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1947-08-26 第1回国会 衆議院 皇室経済法施行法案特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十二年八月二十六日(火曜日) 午前十時五十一分
開議
出席委員
委員長
森 三樹二君
理事
苫米地英俊
君 島田 晋作君 松本 七郎君
打出
信行
君
大澤嘉平治
君 園田 直君 奧村 竹三君 本田 英作君 黒岩 重治君
東井
三代次君
出席政府委員
宮内
府
次長
加藤
進君
宮内
府
事務官
塚越
虎男君 ————————————— 本日の
會議
に付した事件
皇室經濟法施行法案
(
内閣提出
)(第三一號)
日本國憲法
第
八條
の
規定
による
議決案
(
内閣提出
) —————————————
森三樹二
1
○
森委員長
これより
會議
を開きます。 前會に引續き質疑を行います。
東井
三代次君。
東井三代次
2
○
東井委員
この前の
會議
に、私
豫算
の方の
理事
の
關係
で缺席をいたしまして、今日お尋ねするところが、あるいは
ダブツ
ているかもわかりませんが、もし
ダブツ
ておりましたら、その點はお許しを願いたいと思います。簡單に二、三の點につきまして
質問
をしたいと思います。
皇室經濟法
は、國の
象徴
としての
天皇
と
皇族
に關する
法律
であることは、言うまでもありませんが、本
施行法
も、
從つて國
の
象徴
である方と、その
周圍
の
方々
の
品位保持
のためのみならず、その
地位
に表裏してお
使い
になります
經濟
でありますから、十分その點に對しての
考慮
が拂われていると
考え
るのであります。その點につきまして相當の餘裕をお
もち
に
なつ
ておりまするかどうか。なお、その次にこの
法案
に
規定
されている
金額
の
算定
の基礎を御
説明
願いたいと存じます。
加藤進
3
○
加藤
(進)
政府委員
お答えいたします。この
金額
は大體においてずつと以前に
算定
したものでありまして、ただいま
内廷費
の八百
萬圓
を例にと
つて
申しますれば、これは現在では
かなり
に窮迫いたしております。ただし、今年は非常に少くてどうにもならないというところまでは行
つて
おりませんので、今年はどうにかこれでや
つて
まいりまして、あるいは次の
年度等
には、
増額
の要求をしなければならないというような事態になるかもしれないと存じております。 次に各
金額
の
算定
について申上げますが、まず第
二條
第一項の
價額
を五
萬圓
とした
理由
から申し上げます。これは
受け
る方と出す方と兩面から觀察できるのでありますが、まず
受け
る方の額を大體きめまして、それにまず出す方をなぞらえたというような
考え
方であります。
價額
を五
萬圓
としたものを、
受け
る方の側からまず第一に御
説明
申上げます。現在の
物價
状態では、五
萬圓
という
金額
はさほど高價なものではございません。そこで家具その他
家庭用品
の中の高價なものを
考え
まして、まずその限度をきめたのであります。かようなものは
皇室財産
を増加するものでもございませんし、これについて一々
皇室經濟會議
の議にかけるのは、むしろその煩にたえないというところで、五
萬圓
をとりました。
賜與
のことについても同樣であります。第
二條
第二項では
價額
は十
萬圓
に
なつ
ております。これを申し上げますと、この額は
皇室經濟會議
の議にかけるのでございますが、
價格
を想定するにあたりましても、現在の
日本
の
作家
の繪とか彫刻とか
工藝品
といつたような
美術作品
の一點の
最高價格
を十
萬圓
くらいに
考え
まして、
骨董品
は
もち
ろんこの
價格
をずつと越えてまいりますが、
現存作家
の
作品
としてはこの
程度
の
價格
が
適當
と思われます。そうしてこの種の
美術作品
は、いろいろ
日本
の文化の將來から
考え
ましても、獻上ということがきわめてあり得ることと思いますので、この
方面
をつかまえまして十
萬圓
といたした次第であります。
家庭用品
よりは額が上だという
程度
のものでありますが、日常の
使用品
でもございませんし、また多少
財産的價値
をもつ點等から
考え
まして、五
萬圓
の倍額を
とつ
た次第でございます。第三條では
價額
は十五
萬圓
に
なつ
てをりまして、この
價額
は同じ人の同じ年度内におきまする
財産
の出す方と
受け
る方との
最高度
をきめたものでございますが、さきに述べました五
萬圓
の三倍、十
萬圓
の一倍半という
程度
を標準としまして、
皇族歳費
の基準となる
定額
二十
萬圓
であることを勘案して、それより若干低額の十五
萬圓
を
適當
と認めたのであります。第四條におきましては、
天皇
、
皇后
、太
皇太后
、
皇太后
について、第
二條
第二項の
金額
十
萬圓
を三倍した三十
萬圓
と
なつ
ております。これらの
方々
は、
一般皇族
と異なりまして、國の
象徴
及びその
親近者
としての
持別
な
地位
をお
もち
になりますので、この點に鑑みまして、
皇室經濟會議
の議にかける額は三倍までと
考え
ました。第五條におきましては
價額
が百二十
萬圓
に
なつ
ております。これは法第四條に
規定
しておりまするが、
皇族
は
天皇
と非常に近い
關係
におありになる方でありまして、その御
行動
、御
生活等
も一體として
考え
るのが
適當
とする點が多うございます。そこで
賜與讓受
につきましても、その一人々々の方を分離して
考え
られないものが少くございません。そこでこれらの方につきましては、
價額
は通じて想定することといたしまして、額は現在
天皇
及び
内廷皇族
が合わせて御
八方おいで
になりますので、
一般皇族
の十五
萬圓
の八倍にあたる百二十
萬圓
をとりました。なおこのほかに、これはお
受け
になる方お出しになる方が同額の百二十
萬圓
でございますが、このほかに
國民
をお見舞に
なつ
たり、またはお勵ましに
なつ
たりするためのことを
考え
ますので、
年額
にして約百八十
萬圓
ずつある見込みであります。この方は
國會
の
議決
にまつこととしまして、法上の問題としておりませんが、これは別にごらんの
通り議決案件
として出ております。以上の額はいろいろこの
法案審議
中から
考え
ておりまする額でありまして、今
囘出す
にあたりましても多くの
變更
を加えませんでした。 次に第七條において
定額
を八百
萬圓
としておるということについてややこまかく申し上げます。
内廷費
八百
萬圓
、この算出の内譯は次の
通り
でございます。御
内帑費
、これは
天皇
、
皇后兩陛下
、
皇太后樣
、
東宮樣等
が御
内帑
にお
使い
になる
費用
と贈
賜等
を含めました
金額
でありまして、三百二十八
萬圓
と
なつ
ております。次に
皇子
の御
養育費
であります。これは
東宮
以下の
皇子
の御
養育費
で四十五
萬圓
。それから
供膳費
が七十五萬、これはお食事や御會食の
費用
であります。それから次に御
旅行費
の百三十
萬圓
でございます。これは
兩陛下
が公の
意味
の少い私的の御
旅行
、たとえば、夏とか冬とかにどちらかに
おいで
になるといつたような
費用
でございますが、このほかに
皇太后
と
東宮
、
皇子
の私的御
旅行費
百三十
萬圓
と見ております。次に
祭祀
の
費用
が二十一
萬圓
、それから、
用度
の
費用
が八十三
萬圓
、それから
祭祀
をする人は、これは役人ではなくて、
内廷
の私的な
使用人
と相
なつ
ておりますが、
給與
その他の雜費のほか、
豫備費等
も見て百十八
萬圓
というものを見ております。以上を合計いたしまして八百
萬圓
となりまするが、この八百
萬圓
が法に出て御
審議
を願います時と、見積りの時とは、
かなり
の年月がありましたので、
經濟上
の變化等によりまして、現在極力八百
萬圓
の中に
收め
るように努力はいたしておりますが、激しい
經濟状況
の
變遷
のために、あるいは次の
來年度あたり
は、
かなり
の
變更
をみなければならないかもしれません。但し、われわれは極力この額でや
つて
まいるつもりでおります。 次に第
八條
で
定額
を二十
萬圓
とした
理由
でございますが、これは
親王
及び
親王妃
の御一家が、
皇族
として相當の御
品位
を保持しながら
生活
するに要する
經費
は、現在までの
實際
の
所要經費
、その他のいろいろな
事情
を總合して、少くとも
年額
約四十
萬圓
と推定される。その内譯は
使用人
に對する
給與費
が十五、六
萬圓
御
生活費
、
交際費
、
用度費
、
旅行費
、營繕費、その他の諸
經費
が二十四、五
萬圓
という計算に
なつ
ております。この四十
萬圓
の中には私的な費途をも含んでおりますから、その七五%を
皇族
としての
品位保持
のための
年金
として、國から提供するものといたしますると、
親王
及び
親王妃
お二人に對する
年金額
は合計三十
萬圓
に相
なつ
ております。これはお二人の場合でありますから、これを
經濟法
第六條に
引當
てまして、既婚の
親王
のお一人方に
引當
てますと
定額
が二十
萬圓
と相なるわけでございます。この二十
萬圓
は
施行
に關する
法律
では一
應十五萬圓
と
なつ
ておりましたが、この點は
經濟上
の
變更
を
考え
まして二十
萬圓
に増加いたしております。
東井三代次
4
○
東井委員
大體は了承いたしましたが、ただいまの御
説明
の中で、八百
萬圓
では少し窮屈ではなかろうかというようなお
氣持
があられておるようでございますが、これはこの前に出ておる
皇室經濟法
の
施行
に關する
法律
の第
二條
にも、この當時八百
萬圓
の
規定
があるわけであります。特にその第
二條
においては但書において「
物價
の
變動
その他の事由により、前項に定める額が、
不適當
と認められるに至つたときは、速かにその額の
變更
について、
法律改正
の
手續
をとらなければならない。」とあるのでありますが、ただ一點私非常に
殘念
に思うことは、その當時と現在とでは、相當
物價
の
變遷
があるわけでありまして、それを勘案の中に入れずに、ここに八百
萬圓
そのままを御
規定
に
なつ
たということ、はなはだ遺憾に存ずるのであります。この點は、今、
宮内
府
次長
が申されたように、次の
機會
に必ず御
考慮
あるよう
希望
を申し上げておきたいと思います。 それに關連してただいまの御
説明
で、本
法案
の第
八條
は二十
萬圓
に
なつ
ておりますが、この前の
法律
、つまり
皇室經濟法
の
施行
に關する
法律
においては、これが十五
萬圓
に
なつ
ております。この點については、今後二十
萬圓
に
増額
されて、八百
萬圓
の方がそのままにすえおかれておるということは、私はなはだ
首尾一貫
を缺くのではないかというような
考え
をもつのであります。この點について何か特に御
説明
があれば承
つて
おきたいと思います。
加藤進
5
○
加藤
(進)
政府委員
率直に申しますと、御
内廷
の方は
世帶
が大きうございますので、非常に窮屈な思いをさせることがないように
考慮
しながら、多少のやりくりはや
つて
いけると見ております。
皇族樣方
の方は、これは違いまして
御世帶
も小さく、
經濟
的の
事情
はよほど緊迫しておりますので、その點で區別したわけでございます。ただいま窮屈とは申しましたが、國の
象徴
としての
陛下
の御
親近
の方の御
生活
の
品位
を傷つけ、あるいははなはだしく御苦痛をお感じになるということは、むろんない次第でございます。その點で、特に今の
經濟事情
から申して
増額
を求めることも、かえ
つて
いかがかと思われまして、この
金額
でできるだけや
つて
いくと申し上げる次第であります。
東井三代次
6
○
東井委員
お
氣持
はよくわか
つて
おります。しかしながら、
經濟
の
變動
が非常に大きな
時代
でありますから、どうぞ十分お氣をつけいただきますよう、お願い申し上げておきたいと思います。 それから
皇族
に關する
經費
は、
内廷費
、
宮廷費
、
皇族費
のこの三つに
なつ
ておるように思いますが、
内廷費
は、今、八百
萬圓
ということは大體わかりましたが、あとの
宮廷費
と
皇族費
は、
總額
どれくらいに
なつ
ておりますか。
加藤進
7
○
加藤
(進)
政府委員
お答えいたします。
仰せ
の
通り
、
皇族
に關する
經費
は、
内廷費
、
宮廷費
、
皇族費
と
なつ
ておりますが、
皇族費
の方は、
内廷
にあるほかの方の
費用
、たとえば
秩父宮家
以下の方を指しておりますので、この方は
年金
だけを、あるいは
皇族
の列を離脱される際の御
賜金
を見ておるのであります。
從つて天皇陛下
と他の御
親近
の
方々
につきましては
内廷費
と
宮廷費
とにわけてあるのでありまして、
内廷費
の方は主として私の立場から見ました場合であります。これはつまりお
使い
になるのは
官金
、公金ではなく、私の
範圍
でお
使い
になります。
宮廷費
の方はこれは公の場合を主として見ましたので、これを
使い
まする際は公の
官金
として經理いたします。
宮廷費
の方はどれだけのものが見積
つて
ありますかは、ただいま内
藏頭
から申し上げます。
塚越虎男
8
○
塚越政府委員
お答えいたします。
皇室費
は御
承知
のように
内廷費
、
宮廷費
、
皇族費
にわかれておりますが、
内廷費
は八百
萬圓
の月割といたしまして、十一箇分と見まして七百三十三萬三千圓、それから
宮廷費
は千五百二十四
萬圓
、
皇族費
は六十八萬八千圓、それに
昭和
二十二年度は
過渡期
でございまして、前の
憲法
による
皇族費
の
定額
というものが四月一箇月分を見ておりまして、これが四十
萬圓
、合計いたしまして二千三百六十六萬一千圓というふうに
なつ
ております。
東井三代次
9
○
東井委員
皇族
が
皇族
の籍を離脱されるにあたりましての一時
賜金
のことにつきましては、この前お答えがあつたように承
つて
おりますが、その一時
賜金
と
課税
の
關係
につきましてはどういうことに相
なつ
ておりますか。
塚越虎男
10
○
塚越政府委員
この
課税
の
關係
につきましては、
國庫
から出ます金でございますので、結局多く出してそれに税金をかけるという
關係
も
考え
られますが、むしろこれは免税にいたしまして、
實質
の
手取額
を出した方がいいんじやないかという
考え
からいきまして、
所得税法
の中に
規定
を設けまして、これについては
課税
をしないという
取扱い
にいたしております。
東井三代次
11
○
東井委員
もう一つ承
つて
おきたいのでありますが、「
舊皇室財産
の
處理
に關する
調書
」という材料をここにもら
つて
おりまするが、これで大體の
舊皇室
の
財産
の
處理
に關するいろいろなことはわかつたのでありますが、この
調書
の第一項目の中ごろに、「次に若干の
私的財産
を除き」という文句があるのであります。「若干の
私的財産
」というのは、どういう
内容
を指しておりまするか、御
説明
願いたいと思います。
塚越虎男
12
○
塚越政府委員
この「若干の
私的財産
」の
内容
についてお答え申し上げます。この中には不動産は含んでおりません。この
内容
は御身の
まわり品
と若干の
預金
、
有限證券
ということに
なつ
ております。お身の
まわり品
といたしましては、いろいろな御衣服でありますとか、御調度それから御裝身具、あるいは御書籍、また
生物學
御研究所の
標本類
というようなものがその中にはい
つて
おります。また
皇室
に御由緒の深い圖書類というようなものもその中にはい
つて
おります。それから
預金
、
有價證券
といたしましては、
天皇
を初めといたしまして
内廷
にある
皇族方
合わせまして御
八方
の御
私有財産
として千五百
萬圓
を充てております。その
内容
は
預金
、
有價證券
でありまするが、現在におきましてはもつ
ぱら預金
の形に
なつ
ておりまして、漸次これを
有價證券
にかえていくという
考え
であります。
東井三代次
13
○
東井委員
全部終了いたしました。
森三樹二
14
○
森委員長
打出信行
君。
打出信行
15
○
打出委員
二、三の點について御
質問
申し上げます。ただいま他の
委員
から御
質問
になりました
内廷費
の八百
萬圓
というものが、今日の
經濟状態
とにらみ合わせまして非常に少いということは、私
ども
も痛感いたしているのでございますが、ただいまの御
説明
によりまして
皇室
の
尊嚴
を汚さない、御不自由をかけないというような
お話
で、まず私
ども
もこれで了承いたしたいと思うのであります。これに關連いたしまして、私
ども郷里
に歸りまして、
皇室
の
經濟
がこうこうだということを發表いたしますれば、あるいは
國民感情
のほとばしるところ、
獻金運動
というようなものが起らないとも限らないと思うのでありまするが、昨年でありましたか、非常に
主要食糧
の缺乏した
時代
に、
陛下
に對しまして、
獻米運動
と申しますか、さようなことが起り、それが
主要食糧
の移動であるからできないとか、何か多少の騒ぎがあつたようなことを記憶いたしているのであります。その
主要食糧
の點の問題は別といたしましても、そういうような
意味
で、
國民感情
のほとばしりとして
獻金運動
というようなものが起るようなことがあつたとするならば、そういうものについては、どういうようにお
取扱い
になるかお伺いいたします。
加藤進
16
○
加藤
(進)
政府委員
非常にむずかしいお尋ねでありまするが、現在といたしましては
獻金
は
受け
ない
方針
でございます。と申しますのは。ただいま
塚越政府委員
から申しました
通り
に、多少の
資産
もお持ちになり、この
資産
はいかほどでないにいたしましても、年年の恆常的の
陛下
の御
行動
の
費用
は、
豫算
を通しまして國の方から支出に相
なつ
ております。
宮内
府といたしましては、この金でできるだけのことはや
つて
おります。もし、いかにしてやりましても、
陛下
の國の
象徴
としての御
品位
、その他の
方々
の御
行動
上差支える場合には、國の
豫算
の
増額
によりまして、
議會
の手を經るべきものと
考え
ております。
もち
ろん
獻金
におきましても、百二十萬の額を越えました部分は、
國會
の
議決
を經なくてはなりませんのでございますし、また先ほど申しましたある額以上は、
經濟會議
の
議決
を經ればよいわけでございますが、かような手段にはよらずして、
内廷費
、
宮廷費
の
増額
によることを正當と
考え
ます。
獻金
は
受け
ない
方針
でございます。
打出信行
17
○
打出委員
われわれはまだ
宮城
を拜觀したことはございませんが、ひそかに承りますところによりますと、
戰災
のために、非常に
建物
その他において
荒廢
に歸しているというようなことを承
つて
、まことに恐縮いたしているような次第でございます。
もと
のような
宮城
に修復するということは、この際いろいろな
關係
においてむずかしいかもしれませんが、ある
程度
尊嚴
を傷つけないというような
程度
に
宮城
を修復するということについて、
宮内省關係
において、何か御計畫があるかどうか、伺いたいと思います。
加藤進
18
○
加藤
(進)
政府委員
お答えいたします。
仰せ
のように、
宮殿
は表
宮殿
も燒け、奧
宮殿
も燒けました。また
赤坂方面
におきましては、
大宮御所
も燒けました。但し、ただいまのところでは、
陛下
の御住居につきまして、これはむろんお
手狹
でもあり、また謁見その他につきましても、
宮内省
の廳舎を
使用
しておるのでありまして、確かに窮屈ではあり、御不便ではありましても、現在の
程度
でございましては、まだまだいろいろほかの
現状
から
考え
まして、
國民
の
象徴
としての
品位
を傷つけるというようなことはないかと存じます。國の力が囘復してまいりまして、その時にもう少しゆたかになりましたならば、それに相應した
宮殿
の
再建等
は、むろん
考え
てしかるべきことと存じますが、現在のところでは、まだその計畫をも
つて
おりません。なお
赤坂離宮
におきましては、
皇太后陛下
の
御殿
が燒けましたので、これはとりあえずある
建物
を移築し、あるいはごく一部の
事務所代り
のものを新築いたしまして、御居住のための
御殿
はつく
つて
ございます。
打出信行
19
○
打出委員
他の
皇族方
のお
屋敷
が
戰災
のために相當に
荒廢
いたしておるようであります。その點につきましては、どういうように
なつ
ておりますか。
加藤進
20
○
加藤
(進)
政府委員
この點は單に
戰災
をお
受け
になりましたばかりでなく、
財産税等
の
關係
によりまして、今までのお
屋敷
を手離される方も多いのであります。それで、今までのような御
生活
をかえられまして、それぞれお狹い所に
お移り
になり、その他
秩父宮家
のように、現在
東京
には
屋敷
をお
もち
でない方もございます。われわれ
將来關心
を
もち
ますところは、降下せられず、宮家としてお殘りになるのは、
秩父宮
、
高松宮
、
三笠宮
でありまするが、この
方々
はやはり公の面をお
もち
になるので、この
殿邸
につきましては、相當の
殿邸
をお
もち
になるように、何とかくふうをめぐらしていかなければならないと思います。但し、ただいまの
状況
では、ただいますぐに
お住い
にお差支えになるということはございません。
秩父宮
は
御殿
場に
お移り
になり、
高松宮
には
御殿
の一部の官舎に
お住い
になり、
三笠宮
は小さい
屋敷
をもたれております。なおそのほかに、
東京
にあります
常磐松
の
御殿
、
舊伏見宮
の
御殿
でありますが、この
御殿
を公の會合のときに御
使用
になることは認めておりますので、この邊の心配も、
現状
におきましてはないと思います。ただだんだん時の經まするに從いまして、
皇族
の公の
地位
に鑑みまして、この
殿邸
のことは何とか解決をはかる時期がやがて迫
つて
くると存じます。
打出信行
21
○
打出委員
さらにもう一點、全國に
陵墓
の數がどのくらいあるか。この
警護維持
の
費用
にどれだけのものをお充てに
なつ
ておるか。これは申し上げるまでもなく、新
憲法
におきまして、
日本
の家というものがなくな
つてしまつた
、と申しまするものの、系譜であるとか、あるいは墳墓であるとか、
祭祀
の點については、特別の
考慮
が拂
つて
あるのであります。しかるに
敗戰後
の頽廢した人心からいたしまして、新聞紙上、よく
陵墓
の木を伐
つて
薪にするとか、あるいは侵すべから
ざる所
に踏みこんでい
つて
云々というような、まことにわれわれとしては恐れ多いような記事を新聞紙上散見いたしたのであります。從いまして大切な
陵墓
に對しまして、どういうような
方法
をも
つて
警護維持
せられておるか。
加藤進
22
○
加藤
(進)
政府委員
陵墓
の數から申し上げます。
歴代
の御陵が百十一で、そのほかに
歴代
の御
分骨所
、あるいは各
皇族樣
のお墓とか、
參考地等
を入れまして、
箇所數
は八百五十九に
なつ
ております。これを約百三十人の現地の
陵墓職員
を
もち
まして、それぞれの監視に當らせております。
陵墓
とその
周圍
の土地とは、大體非常に
廣大
なものを除きましては、
もと
の規模を
もち
まして
皇室用財産
として殘
つて
おります。
お話
のようにときどき京都、
奈良等
の
かなり
廣い
場所等
につきましては、不法な
侵入者
がありまして、木を伐るというようなことが起りましたのは、私
ども
として、はなはだ
申譯
ないことと存じております。
事情
を聽きますると、多少
人數
を殖やしましても、手のつかないような
侵入方法
をと
つて
木を伐つたものもあつたようでございます。しかし、これもだんだんになく
なつ
てまいりまして、このごろではさような報告は
受け
ておりません。
費用
の方は
陵墓
といたしましては、三十九萬三千圓を計上いたしております。
打出信行
23
○
打出委員
最後に私
ども
は
九州
の出身でありますが、よく
縣會
その他におきまして、
九州地方
に
行在所
を一つこしらえていただきたい、こういうようなことが問題となりまして、四、五年前には、
熊本縣
の
縣會
においても、相當皆が熱意をこめて、
九州
に
行在所
をこしらえてもらいたい。殊にまた
日本國
の根源から申しましても、あるいは
宮廷
と
九州
の
關係
から申しましても、ぜひ
行在所
をこしらえていただきたいということが問題と
なつ
たのであります。こういうような世の中となりまして、ただちにここに
行在所
をおこしらえ申し上げるということもどうかと思いますが、もしも
九州地方
の各縣が申し合わせまして、
陛下
の
おいで
になるような
行在所
ができたといたしますれば、
九州
の方にときどきお出ましになるようにお願いをいたしておく次第でありますが、
宮内省方面
においては、そういうような
宮内省自身
としての御計畫はないのでありますか。
加藤進
24
○
加藤
(進)
政府委員
終戰後間
もなくでございましたが、
陛下
より
皇室
の
財産
のうち、民生安定、
經濟
の復興に資すべきものがあれば、これをことごとく國に託して、最も
適當
なる
利用方途
を
考え
よというお示しがございました。このことは、
殘念
ながら内部のいろいろな
事情
によりまして、なかなか
實現
はいたしませんでございましたが、新
憲法
が實施されまして、
皇室財産
が國に移りました際に、鹽原の
御用邸
とか、日光の二つの
御用邸
、伊香保と御
別荘等
は、それまではときどき御
使用
があつたのでございますが、それぞれの用途を
考え
て國に渡しました。現に鹽原等は、盲人の
光明寮等
に
使用
されておるような
事情
であります。ただいまの
お話
は、われわれといたしましても、たいへんうれしい話でありますが、現在までにときどき御利用ありましたものも、それぞれ民生安定、
厚生等
のために出せよという
状況
でございますので、現在新しい
御用邸
、
行在所
をつく
つて
まいりますことは、未だその時期ではないかと存じます。但し
九州地方等
への
おいで等
と申しますことは、御
承知
のように、
陛下
は各地を歩いて大衆に接せられまして、お慰めになり、お勵ましに
なつ
ておる
状況
でございますから、
行在所
があるなしにかかわらず、やがて
九州
も巡幸をお迎えする
機會
があることと存じます。
打出信行
25
○
打出委員
大體了承いたしましたが、私といたしましては、
希望
といたしまして冒頭申し上げましたように、八百
萬圓
の
内廷費
は、今日の
經濟状態
から申しまして、あまりに少な過ぎる。これを
次年度
においては相
當額御増額
に
なつ
てしかるべきものである。さらに、大切な
陵墓
の
維持費
と申しますか、これがわずかに三十九萬三千圓、全國にまたがる
陵墓
をこれくらいのわずかな
費用
で完全に維持していくということは、數字上から申しましても、むしろ難きを強いるものでないか。かように信じますので、こういうことについては、さらに當局の深甚なる御
考慮
をお願いいたしておきます。 最後に、
九州地方
に
陛下
が行幸になりましたのは、
昭和
六年、大演習のみぎりでありまして、先刻
お話
の民心安定というような點から申しましても、
陛下
の行幸を近々に
九州
に仰ぎたいと申しますのは、これはわれわれ議員の
希望
のみでなく、
九州
全土の
國民
が鶴首してお待ち申し上げておるので、これにつきましては、當局においてしかるべく御善處をお願い申し上げます。私の
質問
はこれをも
つて
終ります。
森三樹二
26
○
森委員長
御質疑も大體終了いたしたようでありますが、他に御發言はございませんか。——なければ討論にはいるのでありますが、この際皆さんの御了解を得まして、
委員長
といたしまして當局に二、三要點を質し、お答えを願いたいと思います。 昨年この
皇室經濟法
ができまして、當時私は本
會議
におきましても御
質問
を申したのですが、從來の
皇室財産
が、この
皇室經濟法
によ
つて
國有
財産
に
なつ
たのであります。その
皇室財産
から國有
財産
に移管される場合におきまして、公正なる機關を組織して、これをはつきり區別をしなければならぬと思うということを申し上げておいたのであります。現在ではもうすでにこの
皇室經濟法
によ
つて
、從來の
皇室財産
が國有
財産
になり、またその國有
財産
の中でも、特に
皇室
の御用に
なつ
ておるものは公用
財産
と
なつ
ておるのでありますが、これらの區別につきまして、いかなる
審議
の機關をお設けに
なつ
て決定なさつたのでありましようか。
加藤進
27
○
加藤
(進)
政府委員
ただいま
お話
のような點を承つたのでありますが、閣令によりまして
皇室用財産
調査
委員
會というものが設置せられまして、この
委員
會におきまして四月二十八日に、
憲法
により國有に移るべき
財産
中、
皇室用財産
とすべきものと、しからざるものとを調査
審議
いたしたのであります。
皇室用財産
調査
委員
會の構成は、内閣總理大臣を會長といたしまして、
委員
として人名を申し上げますと、衆議院から大野伴睦さん、西尾末廣さん、天野久さんがお出になり、貴族院からは大矢議員、白根議員、橋本議員が出、その他に官職を
もち
まして内閣書記官長、法制局長官、
宮内
次官、大藏次官、會計檢査院部長が
委員
となりまして
審議
し、先般來ごらんに入れておりますような區分を承認したのでございます。
皇室用財産
調査
委員
會は、大體
皇室財産
中、
皇室經濟法
附則第
二條
の
規定
によりまして、
皇室用財産
とするを
適當
と認めるところの
範圍
に關する事項を調査
審議
するために、内閣に置くことに
なつ
ておつたのでございます。
森三樹二
28
○
森委員長
昨年私
ども
宮城
の拜觀を許されまして、當時拜觀いたしましたのですが、その當時、お燒けに
なつ
たその殘りの
建物
なんかも大分ありましたが、あそこの圖書館というのですか、書物がたくさんございました。あの中には、やはり
皇室
が直接將來お
もち
にならなければならぬものも多數あつたのですが、そうしたものについても區分なさつたのでありますか。
加藤進
29
○
加藤
(進)
政府委員
昨年
おいで
になりましたのは、あれは圖書寮と申しますが、あそこにあります書物は、大體國有に移しております。國有に移しました
意味
は、
もち
ろん
皇室
の私的な
財産
といたしましても、これが利用をはか
つて
はまいりますけれ
ども
、あそこにありますものは、大事に
もち
ながら利用していくという面が強いと思います。ただし
宮内
府の管理を離れますと散逸等もございますので、
宮内
府で管理はいたしておりますが、國有に移しておりまして、現に展觀等を續け、あるいはその中の優秀な古文書等は、出版等の計畫もございます。
森三樹二
30
○
森委員長
それから國有
財産
になりましたものは、すでに
皇室財産
でなくて、國有
財産
に移管されてしまつたのですから、おわかりでないかもしれませんが、これらのうち、森林の開發とか、あるいは農地になる所は農地に開發するとかいうことについては、その後御存じでございましようか。
加藤進
31
○
加藤
(進)
政府委員
先ほど申し上げましたように、
終戰後間
もなく、民生の安定、
經濟
の復興のために、
皇室財産
を解放せようという思召しがありました。この所有權を正式に國その他の團體に移しますことは、外部的にいろいろ支障があ
つて
實現
いたしませんでしたが、その緊急の措置といたしまして、無償の
使用
承認をいたしまして、北海道等でも、たしか四萬町歩以上と思いますが、各地元の町村をしてこれが開發に當らしめておりまして、地元の官廳、地元の町村等とも連絡をとりまして、相當の成績は
收め
ておつたように記憶しております。現在はまつたくこれが國に移りましたので、五月三日以後の成績は存じておりませんが、順調に進んでおるだろうと
考え
ております。
森三樹二
32
○
森委員長
それから各
委員
諸君も非常に御熱心なる御質疑をなさいまして、その中にもしばしばありましたように、この
皇室
の
内廷費
竝びに
宮廷費
に關しまして、非常に額が少いようではないか、今日の
經濟状態
からするならば、これでは足りないのではなかろうかという各
委員
諸君の御心配もありましたようですが、御答辯としては、
増額
しなくても、この
程度
でどうにか賄いができるというような御答辯でもあつたようですが、これは年々かえるというわけにはいかないのでしようが、
皇室
經濟
施行法
の第七條には、八百
萬圓
とするとありますが、今後この
法律
を改正しないと
増額
ができないように
考え
られるのですが、その點いかがでしようか。
加藤進
33
○
加藤
(進)
政府委員
仰せ
の
通り
でございます、
内廷費
は
法律改正
を要すると思います。
森三樹二
34
○
森委員長
その點につきまして、これを法にきめてしもうのがよいでしようか、それとも最高額をきめておいて、それ以内とするというような
方法
を講ずるとか——ここにきめてしまうと、一々改正するのですか。また明年
經濟状態
が違
つて
來ますと、改正なさる御意向でありますか。明年
物價
が非常に高く
なつ
たとか、あるいは極端に安く
なつ
たというような場合には、またこれを一々
議會
にかけて改正なさるつもりですか。
加藤進
35
○
加藤
(進)
政府委員
八百
萬圓
というのは、先ほどから申し上げておるように、餘裕ある額ではありませんので、
經濟状況
がひどく變化してまいりますれば、改正してまいらなければならぬと思います。
森三樹二
36
○
森委員長
それからこのたび
皇族
の御身分から一般人に降下なされる各
皇族方
が十一家、五十一人あると先般來言われておつたのでありますが、これらの
方々
が
皇族
の御身分を離れられるにつきまして、現在
審議
されておりまするこの
施行法
に基いて、各御一家毎に百數十萬の金をお渡しすることになるのですが、
皇族方
の今後の御
生活等
については、相當御心配をしておられるようでありますが、各
委員
諸君も、現在の
皇族
がその身分を離れられて、將來その金をいろいろな事業等にお
使い
になるのですが、萬一失敗なすつたりして、非常に
生活
が苦しくなられて、元
皇族
であられた方の
品位
を保持することができないような場合が生ずるということを非常におそれられておるようでありますが、われわれといたしましても、現實問題とし
實際
あるわけであります。この點
皇族
でなくなるのでありますから、あらためてまだこれらの人たちに國家が
費用
を出すということもできないと
考え
るのであります。これについて國家が特別の機關を設けるということもできないのでありますが、それぞれ顧問というような方もおられるのでございましようけれ
ども
、これを何らかまとめて運用するとか、あるいは
適當
な御意見を申し上げる相談所というようなものでもおつくりになる御意見はありませんか。
加藤進
37
○
加藤
(進)
政府委員
非常にむずかしい問題ですが、私
ども
はその
方法
が
適當
しておると存じますが、これをお
受け
になる方でそういう意思がありませんと、かえ
つて
あるいは窮窟であるとお
考え
に
なつ
てお斷りになる方も出てくると思いますので皆樣ばかりでなく、私
ども
といたしましても、できるだけおせわをしたいという
氣持
はありますが、
皇族方
のそれを
受け
ようという
氣持
とぴつたりいたしませんと、この點は無理に拘束することはできないので、非常にむずかしいところであります。
森三樹二
38
○
森委員長
それでは、以上を
もち
まして質疑は終了いたしました。 午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ————◇————— 午後一時五十八分
開議
森三樹二
39
○
森委員長
それでは休憩前に引續き
會議
を再會いたします。
皇室經濟法施行法案
及び
日本國憲法
第
八條
の
規定
による
議決案
を一括議題として討論に入ります。松本七郎君。
松本七郎
40
○松本(七)
委員
新
憲法
になりましてから、主權が
國民
に移つたということで、
皇族
に對する
考え
方というものが相當
國民
の間に變
つて
きていることは事實でありますが、依然として國家の統合の
象徴
であり、
國民
の
象徴
である
天皇
の
地位
は確立されております。その
象徴
である
天皇
の御一族のこれからの
經費
、そういうものについては、
國民
全般が非常な深い關心を拂
つて
いるのであります。今後の
皇室經濟法
及びその
施行法
による
定額
などにつきましても、少きに過ぎるような感があるでのありまするが、大切なものを守るために、ひいきの引倒しになるというようなおそれもありますし、時世が時世で
國民
が全部耐乏
生活
をして國の再建に進んでいかなければならないようなときに、また
皇族方
の側でも進んでそういう
國民
とともに苦しみを切り抜けようということを、むしろ
希望
しておられるというようなことも承
つて
おります。ですから、將來國力がゆたかにだんだん囘復していくにつれ、
國民
の
生活
文化が向上するにつれて、また
日本
の
象徴
である
天皇
の御一族の
生活
もゆたかになるということを期待いたしまして、
日本
社會黨を代表して、今囘はこの政府の原案に贊意を表します。
森三樹二
41
○
森委員長
園田直君。
園田直
42
○園田
委員
民主黨を代表して本案に贊意を表する者であります。先般來各
委員
から意見を述べられました
通り
、わが黨においても、
國民
の
象徴
であり、國家の
象徴
である
陛下
竝びに
皇室
の
費用
に關しては、特に深甚なる
考慮
を拂うものであります。特に
内廷費
の八百
萬圓
及び
皇族費
の二十
萬圓
は、現下の
状況
等より、
陛下
竝びに
皇室
のもたれる御
地位
、
國民
の感情からしまして、はなはだ恐懼する僅少なるものではなかろうかと存ずるのであります。この點については、
關係
當局におかれては、この次から十分
考慮
をせられて、
内廷費
における、特に
天皇
の外國に對する儀禮の
費用
及び皇太子の教育費、
陵墓
の
費用
、
皇族費
等については、特別の
考慮
を拂われて計畫されんことを附帶をして、本案
通り
に贊成をいたします。
森三樹二
43
○
森委員長
本田英作君。
本田英作
44
○本田
委員
私は
日本
自由黨を代表いたしまして、兩案に對して贊成の意思を表明いたします。私の方においても、ただいま代議士會に諮り、滿場一致をも
つて
承認を經たわけでありますが、皆、これくらいの
豫算
で、はたして
日本國
の
象徴
であり、
日本國
民の統合の
象徴
である
皇室
及び御一家が、十分この
經濟
超非常時の際に
生活
していかれるかということを、心配していたのでありますけれ
ども
、すでに案として上
つて
おるのを増減をするということは、社會黨の言われました
通り
、いろいろの
方面
の響きもあることでありますから、その局に當られるお方が、十分にその運營を御注意くださいまして、
皇族方
の御體面を害しないように切り盛りをせられて、本年の經過を見てさらにあらためて御發案の場合においては、われわれも十分に
審議
をこらしたいということにいたしまして、本案に對しては贊成の意を表明する次第であります。なおすでに
皇族
とせられまして、とうに
皇族
の籍を離れました李王家のことに對しましては、明治四十三年でありました内の、それ以來のいろいろな歴史もあることでありますし、また今日の朝鮮國の模樣も内外に明らかなことでありますから、やはりこの李王家の問題については、
皇族
籍を離れられられたのであるけれ
ども
、十分に同情をも
つて
、
宮内
府の諸君がいろいろ御相談にあずかるように
希望
いたします。
森三樹二
45
○
森委員長
黒岩重治君。
黒岩重治
46
○黒岩
委員
國民
協同黨は、本兩
法案
ともに贊成するものであります。この
法案
中、
内廷費
の
定額
八百萬は、
物價
騰貴の
現状
におきましては、その額の僅小に失するの懸念はありますが、當局の責任において御不自由をおかけ申し上げざるよう、周到な御
考慮
が拂われておられるようでありますから、その點を了としまして、原案を承認するのであります。ただし
物價
の將來における
變動
に應じまして、必要なる場合は本法を改正しまして、事態に即應して、
内廷費
に不如意なからしむるよう、配意あらんことを申し添える次第であります。また
皇族費
におきましては、これと同樣の
意味
におきまして原案を承認いたします。 さらにまた法第
二條
による
財産
の讓渡、
賜與
、讓り
受け
に關する一定
價額
につきましても、わが國の傳統から
考え
ますならば、かかる法によるところの制限は、いかにも情において忍び得ざる感がありますが、この情を超越してかかる制限を附する
皇室經濟法
をすでに制定せられております點を
考え
まして、この一
定額
を定めることにも贊成するものであります。なお本
委員
會の
質問
によ
つて
明らかになりました
皇族
の身分をお離れになられんとする十一家の
皇族
の
方々
の將來につきましても、
國民
としての心情を被瀝いたしまして、その將來の御多幸を念願いたす次第であります。 次に、
日本國憲法
第
八條
の
規定
による
議決案
につきましても、異議がございません。よ
つて
國民
協同黨に兩案とも原案に贊成いたす次第であります。
森三樹二
47
○
森委員長
東井
三代次君。
東井三代次
48
○
東井委員
第一議員倶樂部を代表いたしまして、本
法案
竝びに
議決案
に贊成の意を表します。各
委員
が述べられたように、國の
象徴
である、
天皇
竝びに
皇族
が、その
品位保持
のみならず、その
地位
と相表裏して
使用
せられます
經費
につきましては、當局は
もち
ろんのこと、
國民
も愼重にこれを
考え
なければならないところだと思うのであります。この
意味
におきまして、常に
内廷費
等につきましては、不自由のないように留意しなければならないのでありますが、特に當局におかせられましては、國の
經濟状態
の推移ないしは
物價
の
變動
に關して、不斷の注意を拂
つて
深甚なる
考慮
をめぐらされるよう強く要望いたしまして、本案に贊成をする者であります。
森三樹二
49
○
森委員長
以上をも
つて
討論は終局いたしました。 これより採決をいたします。各案とも、原案に贊成の諸君は起立を願います。 〔總員起立〕
森三樹二
50
○
森委員長
起立總員、よ
つて
各案はいずれも原案の
通り
可決いたしました。 なおこの際お諮りいたします。衆議院規則第八十六條による報告書は、
委員
會の
議決
を要するのでありますが、今囘は
委員長
に一任していただきたいと思いますが、御異議はありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
森三樹二
51
○
森委員長
御異議なしと認めて、さよう決定いたします。 最後に
委員長
として御挨拶を申し上げます。非常なる猛暑のうちに、各
委員
諸君竝びに
宮内
府
次長
、その他法制局長官、
政府委員
當局におかせられましては、熱心に御出席賜わりまして、適切なるところの質疑應答をいたされまして、本案は可決されたのでありますが、いずれも新
憲法
に
規定
する
國民
の
象徴
たる
皇室
に對し、
國民
的感情からいたしまして、
皇室
の御
經費
に支障なきやを御懸念いただきまして、非常に本案の
審議
に際しまして、われわれ感深きを覺えたのであります。
委員
諸君竝びに
政府委員
諸君の御熱心なる質疑應答に對し、
委員長
といたしまして、厚く感謝の意を表する次第であります。それではこれをも
つて
散會いたします。 午後二時十一分散會 ————◇—————