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和田國務大臣 御
意見拜聽いたしましたが、こういうふうに考えられはしないかと思うのでございます。
通貨量とそれから
通貨の安定自體に對する
對策といつたものとは、やはりそこに内面的な關係をも
つておるのでありまして、
通貨安定の
政策というものは、結局いわば
インフレーシヨンに對する
對策とな
つてくると思うのであります。
インフレーシヨンに對する
對策として、あなたのおつしやいますように、
通貨自身の安定ということ
——しかし
通貨自身の安定をはかるにしましても、そこにあなたのおつしやいますような、
日本のいろいろな
條件を考量した上での大體の
通貨の
限度をそこへおきまして、そうしてそれを確保することが
——これは私
通貨につきましてきわめて簡單な
學説をとるものではありませんが、しかしそこに、あなたのおつしやいますように、いろいろの
條件を考え上での、ある適正な
通貨の
發行限度というものをきめまして、それを確保していくことが、逆に言うと
生産と
通貨というものが、
經濟の面においては不可分な問題である限りにおいては、やはり私はそれが
通貨の
安定策になろうかと思うのであります。それと同時に、やはり内面的に、
生産面において、
配給面において、あるいは
通貨自體の
蓄積において、そういう總合的な
政策をやることによ
つて、また
通貨自身が安定してくるという面と、兩方私はあろうかと思うのでありまして、
通貨の
政策は、
通貨面だけの
政策として考えられます面と同時に、それだけとしては考えられない面と、兩方あると思うのでありまして、御
意見の中にもそれは、
はつきりと現われてお
つたのではないか、そういうふうに拜聽いたしました。それで、これを置く前に、この
國會を
中心にしてそういう
委員會を置いたらどうかという
お話でありますが、これはやはり、この
財政金融の
委員會におかれまして、
通貨安定の
問題等につきまして十分いろいろな角度から御
檢討願いますことは、われわれとしても望むところでありますが、ただそういうものを
中心にした
委員會をつくるとかどうとかいうことは、今のところではできないのであります。この
國會議員の方を
政府の
委員會の中の
委員にな
つてもらうということは、立法と行政を
はつきりと區別する
建前に立
つております以上、なかなかできない
事柄でありまして、そういう點について
一つの
委員會をおくことは實際は困難だと思うのであります。しかし
財政金融の
委員會等におかれまして、皆
樣方が
ほんとうの安定に關して十分な御
檢討なり、いろいろの
りつぱな案をお出し願うことができますれば、それはわれわれ
政府としても非常に參考になると思うのでありますが、そういう
一つの別のものを加えて、それを
中心にした
委員會をつくるということは、實際問題としてはできにくいのではないかと考えております。そこで、
お話のように、
政府といたしましては、
通貨の安定自體に對するいろいろの總合
政策をやりますと同時に、これが非常に遲れました點につきましては、
西村委員のおつしやいますように考えますが、やはりここに
通貨自體の
發行限度というものについての
檢討をもしてもらう
委員會を至急おきまして、これがあまり時期遲れにならないように實はわれわれとしてはいたしたい、かように考えた次第でございます。