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千賀委員 今日は
關係の各
委員會の方々がみなお集まりでありまするし、またその向き向きの
政府當局も御
出席でありますから、まことによい
機會でありますので、ぜひ御
質問かたがた注意を喚起いたしたいと思うのであります。
災害の
防止の
機能についてであります。特に
水災の
防止の
機能についてでありまするが、近ごろ
日本の歸還者あるいは
戰災者等のために
入口が急激に殖えまして、これら
入口を保持するために食糧を供給する一助として、國内のあらゆる
方面で新
農地の開拓を計畫いたしておられます。もちろん多數の人口を養うために耕地を
擴げようというこの作用につきましては
根本的に私
どもは反對をするものではございませんけれ
ども、農林省または經濟安定本部の
方面で計畫をさせられておるとこを見ますと、ほとんど平らな山地を赤むけにむいてしま
つて、まずあぜをつく
つて畑のようなかつこうをつくれば、それがいわゆる
新開發の
農地だというように心得ておられまして、畑はつくるがさてその下流に水をどう流そうか、そこへ荒れたところの土砂がどこへ流れ著くか、この會につきましてはまことに杜撰なものがあります。杜撰なものどころではない。ほとんどこの點につきましては無計畫でや
つておられる。こういうことは全國到るところの顯著な
一つの特徴でございます。ここに大暴風雨があれば、あつた所で大
災害ができる。
東北であれば
東北でできる。西の方の數縣であれば、またそこに大
災害が起る。ほかの
方面でも一旦颱風が起りましたならばことごとく同樣な
災害が次々に起り、やがては
日本の全土をおお
つてくるのであります。實にこの點は悲しむべき現象でありまして、私は過去二十年以來愛知縣のこうした
土木行政の方に大分努力してきた一人でございますけれ
ども、現在その
措置をいかにするかというと、いい方法がないのであります。山に木を植えて荒廢した山を再び昔に還すということは結構でありまするけれ
ども、現在木を植えてみたところで、その木がやがて
砂防の効力を發生するまでは數年間あるいは數十年間も日子を要するので、とても現在荒れ果てていこうとする状況に對しては、何の効果もないのである。山主に何とか
措置をとれと言
つてみましても、今に山というものは
農地法が擴大せられて山主がみずからの山を所有することさえも許されぬのだそうだというようなうわさが飛びまして、山を愛護するどころか、むしろ山の木を今のうちに一本でも切れる間に賣り飛ばしてしまえというのが山主の現在のすさんだ心理状態であります。これはとても所有者に善處をさせるということは及び
もつかないことであります。たつた
一つここに殘されましたことは
内務省關係が今まで掌
つておりました、今度は
國土局の
關係でございましようが、あるいは山脚の保護であるとか
砂防堰堤の築場であるとか、こうしたものをどんどんと施設をいたしましてとりあえず山から低い所に流れて來る土砂を止め、あるいは一時の水を止める。これ以外に
日本の
國土を救う途はないという現状でございます。どう
考えてみましても斷じてそれ以人に水をしばらくなりとも治めようという方法はないのであります。この現状にあたりまして今内台省がこうしたちりぢりばらばらの
機構を
改革せられるということは、まことに事情やむを得ないといたしましても、たとえその
機構改革の間に少しでもこの
機能が停頓いたしましたならば、ほんとうに
日本の
國土は惨憺たる状況に陥
つてまいるのであります。私は特にこの向きの
當局に強く
要求をいたすのでありまするけれ
ども、
機構改革もまことに結構でありまするが、しかしながら
日本のこの荒れ果てんとしつつある山野を護り、また既耕地を護
つて、從前の増收が既耕地から確保できるということにいたしまするにはどうしても
砂防というものは非常に重要な問題であるのでございます。殊に
内務省關係が今まで掌
つておられました工事をいたしまするこの
砂防が、最もはまり役であるのでございます。この
意味におきまして私はぜひとも
當局の皆さんがたとえ少時たりとも、こうした重大な任務の
國土を救うという
機能をおろそかにせられないように希望するとともに、まつたく皆さんはこの
意味におきまして大勇猛心を起して、
機構の變革はどうあろうとも、絶對この
事業をゆるがせにしないという決心をも
つておられるか、私はぜひともここであなた方の重大な任務を完成していただくとともに、ここで勇猛心を持つた
答辯がいただきたいと思うのでございます。以上御
答辯をお伺いいたします。