○江下
説明員 第一點の御
質問は、國家としての失業對策をいかに
考えていくかという御
質問のようにお聽きいたしました。この失業對策の問題は非常に大きな問題でありまして、もちろん根本的にこの對策を
考えなければならない時期に立ち至
つておると私ども
考えておるのであります。ただ御承知のように、現在の日本
生産状況では、すべての人が十分納得のいく職を得るということは非常に困難であります。結局大きくは
生産の
復興ということにかか
つておると私ども思
つております。この點につきましては、
關係省におかれまして十分現在御
考慮願
つておることでありまするし、勞働省といたしましても、そういう方面の推進にいろいろ努めておる次第でございます。しかしながら當面の問題といたしまして失業者が職を求めておるのでありますが、これを何とかよい
就職の機會を與えようという目的のために、私どもといたしましては、過般本議會で通過いたしました
職業安定法の十分なる活用によりまして、
政府の設けました
職業安定所を
中心といたしまして、
從來の動員的の色彩を拂拭いたしまして、あくまでもサービス機關として
國民に奉仕するということにして、萬分の一にも役立つようにしてまいりたいと思
つております。それから御承知のことと思いますが、公共事業というものがございまして、これは主として土建あるいは農地の開墾というような面でございますが、これにつきましても相當の豫算を計上いたしまして、失業者の救濟に充てておるわけでございます。さらに事務的な失業者に對しましては、それに相應な事務的な失業救濟事業、これも豫算は十分ではございませんが、いくらか計上いたしまして、臨機應變に失業者の救濟に當
つておるわけでございます。しかしながら、先ほども申し上げたように、現在の經濟の
状態では、何と申しましても、みんなに十分の職を與えるということは困難でございます。從いまして私どもといたしましては、これも過般この
國會を通過いたしました失業保險法、失業手當法、これは失業政濟という
意味ではもちろんございません。これは次の
就職の機會までの最低
生活を保障するという
意味でございますが、これによりまして
最後のよりどころをつくるということで進んでおります。そういたしても、何しろ時局は刻々と迫
つてまいりますし、失業者の救濟は非常に私ども困難に思
つておりますけれども、われわれのも
つております機能を十分發揮しまして、とにかく一人でもよけい
就職ができるように努力してまいるつもりでございます。
それから二番目の御
質問で、必須の
業務に從事する者というものの
範圍を緩和するつもりはないかという
お話でございました。これにつきましては、本法は大體從前の
ポツダム勅命の内容と同じに見受けられます。現在までの
運用におきましては、各府縣におきまして、
職業安定機關が十分市町村なり府縣と協力いたしまして、いかなるものを必須の
業務と認めるかということにつきまして細目をきめまして、それによ
つて必須に應じ、安定所長において證明を出す等のやり方で、この規定を
運用しておるように私聞いております。もちろん現在まで多少の問題はございましたけれども、大體これで
運用ができるものと、私どもは
考えておるわけでございます。
なお
最後にどのくらい
やみで
轉入した者があるかというその數字でございますが、これは實は私手もとにも
つておりませんので、あるいは
内務省方面で御
調査があるかもしれませんから、この
程度で終ります。