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1947-09-30 第1回国会 衆議院 鉱工業委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十二年九月三十日(火曜日) 午前十時三十三分
開議
出席委員
委員長
伊藤卯四郎
君
理事
大矢 省三君
理事
岡田
春夫
君
理事
青柳 高一君
理事
生
悦住貞太郎
君
理事
澁谷雄太郎
君
今澄
勇君
衞藤
速君 松本 七郎君 萬田 五郎君 村尾 薩男君 岡部 得三君 生越 三郎君 庄 忠人君 長尾 達生君 西田 隆男君 三好
竹勇
君 有田 二郎君 神田 博君 平島 良一君
淵上房太郎
君
山口六郎次
君 谷口 武雄君 前田 正男君 高倉 定助君
出席國務大臣
商 工 大 臣
水谷長三郎
君
出席政府委員
商工事務官
松田
太郎
君
石炭廳長官
菅 禮之助君
石炭廳次長
吉田悌二郎
君
商工事務官
平井富三郎
君
委員外
の
出席者
專門調査員
谷崎 明君
專門調査員
保科 治朗君 ――
―――――――――――
九月二十七日 纖維
生産
に關する
陳情書
(第三二二號)
炭鑛國家管理實施
に關する
陳情書
(第三五〇 號)
石炭生産損失補償金支拂促
進の
陳情書
(第三五八號)
金屬鑛山業
に對し
經濟力集中排除法適用除外
に 關する
陳情書
(第三七二號) を本
委員會
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
會議
に付した事件
臨時石炭鑛業管理法案
(
内閣提出
)(第六四 號)
臨時石炭鑛業管理法案審査
のための
公聽會開會
に關する件 ――
―――――――――――
伊藤卯四郎
1
○
伊藤委員長
これより
會議
を開きます。 前會に引續き
臨時石炭鑛業管理法
を議題といたします。
淵上房太郎
2
○
淵上委員
冒頭にあたりまして、ここに
緊急質問
をお許し願いたいと思います。去る二十七日の
新聞
で私どもは拝見したのでありますが、九月十八日附の
マッカーサー元帥
から
總理大臣あて
の
書翰
につきまして、この際本
法案
を審議する前堤といたしまして必要がありますので、二、三
商工大臣
にお
伺い
いたしたいと思うのであります。 この
書翰
を拝見しまするに、積極的に
日本
の内政には干渉しないという態度がはつきり現われておりまして、ただ辺却するということはきわめて異例に屬するのであります。
日本再建
のために、今まで非常に懇切なる
指導援助
を賜わり、それに對して感謝しております
國會
といたしましては、實は異様の感を抱いておる次第でありますが、問題の
生産目標
の
改訂
ということにつきましては、
政府
は最大の熱意と決意をも
つて
やれという
激勵
を受けておりますし、また本
法案
は
國會
において審議しろということに指示を受けておるのでありますが、
生産
があがるかあがらないかという問題につきましては、
國會
も
責任
の一半をしよわされておるという
意味
におきまして、本
法案審議
にあたりて、われわれはますますその
責任
の重大なるを痛感する次第であります。 まず前堤としまして二、三お
伺い
したいと思いますのは、
生産目標
の
改訂
の問題であります。「このような
能力
の造成のみが
責任
の所在の
變更
を肯定する」と言われておるのでありまして、この
生産目標
の
改訂
ができなければ、この
法案
の
意議
はないという
意味
でありまして、この
法律
によ
つて
新たに附加せられた
能力
に相當する
水準
に引上げられるというのでありますが、その引上げにつきましては、これができなければ本
法案
はあるいは
解釋
によ
つて
は撤囘しなければならぬのじやないか、かように
解釋
できるのであります。この
法案がかり
に
通過
後、
實施
の月は何月になるか存じませんが、その月から向う一箇年間、月別の
出炭
計畫はどういうお
見込み
であるかお
示し
を願いたいと思います。この
書翰
は十八日附であり、
政府
においては、すでに十日あまりにも御研究にな
つて
いるはずでありますから、大體の
目標
はお立ちにな
つて
いると思うのであります。 第二は、
資材
は十分に國内で入手し得ると書いてあります。われわれは今日まで
勞資双方
から
資材
が足りないで非常に苦勞しているということを聞かされておりまして、まことにそうだろうと
思つて
、その
意味
において苦心して研究しつつあるのでありますが、この點は
商工大臣
としては、そのまま御承認になるかどうか、もし現實と違うというお
見込み
でありまするならば、現状の認識について、
司令部
をして理解せしめる何らかの
方法
を講じておられるかどうかという問題であります。この點につきましても、
商工大臣
の
お答え
を願いたいと思うのであります。 次に
生産目標
を上げるという
方法
としまして、六項目をあげてありまするが、
技術能力結集
の
方法
につきましては、どういうふうにお
考え
にな
つて
おりますか。
炭鑛技術
の指導
方法
なり、あるいは各
炭鑛別
の
作業漂準量
の
決定
なり、あるいはまた
炭鑛技関者會議
などの
技術部門
を結集するについて、どういう
方法
をや
つて
おられるか、これらの點に關して
具體的
の御方針を
伺い
たいと思います。 第二の二十四時間
作業態勢
の確立ということにつきまして、これはきわめて重大なる問題でありますが、現在各
炭鑛
が三番
交替
をや
つて
おるだろうと思いますけれども、多くは
坑口交替
で、
切羽交替
ではない。
切羽交替
にすればまた
資材等
にいろいろ研究する點があるのではないかと思うのでありますが、この問題は
政府筋
の
お話
に
なつ
た
新聞
を拝見しますに、
生産協議會
がきめることというふうに言われておるように拝見するのであります。この問題は法文の
あと
の問題になりますけれども、
生産協議會
がきめなかつたならばどうするかという問題があるのであります。この
書翰
を見まするに、
石炭業
は
一般
的に二十四時間
作業態勢
にするということ、というのでありまして、
絶對至上命令
だと見るのであります。それゆえに
生産協議會
なんかに任せるのでなくして、この際
勞働
基準法の
改訂絶對必要
にな
つて
くるのでないかと思われるのでありますが、
商工大臣
の御所見はどうでありますか。お
伺い
したいと思うのであります。 次に
住宅
、
食糧
の供給につきましても、これは必要な
住宅
及び
食糧
を供給することということでありまするが、自信があるかどうか。 第四番目に、新
鑛脈及び
新
坑開發
、これは
地質學
上妥當なときは、
地質條件
が摘當であり限りは、開發しろということにな
つて
おるのでありまするが、これらの新
鑛脈竝びに坑開發
をされることによ
つて
、
出炭總數量竝びに所要資金
の
總額
及び各
年次別
御計畫、これらにつきましても、今日わかる限りにおいてお
示し
を願いたいと思うのであります。横流れの
防止
につきましては、現在相當やられておるのでありまするが、さらに嚴重にやれという
指圖
が來ておるのであります。この
防止方法
の
強化方策
については、どういうことをお
考え
にな
つて
おりますか。 最後に、この
事業達成
を阻害するものに對する取締りにつきまして、どういうお
考え
をも
つて
おられるか、これは本日もしこの席で
お答え
ができない問題がありましたならば、やむを得ません、きわめて最近の
機會
にお
示し
を願いたいと思うのであります。 以上の各項は、本
法案
を審議する
前提
として、まずお
伺い
することが必要でありますので、特に緊急に
質問
する次第であります。
水谷長三郎
3
○
水谷國務大臣
ただいまの
マッカーサー元帥
より
片山總理
にあてられた本
法案
に關する書面というものは、きわめて重要なる問題を含んでおりますので、
政府
といたしましては、目下
片山總理
を
中心
にいたしまして、各
關係閣僚
が寄りまして、
石炭非常増産對策要綱
というものを審議しておる次第であります。あるいはここ一、二日の間に大體の結論がつくと
思つて
おるのでありますが、ただいまところでは、御
質問
の各箇條につきまして、
具體的
に御
答辯
するところまでまい
つて
おりません。しかしながら、非常に問題が大きな問題でありますので、またこの
法案
の審議される上におきましても、重大なる影響がある
法案
であると思いますので、できるだけ早く成案を得まして、
皆様方
にお諮りいたしまして御
協力
を願いたい。このように
考え
ておる次第であります。
伊藤卯四郎
4
○
伊藤委員長
本日より
質疑
に入るにあた
つて
、
質疑
は去る二十六日の
理事會
の
決定
によりまして、一應各黨一名ずつ、但し第一
議員倶樂部
と
日本農民黨
は、兩黨のいづれからより一名とし、その順序は
日本社會黨
、
民主黨
、
日本自由黨
、
國民協同黨
、第一
議員倶樂部
または
日本農民黨
ということに相な
つて
おります。それではこれより
質疑
を許します。
岡田春夫
君。
岡田春夫
5
○
岡田
(春)
委員
この
法案
につきまして、いろいろの點から御
質問
を申し上げたいのでありますが、あまり詳細に入りますことを避けまして、その要點のみをお
伺い
いたしておきたいと思います。 まず第一に、
法案
の
目的
といたしまして、第
一條
におきまして、「この
法律
は、
産業
の
復興
と
經濟
の安定に至るまでの
緊急措置
として、」云々と書いてありますが、
政府
がこの
法案
をつくられます場合において、
産業
の
復興
と
經濟
の安定に至る場合において、この場合における
石炭
の
所要量
は、大體どの
程度
に見込んでおられるかということを、まずお
伺い
いたしたい。
水谷長三郎
6
○
水谷國務大臣
政府
といたしましては、大體
石炭
の五箇年計畫というようなものを
考え
ておるのでありますが、それによりますと、
昭和
二十三年度は
出炭高
は三千三百
萬トン
、現在
設備
によるものがそのうち三千二百八十
萬トン
、新
坑開發
によるものが二十
萬トン
、
カロリー
は大體五千六百、このように
考え
ております。 それから二十四年度は
出炭高
は三千六百
萬トン
、現在
設備
による
出炭高
は三千五百五十
萬トン
、新
坑開發
によるものが五十
萬トン
、
カロリー
五千八百。 二十五年度は、
出炭高
は三千八百
萬トン
、現在
設備
によるものが三千六百五十
萬トン
、新
坑開發
によるものが百五十
萬トン
、
カロリー
五千九百。 二十六年度は
出炭高
が四千
萬トン
、現在
設備
によるものが三千六百八十
萬トン
、新
坑開發
によるものが三百二十
萬トン
、
カロリー
六千。 それから二十七年度は、
出炭高
は四千二百
萬トン
、現在
設備
によるものが、三千六百三十
萬トン
、新
坑開發
によるものが五百七十
萬トン
で、
カロリー
は六千。 大體この
程度
をもちまして、ただいま
岡田委員
の申されましたことを
考え
ておるようなわけであります。
岡田春夫
7
○
岡田
(春)
委員
ただいまの御
説明
で大
體五箇年
計畫といたしまして二十七年度に四千二百
萬トン
を
目標
にしておるという
お話
であつたように
伺い
ましたが、そこでこの
法案
がもしこの
國會
を
通過い
にしました場合に
實施
される豫定は、大體いつからおやりになるのか。それでもう
一つ
は二十七年度が安定の時點といたしまするならば、この三箇年
期限
という有
效期間
が六十九條にございますが、これとの
關係
はどうなるかということをお
伺い
いたしたいと思います。
水谷長三郎
8
○
水谷國務大臣
この
法案
がさいわい
國會
を
通過い
たしたといたしますならば、馬力をかけまして來年の二月の一日か、遲くとも三月の末には全
規定
を
實施
したいというぐあいに
考え
ている次第であります。
岡田春夫
9
○
岡田
(春)
委員
もう
一つ
御
答辯
が落ちておりますから、もう一度お
伺い
いたしますが、
先ほど
の第
一條
によりますと、
産業
の
復興
と安定に至る場合の時期といたしまして、
政府
が二十七年において四千二百
萬トン
の
石炭
を必要とするという
お話
が御
答辯
としてあつたのでありますが、ただいまの御
答辯
の
來年二月
から
實施
いたしました場合において、六十九條の有
效期間
三箇年間という點と一致しないように思うのであります。
増産
のために、安定のために、この
國管法案
をお出しになる限りにおいて、少くとも
先ほどお話
の
政府
が目途されております四千二百
萬トン
の線にまでも
つて
いく二十七年までが有
效期間
にならないと、この
増産
を目途といたしまする
管理法案
の意義が失われると思うのでありますが、この點につきましては、もう一度御
答辯
を願いたいと思います。
水谷長三郎
10
○
水谷國務大臣
この
法律案
の
施行期間
につきましては、その
目的
が
經濟
の
再建
に直接
關係
を有するものでございますので、
緊急措置
といたしまして、
期限
を限定せず、彈力性ある運用をはかることが
適當
であると、私らは
考え
たのでございます。そしてもし
期限
を限定するといたしますれば、さきに述べました五箇年
出炭
計畫にもよりまして、大體五年くらいが
適當
であると
商工當局
としては
考え
ておる次第でございますが、諸般の事情によりて三年を限定されたのでありますから、われわれといたしましては、五年のところを三年でやるというぐあいに、全
努力
をできるだけ
石炭
の
増産
にその
施策
を集中いたしまして、
經濟
の安定を企圖するつもりでございますが、三年經過いたしましたそのときにおける状況によりましては、あるいはさらに
施行
を延期する必要があるかもしれないと
考え
ておる次第でございます。五年を必要とすると
考え
ておるのは、
經濟
の安定及び自立を可能ならしめるために必要な
石炭
の
生産
が四千
萬トン臺
を相當に上まわ
つて
、
貿易收支
が均衡に至るのがおよそ五年を要するのではないかというように
考え
ておる次第であります。しかしながら、
法案
によりまして三年ときめられました以上は、
全力
を集中いたしまして、五年かかるところをできるだけその
期間
内でやりたいというぐあいに
考え
ておる次第であります。
岡田春夫
11
○
岡田
(春)
委員
それでは大體今の
お話
で一應
政府
の
考え
ております四千二百
萬トン
を
安定點
といたしまして、この
目標達成
のために
國管實施
によ
つて
あらゆる
努力
を行
つて
いきたい。そうな
つて
まいりますと、その場合において、三箇年間でこれをでき得る限りや
つて
いきたいが、できない場合には、
當然有效期間
の延長が
議會
において諮られまして、延長されなければならぬことになると思うのであります。この點につきましても、もう少し詳しくお
伺い
したいと思いますが、いずれ
あと
で時間がありましたならば重ねてお
伺い
をいたしたいと思います。 その次に、土曜日の
商工大臣
の提案の御
説明
の中において、本
法案
は
増産
のためにつくられました
一つ
の
組織法
であるということを
言つて
おりますが、
先ほど
淵上
君からの
お話
にもありました通りに、
マツカーサー
からの
書簡
を見ましても、われわれは
國管
の
實施
によ
つて
、
私企業
よりもより附加されました
能力
がプラスになるであろうという
意味
において、
マツカーサー
の
書簡
の中に
もさよう
に書いておるのでありますが、しからば
商工大臣
がこの
法案
を提出されました場合において、現在の
私企業
よりも、この
法案
によりますところの
國管
を斷行いたしますならば、
増産
が可能であるという
確信
について、
具體的
な御
説明
を願いたいと思います。
水谷長三郎
12
○
水谷國務大臣
ただいま
岡田委員
から
國家管理
を
實施
することが、
私企業
の
經營
に任せるよりは、
石炭増産
上有利になる
理由
はどうかというような
意味
の御
質問
があつたのでございますが
政府
が今般
臨時
に
石炭鑛業
を管理いたしまして、
増産
を達成しようとするのは、大
體次
の
理由
に基くものであります。 第一は
石炭
の
生産
及び
増産
に關します計畫が、
國家
の
要請
に應じた
國家計畫
の性格を有するものであるとともに、
生産現場
の
實情
に應じた計畫たらしめんとすることでありまして、現在
石炭
の
生産
に關する
從來
の
一般方式
を見ますと、その
方式
は
生産
の直接の機能と
責任
とをすべて
企業者
に一任いたしまして、
政府
は
資材
、
資金等
の
統制
によりまして、側面よりこれを援助するに止まりまして、
政府
みずから直接に
石炭
の
生産
に關與いたしまして、強力にこれを推進するというものではなかつたのでございます。これがために
石炭
の
生産
に關する
實際
の
措置
がすべて
石炭企業
の
意思
と
能力
とに左右せられまして、
政府
の
意圖
が
確實
に
生産
の
現場
に徹底
實施
せられることは保證さなかつたのでございます。反面
政府
におきましても、
石炭生産
に關する詳細徹底した
實態把握
をなすことができず、
生産
計畫、
資金
計畫、
資材
計畫等、現實に即し、適正かつ
具體的
に確立することが困難でございまして、その實行についても、必ずしも
關係
者の
全面的協力
を得ることができず、その間にそご不
圓滿
の生ずることを免れなかつた次第でございます。ここにおきまして、
政府
は
石炭
の
増産
に關しまする
資金等
の
從來
の諸政策を一層強化
實施
することはもちろんでございますが、右に述べましたような
從來
の
方式
のみでは、根本的に不十分であると認めまして、これより一歩前進し、
政府
が直接に
石炭
の
生産
に關與し、
石炭生産
の
現場
を把握して、これに對しまして積極的に必要な
統制
を行い、
政府
の
意圖
とするところが、ただちに
現場
に
實施
されることによりまして、
石炭
の
増産
をはからんとすることを決意するに
至つた
次第でございます。これによりまして大
體次
のことが可能であるとわれわれは
考え
ておる次第でございます。
一つ
は
石炭生産
に關する
政府
の
實態把握
が、的確に詳細にされることができる。その結果、
政府
は
確實
な
基礎
に基きまして、適正な
生産
計畫、
資材
計畫、
資金
計畫そその他の計畫を定めることができまして、またこれらの計畫の
實施
を強力に推進することもできることになるのでございます。
從來
は不
確實
な資料に依存いたしまして、推定によ
つて
計畫を策案する場合もございまして、
實情
と食い違つたこともしばしばひき起されたような次第でございます。 第二には
石炭
の
生産
に關する
政府
の
意圖
が、
増産
第一
主義
によりまして、
確實
に
生産
の
現場
に
實施
されることができるのでございます。 第三におきましては、
政府
の定めまする
もろもろ
の計畫と、
炭鑛
における
業務
計畫とが、直接につながりまして、相互にそごを來すことがございません。その結果
政府
も
炭鑛
も、統一した計畫に基きまして、一致した
努力
をすることができるようになると思います。 第四には
政府
の定めまする計畫の
基礎
に、
企業
の
經營者
、
勞働者
も參加いたしまして、これらの者の
意思
も尊重せられるのでございまして、計畫はおのずから公正になり、かつ計畫は實現に對するこれらの者の
政治意識
を喚起することとなるのでございます。 第五番目には、
石炭
の
生産
に密接なり關連をもつ
事業部門
の
協力
を得る途を開きまして、
所要資材
の
現物化
、
設備
の修理、建設、貨物の
輸送等
につきまして、強力なる
措置
を講ずることができる等でございます。 次にわれわれが期待しておるのは、
從業者
の
經營參加
によりまして、その
生産意欲
を向上することでございます。申すまでもなく、
石炭鑛業
は、
一般
の
鑛業部門
と異なりまして、その
生産要素
としての
勞働力
の占める割合は、きわめて大きいのでございます。
生産實績
は
勤勞意欲いかん
によ
つて
、
決定
的に左右されると
言つて
も言い過ぎではないと思う次第でございます。
終戰後勞働者
の
大量離山
によりまして、
生産
が崩壊した事例は、未だわれわれの腦裏に生々しい記憶がございまするが、その後極力
勞務者充足
の
措置
を講じました結果、
勞働者
といたしましては四十萬を超え、
戰前
の
水準
を凌駕する
状態
と
なつ
たのでございます。しかるに一箇月一人當りの
生産量
をと
つて
見ますと、最近は大體五・五トン
程度
でございまして、
戰前
の約二分の一の
水準
に沈論しておる次第でございます。これはもとより
設備
の不完全な
稼働状態
、
熟練坑内夫
の
總體的不足
、
勞働者
の
生活不安等
によるものと言わねばなりませんが、率直に申し上げまして、勤勞體制こ
關係
するところなしとは言いがたいのでございます。すなわち戰時中のような
強制勞働
による
能率増進方策
は捨てられまして、新たに民主的な
勞働關係
が生れつつありますが、
經營者側
にも
勞働者側
にも、この新しい
關係
をいかなる
具體的形態
において運用すべきかについて、十分なる
確信
がないということが
勞働不安
をもたらし、
能率低下
に至る要因の
一つ
をなすものと
考え
られる次第でございます。
増産
の見地から
國家管理
を行う
立場
にある限りは、
勞働者
の生活不安を除去するための
もろもろ
の
方策
を、強力に
實施
することを
前提
といたしまして、
炭鑛
の
生産現場
における
勞資關係
の
生産
をめぐ
つて
の新しい制度を、
國家管理方式
に織りこむ必要があるのでございます。
經營者
と
勞働者
が、互いにその
立場
を生かしながら、
納得ずく
で
生産
計畫を設立いたしまして、その
實施
について積極的に
責任
をも
つて
協力
する
組織
を設定いたしまして、これによ
つて勤勞體制
の過渡的な不安と、
能率低下
を克服する必要があるのでございます。
管理法案
におきましては、
生産協議會
に重要な地位を與えておるのは、かような
要請
に應えようとするものでございます。 さらにまたその次に重大な問題は
石炭鑛業
の
行政
及び
經營
の
民主化
をはかることでございます。すでに述べましたように、
石炭増産
のための
もろもろ
の
施策
の
實施
は、
國民
の犠牲の上に行われるものでございまして、
石炭増産
のためにこそ、
國民
の
耐乏生活
における希望がつながるのでございまするから、
石炭増産
のために豊富な
智識經驗
をもつ人々は、野に一個の遺賢なく、
行政
上その知識を活用せらるべく、またその縦横に手腕が
經營
上の
制約
なく發揮せらるべく、
從來
の
行政
上の慣例または個々の
企業
の
利害關係
は、すべて
國民的感覺
において、合理的に調整されなければならないと信じておる次第でございます。このためには、まず
行政
と
經營
との
關係
におきましては、監督するものとを監督を受けるものとが、直接に對立しておる
状態
が捨ておかれてはならず、
石炭
の
生産
に關する
技術
、
勞働
、經理、それぞれの面における
民間企業
のエキスパートが、
生産行政
に溶けこむよう
措置
するとともに、
從來
のような形式的な
委員會制度
と異なる、
行政民主化
のための實のある
組織
の設定を考慮しなければならないのでございます。
管理法案
におきます
石炭局
の
人的構成
と、
中央地方
におきますところの
管理委員會
の
組織
は、この必要に副うものであると
考え
ております。また
企業内容
の
關係
におきましては、
企業
がその經理上の不安ないし將來の
危險負擔
を恐れて、
生産増強
について、意識的、無意識的な
制約
を與えぬよう
施策
することを
前提條件
といたしまして、
生産現場
である
炭鑛
が、その
經營者
によ
つて
推薦され
從業者
によ
つて
支持せられる人物を
中心
に、
生産
第一
主義
によ
つて
運營
されることを保證しなければならないのでございます。
管理法案
におきまして、このことは
指定炭鑛
における
炭鑛管理者
の選任、及びその職務に關する
規定
として、相當詳細に示されているのでございます。世上とすれば、これを
企業形態
の
變更
であるという人がございますが、
法案
は
中央
のいわゆる本社に
業務
計畫の
決定權
を認め、このわくによる
現場
の
日常業務
を
現場行政機構
と
炭鑛管理者
に委ねるようにするのでございまして、現實に即した
生産
の彈力性ある
運營
を求める以外に他意はないのでございます。 大體この
理由
によりまして、
政府
は今般の
臨時石炭鑛業
を管理することによ
つて
、所期の
増産
を達成しようとするものであり、また達成できると信じている次第でございます。
岡田春夫
13
○
岡田
(春)
委員
大分長い御
説明
だつたので、要がわからなく
なつ
たのでありますが、要するに
先ほど
から
お話
を伺
つて
おりますと、
増産
のために
政府
が
現場
を直接に把握していこう。そうして
計量
の浸透をはかり、
石炭増産
の
計量化
をはかろうという點がまず第一點であり、いわゆる
生産現場
第一
主義
をとろう。第二の點では、要するにその
増産
のためには、
炭鑛
における
勞働力
のいわゆる
勤勞意欲
の増加がぜひとも必要であるが、これをするためには
經營協議會
を法制化して、
經營
の
民主化
をはからなければならぬ。第三には
資金
と
資材
を
有效
に使うためには、資本の
企業權
を認めてまいりますが、
經營
に對しては、直接
國家
がタッチをしていきたい。大體こうにうような
意味
じやなにかと思うのですが、そこで少々話ははずれてまいりますが、ちよつとお
伺い
をいたしたいと思いますけれども、ただいまの
經營
の
民主化
ということにつきまして、まず第一にお
伺い
をしたいと思うのでありますが、
生産力
の
中心
であります
經營者
と
勞働者
が
増産
に
全力
をあげるためには、當然ここで
對等
の
立場
に立
つて
、
生産
のために邁進しなければならぬと思うのであります。この點につきましては、私はほかの例を取上げる必要はないと思いますけれども、
鑛業連盟
の
早川勝
氏自身におかれましても、明らかに
經營
の新しい
方式
は、双方が互格の
立場
から
對等
の
立場
に立
つて
、そうして合理的な妥結點を見出すことでなければならない、かように
鑛業連盟
の會報に述べておられますが、まず第一にお
伺い
したいことは、
經營
の
民主化
という場合において、當然
勞働者
と
經營者
の地位というものは
對等
でなければならぬという點について、これはきわめて原則的な點でありますが、まずお
伺い
したいと思います。 もう一點は、
先ほど
から
お話
の
經營
の
民主化
という點が、ここで
確實
に認められるとするならば、當然
産業
民主化
の
前提
でありまするところの資本と
經營
の分離というものが確立されなければならない。この資本と
經營
の分離について、大臣のお
考え
をお
伺い
したいと思います。この
法案
の
先ほど
の
説明
によりますと、資本というものの存在を認め、
經營
というものの實在をもちろん認めておるのでありますが、しかし少くとも今の
經營
の
民主化
の線から申しまするならば、資本と
經營
との分離が確立されなければならない。かように思いまするが、御意見を
伺い
たいと思います。
水谷長三郎
14
○
水谷國務大臣
第一の問題でございますが、これはこの
法案
をよく読んでいただけばわかるのでございまして、今度の
法案
の特色はいろいろございまするが、その特色の一番大きなものの
一つ
は、言うまでもなく、ただいま
岡田委員
が申されましたように、
勞働者
を
經營
の面まで引上げてまいりまして、
政府
、
經營者
竝びに
勞働者
が、
對等
の
立場
においてや
つて
いくということが、一番大きな特長の
一つ
でございまして、それは
岡田
君の言われておる通りでございます。 さらに第二の
産業
の
民主化
の問題として資本と
經營
との分離の點に關して
商工大臣
はどういう
考え
をも
つて
おるかという點でありますが、滿洲事變以來、資本と
經營
との分離ということが、いろいろ論議されたのでございますが、この
法案
におきましては、資本と
經營
の分離ということは
考え
ておりません。すなわち本社機構というものに對しても、従來の權限を認め、あるいは大つかみの點は全部本社に殘
つて
おりまして、われわれは緊急
經濟
對策のうちにおきましても、
企業
の形態は原則として
變更
せないということをうた
つて
おるのでございまするがゆえに、この
法案
において、われわれは資本と
經營
との分離を企てたというようなところは、毫末もないということは、ひとつ御了解願いたいと思います。
岡田春夫
15
○
岡田
(春)
委員
そこでお
伺い
たしたいと思うのですが、資本と
經營
との分離を
考え
たことはないという
お話
でありますが、資本と
經營
とが分離されるということは、
企業形態
の變革になるとは必ずしも
考え
られないのであります。事實において、たとえば資本と
經營
との分離が行われておらないとするならば、
先ほど
例を引いて申し上げました
石炭鑛業
連盟の會報を見ましても、現在において
石炭鑛業
においては、少くとも資本と
經營
とは分離されておるということを、明らかに指摘されておるのであります。その實例をあげるならば、また申し上げてもよろしいのですが、その煩瑣は省くといたしまして、現實の問題といたしまして、資本と
經營
との分離というものは、
鑛業連盟
のいわゆる資本家代表の言葉ですら、明けかに現實の事實として認めており、そうしてまたこれをそうしなければならないということまで
言つて
おられるわけであります。 そこでもう
一つ
私はこれに關連してお
伺い
したいのですが、現在の
産業
の
民主化
、
經營
の
民主化
というものをはかりまする場合においては、少くとも今申し上げたような、資本と
經營
の分離というものが
前提
にならなければ、完全なる
經營
の
民主化
、
産業
の
民主化
、これが行えないと私は
確信
いたします。この點につきましては、もう一度本案を通じまして、
商工大臣
の御意見をお
伺い
したいと思うのであります。
水谷長三郎
16
○
水谷國務大臣
鑛業連盟
の早川君がどういうことを
言つて
おられるか知りませんが、この
法案
においては、さきに申しましたように、資本と
經營
との分離というものの
前提
に立
つて
、この
法案
はつくられているものではないということは、繰返しはつきり述べておきたいと思うのであります。ただ世上では、よく資本と
經營
の分離ということを簡單に申す人があるのでございますが、やはり物事を正確にするためには、資本と
經營
との分離というものはいかなるものであるかという、その定義からはつきりさせなくてはならないと思うのであります。そういう點におきまして、私らといたしましては、これはやはり一番大きな原則である緊急
經濟
對策にも、
私企業
に關してその
目的
を達せられないときにおいては、
國家
が直接
責任
をとれる形態をとるということは
言つて
いるが、しかしその際におきましても、いわゆる
經營
形態は原則として
變更
しないということを、はつきりうた
つて
いるのでございまして、今度の
法案
も、その基本的な
立場
の上において立案されたものでございますがゆえに、たびたびの御
質問
でございますが、この
法案
は資本と
經營
との分離の上に立
つて
作案されたものでないということをはつきり申し上げたいと思います。
岡田春夫
17
○
岡田
(春)
委員
たいへんしつこいようでありますが、もう一點だけお
伺い
してみます。それでは資本と
經營
の分離を行わないで、
經營
の
民主化
、あるいは
産業
の
民主化
というものが確立されるかどうか、この點についてお尋ねしたいと思います。そうしてまたもしそういう
法案
を資本と
經營
との分離というものを
考え
ないでつくられた
法案
であるとするならば、
産業
の
民主化
、あるいは
經營
の
民主化
との
關係
はどうなるか、この點をお尋ねしたいと思います。
水谷長三郎
18
○
水谷國務大臣
資本々々と言われますが、資本にも長所があり短所があるのであります。
國家管理
の特色は、いわゆる
私企業
の長所と公の
企業
の長所とを結び合わすところに、
國家管理
の途があるのでございまして、この
法案
は資本のいいところはいいところとして生かして、そうして
私企業
のいいところ、そうして公
企業
のいいところを結びつけて作案したものでありまして、從
つて
御
質問
のように、資本と
經營
とを分離しなければ、
産業
の
民主化
、
經濟
の
民主化
というものが行われないということは、私としてはとうてい承服できないのでございまして、資本と
經營
とを分離しなくとも、
産業
の
民主化
、
經營
の
民主化
は行われる途があるというのが、いわゆる
國家管理
の根本的な建前であるというぐあいに御了承を願いたいと思います。
岡田春夫
19
○
岡田
(春)
委員
ただいまの問題につきましては、私は實はもう少し追究をいたしたいのでありますが、しかしあまり時間をこればかりに使うということもいけませんので、かの問題については、
具體的
な問題から
あと
で取上げてまいりたいと思います。要するに私の
考え
方から申しまするならば、現在の
生産
を押えているのは、いわゆる資本の私的獨占にある、この點が問題なのである。
經營
と資本、
先ほど
資本の定義を
お話
になりましたけれども、要するに私の今取上げております資本と
經營
における資本という言葉と、それから
一般
の通念におきまする資本と
經營
の分離における資本という言葉は、これらは少くとも現在の
經營
機構のもとにおける資本を
意味
するのであ
つて
、いわゆる
具體的
には資本の私的獨占を問題にしているものであるということを、ここでつけ加えて申し上げておきたいと思います。この點につきましては、
あと
で
法案
を
具體的
に
質問
いたしてまいります場合に、この點を
具體的
に取上げてまいりたいと
考え
ます。 その次に、それでは
指定炭鑛
の指定につきまして、土曜日の提案趣旨の御
説明
によりますと、
指定炭鑛
の範圍は、
増産
の見地からこれを
決定
して、現在
石炭生産
の大半を占める大
炭鑛
より逐次管理の範圍を擴大してまいりたい、かように述べておられるのでありますが、大
炭鑛
と書いておられますが、この大
炭鑛
とは
具體的
に大體どういう
炭鑛
を
意味
するものであるか、もしお許し願えるならば、何
萬トン
と
具體的
な御指定を願えれば結構であると思います。
水谷長三郎
20
○
水谷國務大臣
これは私が申すまでもなく、初め商工省の案、安本の案として傳えられたものにおきましては、前期の下半期を
中心
といたしまして、年産○○トン以上の山をやるということに
なつ
た。その○○トンというのは、あるいは五
萬トン
といわれ、あるいは十
萬トン
といわれたことは事實でございます。その後社會黨の案を見ますと、解體財閥の
炭鑛
という御議論も出ました。さらに
民主黨
の方の案から見ますと、それと異つた
考え
も出、また
國民協同黨
からも、いろいろの有益なる案が出たのであります。そこでわれわれといたしましては、これらの問題は、一切そういうようなこれまでの
立場
にこだわらないで、全國
炭鑛
委員會
に諮
つて
、
商工大臣
がこれをきめるということにきめたのでございますが、何と申しましても、この
法案
の一番大きなかなめは
増産
のためでありますがゆえに、いかなる山をばまず第一次的に狹い
意味
の
指定炭鑛
にすべきかということは、
増産
の見地から、これを
決定
しなくてはまらないと思うのでございます。從
つて
そういう問題に關しましては、ただ一概に解體財閥の
炭鑛
と申しましても、それによ
つて
指定炭鑛
にすべき
適當
なものもありますし、あるいは
適當
ならざるものもありまして、今一律にこれをきめるよりは、全國
炭鑛
委員會
に諮りまして、
具體的
にきめていく方がいいのではないかというような
考え
をも
つて
おります。しかしながら、そのきめ方は
具體的
にきめていきたいと思いまするが、その原則は、繰返しましたように
増産
の見地に立
つて
それをばきめていくというぐあいにひとつ御了解を願いたいと思います。
岡田春夫
21
○
岡田
(春)
委員
増産
の見地に立
つて
具體的
にきめていく、こういう
お話
でありましたが、その次に逐次管理の範圍を擴大していくと、かように書いてありますが、この管理の範圍を擴大していくということであるならば、將來全
炭鑛
を指定するというようなことを
考え
ていいと思うのでありますが、この點についてはどうでありましようか、それからもう
一つ
現在
國家管理
の
指定炭鑛
といたしまして、大
炭鑛
のみを
増産
の見地からとりあえず指定しようというお
考え
のようでありますが、そうなるとはたして
増産
の見地から、大
炭鑛
だけの指定で
國管
の意義を十分に果し得るかどうか、こういう點についてお
伺い
したいと思います。
水谷長三郎
22
○
水谷國務大臣
この
法案
にもありますように、
國家管理
の對象は、全部の山であるということを、この
法案
にうた
つて
おります。しかしながら、
増産
のためにこれをやる場合においては、現在の
日本
の
經濟
その他諸般の事情を
考え
まして、全部の山を一律的に
指定炭鑛
にするか、あるいはまたそれをばわけて
指定炭鑛
にするかということが議論になろうと思うのでございます。從
つて
われわれは、そういう點から一應對象は全部の山でありまするが、とりあえず急速に
増産
のできるものは、大小を問わず指定をせねばならないというような含みをも
つて
おります。從
つて
さきに私は大きな山あるいは解體財閥、そういうようなものを一律的にやるというようなことはいかないということを言つたのはそこであるのでございまして、とにかく急速に
増産
のできるものを、大小を問わず指定していこうというぐあいに大體
考え
ております。しかし原則は大きな山からや
つて
いくということは、
一つ
の原則でございますが、その原則を
實際
にはめて
考え
る場合におきましては、やはりただいま申しましたような、いわゆる例外と申しますか、そういうような
考え
をも
つて
臨んでいかなければいけない。このように
考え
ております。 さらにまた今の
岡田
君の御
質問
は、
指定炭鑛
に
國家
の援助が集中される場合において、非
指定炭鑛
は不利な
立場
に立つのじやないかというような御
質問
だと思うのであります。この點に關しましては、指定されない
炭鑛
につきましても監査を行いまして、できる限りその
生産増強
を明確に把握いたしまして、その必要といたしまする
資金
、
資材等
についても、非
指定炭鑛
なるがために特に不利益を受けるというようなことはないように、十分運用したいと思います。これがために地方
管理委員會
におきまして、
指定炭鑛
の代表者だけで、この地方
管理委員會
というものを構成しないで、指定されない
炭鑛
の代表者も参加せしめまして、公平な運用を企圖しておるような次第であります。
岡田春夫
23
○
岡田
(春)
委員
それでは
先ほど
の御
説明
によりまして、大
炭鑛
ばかりではない、
増産
の見地からみて
具體的
に必要とありば、大
炭鑛
以外においてもこれを指定する
考え
である、こういうような御
答辯
でございましたが、そうな
つて
まいりますと、
増産
の見地からという
決定
は、當然これは一應全國
炭鑛
管理委員會
に諮るのでありまようが、しかし最後の
決定
権は
商工大臣
にあるわけなのでありまして、大
炭鑛
以外の
具體的
な
増産
の見地から見て、中小の
炭鑛
があるといたしまするならば、こういう所を
増産
の見地から今指定なさるというお
考え
ならば、この點についてお
伺い
をしたいと思います。特に私がかように申し上げた點は、簡單な
一般
原料用その他の
石炭
と違つた特殊用炭の場合に、ぜひともこれは
國家管理
、あるいは一歩進めて國營にまでも
つて
いかなければならないということを、われわれは考うておるわれでありますからして、特にこういう
意味
においても、今の御發言はきわめて重要であると
考え
ますので、その點についての御
答辯
を願いたいと思います。
水谷長三郎
24
○
水谷國務大臣
ただいまの御
質問
は、大體さきに
お答え
したこで御了解願えると思うのですが、さらに重ねて申されましたのは、非常に特殊な炭であるが、しかし
私企業
では採算がとれないものについては別個に
考え
るという御意見だと思いますが、それはお説の通り特別に
考え
なくてはならぬ。このように
考え
ております。
岡田春夫
25
○
岡田
(春)
委員
ただいま
お話
の特殊な
炭鑛
につきましては、實はこういうことを申すとなんでありますが、
國管
反對を盛んに誇張運動されておりまするいわゆる
經營者側
においてすら、この特殊の採算の合わない
炭鑛
につきましては、國營までを實は望んでおるのであります。この點につきましては、
石炭鑛業
會が聲明書を發表いたしましたときにも、明らかにこの點を述べておるわけであります。こうな
つて
まいりますと、ここでお
伺い
したい點は、このような特殊な
炭鑛
あるいは新鑛開發、これらの問題について、
從來
新聞
紙上の報道によりまする場合において、
政府
は炭業公團の新設を行うということを
お話
にな
つて
おられます。ところが提案の御
説明
によ
つて
、諸種の事情によ
つて
炭業公團法を提出しないで、それに代るべきいわゆる代案を御提出になるという
お話
でありますが、この炭業公團の代案とも言うべき内容について、ぜひともここで明らかにしていただきたいと思います。特に大臣に提案の
説明
において、この
國管法案
の肉づけとなるべきものは、炭業公團代案でなければならないというふうの御
説明
をなす
つて
おられるわけでありますから、この點を特に明らかに、ひとつ
お話
を願いたいと思います。
水谷長三郎
26
○
水谷國務大臣
ただいま
岡田
君の御
質問
の炭業公團の代案の點でございますが、これは本日の閣議で
決定
いたしました。しかしいろいろの
關係
でまだそれをばそのまま發表はできませんので、多少の修正がまた行われるだろうと思いますから、本ぎまりになりますればそれを正確に發表したいと思います。しかしながら、商工省として、大體どういうことを
考え
ておるかということを、ひとつお聽きを願いたいと思うのでありますが、大體新鑛の開發ということが問題にな
つて
おりますが、この新鑛の開發のうちで、調査と建設と
經營
、この三つにわかれると思います。新鑛の開發の調査は大體
石炭
廰においてこれおばやりたい、このように
考え
てあります。それから建設は
民間企業
がみずから
實施
せんとするものは
民間企業
でや
つて
もらう。開發を要するもので、
民間企業
がみずから
實施
することができないものは、とりあえず
産業
復興
公團でや
つて
もらうというぐあいに
考え
ております。それから
經營
の問題でありますが、いわゆる
産業
復興
公團の建設いたしました新鑛の
經營
、これはどうするかと申しますと、原則として
民間企業
に拂下げまたは貸しつけて
經營
をしてもらうというように
考え
ております。しかしながら、
民間企業
者が
經營
することを希望せず、また不
適當
とするものは、
政府
において
經營
する、このため將來特別會計というようなものを
石炭
廰に置きたいというぐあいに
考え
ております。 次に福利の施設でございますが、これは單に福利施設ではなしに、地上の福利施設以外の施設も含むのでございますが、これはそれらの施設で
炭鑛
が建設することが困難なものは、
産業
復興
公團をして建設させる。しかしながらたとえば病院を建てた、その
經營
は
炭鑛
に拂下げ、また貸付けて
運營
をしてもらうというぐあいに
考え
ております。 それから
資材
の調達斡旋でございますが、これは大體
炭鑛
向
資材
、勞務者用品につきまして、手に入れることを容易ならしめるてめに、
石炭
廰は
炭鑛
用機械の例にならいまして、これらの物資の
生産
及び配給の指導斡旋を行うというぐあいに
考え
ております。右の
石炭
廰の斡旋事業に應じて、中小
炭鑛
業者は、各地に自發的に共同購入の
組織
を設けてもらうというようなことを、大體
考え
ております。今日の閣議では、これよりもはるかに詳しいことが
決定
に
なつ
たのでございまして、いずれできるだけ早く發表できるようにいたしまして、皆さん方の前に御發表申し上げまして、
法案審議
の御參考にしていただきたい、このように
考え
ております。
岡田春夫
27
○
岡田
(春)
委員
今の御
説明
で新
坑開發
、あるいはその他の特殊な
炭鑛
の場合においては、
石炭
廰がこれをやる。こういう
お話
でございましたので、その前の
質問
とにらみ合わせて大分はつきりいたしてまいりましたが、そこで
國家管理
のこの
法案
におきましても、今後の
増産
のためには、どうしても
經營
の
民主化
をはからなければならないということは、
先ほど
から再三強調をされておるわけでありますから、當然
石炭
廰が直營をいたしてまいりまする
炭鑛
におきましては、これは當然
民主化
が徹底的に行われるであろうと、われわれは期待をいたしております。この點につきましては、特に反對をする資本家側もないわけでありますから、はつきり
民主化
をやり得ると重うのであります。これについてはどういうようにお
考え
になりますか。
水谷長三郎
28
○
水谷國務大臣
石炭
廰竝びに
石炭局
の
民主化
の點に關しましては、この
法案
に御
説明
しておる通りでございます。ただ一口に申しますならば、
從來
の官僚機構と、今度われわれが
考え
ておる
石炭局
というようなものとは、本質的に違うのでございまして、あるいは
法案
で
石炭局
長、さらにまた
石炭局
員の過半數は民間人でこれをや
つて
いかなければならないというぐあいに
規定
しておるのも、そういう點であります。さらにまた私自身の
考え
といたしますれば、たとえば九州なら九州の
石炭局
長、これは
商工大臣
が選任することができることにな
つて
おるのでありますが、私自身の
考え
は、運用の面においては、これは資本家團體の鑛業面、
勞働者
團體の
勞働
組合が共同推薦して、
勞資双方
の納得ができるような人にひとつ
石炭局
長にな
つて
もらう。
石炭局
員においても、單に
商工大臣
が勝手にきめるということでなしに、そういうような
方法
をやりまして、その點は十分法文の上から申しましても、また運用の面から申しましても、できるだけのひとをやりたい、このように
考え
ております。
岡田春夫
29
○
岡田
(春)
委員
今御
答辯
の趣旨がちよつと違
つて
おつたようですが、私のお
伺い
したのは、新
坑開發
に
なつ
た場合のその
炭鑛
の
經營
は、當然
民主化
されていかなければならないということをお
伺い
したいので、
石炭局
その他のいわゆる官僚機構の
民主化
につきましては、實は今日時間がございませんので、明日徹底的にひとつお
伺い
したいと
思つて
おります。
水谷長三郎
30
○
水谷國務大臣
私企業
が
經營
できないいわゆる新しい山をば、
石炭
廰なんかが
經營
する場合においては、それは
經營
の
民主化
をやらなくてはならぬ、これは言うまでもないことでありまして、その點は十分留意したいと
考え
ております。
岡田春夫
31
○
岡田
(春)
委員
先ほど
炭業公團に代るべき代案としての内容を大分御
説明
願いましたので、だんだん明らかにな
つて
はまいりましたが、特に最近問題にな
つて
おりまする
資材
の問題につきまして、この際
具體的
にお
伺い
をしたいと思うのであります。この提案趣旨の中にも詳しくお述べの通りに、
資材
資金
の入手が不十分であるということが、
生産
不振に大きな原因を與えておるということは、これはもう言うまでもないひとでありまして、これについてしからば
國管
の斷行によ
つて
、
資材
の入手
方法
をどういうようにして
具體的
に確保する途を
考え
ておられるか。この點について、ひとつ
お話
を願いたいと思います。
平井富三郎
32
○平井(富)
政府
委員
資材
の入手につきましては、ただいま大臣から概括的に申し上げましたように、直接國が
資材
の供給者と需要者たる
炭鑛
の間におきまして、強力にこれを斡旋していきたい。たとえば鋼材等につきましての發注の仕方等につきましても、鋼材のメーカーに對しまして一括發注し得るような途を斡旋する、あるいは
生産
されました製品の優先的な積出輸送というような點につきまして、國が直接これを斡旋していくという方向にも
つて
いきたいと
考え
ております。なお大きな
炭鑛
につきましては、契約その他個個に直接
資材
の供給者と契約を結ぶことも
考え
られますが、中小の
炭鑛
につきましては、もし希望する場合におきましては、地方的な共同購入の機關を設置いたしましては、これによ
つて
中小
炭鑛
の購入便宜をはか
つて
いきたいというふうに
考え
ております。
伊藤卯四郎
33
○
伊藤委員長
岡田
君にちよつと了解を得たいと思います。十一時五十分には
商工大臣
は
關係
方面との所用のために退席されますので、その點御了解願います。
岡田春夫
34
○
岡田
(春)
委員
それではこの
あと
の點につきましても、
資材
の面でいろいろお
伺い
したいのですが、これは一應延期いたいまして、ちよつとこれに關連することですから、
一つ
だけお
伺い
しておきたいと思います。 この
法案
の中で十六條でありますが、「
指定炭鑛
の事業主は、第十八條の
規定
により、當該
指定炭鑛
につき、毎日半期の事業計畫(
業務
計畫)の案を作成し、云々とありますが、この
業務
計畫あるいは詳細な事業計畫、この點について、實はこの法文だけでは明らかでありませんし、提案の
説明
でも明らかでないわけでありますが、今後の審議上ぜひともこれは重要でありますので、この内容をひとつお
伺い
いたしたいと思います。それだけをひとつお
伺い
しておきます。
水谷長三郎
35
○
水谷國務大臣
業務
計畫の内容でありますが、これは命令で大體定める豫定でございますが、その内容といたしましては、大體五つのことを豫定いたしております。第一は
出炭
、送炭、山元消費及輸送の計畫というようなことを
考え
ております。二番目には、
設備
の新設増設、もしくは
變更
の計畫、三番目には
資材
、
資金
、勞務及び動力の取得の計畫、四番目には勞務用物資、及び施設の需要の計畫、五番目には
生産
費及び支拂賃金の豫定計畫。
伊藤卯四郎
36
○
伊藤委員長
この際
質疑
の途中でありますが、本案の審査のための
公聽會開會
に關する件にきいてお諮りいたします。去る二十七日
委員長
より提出いたしました
公聽會開會
承認要求書に對しまして、昨二十九日議長より承認をいただきました。つきましては、このたびは正式に公聽會を開くことを決議する順序と相な
つて
おりますが、これにつきましては、
公聽會開會
の日時を
決定
いたさなければなりません。この日時の
決定
に關しましては、公聽會に對する申出、公述人の選定、公述人への通知及び公述人の出頭等の時間的餘裕を考慮いたしますとともに、本案の審査の進行状況とにらな合わせて
決定
することか妥當であると
考え
られます。これにつきましてお諮りいたしたいと思いますが、
公聽會開會
の日時は、各派においていろいろ御意見もあることと存じますので、
委員長
及び各派の
理事
諸君に御一任を願うこととし、本
委員會
散會直後の
理事會
において、その日時を
決定
することといたしまして、その日時に本案審査のために
臨時石炭鑛業管理法
についてという案件について公聽會を開くことにいたしたいと思います。御異議ありませんか。
伊藤卯四郎
37
○
伊藤委員長
異議なしと認めます。よ
つて
そのようにいたします。つきましては、後刻
理事會
におきまして日時が
決定
いたしましたならば、衆議院規則第七十九條によりまして、
委員長
において
公聽會開會
報告書を議長に提出するとともに、その日時及び公聽會において意見を聽こうとする案件を公示することといたします。本日はこれから議院の
會議
において本
委員會
が審査中の
管理法案
につきまして自由討議がありますので、
委員會
はこの
程度
に止めまして、次會は明十月一日午後一時より開會いたし、
岡田
君の
質疑
を繼續することといたします。 本日はこれにて散會いたします。 午前十一時五十四分散會