○原(彪)委員
沿岸荷役業者に
貨物自動車營業許可の
請願につきまして、御
紹介申し上げまして、御贊同を得たいと存じます。
終戰後の經濟
情勢の變化と自由主義思想の普及に伴
つて、港灣運送業の統制も解かれ、運送業務の自由
圓滑なる
運營か期待されるときにあたりまして、
貨物自動車運送事業のみは依然として戰爭中の統制形態のままにあり、社會の要請に副わない點が少くないのでございます。沿革荷役業者は、あるいは本船、あるいははしけと連結して、あるいは生産者と直結して、諸種の貨物の梱包、あるいは港内運搬、あるいは保管というような業務に、かてて加えまして、
貨物自動車の運送を含めなければ、一貫した作業ができない
状態にあるのであります。現在の
状態にありますると、本船から沖取りしまして、岸壁にはしけがついて、はしけから水揚げして
貨物自動車へ積んで運ぶのでございますが、荷物が岸壁へついて、その場で
沿岸荷役業者はトラツク業者の方に連繋をと
つて、トラツクに岸壁まで來てもらうことになるのでありますけれども、諸種の
事情からしてただちにトラツクが岸壁へつくというようなこともなかなか困難でありますし、その連繋が非常に遲れる。從いましてはしけの滯船料も非常にかさんできますし、
從つて荷物の運搬も非常に遲れる。かような
状態にあるのでありまして、どうしてもこれは一貫した系統でこの
輸送をしていただくことが最もいいことでございます。現在
日本通運がや
つておりますように、
日本通運は自分の營業用のトラツクをもちまして、貨車から荷物をおろしたものを、自分のところの營業用のトラツクでこれを運んでおるようなわけでありまして、
從つて非常に能率的である。これと同様なことをはしけ業者にもやらしてもらいたい。かようなのが
請願の趣旨でございます。
沿岸荷役業者で戰爭前の
貨物自動車運送の營業權をも
つておつたものは、戰爭中に強制的にこれをトラツク
會社に統合され、
沿岸荷役業者はトラツク
會社の株をもつというようなことにな
つているのでありますが、少くとも戰爭前の營業權をも
つておつた荷役業者に對しては、その範圍内の
車輛において營業權を復活してもらいたい、こういうのが
請願者の意向でございます。
沿岸荷役業者は、戰前におきましては
貨物自動車營業も兼營してお
つたのでありますが、戰爭中にトラツク
會社に統合されたということも、むしろそのときの總動員法的な強制によ
つて統合されたのでありまして、これをできるだけ解除してもらいたいというのが業者の意向でございます。最近その統合のわくを緩和して、大都市においては、
車輛事情上百輛をもてば新規營業許可の方針とな
つているように承
つておりますが、現在の
車輛生産受び資金の
状態をも
つてしては、おそらく
實現不可能のことであろうかと思われます。この際新たなる營業許可は諸種の
事情から困難であると思いますが、もとの營業權をも
つておつたものの範圍内において復活させていただきたい、こういうことが
請願の趣旨にな
つております。この
方法といたしましては、現在荷役業者が自家用
貨物自動車としても
つている範圍内においてそれを營業用に轉換してもらうということが一つ、さらにまた現在の
貨物自動車運送
會社に出資した
車輛數または金額に應じてそれぞれのトラック
會社との話合いによ
つて適正なる
車輛數を、統合された
沿岸荷役業者に環元してもらいたい、こういうことがこの
請願の要旨の一つにな
つているのでございます。さらにまた、現在貿易は再開されておりませんが、主要港における諸種の荷役というものは現在なお頻繁に行われているのでありまして、この荷役を
圓滑に運ぶことからしましても、一日も早く
沿岸荷役業者にトラツク營業を一貫してやらせてもらいたいということでありますが、その方がどれだけ能率的であるか、はかり知れないものがあるのでございます。さらにもしもどうしても
沿岸荷役業者にトラツク營業を許可することが困難であるような場合には、一定の請負賃率をも
つてトラツクの請負をさせてくれということも、業者としては
請願の中に入れているものでございます。
大體
請願の趣旨は以上の
通りでありますが、先日の
委員會におきまして私が來るべき貿易再開とにらみ合わせて沿岸荷役の重要性からして、トラツクの兼營ということにつきまして御質問申し上げましたところが、郷野
政府委員は今の段階ではただちにこれをすることも困難であるので統合されたトラック
會社の荷役業者は大株主であるから、
會社の荷役業者は大株主であるから、
適當にそのトラック業者と話合いをしてやつたらいいだろうという、はなはだ抽象的な
お話でありまして、それでは私たちは滿足な各答辯とは解しかねるのでありまして、一日も早く
沿岸荷役業者の今も
つておりまする自家用トラックを、營業用にはつきりとさしていただくように願いたいと思うのであります。さらにまた道路運送業法が先ほどの
委員會において議決されまして、近く施行になるのでありまするが、一日もゆるがせにできないこの沿岸荷役の問題からいたしまして、その間の暫定
措置といたしましても、一日も早くこれを施行されるよう特にお願い申し上げまして、この
請願の趣旨の辯明にかえる次第であります。