○
高橋(英)
委員 四四の
バス運輸
開始の
請願の件でありますが、これは四七の
バス運輸
開始の件の一部であ
つて、四七のうちに包含されておるのでありますけれ
ども、特に四四の
請願は、四七の
請願のうちでも特殊な
事情があるとして、別に
請願しておるような次第であります。これは簡單に申し上げますが、愛媛縣の東宇和郡の坂石という所から宇和町まで現在省營
バスが運行されております。その宇和町から三瓶町まで、それから三瓶を經て
八幡濱の方へ來る間が、當然省營運行をされるべき性質のものであるにかかわらず、これは今日までその實現を見ていない、元來坂石から宇和まで省營
バスが開設されましたときに、もうひさ足ですから、進んで三瓶まで延長されることに
なつてお
つたのです。ところがその途中にトンネルがあるのでありますが、當時
鐵道省としては、トンネルを利用して三瓶まで延長するということに決定し、その工事に着手しようとしたのでありましたけれ
ども、すこし高いからもつと根本的に隊道の堀下げをや
つて、運行の圓滑を期さなければならないという議が起
つて、せつかく
鐵道省の方から三瓶まで延長してやろうというふうに決定して
實施に着手されてお
つて、この坂石から宇和町のときに同時に三瓶まで延長されることに
なつてお
つたのを、お斷りして、根本的な隊道開鑿を要望してお
つたのでありますが、戰爭を始まりましてとうとうその隊道工事ができなく
なつた。今日に至つみれば、當時
鐵道省の勸告に
從つて運行してお
つたならば、どのくらい
地方のために有益であ
つたかと、後悔しておるような次第であります。
從つてもう大きな隊道とか何とか、そういうふうな望みは捨てて、
運輸省がか
つて御勸告に
なつて
實施されようとしたその計畫
通りでいいですから、ぜひ三瓶まで、また
八幡濱まで延長していただきたいということに
なつております。この要望は、當局においてもむろん切實な要望であ
つて、妥當なものとしてお取上げくださ
つて、
事情の許す限り速やかにこの實現をはか
つていただくということに
なつておるように承
つておりますが、そういうような
關係から、とりあえずこの
重要性を認めていただいて、トラツクの開設が最近實現することに
なつております。しかしこのトラツクばかりでは、とうてい
地方の要求を滿たすわけにいかないのでありますから、ぜひこの
路線を速やかに實現していただきたいと思うのであります。ただこの
路線に宇和島自動車という私設自動車
會社がありますが、これは有名無實な、不在地主的なものに
なつているのでありまして、この既得權を活用して運行いたし、
地方民の要求を滿たすということに
なつていないのが
現状であります。これは御調査の結果おわかりに
なつていることと思いますが、根本的には對民間業者との問題にもなりましようけれ
ども、こういう有名無實な民間業者の既得權というものは、これは適當に是正していただかなければならないと考えております。そういう
事情でありますから、この宇和から三瓶を經て
八幡濱に至る間に
國營バス運輸開始の件は、ぜひ速やかに今
年度から、それができなければ來
年度に、ぜひ着手していただきたいと思うのであります。何とぞ御採擇をお願いいたします。
それから四七の
バス問題ですが、これはただいま
説明しました分も含んでいるのでありまして、すなわち
八幡濱、三崎間、これは十一箇町村を包含しております。それから
八幡濱、卯之町間は八箇町村を含んでおりまして、これはただいま申し述べた
路線のことであります。それから
八幡濱、長濱間、これが七箇町村を含んでおりますが、これに對して省營自動車の運行をお願いしたいという
趣旨であります。その
理由は、愛媛縣西南部
地方の地形的特異性をよく認識せられ、永年縣案の四
國循環鐵道の完成、
九州四國省營
連絡航路の開設等、御配慮中であることは
地方民ひとしく感謝しているところであります。
昭和十四年二月、國鐵豫讃線、松山、
八幡濱間が開通し、
地方民多大の利便に歡喜したのでありますが、これに随伴してその培養線とも稱すべき、
八幡濱、三崎間、
八幡濱、卯之町間、
八幡濱、長濱間の省營自動車運行方を懇請し、その實現の一日も遠かならんことを念願していたのであります。しかるに戰爭その他の
關係上、實現を見ず、爾來
地方民は耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、極度の
不便不利と戰いつつ今日に及んでおるのであります。特に
八幡濱より川之石、磯津を經て長濱間の省管間の省營自動車運行については、豫讃長濱、八幡間の海岸迂囘の代償的補助線として、すでに當局において御決定濟のように聞き及んでおり、これが開設の要はいまさら贅言を要しないところで、現在道路も完成している
現状であります。
八幡濱より佐田岬の先端に位する三崎村に至る四十六キロの間は、十一箇町村人口約六萬を有し、水
産物、青果、その他
農産物等海陸
資源に惠まれた所でありますが、現在陸上
交通機關さらになく、わずかに沿岸小型船をも
つて一日一囘、あるひは隔日便によりその
交通を滿たしつつある
状態で、天候不良の際は杜絶し、ま
つたく孤島化する
状態であり、
地方民の
不便は想像に餘りある
現状であります。
八幡濱より川上村、眞穴村、二本生村、三瓶町を經て卯之町に至る約二十キロ間は、現在陸上
交通機關皆無でありまして、
地方民の
不便はま
つたく言語に絶する有樣、殊に近時とみに活氣を呈しつつある三瓶町における紡織工業その他平和産業の發逹に伴い、確實なる
交通機關の運行を要望する聲切なるものがあるのであります。
以上のごとき
現状でありますから、
地方産業の發展、文化の向上並びに現在急迫せる食糧
事情打開のため、
地方民多年の待望を諒とせられ、右
事情御賢祭の上、何とぞ特別の御諒議をも
つて願意を相かなえくださいますよう、
地方民最大の熱意をも
つてひとえに懇願する次第であります。この二
路線の中の二線も、先ほど
説明しました
路線と同樣にその
必要性を認めていただきまして、トラツクだけは現在諸般の準備が完了してまさに近日中に運行を
開始するということに
なつておりますから、ぜひトラツクばかりでなく、
バスも同樣なことにしていただきたいと
地方民は熱望しているのであります。
それから四五の、
九州、四國間
連絡國管航路開設の
請願でありますが、これは
運輸省關係の
請願中では最も
運輸省當局が御苦慮に
なつている問題であろうと思うのであります。詳細は後ほど
井谷、
村上兩代議士から御
説明があるかと思いますが、私は簡單にこの問題について大局的にその
説明の補充というような意味で申し上げて御參考に供し、御採擇を得たいと考えるものであります。
すでに
九州と四國の
連絡の問題は、數十年以來からの問題でありまして、四國の循環
鐵道が完成すれば、必ず
九州と四國の
鐵道幹線をつなぐところの省營
連絡船ができなければならないというので、
地方民は數十年來にわた
つて四
國循環鐵道の完成と並行してかねてお願いしてお
つたのであります。ところがそれが實を結んで、また諸般の
情勢が四國と中國間の
連絡船の開設を妥當とするということになりましたために、昨年の
議會におきましても、昨年の
議會におきましても
請願したと思いますが、その
請願議會において採擇されました結果、
昭和二十二
年度においてこの
連絡船路開設のための豫算が
運輸省豫算として計上されているというふうに私は承
つているのであります。ちようどあの宇野、高松の
連絡船が新造船の就航によ
つて現在就航しているのが要らなくなり、それを
九州と四國の
連絡船路にまわして、この國家の要請に應じようということに
なつて、その豫算が二十二
年度に計上されていると承
つております。しかるに、豫算が計上されているにかかわらず、これが一向實現しようとしないというのが今日の
現状であります。これはどういうところからそういうふうなことに
なつておるかというと、ほのかに承りますと、民間業者の反對がある。また
運輸省内において、海運總局の方でこの實現をお好みなにならない。そういうふうな
關係があ
つて、これは行き惱んでおるということであります。せつかく豫算に計上せられながらもこれが實現しないということは、私は大きな問題であると思います。
議會がすでに必要であると信じて、協贊した豫算のある事業が、實現しないということは、たいへんな問題であると思うのであります。要するにただいま申し上げましたごとく、省内における幾多の問題、それからまた民間業者との問題、民間業者が有力でありますがために、これに對する強い反對運動によ
つて、いろいろな隘路がここにできておるというふうに聞いておるのであります。
從つてこの問題は現在
運輸省内においては非常に重大な惱みの種の問題であると思われるのでありまして、この癌を切開することが——私が
運輸省内の空氣を見ますと、
運輸省内の空氣もしくは
鐵道總局と、海運總局との
關係の不圓滑さを解消するに役立つのではないかと思すのであります。そういう意味におきまして、ぜひ運輸
委員會における
請願關係において、最も意義ある
仕事をされるということになりますならば、この問題の解決以外にはないと思う。この問題が御解決になるならば——運輸
委員會の手によ
つて、この重大な問題が、
運輸省内においても最も惱みの種に
なつている、癌と
なつていると言
つてもよいこの問題が、解決されることになりますならば、これは非常に國家、
地方のために有益なことになると思うのであります。そういうふうな意味におきまして、私はかねて各
委員、また
委員長ともいろいろ御懇談申し上げ、當局の
意見もお聽きしまして、この問題を解決するために當
委員會から代表を現地視察調査のために派遣せられて、その愼重な調査の御報告をお聽きに
なつた上に、この問題の解決に當
つていただきたいという希望をも
つておる次第であります。どうせこの問題につきましては、そういうふなことを後ほど正式にお願いいたしますが、詳しいことは
井谷、
村上兩代議士から
説明があろうと思いますから、私はこの程度にしてお願いする次第であります。