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荒木委員長 本大牟田市は、元來三池炭田の豐富なる地下資源を背景として勃興した振興都市でありまして、終戦前までは重工業都市として、わが国工業界に寄與したるところ大なるものでありました。しかるに終戦後におきまして、これら諸工業の平和産業への転換いかんは、本市の将来を決定するものであり、ひいては本大牟田市将来に對して大なる關聯を有するものと思われましたが、さいわいにこれら諸工業の全部は急速に平和産業に転換しまして、しかも
現下緊要なる
食糧増産上の昼肥料及び生活必需品の生産に、また地か資源の石炭は國家再建の
木曽産業の重要資源として、一段の増産に邁進されている状況であります。
戦災による
被害は市街地中央の全域にわたつて壊滅的打撃を受けましたが、前述のように都市の
性格はまことに明確に把握され得るので、大なる
被害を受けましたものの、市民は熱烈なる復興意欲に燃え、著々と復興も
進捗しつつあります。かくのごとくいたしまして工業都市、炭都、港湾都市として、背後地帯との輸送連絡道路の完備は必然的に重要視されるところであります。すなはち年として背後
地域生産地帯よりの諸物資の搬入に、また都市生産品の他
地域への搬出路をもつて輸送の圓滑を期せらるることにより、産業経済上に受くる利益は大なるものであります。しかるに本市は南北に産業道路、府県道渡瀬大牟田線、大牟田高瀬線が縦貫していますが、東西すなわり背後地帯との連絡道路として、府県道三路線、手鎌南關線、三池南關線、庄山大牟田線のうち、後方主要生産地帯に通ずる路線としては、手鎌南關線をもつて主要路線と認められます。この府県道手釜南姜船は、大牟田市太鎌を起點として、熊本県南關町に至る延長約九四〇メートル餘でありまして、該路線の使命きわめて第であるにかかわらず、現状は白銀川の
河川堤防を兼用し、幅員狭小、屈曲甚だしく、また山間部に至つては、上内峠の前後役三五〇〇米餘の長い坂路がある上に、土質きわめて悪く、一朝降雨ともなれば、ほとんど車輛交通はもちろん、また歩行者ですら交通至難、むしろ交通杜絶の
状態であります。そのため後方生産地帯の林産物、農産物、薪炭類等の搬出また市内生産品、特に
食糧増産上の肥料搬出等、平常においても積載量の二分の一程度を辛うじて輸送できるような現状であり、また上内峠以東より、市内に通勤する産業
關係工場その他通勤者の不利不便は、きわめて甚大なものがあります。しかるに今や國家再建基礎産業復興上の石炭増産は、炭都である本市の重大使命でありまして、三千萬トン増産計畫の一〇%三百萬トンは三池炭田で擔うものと聞知しております。かかる要請に応ずるため、必要とする坑木、食糧、復興用資材等の生産品輸送上よりみまして、國家的重要産業路線であると申して得もあえて過言ではないと思われます。しかるに現在に道路
状態では、輸送能力きわめて低く、所要輸送量の二〇%程度を果すにすぎず、しかも県境より南關町を経て遠く山鹿町熊本市に至るまで、道路は完備しておりまして交通上さしたる難路がないにもかかわらず、これと連絡する福岡県内道路のみがかくのごとく悪条件のまま今日まで放置せられておりますことは、産業経済上いかに不利益をこうむつたことかと思考いたされます。今や産業復興に拍車をかけつつある現在のわが國であり、本市産業復興上の氏名の大なるに鑑みまして、本路線の
改修が國家的見地よりいかに重要であり、かつは緊急を要するかじは、明らかなるところでありまして、
改修結果は現在の輸送力を極度に引上げ、産業上の地益きわめて大なりと信ずる次第であります。従来とても右道路
改修方については一再ならず陳情申し上げたのでありますが、さいわいに
政府におかれては、
公共事業として産業復興に重點をおいた道路
改修の事業を企畫せられ、すでに一部は決定せられたと仄聞しますので、地元關計方面の
改修要望きわめて熱烈なるものがございまするので、十分にこの點を御考慮くださいまして、本
委員會におきましても十分なる御審議の上、ぜひ御採択を
お願い申し上げる次第であります。なお必要の計数等参考資料は
請願書に付属いたしておりますので、これらも御参考の上に、十分に御審査いただきまして、各
委員の御理解ある御審査を
お願い申し上げる次第であります。