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小島説明員 ただいまの御
質問にお答えいたします。私が
ソ連向け配船は過去四箇月をとりまして十何パーセントかの餘剩があると申しましたのは
總司令部の發表に基いておるのであります。それは四箇月間をとりましたが、その以前もずつとそのような
状況にあるのであります。ただ過去四箇月がその
數字が目立
つて大きいという點で、便宜上これを御
説明申上げたのでありますが、十一月は十一月の月が終るまでは現實の
數字は出てこない
状況ですけれども、ただこれを推定いたしますれば、
最初の御
説明に申上げたように、本年十一月分の
ナホトカへの
配船として
ソ連代表が
總司令官に
要求したのは、二千名の
收容能力ある
船舶十六隻とな
つておりますので、
ナホトカからこれに一ぱい乘せてもらいますれば、三萬二千名になります。ただいまの
状況では樺太から
引揚げつつありますので、これまた月が終るまでは確定した
數字は出ませんが、かりにこれを各種の
事情から總合しまして一萬と假定しますれば、十一月分は
大體四萬二千となるのではないかと觀測しております。その次に私が過去四箇月間の
數字で
船腹に
餘裕をもたして
最高司令官は
配船しておられると申しましたのは、十一月についてはそのようなことは必ずしも斷言できないではないかという點につきまして、また
シーボルト議長の言葉をここに利用さしていただきますと——それはなぜかと申しますと、
配船といいましてもこれは
日本政府がしておるのではなく、
連合國最高司令官がしておられるのであります。その場合に
日本船を動員されるという形にな
つておるのでありまして、
日本側は自己の發意においてこの増減をすることはできない
事態であります。
從つて、
連合國側がどういうようにお
考えになるかによ
つてきまりますが、
シーボルト議長は、ここに利用さしていただきますれば、
最高司令官は本年五月以降
ソ連港からの
日本人引揚げを促進せし
むる希望から
ソ連當局の要請による
配船に對して、絶えず一割の
餘裕をみて
船舶を供給しておるのであるが、しかしこの
引揚船は常に約一割の
乘船餘裕を利用せずに
日本に
歸つておる。ここに
最高司令官の
配船の方針が見られるのでありまして、これは私はこの十一月についても、十二月についても、今後も言えることだと思います。そのくらいの
船腹の
餘裕は
海運當局に聞きますれば十分あると申しております。それから十二月はどのくらいになるかという點は、これまた
ソ連側から
通告を受け、
最高司令官が初めてその數を知り得るのでありまして、それがまた
日本政府へ通達されるのであります。從いましてこの基準となるのは、月五萬という
協定によ
つて推定し得るだけでありまして、その五萬の
解釋も、これまた
對日理事會で爭われましたように、
月平均であるのか、毎月少くとも五萬であるのか、この點見解の一致を必ずしもみていないと思いますが、
ソ連當局は
月平均であるという
解釋をと
つておられるのでありまして、
月平均でいきますと、過去
數箇月間三
萬人臺のときがありましたが、その前に
大連地區から
引揚げたのは多いときには九
萬人に
なつたことがありまして、
月平均でいけば、五萬を上まわ
つております。從いまして
ソ連側が
日本における
引揚促進の熱意に動かされて、これをうんと増加してくれれば問題は別でありますが、五萬という
平均を堅持しておると假定いたしますれば、十二月は十一月と大差ないのでないか、それより多少數は上るかと
考えます。それはなぜかと申しますると、過去
數箇月間三
萬臺がありましたために、これを理合せするためにはだんだんと
數字をあげてこなければいけない
事態にな
つております。その
平均でいきますると、少くとも
來年一月からははつきり五萬以上歸さなければ
月平均五萬を割ることになります。
從つてそれだけの推定は安全に下し得ると思います。
それから冬の間どうなるかという問題がございますが、今年の初めは港によりましては中止されましたが、いわゆる
ソ連地區からは確かに五萬以上
歸つております。それは
大連から
歸つた數が多いからであります。さように
ソ連は場合によ
つては凍結した港を使用しないということになるかもしれませんが、そのほかの港、たとえば
大連にも殘
つておりますが、これを歸還せしめたりして、全然止めないようにしてくれるかもしれません。その點についてはまた
引揚げに關する
基本協定を御參考までに申し述べますると、
協定第二節第二項及び第四項
日本人俘虜及び
引揚げを
希望する
日本人は月に五
萬人の割合で
ソ連港から
引揚げる。但し
天候陸上輸送等に關し豫期せざる
事態が發生した場合は、
引揚者に變更されまたは一時的に
引揚げを中止せしめ得ることとございます。これが
協定にな
つておりまして、この
協定をそのまま
ソ連側が採用するかどうかは一に
ソ連側の
選擇にかか
つております。今までは今年の初めにはこの規定にもかかわらず五萬以上送
つた、こう申し得るのであります。
碎氷船に關しては專門外でありまするが、今まで
責任者から聞きましたところによると、少くとも三隻はいつでも出し得るように
用意してあるということであります。