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1947-10-21 第1回国会 衆議院 鉱工業委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十二年十月二十一日(火曜日)     午後一時三十四分開議  出席委員    委員長 伊藤卯四郎君    理事 大矢 省三君 理事 岡田 春夫君    理事 早川  崇君       今澄  勇君    松本 七郎君       村尾 薩男君    生越 三郎君       庄  忠人君    西田 隆男君       三好 竹勇君    有田 二郎君       深津玉一郎君    淵上房太郎君       山口六郎次君    前田 正男君       高倉 定助君  出席國務大臣         商 工 大 臣 水谷長三郎君  出席政府委員         石炭廳長官   菅 禮之助君         石炭廳次長   吉田悌二郎君         商工事務官   平井富三郎君         商工事務官   石坂善五郎君  委員外出席者         商工事務官   千葉 弘毅君         專門調査員   谷崎  明君     ————————————— 本日の會議に付した事件  臨時石炭鑛業管理法案内閣提出)(第六四  號)     —————————————
  2. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 これより會議を開きます。  前會に引續き臨時石炭鑛業管理法案を議題とし、質疑を繼續いたします。淵上房太郎君。
  3. 淵上房太郎

    淵上委員 商工大臣は現内閣の重鎭であらせられますし、しかして今の日本の重要なる時期の閣僚でいられますので、おそらくイギリスアメリカにおいて論議されている大きな問題は、よく御存じであろうと思います。われわれ寡聞にしてあまり存じませんが、いろいろ多少耳にはいるのであります。今日はまずそういう方面のことにつきまして、私ども耳にはいつていることを申し上げまして、大臣の御所見を伺いたのでございます。  この間ロスアンゼルス、タイムスにこういうのが出ておつたようであります。ジョージという人が書いているのであります。イギリス炭鑛國營に關しての問題でありまして、炭鑛國營運營機關である全國石炭委員會ができて以来、厖大なる官僚主義が確立した。そのために中央の要請がつるはしの先まで徹底するがためには、三週間ないし四週間を必要とした。さきにイギリスにおきましてヨークシアの勞働爭議のとき、アトリー首相石炭増産要請するのに、石炭委員會では手がつかないものだから、結局全國炭鑛組合に一々出掛けて行つて政府要請を申し入れた。組合員の一人々々にそれが知れ渡るまでには、四週間かかつたというようなことを書いておつたのであります。厖大なる官僚主義が確立された。それがためになかなか機構が複雑になつて能率が上らないというようなことを書いているのであります。先般来から私の申しております、ほかの方も申しておられたのでありますが、提出されております石炭鑛業管理法案が、どうも官僚統制に復歸するのではないか。あるいはしいいろいろな機構ができるのではないかという點が憂えられているのであります。今のロスアンゼルス・タイムスのジョージという人の意見なんかも、非常にわれわれは他山の石として参考になると考えているのであります。これに關連しまして、もう一つ九月二十日、ちようど一月前のアメリカのあるビレッテンがきているのであります。大臣のことですから、すでに早くごらんになつていることだと思いますが、おそらくこういうようなのは太平洋を渡つてきた紙きれだろうと思いますが、ちよつと一應申し上げまして、御所見を伺いたいと思うのであります。それはナシヨナル・コール・アソシエーシヨン、國民石炭協會とでも申しますが、こういうことを書いてあるのであります。進歩的思想を採用して自由企業制にとつて代つた失敗が、英國をして今日の破滅の關頭に導いたのであるということは何人も熟知しているところである。炭鑛業のごとき公共的企業政府圓滿にやつていけるという社會主義思想を取上げた失敗英國が今日惱んでいるのだ、炭鑛新聞は最近において英國の現状を評して言うには、イギリス炭鑛夫は、炭鑛業國營勞働條件が改善するのだといつてだまされてきているのだ。さらに附言して曰く、國營の實現によつて經濟活動より政治活動に野望をもつてつた勞働指導者たちは、英國の勞働者をだまして、社會主義的政治活動が、この勞働條件の改善を解決するのでというようにだましてきている。さらに書いてあるのは、炭鑛國營石炭業のがんを救濟するという誤つた思想が、英國歴史上の最大の悲劇である。今日のイギリス炭鑛法は、何人も國營國家的危機に頭をぶつつけたのだということに、皆目覺めねばいかぬ。なおさらに書いてあるのでありますが、イギリスでは、石炭鑛業の今日のこの重大危機き見て、官僚統制復活ができそうだとほくそ笑んで待ち構えておる者もあるのだ、要するに問題の解決は、鑛夫が一生懸命働いて、消費者石炭を敏速に届ける以外に方法はないのだ、國營とか國管とか、アメリカ人としては論ずる必要も全然ないのだというようなことを書いてあるのであります。これは大いに他山の石として、われわれも研究しなければならぬと思うのでありますが、先ほど申しますように、日本再建のこの重大なるときに、商工大臣は特にこういう英國炭鑛國營に關するアメリカ國内における論議につきましては、お聞き及びのこととは存じまするが、一體こういうアメリカイギリス國營の問題に關する論議につきまして、商工大臣はいかなる御感想をもつておられるか、この機會にお伺いしたいと思うのであります。
  4. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 ただいまイギリス石炭企業形態に對してアメリカの側における批判として一、二お示しになりましたが、あるいはそういう批判も行われておるかもしれません。しかし最近イギリスから勞働黨竝びに保守黨議員が來まして、日本新聞記者との共同會見において、イギリス石炭國有國營ということに關して聽きましたときに、このイギリス石炭國有國營の功罪がはつきりわかるのは、やはりイギリスの經濟が安定する間の約二年はかかるのであつて、今これを論議するのは早いということを、勞働黨議員ではなしに、その反對派の保守黨議員の人が、日本におきまして新聞共同會見において述べておられたことを、新聞記事で聞いたのであります。さらにまた最近保守黨の會合において、前外務大臣のイーデンは、たとえ勞働黨内閣が倒れて保守黨内閣ができても、金融機關炭鑛業に對しては、勞働黨のこの經營形態をかえるつもりは絶對にないということを言うておることを、外國電報で聞いておるのでございます。キツプリングの詩に、東は東、西は西というのがございますが、それぞれの國において特殊の事情がございまして、日本はそういうような他國の例はあくまで他山の石としなければなりませんが、日本はまた日本の濁自の立場から、日本の現在の經濟事情のもとにおいて、中が一番石炭増産になるかという途を選ぶのが、これがわれわれの義務ではないか、このように考えております。
  5. 淵上房太郎

    淵上委員 次に資材のことをお伺いいたしたいのであります。昨日いただきまして資料、これにつきましては、また後でお伺いしますが、まず先般御配付いただきました資料につきまして、お尋ねいたしたいと思います。  御承知のように炭鑛資材は、毎期いろいろ表には上つておりますが、ずれこみが多いのであつて、われわれが毎日食べる食糧を一々配給を受けて食べるように割當があり、入手があるというようにいかぬということは、われわれもよく想像しておりますが、先般配付していただきました昭和二十一年度以降石炭部門主要資材當入手状況表、これに割當と書いてあります。石炭廳の方にお尋ねしたいのでありますが、この割當はどういう数字であるか、たとえば炭鑛向けと機械向け、つまり日立製作その他のああいう機械製作の工場にいくのが、安本で割當ててきておられるだろうと思いますが、そういうのがその割當数字の中にはいつておるかどうかということを、お尋ねいたします。
  6. 石坂善五郎

    石坂政府委員 ただいまの御質問でございますが、機械關係に移管する分もこの割當のうちにはいつております。それからこの割當と申しますのは、各炭鑛から要求があつたものにつきまして、石炭體竝びに商工局におきまして、最低これだけのものは必要だというふうに要求いたしましたものに對して、安定本部において割當てられておるのであります。
  7. 淵上房太郎

    淵上委員 わかりました。そうすると、たとえば銑鐵割當、これは二十二年度の第一・四半期でありますが、この割當が五千五百トンであつて入手が四千四百トン、このパーセンテージが八〇と書いておりますが、二十二年度の大體炭鑛の方で必要だという所要量は、第一・四半期は七千五百トンであつたのでありますが、この七百五百トンと入手の四千四百トン、これを比較しなければ、割當の五千五百トンと四千四百トンを比較して八〇%というのは、私はあまり意義をなさぬと思うのでありますが、いかがでありますか。
  8. 石坂善五郎

    石坂政府委員 實は割當入手との比較でありますが、この割當は第一・四半期割當でありますが、入手は大體前期の昨年度の第四・四半期割當分がずれこんで入手してまいつておる。こういう状況であります。それから炭鑛側要求に關しましては。實は相當厖大要求も現われておるのでありますが、私の方におきまして、過去数年來の出度トン當りの實績を檢討いたしまして、さらにそれに戰時中の濫堀に對する復舊關係というものも相當考慮に入れて、最低限度これくらい必要だろう、こういうことで割當をいたしておる状態であります。從いまして、炭鑛要求から考えますと、相當少い数字であろうかと考えられますが、さしあたつての三千萬トン生産に必要な所要資材は割り當てられておる。こういうふうに、私どもの方でも、石炭廳といたしましても、考えておるのであります。
  9. 淵上房太郎

    淵上委員 ずれこみのありますことは、先ほど私も申しました通りでありますが、この中には二十一年度の第三・四半期の分が大分ずれこんできておるのだろう。むしろそう思つておりますが、御承知のように、昨年の第四・四半期は、政府も非常な力こぶを入れてやつたために、相當入手量上つてつたものであります。昨年の十二月何日かに第一・四半期、第二・四半期入手量が非常に少いので、しかも特殊物件はだんだん少くなつてくるので非常に心細くなりまして、いわゆる經濟危機すなわち三月危機が唱えられたとき、十二月の末に、當時の内閣では、基礎物資需給計量というものをきめて、一切を石炭増産に振り向ける。そうして各生産業者、各官廳各團體ほとんど總動員的に、非常な馬力をかけたために、第四・四半期には相當な成績上つたように見受けているのであります。その代り第三・四半期分は、ほとんど空白になつた。第四・四半期成績上つたが、そのすれこみが、二十二年度の第一・四半期に大分あるのであります。私が今申しましたのは、割當入手パーセンテージをお出しになるところの表は無意味であつて割當石炭數量を堀り出すために、どれだけの資材が要るという所要量入手とを比較したパーセンテージでなければ、意義がないのではないか。その期間にすぐ入手があるというのではない。順繰り順繰りにずれこみがあるので、長い目で見れば、やはり何ほどかのパーセンテージがとられ得るわけです。そこでここに普通鋼材が二十二年度の第一・四半期には八八%と書いてありますけれども、その期の所要量とその期の入手量とを比較すれば、こういうパーセンデージよりもうんと低いのであります。しかもこの入手量石炭廳斡旋による入手量ばかりでなしに、待つても來ないから、すぐ間に合う手近かな方面から融通してもらうとか、あるいわやみ買いをするというようなことではいつた量が、相當あるだろうと思います。たとえば銑鐵の二十二年度の第一・四半期分八〇%と書いてありますけれども、七千五百萬トンに對して入手が四千五百萬トンで、五八%にしかなつていない。普通鋼材の方も、入手が一萬八千五百トンですが、所要量として二萬五千トンで、このパーセンテージは七四%であります。殊に鑄鐵管のごときは、九〇%と出ておりますが、所要量が千八百トンで、入手が五百トンで、二七%にすぎないのであります。こういうふうに、資材には非常に困つているわけですから、せつかく御提出くださる表ならば、もう少し親切な表をつくつて出していただきたいとお願いしたいのであります。  かくのごとく見ますと、資材入手というものは、非常に困難である。それには政府でもいろいろ御心配になつておるだろうと思いますが、豫算の御説明では、資金資材等生産要素の最も効率的に活用をはかることが、國管にする第三の理由になつております。今申しますように、政府でお出しになつておるパーセンテージに比べて、各品目において私の計算では非常にパーセンテージが低いのであります。今年度の生産状況をわれわれが考えましても、おそらく決してよくなつていない。だんだん資材入手が困難になつてくるのだ。かように想像する以外にないのであります。しかるに國家管理にする第三の理由として、そういうふうに生産所要素の最も効率的な活用をはかる。こういうふうに御説明があつて、この効率的利用というのは、どういうことをなされるのか。ない袖は振れるわけがない。とにかく手品でもやらなければ、普通の方法では、いくら言葉効率的利用と言われても、出るはずはないのであります。どういう趣旨で効率的な活用ということをおつしやつておられるのか。その趣旨をお伺いしたいと思います。
  10. 石坂善五郎

    石坂政府委員 いずれまた明日でも資料を配付いたしたいと考えておるのでありますが、炭鑛需要量に對する割當竝びに供給量につきますパーセンテージ、それと全供給力に對する需要量とのパーセンテージを作成いたしておりますので、それに關しまして御説明を申し上げますと、第一・四半期におきましては、銑鐵需要量は七千五百トン、これか炭鑛側からの要求であります。これに對しまして安定本部割當が五千五百トンてあります。從いましてその割當需要量との比較は七三%ということになつております。全供給力のうち、進駐軍關係のものを除外いたしました全産業用割當は二萬四千六百トンであります。從いまして、この全供給量に對しまする石炭部門あて割當は二二%、こういうふうに相なつております。これが第二・四半期におきましては、銑鐵需要量は五千九百トン、これに對して割當は五千トンであります。そして總供給力は二萬八千トンー從いまして全供給量に對する割當は一八%でありますし、炭鑛側要求に對する割當は八五%、こういう數字になつております。これが第三・四半期にまいりますと、炭鑛側要求が七千二百トン、これに對して割當が五千トンであります。總供給力は三萬八千三百トンということに相なつておりますので、割當と全供給量との比較は一三%であります。需要量に對する比較は七〇%つまり炭鑛側要望が七〇%割當てられておる。こういう状態になつております。いずれこの表を御覽んに入れたいと思いますが、他の産業比較しまして、相當量石炭關係割當を續けている。  それからもう一つ鑄鐵管に關しましてお話がありましたが、鑄鐵管供給力の九割が最重要部門向けに配當されております。殘りの一割が石炭關係に全量割當てられておる。こういう状態であります。しかしながら、先ほど御指摘に相なりました通りに、炭鑛側要望から考えますと、割當量は非常に少いのでありまして、何とかしてこれをカヴアーいたしたい。こういう考え鋼管をもつて取かえたい。できる限り鋼管をもつて代替いたしまして、どうしても鑄鐵管でなければ困るという部門にだけ使つてもらいたい。こういうことを、炭鑛側要請いたしております。炭鑛側からの要望は、一期大體三千五百トン程度であります。第二・四半期におきまして四千九百トン程度割當を受けまして、この要望との差額は、大體鑄鐵管代りに使つていただきたい。こういう意味で、鋼管を増配いたしております。  それからもう一つは、炭鑛側におきまして、かりに鋼材類考えますと、昭和五年から昭和二十年におきすま出炭トンあたり鋼材使用量、これは大體一キロ八百程度になつております。これは昭和二十一年度においては、割當が三キロ六十六グラム、それから二十二年度においては、二キロ七百六十六、こういう割當に相なつておりまして、出炭トン當りの使用量から申しまして、約五割程度増配いたしておる、こういう状態に相なつております。なおこのほかにおきまして、鋼材類等については、平均總數量において、二萬二千トン程度手持がありますので、できる限りその手持と、入手量、この二つを合わせて最優先的に使つてまいりたい、こういうふうに考えております。
  11. 淵上房太郎

    淵上委員 私が伺いましたのは率でないのであります。今詳細をお話になりましたが、私の計算したところでは、いずれお出しくださるでしようが、たとえば二十二年度の第一・四半期においては所要量入手量比較しますと、銑鐵は五八%しかはいつてない。普通鋼材は七四%しか入つてない。あるいは二次製品の中で、たとえば針金鐵線のごときは、四百トンの需要量に對して二百八十八トンしかはいつてない。七二%、亞鉛鐵板は六百五十トンの需要量に對して、三百八十一トン、五八%、鑄鐵管は先ほど申しますように千八百トン中五百トン、二七%であります。電線は千百二十七トンに對して、四百トンしかはいつてないから、わずかに三五%しかはいつてない、カーバイトのごときは、千五百トンに對して五百五十五トン、三七%、そういう状況でありますが、私今伺つたのは、豫算説明資材等生産要素の最も効率的な活用をはかるということは、どういう意味かということを聽いたのであります。今御答辯になりましたように、なかなか需要量に比べますと、非常に率が低い、割當量に對しても、ここに表に出ておる通りに非常に足りない。そういう足りないものを、最も効率的な活用をはかるということは、どういうふうになさるのか、どういう手品をなさるのかということを聽いておるのです。
  12. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 ただいまの御質問に對して、私からお答えいたします。そういうなけなしの底をたたいて、ほかの産業よりも比較にならない多くの資材を流したものが、はたして現實に山に流れていつておるかどうか、さらにまた流れていつておるところの資金資材が、はたして現實に正しく使われておるかどうかということを、はつきり掴んで、正しい方向に導いていくというのが、効率的に使うという意味と御了解を願いたいと思います。
  13. 淵上房太郎

    淵上委員 今大臣の御説明によりますれば、正しく流れておるかどうか、流れたものが正しく炭鑛に使われておるかどうか、これはどうも實におかしな話だと思うのであります。これは後ほどまたお尋ねするつもりでありましたが、今出ましたのでお尋ねいたします。一體今まで役所は何をされておるか。第一そういう關係業者をまた非常な疑いをもつて見られるということは、私はけしからぬ話だと思うのであります。この間も北海道生産の上らない理由について、西田委員から聽きましたときに、商工大臣の御答辯があつたのでありますが、これは四日の日であります。北海道では經營者、勞務者が資材資金が足りないと言つておる。ところが北海道には他の地方以上に資材資金は打ちこんでおるつもりであります。いかにこれが炭鑛入手されておるか、はつきりわからないから、調査して公表する、そんなに疑われておられるということは、まことに私はけしからぬ考え方じやないかと思つておるのでありますが、いずれにしましても、これはあとで聽きますが、物が非常に足りない、足りないのに、來年度三千三百萬トンの計畫でありますが、一體どうなさるのか、まつたく今の説明では納得いかぬのであります。どういう手品をしたら出るのか、國管理という法律を出したからといつて資材がないものから出るわけはないのであります。無から有を生ずるわけはないのであります。もう少し詳細なる説明を伺いたいと思います。幸いにこの次までに需要量入手量の表をつくつてくださるそうでありますから、その上でさらに重ねて質問することにいたします。  次にお尋ねしたいのでありますがマル炭制度であります。ただいま申しますように、昨年度におきましても、非常に資材が足りなかつた。しかしながら、しれにもかかわらず、各炭鑛では非常に苦心努力をしたために、資材が足りないながらも、相當の成績をあげてきておる。これは私はマル炭のお蔭である。かように思うのであります。本年度からは聞きますれば、監視員が各炭鑛に配置きれておるそうでありますが、このマル炭監視員監視のもとに、しかもさらに合理的合法的の制度考えるならば、私は必らず政府の知られない、服の届かない方面に、いろいろな資材があつて石炭増産に上に非常に有効に働き得るのじやないか。かように思うのであります。この監視員が配置されておれば、その先き先きで監視ができるはずであります。私は石炭増産ためにお役所任せの資材だけではいけない。やはり苦心經營しておつた炭鑛經營者が、その努力によつてこの合法的なマル炭制度によつて資材入手でき、從つて石炭増産できる。かように思うのであります。そういう意味合マル炭復活ということについて、もう一遍石炭廳としてはお考え直しする必要があるのではないか、かように思うのでありますが、商工大臣はいかにお考えになつておりますか。
  14. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 マル炭の問題に關しましては、私も現地へ参るたびに、いろいろ要望されるところでありまして、また地方の知事なども、こと制度を何とか復活活用したいというぐあいに言われておりまして、このマル炭制度に對しまして、ある一面の長所があるということは、私も認めるにやぶさかではございません。しかしながら、政府考えといたしますと、こういうマル炭制度復活するよりも、流通秩序の確立をいたしまして、そういうマル炭制度復活させなくても物が正しく流れるようにする方がいいじやないかという考えのもとに立つておりまして、今ただちにマル炭制度復活さすというようなことをお約束することまできませんし、また考えてもおりません。
  15. 淵上房太郎

    淵上委員 もう一つつておきたいのであります。これは總括的の問題でありますが、九州の方では、親方日の丸という言葉が昔からよく使われております。こちらの方はどうか知りませんが、國家管理になるということは、要するに關係者を安易な氣持にする、從つて責任感をだんだん薄くしてくるというおそれがあるのじやないか、かように私は思つておるのであります。隣りの物はなかなか良心があつてとらないが、お役所の便箋とか封筒は簡單に濫用しやすいものであります。國家管理にしますと、たとえば資材につきまして、資材經濟的有効利用という點につきまして、非常に注意が鈍つてきて、責任感が薄らいできて、自然浪費が行われることになると思うのであります。たとえば坑木につきましても、適する物を適所に適量に必要の限度に使うというような注意がなかなか届かぬのであります。一本で濟むところを、三本も使うということになつてくることは、結局資材浪費ということになるのであります。さなきだに足りない資材が、ますますそれがために枯渇拂底してくる。かような心配があるのであります。あるひはまた、從つて石炭生産費のごときも、だんだん高くなる、生産原價が高くなつてくる。これは物價の上る原因になることは、申すまでもないのでありますが、こういう點につきまして、商工大臣はどういうふうにお考えつておりますか、この點をお伺いしたいのであります。
  16. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 繰返し申しておりますように、このたびの國家管理法案というものは、何らの經營形態の變化でなく、あくまでも企業家責任というものは、前の通りであるのでございますがゆえに、決して仰せのように、親方日の丸ではございませんので、それはあくまでも企業家責任を負わなくてはならぬのであります。國營の場合ならば、あるいは一部そういうお言葉があてはまるかもしれませんが、このたびの法案の國家管理に關しましては、そういうような御批評は當らないのではないか、このように考えております。
  17. 淵上房太郎

    淵上委員 ただいまの御答辯、私はお言葉は聽きましたが、どうもそういう心配がなお解けないのでありますが、追及してもしかたないかと思いますから、次に移りましよう。  この間いただきました炭業公團に代るべき石炭増産對策要綱、この資材の點につきまして、先だつて一應お尋ねはしたのでありますが、重ねとお聽きしたいのであります。「資材の調達供給の圓滑化に關する對策、」これは、諸資材の指定生産、指定配給は現在はあまり密接な關連がないのであります。從つて一面にはまた實際の生産も需要のあるいは三〇%か、せいぜい五〇%しかできていない。いくらここにフリー・クーポン制度を使つても、ないものはなかなかはいるわけはないのであります。引續き切府の横流れもあろうし、殊に新坑の開發によりまして厖大資材が必要になつてくる。一面には輸出産業の問題も考えなければならぬ。輸出が殆まりますれば、資材もますます逼迫してくることは、申すまでもないのであります。しかるにここでは、政府みずから發注を調整するということになつております。その次にはまた「生産工場又は事業場の生産隘路の打開、資材炭鑛向出荷の把握及びその促進を政府みずから行う、」政府は例によつて、民間のエキスパートをどんどん起用していくと言われるであましようが、とうていこういうことがお役所の方にできるはずがない。物でもある場合ならばとにかく、たとえば鋼材そのものにつきましても、型、サイズが何百種類もありましようから、相當たくさんなものが各地に用意される、これを所在を一々知つていなければ、單に役所で需要と供給とつなぎ合わせてというくらいなことで、とても資材の供給ということはできるものじやない。私はかように思うのであります。ここに書いてありますが、「出荷の把握及びその促進を政府みずから行う」その前に「生産隘路の打開、」ということが書いてありますが、一體どういう具體的な方法でおやりになりますか、御説明願いたいと思います。
  18. 吉田悌二郎

    ○吉田政府委員 この生産ため資材を確保いたしますために、炭業公團を設けまして、この仕事を擔當せしむることを一應考えたのでありますが、公團制度全般の問題について、政府としてとりやめることになりましたので、やむを得ず、石炭廳に適當な職員を置きまして、その仕事を分擔させることを立案いたしたのがただいまお讀上げの案の内容であります。仕事のやり方といたしましては、石炭廳資材關係の職員を置きまして、發注する資材の全般の計畫を立てまして、これを個々のメーカーの方へ割當をいたします。そうしてその生産の進行の速度、進行の状況を、それぞれ地方商工局に擔當官をまた設けまして、督勵いたしまして、でき上つたものについては、出荷の指示をする。こういうことで、炭鑛用の機械なら機械と炭鑛とを結びつけていく、こういうふうな扱い方をいたしたいと考えております。なお、大きな炭鑛については、そういうことは手續は非常に簡單でありますが、中小の炭鑛にとりましては、直設の取引はたいへん困難であろうと考えるのでありまして、地方別に地方關係の共同購入組織をつくりまして、それと機械メーカーとを結びつける。こういうことにいたしたいと考えております。
  19. 淵上房太郎

    淵上委員 要するに結びつけたりつなぎ合わせたり、事務的にされるのでありましようが、それがお役所でできますかということです。殊に、今お答えがありませんでしたが、産生隘路の打開ということは、一體どういうことをなさるのか。ない資材を、底をはたいてもないものを、一體どう打開されるのか、その説明が今ありませんでしたが、どうなさるのか。
  20. 吉田悌二郎

    ○吉田政府委員 生産隘路はいろいろございますが、主として資材の點が一番困難な問題であろうと考えております。從つて、それにつきましては、その資材の擔當の各部局と部局とを連絡いたしまして、この資材のお世配をする、こういうことを考えております。なお資金等も同じく隘路の問題としてあげられると思いますが、これらの點も、石炭廳のそれぞれの係りにおいて、お世話できるものと考えております。
  21. 淵上房太郎

    淵上委員 どうも納得がいきませんけれども、何遍聽いても同じことしか言えないだろうと思いますから、次に、きのう配付いただきました五箇年計畫の御計畫についてお伺いいたします。この資材の問題を聽きますが、ここに上げてありますのでは、まず第一に普通鋼材をAとB、現在鑛と新鑛にわけてあります。合わせて普通鋼材が十三萬一千四百トンという見積りであります。これを二十一年度の入手實績を調べてみますに、私の資料では六萬五千八百八十九トンしかはいつていないように思います。六萬五千内外、十三萬トンと言いますと、ちようど二倍になりますが、この所要資材が、今御説明方法入手できる確信があるのでありますか。これは先般商工大臣にお願いして、その請求によつて出していただいた資料であります。本來から言いますれば、先般四日でしたか、二日でしたか、五箇年計畫を商工大臣が發表なさいますとともに、あるいはこちらから要求すれば、ただちに翌日にでもお出しにならなければならぬ調査であるのであります。しかるに一週間くらい待つてくれというので待つておりましたが、半月後にようやくきのうこの資料をいただいたのであります。これから想像いたしますに、どうもこの間三千三百トン、あるいは三千六百萬トンと發表されたことは、單純な構想か、あるいは大あわてにあわてて、この資材資金の表ができたのではないかという感じを抱くのであります。この夏ごろわれわれが傳え聞いておるところによりますと、國家管理にしなければ石炭は出ないのだ、來年の三千五百萬トン、再來年の四千萬トンという石炭は、今の状態では出ないのだということを聞いておるのであります。いよいよ發表になると、この間の發表のごとく、來年は三千三百萬トン、再來年は四千萬トン、しかもその調査は、今申しますように、半月後にやつとこお渡し願つたわけであります。しかしてたとえば今あげました普通鋼材につきまして、十三萬一千四百トン鋼材が要るというお調べでありますが、これはほんとうにこれだけ確保できる見込みであるのでありますか、どうでありますか。これができなければ、商工大臣の發表されておる五箇年計畫、たとえば來年度の三千三百萬トン出炭は不可能になるのであります。先般も岡田委員が北海道の話をして、炭鑛では坑夫は働きたくてたまらぬのだ、これにつきましては、私も意見がありますが、どうも資材がないために働けないのだ。機械の故障だとか、あるいは人車の設備がないために往復に時間がよけいかかる。いずれも皆資材が足りないから、それがため出炭が思う通りつていないということを、岡田君も言つておりました。この點私も同感であります。三千三百萬トン出すためには、お示しのごとくに、十三萬一千四百トンの鋼材がなければいかぬということであるならば、おそらく十三萬一千四百萬トン鋼材は、必ず確保できるという確信をもつておられるに相違ないと思います。もしもこれがただいままでのように、たとえばこのうち五〇%しかできないというようなことでありますならば、おそらく政府の發表されておる三千三百萬トン出炭はできない。こう考えざるを得ないのであります。二十一年度の入手量は六萬七千何十トンでありまして約二倍、銑鐵その他につきましても、三萬六千三百トン必要だ。ところが二十一年度の入手實績は、九千百七十トンでありまして、約四倍の銑鐵を必要とすることになつておるのであります。銑鐵の二次製品につきましても、二萬八千百トン必要だ。ところが二十一年度の實績では、一萬三千四十一トンでありまして、これもお示しの數字は二倍以上であります。セメントにつきましても十四萬トン必要だ。ところが二十一年度は三萬七千トンしかはいつていない。これまた四倍以上の數量を必要とすることになつております。これらの數量の資材が確保できなければ、三千三百萬トン出炭はできないということになるのであります。はたして商工大臣は確保できるという確信をもつておるかどうか、これをしつかりお尋ねいたしておきたいのであります。
  22. 平井富三郎

    ○平井(富)政府委員 この資材計畫表の重要な品種につきまして、一應の使用量を算定いたしたのであります。この數字が供給できるかどうかということは、來年度の各種の資材生産計畫等とも照合することになりますが、ただいま安定本部におきまして、これら三千三百萬トンベースにおける供給計畫を立案中でありまして、大體安定本部に對しまして、この供給數量を提示いたしまして、今折衝をいたしておるわけでありますから、できるだけこの線に沿つてつていきたいと考えておるわけであります。これが完全に供給できないというようなことは、私どもとして考えておりませんし、三千三百萬トン達成のために、ぜひともこの程度の數量を確保したいというような考え方で進んでいるわけであります。なおこの數字の彈き方その他につきましては、これはこの下期の出炭状況、あるいは資材状況その他によりまして、さらに毎期々々具體的にはつきりした數字をつかんでまいることが必要であろうかと存じております。ただいまこの數字によりまして、安定本部その他と折衝いたしておりますが、大體の模様におきまして、確保でき得るという見透しを相當もつているわけであります。
  23. 淵上房太郎

    淵上委員 私はきわめて憂慮すべき状態であるという意味におきまして、さらによくこれを研究しなければならぬという意味から、昨日資料要求をいたしたのであります。それは要するに、所要資材十一品目をあげて、二十二年度並びに二十三年度に、どれだけそれができるかという生産見込みについて、資料要求をしたのであります。今の御説明では、これからやるつもりだということであります。私ども素人でありますが、この資材はかりに來年の四月にぽかつとはいつてきても、來年の生産には間に合わない。少くとも半年前、あるいは鋼材類については十箇月、一年前くらいから割當てなければ、その期の生産に間に合わないのであります。今ごろから安定本部と交渉するようなことで、はたして來年の生産に間に合うと思つておられるかどうか、これをお聽きいたします。
  24. 石坂善五郎

    石坂政府委員 これらの關係は、大體先ほどお話いたしましたように、炭鑛側におきまして約三箇月分、二萬二千トン程度手持ちがありますので、それで賄つてつて、そして毎期々々の割當で穴埋めしていき、こういうような仕組に今なつております。お説の通りに、來年の出炭に必要な數量は、今季の第三期あたりから提供することが必要でありまして、われわれといたしましても、極力安定本部要求しているのでありますが、さしあたつて手持ちの分を順ぐりに使つていつく、こういう仕方を採用いたしておりますので、できる限り早目に割當てもらう、こういうことに安定本部に、第四期におきましても、割當來年度分を見込んだ割當要求いたしている、こういう現状であります。
  25. 淵上房太郎

    淵上委員 二萬二千トン手持ちがある。ちようどここに十二萬二千トンという數字が出ておりますが、十萬トンは一體どうなさるか。今お話のように、だんだんずれこみがあると言われるけれども、もうないはずだ。あれば、そんなに毎期パーセンテージが下りはしない。ここに私は非常に疑問を抱いているのであります。この石炭生産所要資材表というものは、先ほども申しますように、商工大臣要求して、一週間ばかりしたら出すと言われて、それがきのう出たのでありますから、商工大臣からお出しなつたものであることは、申すまでもないのでありますが、商工大臣は、この資材につきまして、責任をおもちになるかどうか、これをお聽きしたいと思います。
  26. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 資材所要の點は、先に政府委員も申した通りでありまして、大體この程度において責任がもてるという額を出した次第であります。
  27. 淵上房太郎

    淵上委員 責任はおもちくださるそうで、非常に安心いたしました。それじや資金の點についてお伺いいたします。委員長にお願いしますが、この次は大藏大臣の御出席をお手配願いたいと思います。企業設備資金、増加運轉資金合計百四十四億、これには炭住の資金がはいつておりませんが、炭住の資金は一體いくらくらいお見込みになつているか、お尋ねしたい。
  28. 吉田悌二郎

    ○吉田政府委員 炭住の資金は企業設備資金の中に含まれているのでございます。
  29. 淵上房太郎

    淵上委員 それは間違いじやないですか。それはもう一遍お考え願いたいと思います。この企業設備資金の百二十八億ですか、これは私は乏しき資料の中から少しばかり研究したのでありますが、この中には炭住資金ははいつておらぬと思うのであります。現在設備の資金の方が百七十一億、新坑開發分が十八億四千八百萬圓、合わせて資材費が百八十九億六千九百萬圓、勞務費が現在設備の分が百五十九億、新坑開發分が二億五千四百萬圓、合わせて百六十二億であります。そのほかに修繕費とか賠償とか、あるいは福利厚生費とか、動力費とか、事務費とか、こういう維持が六十一億あつて、合わせて四百十三億である。これだけの資材費、勞務費、雑費が要る。その中に炭代收入として賄つていける生産原價というものが控除されべきであります。それを二百八十五億引いて、結局百二十八億が企業設備資金として要るものだ、かように私は見ているのであります。この中には炭住資金ははいつていないはずだと思うのですが、やはりはいつていると言われるのですか。
  30. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 ただいまの淵上君の答辯を求められておる點は、經理課長を呼んでおりますから、經理課長が出て答辯いたします。
  31. 淵上房太郎

    淵上委員 しからば後ほど御答辯いただくことにして、次に進みます。増加運轉資金の十六億、これはどういう見積り方をしているか、これを伺います。
  32. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 經理に關する面は經理課長が出席して詳細答辯をいたします。今經理課長を呼んでおりますから、すぐ來ます。
  33. 淵上房太郎

    淵上委員 待つことにします。
  34. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 大藏大臣と經理課長を呼んでおりますから、暫時休憩いたします。     午後二時四十五分休憩、      ————◇—————     午後三時十分開議
  35. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 再開いたします。  淵上委員より説明を求められておりましたので、石炭廳經理課長千葉説明員。
  36. 千葉弘毅

    ○千葉説明員 それでは私から御説明申し上げます。五箇年計畫の所要資金の中の企業設備資金につきましては、先ほど炭住資金を含んでおるというふうに答辯したかと存じますが、その中には炭住資金は含んでおりません。純然たる企業資金のみを計上しております。企業資金の算定につきましては、所要資材より逆算をもつて一應の推定をいたしております。  次に増加運轉資金につきましては、大體運轉資金そのものは物價の變動で非常に算定しにくいものでありますので、過去の實績に徴しまして、一應最低限度を記載してございます。
  37. 淵上房太郎

    淵上委員 百二十八億の内譯を私は先ほど申しましたように乏しき資料でこういうふうになるのかと思つて申しましたのですが、この百二十八億の内譯をひとつお知らせ願いたいと思います。資材費、勞務費、その他雑費、ただこれだけではどうしてもわかりません。資材費の中でも、現在ありますところの分がいくら、新坑開發の分がいくら。勞務費についても、現在設備の炭鑛はいくら、新坑開發のものはいくらというふうに、どういう内譯になつておりますか、お示しを願いたいと思います。
  38. 千葉弘毅

    ○千葉説明員 内譯につきましては、表にいたしまして、二、三日中に御提出したいと思います。
  39. 淵上房太郎

    淵上委員 それではそれを待つことにいたしまして、さらにその分の質問をさせていただくことにいたします。これは今申しましたのですが、増加運轉資金は、どういうふうな計算の仕方であるか。今お話のように物價が高くなつて、値段の上昇した分及び増加の分と二通に問題があるだろうと思いますが、ひとつこの分も内譯をわかるように御説明おきを願いたいと思います。御提出を待ちまして、さらにお尋ねすることにいたします。  次に石炭に特定産業向けの分があるはずでありますが、七月五日の物價體系の發表によりますれば、私は新聞で見たのでありますが、海運、ガス、コークス、銑鐵普通鋼材、同じく半製品、ソーダ灰、苛性ソーダ、硫安に限定されておるというふうに、たしか出ておつたはずでありますが、一體どれくらいの數量であるか、その數量をお示し願いたい。
  40. 平井富三郎

    ○平井(富)政府委員 ただいまの特定産業向けの配炭量によつて決定するわけでありますので、それらの部分の配給實績を集計いたしまして、表にしてお配りいたしたいと思います。
  41. 淵上房太郎

    淵上委員 表にしてお配りくださるのはありがたいですが、それを表にしてお配りになるかどうかを、私は今聽いておるのではありません。どれくらいにの數量であるかを聽いておるのであります。その答辯を願いたいのであります。
  42. 平井富三郎

    ○平井(富)政府委員 ただいま配炭關係の資料を持合わせがございませんので正確な御答辯ちよつといたしかねますので、表にいたしましてお配りいたしたい。かように考えております。
  43. 淵上房太郎

    淵上委員 答辯できねばだめじやないか。委員長どうしますか。答辯できねば聽いても仕方がないが、表のできるまで待ちますか。委員會で質疑應答するのは、尋ねることに對して答えてもらうための質疑應答であるから、委員長どう取扱われますか。
  44. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 政府側の方で、今お聽きのような資料を表にしてただちに提出する、こういうことを答辯いたしておりますから、これは資料をお待ちになつて、ただいま淵上君の言われたように、この質疑を願いたいと思います。
  45. 淵上房太郎

    淵上委員 質疑しても、一々あとで出す、あとで出すでは答辯にならぬじやないか。どうしますか。
  46. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 それ以外の點で質疑していただくわけにいきませんか。
  47. 淵上房太郎

    淵上委員 聽いても何でもあとで出す、あとで出すではしようがない。委員長としてどういう運營の方針ですか。
  48. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 大體從來からの委員會等の審議におきましても、一應政府側でその方案に關する資料提出をいたしまして、それ以前の點におきましては、それぞれ委員の質疑要求たよつて資料を提出するということが御承知のような審議の常態になつておりますので、質疑中におきましても、なおその資料が出てきて、さらにそれに關する質疑を保留しておいて繼續する、こういう大體審議の状況になつておりますので、それ以前の點におきましては、繼續審議を願う。こういうことが大體從來からの審議の状況になつておると思うのであります。ただいま淵上君が言われておりましたように、それは保留を願つておきまして、資料提出と同時に質疑をしていただくことにお願いしたいと思います。御繼續を願います。淵上君。
  49. 淵上房太郎

    淵上委員 どうも資材の問題といい、資金の問題といい、まだちつともわからぬ話がたくさんあるのでありますが、要するに問題は國家管理にして、そうして三千三百萬トンを二十年度に出すという御方針だとするならば、それに必要なる資金資材は當然裏づけがなければならぬ。それがなれけば、ただ空念佛にすぎない。いくら三千三百萬トン出すと口で言われても、資材資金がなければ、出るはずはないのであります。そういうことじやこの管理法案の審議はできない。これは當然のことだろうと思う。委員長におかれても、それはよくお考えにならなければ、何のための質疑應答だかわからぬ。政府でもそうだ。ほんとうに三千三百萬トンを出すというならば、出せるだけの資金資材の手配をしなければならぬ、それに資料出してくださいと言つて、半月もかかるということは、先ほども申しますように、どうも非常にあやふやな、信念のない考え方じやないかと思う。それはだれが考えてもそうであります。そういう根據のない三千三百萬トンなら、何にもならぬです。その資料が出るまで、私はこの審議をひとつ保留しなければならぬ。これは當然のことなのです。何かほかのことを聽けと言つて、聽いて見れば、答辯がない、そんなことでは、何の質疑應答です。委員長としては、何時間もやられるのもよいだろうが、やるのが目的じやない。審議するのが目的です。はたして政府が言われるように出るか否か。われわれは國民に對して、ただそういうことでこの審議はうやむやで濟やすわけにいかぬ。委員長はこの問題はどうお考えになりますか。ただ次をやれ次をやれと言つて聽いてみれば、またあとで何日か後に出す、そういうことでは、審議はできないじやないですか。質疑應答にならぬじやないですか。一體どういうふうに委員長はお考えになつておりますか。
  50. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 委員長は、先ほどお答えしましたように、委員各位から質疑をされるにあたりまして、たとえば所管を關係當局以外の方面に質疑がされることまありますし、さらにまた内容にわたつて質疑を細かくされる場合もありますので、政府としてもやはりそれに應じて出席をなさしめ、あるいはまた資料を提出せしめ、そうして審議をしていくという以外に審議の方法はないのではないか。そのときに要求されるすべてをここにそろえておくということは肝腎であろうと思いますけれども、やはり出席員にしても、あるいはまた資料にしても、全部をその場で即時に説明資料等が適出されるということは、實際問題として、なかなか容易じやないのじやないか。從來私どもも委員會等で審議をいたします場合におきましても、その場合に政府側から出席者がない、あるいは説明ができない、あるいは資料がないという場合には、それを保留いたしておきまして、殘餘の部分を質疑しておきまして、その出席、資料等を求めて、さらに質疑を繼續する。こういう大體の審議の状況であることは申し上げるまでもないのでありまして、やはりそういう方法以外には、實際問題としてでき得ないのじやないか、こういうように委員長考えております。
  51. 淵上房太郎

    淵上委員 ただいま聽きます特定産業向け石炭のごときは、きわめて重要なる用途である。この數量が、石炭廳の方がたくさんおられてわからぬなんて、それでは私はまことに心外の至りにたえないのであります。今列擧したのは、きわめて重大なる消費向けであるのですが、この大體の數量がわからぬようで、一體どうなるか。今委員長が言われるように、何もかも資料をそろえていないということは當然です。しかしこういう重大な消費向けに對して、大體どうということの見當もつかぬ。大體これくらいになると思うというような答辯もできないようなことで、一體どうなるか、こう思うのです。どうでしよう。今日はこれくらいで御答辯のできるまで待つことにして、散會なさつたりらいかがでしよう。
  52. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 それでは相談する間暫時休憩いたします。     午後三時二十八分休憩      ————◇—————     午後三時三十五分開議
  53. 伊藤卯四郎

    ○伊藤委員長 再開いたします。  この際委員各位に委員長といたしまして、希望を申し上げておきたいと思います。所管關係以外の大臣政府委員等の出席を求められる場合は、あらかじめ前もつてお知らせを願つておきたいと思います。それからさらに資料等の要求につきましても、こういう資料についてということを、あらかじめ委員長の方に、あるいは政府側の方に、その御要求をしていただくことを、切にお願いいたしておきたいと思います。  本日はこの程度に止めまして、明日は午後一時より再開することにいたします。これにて散會いたします。    午後三時三十七分散會