○
前田榮之助君 この電氣税に關する
請願は、代表者は日本發送電株式會社の總裁大西英一君にな
つております。そのほか全國の九配電今社の代表者からの
請願でございます。しかし私は特に申し上げておきたいの、これは日發その他の電會社の代表者が、その事業を代表して
請願しておるのみならず、衆議院電氣
委員會において、いろいろ取扱
つてみました經過によりまして申し上げますと、電氣
産業勞働組合からも、この電氣税反對の陳情を受けており、また全國の電氣事業家、工事事業家からの反對も出ております。なお國民運動として最近展開されつつありますところの、電氣の各縣都市の協議會等においては、至るところにこの電氣税反對の聲を聞いておるのであります。かような國民的な聲のもとに電氣税の撤廢がなぜ叫ばれておるかということを、ひとつ
委員會におきましても、
政府當局におきましても御了解を得たいのであります。電氣税は私が申すまでもなく戰時中、昭和十七年に國税として戰費調達の目的をも
つて課せられたことがあるのでありますが、終戰後、二十一年にこれは廢止にな
つておるのでございます。電氣は衆議院におきましても、過般の電力危機突破の決議が本
會議で通過し、またその後いろいろ電氣に關する自由討議が行われて、
政府もこの十一月十四日の閣議において電氣の問題を議せられておりまするが、わが國
産業中の最も重點的に
考えられてお
つた石炭同樣に、重要なる
産業であることを認められておるのでございます。しかしこの電氣税は國税を廢止されまして後に、地方税として廣島、岡山、その他の數府縣において、地方財源を求めておるのでございます。しかしこれを
政府當局が認可されておるのでございます。私はそこに
政府當局にも責任があると思うのでありますが、これが石炭同樣なる必要な基礎
産業であるということが、ほんとうに認識されておるならば、もし石炭に
税金をかけたならばどうなるかということを、ちよつとお
考えを願
つただけでもわかると思います。石炭のむしろ
税金をかけるところでなく、國が多大の費用を投じ、補給金等を出して
生産をさせておる。電氣は反對にその
産業へ餘分な
税金までおつかぶせてその
産業に對して重荷をかける。こういうような不合理があるべきはずはございません。なぜさようにな
つておるかということは、すなわち電氣という基礎
産業がいかに重大であるかというところに、認識の相違ができてきておるのじやないかと本員は想像するのでありますが、かようなことで日本の
産業の復興等はとうてい行われないと思うのであります。要するにかようなことで地方税にいたしましても
税金をかけますと、結局は大衆負擔の大衆
課税に轉稼されることでございまして、今日の千八百圓ベースが非常に問題にな
つておりますが、かようなことがめぐりめぐ
つて國民生活の壓迫となることも、これは當然なのでありまして、かような悪税を、地方税にいたしましても許可すべきものではないと思うのであります。なお電氣に關しましてこういう負擔がかけられることは、今日非常に困るという點をつぶさに申し上げたいのでありますが、時間がありませんから、そういうこと省略します。今日の電氣
産業が石炭
産業と比較いたしまして、石炭は非常に經濟的に採算が合わない。電氣はそれに
税金をかけるだけ餘力があるとお
考えになることは非常な誤りなのでありまして、この電氣に關しまして今もし新しい電源開發等によ
つて、今の
産業に力を入れようといたしますと、今計算されたる計算では、とうていできないのでございまして、そういう點等
はつぶさに
説明することは省略しますが、ひとつお
考えを願
つて、この
税金の問題に對して御考慮を願いたいと思うのであります。
電氣税の悪税であるという點もいろいろあげたいと思うのでございますが、ただ一、二だけを申し上げますと、電氣はすでに生活の中で最も重要なものであることは、今日の電氣の非常な危機に面しておる點から御了解できると思うのでございます。要するに石炭、米その他住宅、衣料等と同じように電氣はわれわれ國民生活に
必需品とな
つているのでございまして、これに
税金をかけるところではない。
政府がこれに
補助金とか、補給金とかいうものを加えてまでも助けねばならぬ事情であることは申すまでもないのでございますから、ただちにこの御許可にな
つている地方税等につきましては御考慮を願いたい。なお今後も各府縣から認可の申請があろうと思いますが、これは決して御許可にならぬように、ひとつ御配慮を願いたいのでございます。申し上げたいことは多くございますが、時間をお急ぎのようでございまいから、簡單に申し上げておきますが、どうか
委員會におきましてもこの點十分御考慮の上、御採擇をお願いするとともに、
政府當局にも十分この點に御賢察の上、電氣
課税の撤廢方をよろしくお願い申し上げる次第であります。