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山崎(岩)委員 ただいま上程されました青森、
蟹田間鐵道速成の
請願に關しまして、
請願の趣旨を辯明いたしたいと存じます。青森、蟹田間と申しますのは、青森から津輕半島に進んでまいります中途にあります蟹田町に至る
鐵道路線に關するものであります。本來この
路線というのは津輕環状線と申しまして、青森から蟹田を經て、平館から三厩から小泊に出まして中里という所まで通じますのがこの
路線の總計畫に當るわけであります。ところがこの津輕環状線の問題は、今から二十數年來唱えられてまいりましたところの問題でありまして、昨年におきましても、本
請願は衆議院におきましても採擇にな
つておるのであります。しかも昨年の衆議院における
政府當局の言明によりますと、今年、
昭和二十二年の三月三十一日までにはまず蟹田までは必ずこれを完成せしめるという御答辯であつた。しかも豫算から見ますと、青森、蟹田に至るところのこの
鐵道の豫算が計上されていない。そこで私はその點についても聽いたのです。豫算面から見まして、青森、蟹田に至る豫算は一體どこにあるかということを道路聽きましたところが、時の松田
政務次官のおつしやいますのには、それは民生安定の費用五十億圓のうちにはい
つているのだ。そこでこの
路線だけは必ずやりますからという言明であつた。私どもはたいへん喜んで地元へ歸
つたのでありますが、その後御
當局のお仕事ははかばかしく進んでお
つて、また
停車場もどんどんできている。現在まで青森から蟹田に至るこの
停車場も完成し、路面もちやんとできている。しかるにこれは戰時中におきまして、
路線の敷かれたのを撤去しまして、そうして殘念ながら實はこの青森、蟹田の
鐵道というものは未だ未完成の
状態にあるのであります。これを何とかしてもらわなければ困ると存じまして、昨年度におきましても
請願をいたしたのであります。ところが、民生安定の費用からこの金をと
つて、それによ
つて間違いなく二十二年三月三十一日までの間にはこれを竣功せしめるという御答辯だ
つたのであります。しかるところ、御
當局の仕事もはかばかしく進んでおりましたので、私ども
地方民も安心しておりましたが、殘念なるかな、今年になりましても
路線が敷かれないのであります。それから御
當局につきましていろいろ調査してみましたところが、殘念ながらこれはその筋の
關係によりまして、今年度において仕上るということはめんどうだということがわかつた。まことにこれは殘念のこの上もないことである。そこで私は先月地元の蟹田まで參りまして
停車場の
状態も見てきたのでありますが、
停車場もりつぱにできている。今は
路線さえ敷けばよい
状態にな
つているので、何とかこれを完成していただかなければならぬと考えております。しかしこの青森から蟹田を經て三厩に至る津輕環状線という問題は、北海道との連絡に重大な
關係があるのでありまして、御
當局におきましては、ただいま龍飛崎から北海道の松前に至る海底トンネル掘鑿に關する測量も計畫されて、この掘鑿が進行中でございます。北海道との連絡は、この海底トンネルによりまして津輕環状線の三厩に至るということになりますと、大北海道の開拓というものは期してまつべきものがあります。そういう
實情にあります際に、この青森、蟹田の
路線がこのままの
状態でなべやりにされるということはまことに殘念この上もない。それで私はいろいろな點において研究を遂げまして、過日も
仙臺に參りまして
仙臺の
鐵道局長にも會
つて、この
路線がないということはまことに殘念だが、何と
かくふうできないかということを聽いたのでありますが、その際の御答辯によりますと、ただいま
當局においては古い
路線で磨滅したものを電氣によ
つてもとの
状態に復せしむる方法を考えている。古い
路線で
路線のつなぎ目が磨滅してお
つて運行上非常に危檢だが、この磨滅さえ
もとの
通り囘復できれば古い
路線を使うことができるのだ、そういう方法を發明することによ
つて、ただいま古い
路線の修理ということをや
つているから、あるいは青森、蟹田に至るところのごときも、その古い
路線を利用することにより必ず仕上るという見込みがついているという話だつた。そこで何とかしてこの青森、蟹田間の列車を、これは
停車場までできたものでありますから、これだけはものにしていただけないかということを陳情申し上げたいのであります。しかも
停車場もちやんと完成し、路面もでき線路さへ敷けばよいという
状態にな
つているもので、戦時中撤去されたものですから、何とかこれを完成せしむるように
地方民はただいま翹望しているような
状態でございます。御
當局におきましてはこの
關係についてどういう考えをも
つておられますか、この際併せてお尋ね申し上げたいと思います。なお
地方民一同に代りましてこの際陳情申し上げる次第でありまして、何とぞよろしく御取計らいをお願いいたします。