今のお答えによりまして、この基準要旨が少くとも相當
整理
委員會
の御意向も反映しておるように受取れるのであります。そこで私はもう少しこれを詳細に檢討いたしますが、私が今一暼した間におきましては、これはたいへん重要な點があるということを
考え
ておりますので、
笹山委員長
に對する質問は私は保留しておきたいと思います。
伊藤卯四郎
54
○
伊藤委員長
櫻内さん、
笹山
さんはきよう
懇談會
の方に特に御出席願いましたので、あとお呼びできるかどうかはわかりませんから……。
中崎敏
55
○中崎
委員
必要である場合は出てもら
つて
もいいわけでしよう。
伊藤卯四郎
56
○伊藤
委員
そのこともできますけれ
ども
、できればきようなるべく
笹山
さんに關する限りは
質疑
をしておいていただくと結構だと思います。
櫻内義雄
57
○櫻内
委員
委員長
の今のお言葉でありますが、この内容は相當
具體的
なことが盛られておりますし、各
委員會
の
委員
のお方も、おそらくこれを詳細に檢討する場合においては、その
考え
方については大いに檢討しなければならない面があるというふうに、私は今一べつした間に思
つたの
であります。そこで質問を保留したい。こういう
考え
方では、私としてはどうも感心できない點を二、三認めておる。しかし單にここで拜見してすぐそれについて反駁するというような輕卒な態度をとりたくないので、質問を保留したい、こう申し上げておるのでありまして、今後におきまして
委員會
の必要によ
つて
は、
笹山委員長
の御出席を私は求めたい、こう思うのであります。
伊藤卯四郎
58
○
伊藤委員長
承知
しました。それではいずれ
理事
の各位と御
相談
いたしまして、必要に應じてまた
笹山委員長
に御出席していただくことにいたします。 きようはこの
程度
でいかがでしよう。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
伊藤卯四郎
59
○
伊藤委員長
それではこの際
委員長
といたしまして、
笹山
さんに一言御挨拶を申し上げます。本日は御多用のところを御出席いただきまして、貴重な御
意見
を御發表くださいまして、本
法案
審査の上に多大の參考にな
つた
ことを厚く感謝をいたします。 それではこれにて
懇談會
を閉じます。