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中嶋(勝)
委員 ただいま
厚生大臣の
お答えを承りまして、現在その點については
努力中である、かように
仰せになりますし、またその
改善方法についてもきわめて御
理解のある
お答えをいただきましたので、私はなはだ
滿足いたす次第でありますけれ
ども、特になお私
どもの聞きましたことを、參考にいたしましてお願いを申し上げておきたいと思います點は、
一般開業醫や
地方醫師が普通毎月一
萬圓、もしくはそれに以上の
收入をあげているに比して、
國立病院、
療養所等の
醫師は
一般官吏なみの低い報酬で、しかも
官吏であるから現在では
内職ができないそうであります。そうしたことが禁じられておりますために、
良醫を得ることができないのである。こういうぐあいに承つたのでありますが、この點はただいま
大臣の
お話のように、
自宅において
患者を診ることも許されるということになるとするなれば、それは非常に都合よくいくのではないかと思いますから、その點に關しても十分御
考慮の上、しかして
大臣の
お話のように實現いたしますように、お取計らいが願いたいと思うのであります。しかしあまり
自宅の方が盛んになると、また本職の方がおろそかになるおそれがありますから、そういうところは十分
考慮して
待遇をよくしていただきたい。そうして
良醫を得るということに向
つて御
努力が願いたいと
考えるのであります。
第二にお伺いいたしますことは、
患者の
榮養の問題でございます。現在の
病院、
療養所の正規に
食事等ではとても
病氣のために必要な
榮養量は攝取し得ない
状態であるのでございまして、
從つて患者は
家庭の許すものは仕送りを受けて
補助食をいたしておりまするけれ
ども、
家庭の許さないものは、
患者自身で
内職などによ
つて榮養を補給しているという
状態のものが多いようであります。この點に關しましてもいくら
病院がよくても、その
榮養が
患者に伴わないということになれば、その
治療の期間が非常に遅れる、あるいは全然
治療ができなくなるという結果も生ずることと思いますので、これらの點に關しても十分に御
考慮が願いたいと思うのでございます。特に私は前囘の
委員會におきましても、ずつと以前でございましたが、
大臣に十分お願いいたしておいたのでございますけれ
ども、
治療費の有料の問題でございますが、これがどうも思うように、
生活保護法の問題でありましても、い
つておりません。い
つておらないというのは、どういうぐあいであるかというと、
生活保護法の
適用を受けることについては、
市町村長の
證明を必要とする。ところが
市町村長が
證明をすることになりますと、その
市町村が一割の負擔をしなければならない。こういうことになりますと、かりにその
市町村が一箇月三百圓の負擔をするといてしましても、貧弱な
町村になりますと、それだけの税金を餘分に徴收することも、
けう日では困難であるというような見地からでございましようか、
證明を拒否するような點が非常に多いように聞くのでございます。そのためにせつかく
治療をしておつたそれらの
患者が、やむを得ず中途で、まだ治癒しないうちに、どんどん退院していくという
状態が非常に多いと聞くのでございます。殊にその一例としましては、
茨城縣の
村松晴嵐莊、これあたりは主として結核の
治療にあつた
つておると聞くのでありますけれ
ども、最も著しくそうした
状態が起つたように聞くのでございまして、この前にもこの點について私お願いしておいたのでございまして、そのときの
大臣の
お答えにも、この點は十分に徹底せし
むる親心をも
つていると
仰せになりましたのでありますが、
大臣のそのお氣持はよくわかり、まことに感謝いたしているのでありますが、これらが末端に徹底をしないということは、現在においてもまだ徹底しておらないのがほんとうなのでございます。でき得るならば
保護法というような、
市町村が分擔しなければならないというようなことをなんとか制度をひ
とつ改正せられることができないものであるか、そうしたら徹底するであろう。しかもそう大勢の者がいるのではございません、けれ
ども、今入院している
患者は、
大臣もこの前御視察にな
つておりまして、おわかりと思いますが、いかにもお氣の毒な人である。殊に第一
國立病院に集ま
つてくるのは、全國で
治療の困難な人が集ま
つてきているのでございますから、親戚であるとか、あるいはその他自分の親、兄弟であるというような者は、なかなか東京まで
面會に來られないという
遠隔地にお
つて、そうして
戰爭犠牲者が今
治療を受けているその
實情をみましたときには、涙なくしては見られないように私
どもは氣の毒に思
つているのてございます。何とかしてこれらの人をひ
とつ、
滿足しないまでも、不滿を
感じない程度にしていただきたいと思うのでありますが、いかにしても
軍人であつたことによ
つて特別の取扱いのできぬことにな
つておることはよく
了承しておるが、私
どもが憂えることは、これらの
人々にそうした不滿の
感じを
考えることは、思想上においても憂うべき
状態でありまして、これらが結局赤化するという問題の非常に起
つてくるであろうということは想像にかたくないのであります。
日本再建のためにもぜひこれらの人を早く治癒させて、そうして
滿足な人にして
日本再建に協力してもらうようにしてもらいたいと思いますので、この點に關しましてくどくどしくて恐縮でありますが、もう一度
大臣の御
所見を伺いたい。