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田中(角)
委員 今村君の質問とちよつとダブるところがあるかもわかりませんが、内
閣總理大臣に御質問申し上げたいのでございます。
私は土木建築業者でございまして、しかも建設省の設置に對しましては、過去十年間を通じまして設置持論者であります。なぜ建設省をつくらねばならなければならぬかということは、今さら申し上げるまでもなく、わが國の建築行政が多岐にわた
つておりますために、非常にわが國再建を阻害しておるということは、總理大臣もお認めにな
つておると思います。その一例といたしましては、終戰後に最も大きな事業として取上げられた事業の中に、特別建設
工事があります。すなわち
進駐軍に關する渉外
工事であります。この渉外
工事に對しましては、一部におきまして、終戰後にインフレを助長したものは土木建築業者であるというようなことも、まことしやかに流布されておりますが、この土木建築業者に流された金の量は實に厖大なものであります。しかし、なぜそのようなうわさを立て、そのようなことを言われなければならないかということは、すなわち一にかか
つてわが國の建設行政が多岐であつたという一言に尽きるのであります。それは、御承知の
通り、あの厖大なる渉外
工事を、ほとんど全部終戰後一年有半にわた
つて、外務省の所管に屬して
工事が遂行されたのであります。しかも外務省に所管された
工事が非常に結果がよろしくないというので、現在の戰災復興院がつくられ、その中に包含され、しかも各省にまたが
つておるというので、現在の特別調達廳ができたのであります。特別調達廳の存續理由は、もちろん司令部の御要請によ
つてできたのでありますが、あの要求の根本は何であるかと申しますと、日本の建設行政があまりにも多岐にわた
つてある、これを一元化されなければ渉外
工事に對して完璧を期し得ないというので、こういう特別調達廳ができたのであります。その事實を考えましても、私は、敗戰後における日本において、建設行政は一元化されなければならないと思う。しかも與党であるところの社會黨にしても、民主党、國民共同党といたしましても、組閣當時は建設省をぜひつくらなければならないということを考えておりました。しかも七月内務省解體に伴う
建設院の案ができましたときに、西尾長官その他の閣僚の皆様に御
出席を願いまして、いろいろお話申し上げたときに、内務省の解體は九月三十日までにやらなければならないために、時間的に間に合わないのだ社會党も民主党も國民共同党も、全部あげて建設省にしたいのではあるが、時間的に間に合わないのだ、だから來
議會には必ず提案するということを、はつきり西尾長官が御
説明にな
つておるのでありますし、私たちも、現在十二月九日までしかない會期に對して、十二月二日にな
つてなぜこういう重大な法案を出してきたかということを難詰したいのでありますが、現に出てきておる以上、なぜ早く出さなかつたかということを問う前に、まず十二月の通常
國會に建設省案が
政府から出されるのだということを前提として、私はこの
建設院案を一時通さなければならないということを考えてお
つたのでありますが、先ほど今村君の御質問に對して、當分の間
建設院でやるのだ、しかも
建設院をつくつた以上、そうそうねこの目のように変ることはできない。まずこれで實績をあげて、しかるのちによくなかつたら建設省をつくるというようなお話であると、ちよつと私たちの考えも根本的に変わ
つてこなければならないのではないかというふうに考えるのであります。しかも、當時は行政整理、いわゆる農林省の開拓局、商工省の電力局、運輸省の港湾局、あらゆる省にまたが
つておりまするために、これを一挙にやるということは、各内閣がや
つてきたのであるが、この行政機構の改革という問題を取上げ得る内閣は過去にもなかつた、しかもこれが内閣の命取りになるのだ、このような重大な問題であるから、行政機構の大改革を今や
つてるから、近くこれができ上つたときには、當然建設省ができるという齋藤國務相の御答辯でもあ
つたのでありますが、この行政整理という問題は現在どの程度まで内閣において進めておられるのでありましようか。しかも、行政整理という問題は、私が申し上げるまでもなく、日本を再建する唯一の途であると私は感じておるのであります。しかも、内務省の解體に伴いまして、次には司法省の解體ということを聞き及びまするので、大體現内閣は示唆があ
つてから常にそういうことをや
つておられるというふうにかんがえられるのでありますが…。