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前田(郁)
委員 私はまず第一に、
海運組合法の發止後の問題についてちよつとお尋ねしまして、
あとから
一般のことについてお伺いしたいと思います。この
組合法が發止になりますると、
資材の
割當であるとか、あるいは配給とか、こういう
方面のことは
任意組合、あるいは
商工協同組合法による同
業者の
組合を結成せしめるというようなことが書いてありますが、こういう
團體にやらせることになるのであるか、この點を承
つておきたいと思います。
それから第二には、私は
國營自動車のことにつきましてお尋ね申し上げたいと思います。
國營自動車は國有
鐵道網と一體になりまして、
陸上交通計畫の根幹をなすものであるということは、これはもう
一般にわか
つておることでありますが、
昭和二十一年度の
鐵道會議の
議事録を拜見いたしますと、その
諮詢事項の第一に「
昭和二十一年度以降特に本
年度輸送力整備に關し考慮すべき
事項」というのがありまして、これに對す
答申の
省營自動車に關するものに對しまして、
答申書の第四項において次のようなことが書いてある。「
省營自動車については車輛の新造及び輸入の計畫とにらみ合わせ、
休止路線を檢討して必要なるものを復活することと、
鐵道建設線の代行、先行、
資源地の、
開發竝びに重要な
觀光路線の
實施を目途として新線の計畫をするの必要を認めるが、なお
民營自動車の助成をはかり、これとの
調整を十分に考慮する要がある」こういう
答申ができておりまして、そうして九線の新線を
適當と認めて
答申されておるようであります。私
どもただいま
終戰後におけるところの
地方の
民營バスの
状態を見ますと、なかなか
りつぱにおやりになつておるところの業者もたくさんございますが、一部におきましては形だけの
營業をや
つて、一日一囘、はなはだしきに
至つては二三日に一囘というような、全然
交通機關としての機能をなさないようなものがあるのであります。そうしてその
サービスというものはま
つたく人道を無視しまして、
獨占事業のために、人間をまるで
荷物扱いにして積めるだけ積む。そうして
車體は壞れほうだいで、
ガラス戸が一枚もないというようなものがあるのでありまして、これでどうして破局にある
日本の混亂せるところの
交通事情を救濟することができるだろうか、こう考えておる次第であります。殊に
地方民の
生活安定はもちろん、
産業の
開發、
資源地の
開發などということもとうてい思い及ばぬところであります。
民營業者といたしましてまことに完全な、
りつぱな營業をおやりにな
つておる方もありまして、そうして
地方民の要望にこたえておるようなものもありますが、ただいま申し上げるようなものも現在あるのであります。私
どもはこの
國民生活に重大なる
關係のある
國營バスというものに對しましては、
地方の
世論というものは非常な重大なる政治問題として
論議をされておるのであります。
先ほど申し上げました通り、必要なものは復活し、重要なる
路線には新線の計畫をすべしというようなことが、斯界の權威者とか、あるいは業界の
代表者をも
つて構成されたところの
鐵道會議において、すでに二十一年度にも決定されておるわけでありまして、私
どもはこの問題に對しましてはどうしても積極的にや
つていただきたいと思うのであります。しかるに
運輸當局の方は、ややもすればこの
民間のある一部の
自己防衞の
陳情、あるいはまた壓迫と
言つては失言かもしれませんが、一部の
法律などのために躊躇逡巡されて、そうして
せつかくの計畫を斷行するということに對しましても、非常に消極的であるということを
一般に言われておりますので、私
どもは
國家のためにまことに悲しむべきことでないかと考えておるような次第であります。ゆえに私
どもは
民營を壓迫するということは、これは決してよいことでありません。むしろ
政府としては今後助長してもらわなければならぬと思いますが、しかしながら
日本はただいま非常に人口が殖え、そうして各
方面、食糧問題であるとか、その他
資材の問題におきましても、これから
開發してそれを
日本全國にも
つていかなくてはならぬというようないろいろな問題もあるのでございますから、
日本のいわゆる
國土計畫とか、その他の點から總合的に考えていただきまして、そうして
地方の非常に弱い
業者によ
つて運營されておるような所は、これを
國家の力でも
つて國營自動車を通していろいろなことをや
つていただきたい、こう考えておるのであります。殊に私の方の九州の南におきましては、ただいま
未開發の土地が多いのでございまして、そこへ
國家としてもいろいろな
開發計畫をやるとい
つておるのでありますが、殘念なるかな、この交通問題に對しまして非常に惠まれておらない、殊に省
營バスというようなものも、もう數年前から猛烈に
陳情もし、
政府にも
了解を求めておりますが、何しろ遠いためにそういう點がずいぶん遲れておる所もあります。この
日本の
敗戰國を立ち上らしめて、そうして少しでも
物資の豐富な所から
開發していこう、この線から考えましても、この
省營自動車というものは、單なる一部の弱い力の
業者に任せておくことなくして、そして
國家の力によ
つていただきたい。こう考えておる次第でございまして、この二十三年度に對しまして、
國營自動車につきましてはどういう御計畫がありまするか。このことを
一つお伺いいたしたいと思います。
それから第三に承りたいことは、
運輸省の方では
國營自動車は一
路線一
營業主義をと
つていられるという點でございます。これは戰爭前にようやく
自動車一臺も
つて、そこで
運轉手が
營業をや
つておるというような所は、それを統合されたので、そうな
つたという話も聞いておるのでありますが、現在そこを通
つておるところの
バス業者だけではとうていやりきれぬ、
省營とともにや
つてもらわなくちやならぬということもありまして、現に自分の方ではすでに統合しておる所もあるのであります。そういう所は私
どもは何も一
路線一
營業主義でなくてもいいのじやなかろうかと思いますが、これもどういうお考えでありますか、一應承
つておきたいと考えますす
第四には
道路行政の問題であります。これは
内務省と
運輸省でいろいろや
つておいでのようでございますが、現に私
どもの所では省
營バスがある一箇所が壤われておるために、一年
有餘の間、通
つておりません。わずかな所でありますが通
つておりません。それが縣の方に行くと、
運輸省の方といろいろな話合いがつかぬというようなことであり、また
運輸省の方に承りますと、これは
地方長官の
權限であるというようなことになりまして、わずかな
地點のために、
せつかくの省
營バスが運行していないという
状態であります。これは要するにこの
道路行政というものが
整備されていないというためじやないかと思いますが、今や
内務省は解體されるという時期でありまして、私
どもはこの
機會を利用して
建設とか、あるいは
管理とかいう
權限を
運輸省に移管されてはどうかと思うのであります。これらの點
當局の御
意見を承
つてみたいと考えます。
それから最後にいろいろな書類で拜見いたしますと、
鐵道會議の
官制がいよいよ
改正になるという
お話であります。まことに結構でございまして、
國民を代表せる
國會において
運輸交通の
常任委員會ができたのでありますから、これに對して
鐵道會議の
官制を
改正されるということはまことに結構と思いますが、もし今後
改正されるならば、本
委員會との
關係はどういうふうにされるつもりでございまするか。その點を承
つておきたいと考えておる次第でございます。以上の四點をひとつお伺いいたしたいと思います。