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堺田説明員 若松港はわが國の經濟再建の上におきまして重要なる地位を占めておりますことは言をまたぬところでありますが、現在のところ若松港は第二種重
要港灣ということにな
つております。この
港灣の港格を上げて第一種重
要港灣とする。なおまた國營といたしまして總合的な
計画に基く
施設の整備改善なり、あるいは運營をやるようにという
陳情の御要旨は承わりましたが、重
要港灣と申しますのは
修築上の見地から見た一つの港格であります。港の格につきましてはあるいは關税法の立場におきまする
開港場という問題もありまして、またただいま申し上げましたような
修築上の見地から見ました港格もいろいろあるわけであります。
運輸省といたしましては
港灣修築の面から見まして、港を第一種
港灣、第二種
港灣、その他
指定港灣というようにわけておるような次第であります。現在第一種重
要港灣として
指定せられておりますのは、御
承知のように横浜、神戸、關門、敦賀、この四港が第一種重
要港灣に
指定されてまい
つております。主としてこれは外國貿易港として國で直接
工事をやり、
施設を完備しなければならぬという見地から見まして、第一種重
要港灣に選定されてまい
つておるのであります。これは明治の時代に
指定されたのでありまして、その後いろいろ港の事情も変わ
つてまい
つております。特に戰後におきます港の使われ方、將來性というものに對しましては、私どもこの機會にもう一度再檢討して、今日の時世に副うような港格の選定をしなければならぬ。かように考えておる次第であります。ただいま議題に上りました若松港でございますが、これは外國貿易港ではありませんけれども、日本の産業經濟の再建の上におきまして、最も大切でありますところの九州炭の輸送の
關係におきまして、きわめて重要な役割を演じておりますし、また若松港を通しまする石炭以外の重要資材というものも、わが國の經濟再建上きわめて重要なるものがございまするので、
運輸省といたしましても、目下この重
要港灣の選定その他につきまして考究中でありますが、その際に若松港につきましても十分重要性を認めておりまして、できるだけ
陳情の御
趣旨に副いますように努力したい。かように考ておるのであります。なおただいま
お話のございました各種の
施設がばらばらに運營されており、それを總合的な
計画に基きまして、
施設の整備なり維持なり、あるいは運營をという
お話がございましたが、この點につきましては先ほど申し上げました港格の問題とは別な
方法で解決しなければならないと思いますので、この問題に關しては若松港のみならず、すべての
港灣につきまして、そういつたようなことができる
港灣法というような法制につきまして、目下研究を進めておりまするので、管理運營の總合一元化という點に關しましては、そうい
つた點において解決したいと、かように考えております。なお來年度の
豫算に關しましては、若松港の
浚渫ということが、最も大事な仕事だと考えられますので、その點については完全な水深がよくできまするように、ひとつ
豫算の點も考えてみたいと思いまして、目下主務省と折衝中であります。なおこの點について最も問題になりまするところの地元の負擔に關しましても、若松港がひとり地元の地方的な利益ばかりでなく、國全體の産業の再建に、石炭の輸送の上におきまして、きわめて大切な港であるという見地から、できるだけ地元負擔を軽くしたい。かように考えまして、その線に沿
つて目下
豫算折衝をいたしておるような次第であります。