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2020-06-03 第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
令和二年六月三日(水曜日) 午後一時開会 ─────────────
委員
の
異動
六月二日 辞任
補欠選任
宮崎
雅夫
君
加田
裕之
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
佐藤
信秋
君 理 事
徳茂
雅之
君 三木 亨君
山田
俊男君
伊藤
孝恵
君 山本 香苗君 委 員 尾辻 秀久君
太田
房江君
加田
裕之
君 藤末 健三君 堀井 巌君
三原じゅん子
君
山田
修路
君 田村 まみ君 野田 国義君
羽田雄一郎
君
福島みずほ
君 宮沢 由佳君 森本 真治君
熊野
正士
君 安江 伸夫君
松沢
成文
君
柳ヶ瀬裕文
君
大門実紀史
君
浜田
聡君
衆議院議員
修正案提出者
穴見
陽一
君
国務大臣
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
消費者
及び食品安全) )
衛藤
晟一
君 副
大臣
内閣
府副
大臣
大塚 拓君
大臣政務官
内閣
府
大臣政務
官 藤原 崇君
事務局側
常任委員会専門
員
宮崎
一徳君
常任委員会専門
員
佐藤
研資
君
参考人
東京大学社会科
学研究所教授
田中
亘君
全国消費者行政
ウォッチ
ねっと
事務局長
弁護士
拝師
徳彦
君
オリンパス株式
会社人事部門ス
ーパーバイザー
最高裁勝訴内部
通報訴訟経験者
濱田
正晴
君 ───────────── 本日の
会議
に付した
案件
○
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣提出、
衆議院送付
) ○
参考人
の
出席要求
に関する件 ─────────────
佐藤信秋
1
○
委員長
(
佐藤信秋
君) ただいまから
地方創生
及び
消費者
問題に関する
特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日までに、
宮崎雅夫
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
加田裕之
君が選任されました。 ─────────────
佐藤信秋
2
○
委員長
(
佐藤信秋
君)
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 まず、
政府
から
趣旨説明
を聴取いたします。
衛藤内閣
府
特命担当大臣
。
衛藤晟一
3
○
国務大臣
(
衛藤晟一
君) ただいま
議題
となりました
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案理由
及び
概要
を御
説明
申し上げます。
公益通報者保護法
の
制定
後においても、
消費者
の安全、
安心
を損なう
社会
問題化する
事業者
の
不祥事
が明らかになっています。こうした
国民
の
生命
、
身体
、
財産
その他の
利益
の
保護
に関わる
法令違反
の
発生状況等
に鑑み、これらの
法令
の
規定
の
遵守
を図る必要があります。 こうした
状況
を踏まえ、
事業者
に対して
公益通報
に適切に
対応
するために必要な
体制
の
整備
を
義務
付けるとともに、
公益通報者
及び
通報対象事象
の
範囲
の
拡大
並びに
公益通報者
の
保護
の
強化
を行うなどの必要があるため、この
法律案
を提出した次第です。 次に、この
法律案
の
内容
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 第一に、
通報者
に対する
不利益
な
取扱い
を
未然
に防止するとともに
内部通報
に適切に
対応
できるようにするため、
事業者
に対して必要な
体制
の
整備等
を
義務
付け、その
違反
に対して
行政措置
を
導入
することとしています。また、
通報者
を
特定
させる
情報
の
守秘
を
義務
付け、その
違反
に対して
刑事罰
を
導入
することとしています。 第二に、
行政機関等
への
通報
を行いやすくするため、
権限
を有する
行政機関
に対する
通報
の
保護要件
について、
氏名等
を記載した
書面
を提出する場合を追加するとともに、
被害
の
拡大
の
防止等
に必要と認められる者に対する
通報
の
保護要件
について、
財産
に対する
損害
のある場合等を追加することとしています。また、
公益通報
に適切に
対応
できるようにするため、
権限
を有する
行政機関
に対して必要な
体制
の
整備等
を
義務
付けることとしています。 第三に、
退職者
や
役員
を
保護
の
対象
とする者に追加するとともに、
行政罰
の
対象
となる不正を
保護
の
対象
となる
通報
に追加することとしています。また、
公益通報
をした
通報者
に対して
損害賠償
を
請求
することができないこととしています。 なお、一部の
附則規定
を除き、公布の日から起算して二年を超えない
範囲
内において
政令
で定める日から
施行
することとしています。 以上が、この
法律案
の
提案理由
及び
概要
であります。 何とぞ、御
審議
の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
佐藤信秋
4
○
委員長
(
佐藤信秋
君) この際、
本案
の
衆議院
における
修正部分
について、
修正案提出者衆議院議員穴見陽一
君から
説明
を聴取いたします。
穴見陽一
君。
穴見陽一
5
○
衆議院議員
(
穴見陽一
君)
穴見陽一
でございます。
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
の
衆議院
における
修正部分
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 本
修正
は、
政府
がこの
法律
の
施行
後三年を目途として
検討
を加える
対象
として、
公益通報
をしたことを
理由
とする
公益通報者
に対する
不利益
な
取扱い
の
裁判手続
における
請求
の
取扱い
を明記するものであります。これは、
立証責任
の
転換
に関する
規定
の
創設
も視野に入れて
検討
することを
政府
に
義務
付ける
趣旨
であります。 以上であります。 何とぞ
委員各位
の御賛同をお願い申し上げます。
佐藤信秋
6
○
委員長
(
佐藤信秋
君) 以上で
趣旨説明
及び
衆議院
における
修正部分
の
説明
の聴取は終わりました。 ─────────────
佐藤信秋
7
○
委員長
(
佐藤信秋
君)
参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
の
審査
のため、本日の
委員会
に
東京大学社会科学研究所教授田中亘
君、
全国消費者行政ウォッチ
ねっと
事務局長
・
弁護士拝師徳彦
君及び
オリンパス株式会社人事部門スーパーバイザー
・
最高裁勝訴内部通報訴訟経験者濱田正晴
君を
参考人
として
出席
を求め、その
意見
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤信秋
8
○
委員長
(
佐藤信秋
君) 御
異議
ないと認め、さよう
決定
いたします。
速記
を止めてください。 〔
速記中止
〕
佐藤信秋
9
○
委員長
(
佐藤信秋
君)
速記
を起こしてください。 ─────────────
佐藤信秋
10
○
委員長
(
佐藤信秋
君)
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 これより
質疑
に入ります。 本日は、
本案
の
審査
のため、三名の
参考人
から御
意見
を伺います。 この際、
参考人
の
皆様
に
一言
御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御
出席
いただき、誠にありがとうございます。
皆様
から忌憚のない御
意見
を賜りまして、今後の
審査
の
参考
にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、
田中参考人
、
拝師参考人
、
濱田参考人
の順にお一人十五分以内で御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の
質疑
にお答えいただきたいと存じます。 また、御
発言
の際は、挙手をしていただき、その都度
委員長
の
許可
を得ることとなっておりますので、御承知おき願います。 なお、御
発言
は
着席
のままで結構でございます。 それでは、まず
田中参考人
からお願いいたします。
田中参考人
。
田中亘
11
○
参考人
(
田中亘
君)
東京大学社会科学研究所
の
田中亘
と申します。 私は、
商法
、
会社法
を
専門
とする
法学者
であり、また、今回の
法改正
に向けた
検討
のため、
平成
二十八年に
消費者庁
に設置された
公益通報者保護制度
の
実効性
の
向上
に関する
検討会ワーキング
・グループの
委員
として
審議
に参加いたしました。 本日は、このような
経験
に基づいて、
公益通報者保護法
の一部を
改正
する
法律案
について
意見
を述べさせていただきます。
平成
十六年の
公益通報者保護法制定
から十五年が
たち
ました。この間に、大
企業
を
中心
として
相当数
の
事業者
が
内部通報制度
を
導入
するなど、
制度
への理解は
国民
の間に徐々に浸透しつつあります。しかし、
上場会社
における大規模な会計不正に見られるように、
通報制度
が十分機能していれば防げたと思われる
企業不祥事
は、なお後を絶ちません。 また、
消費者庁
が
平成
二十八年に実施した
労働者
における
公益通報者保護制度
に関する
意識等
の
インターネット調査
においても、
回答者
の半数近くは
勤務先
の不正を知った場合であっても
通報
、
相談
はしないと答えており、さらに、現実に
通報
、
相談
をした
経験
のある
回答者
のうち約四割が何らかの
不利益
な
取扱い
を受けたと
回答
しています。
公益通報者
の
保護
によって適切な
通報
を促し、もって
事業者
による
法令
の
遵守
を図るという
公益通報者保護制度
の
目的
を
実現
するには、
制度
の更なる
改善強化
を図る
必要性
は高いと
考え
ます。 本
法案
による
改正
は、
公益通報者保護制度
を
強化
し、より使いやすいものにするものであり、誠に意義深いもののように思われます。とりわけ次の三点の
改正
が重要であると
考え
ます。 第一に、
改正法案
は、
一定
の
事業者
に対し、
公益通報
に応じ適切に
対応
するために必要な
体制
、いわゆる
内部通報体制
の
整備
を
義務
付けています。
現行法
においても、
会社法
上の大
会社
は、
会社
の
業務
が適正に行われることを
確保
する
体制
、いわゆる
内部統制システム
の
整備
の
決定
をすべきものとされていますが、
整備
すべき
システム
の
内容
の中に
内部通報体制
が含まれるかは
解釈
に委ねられており、必ずしも明確ではありませんでした。 今回の
改正
は、
従業員
数三百人超の
事業者
に
内部通報体制
の
整備
を
義務
付けた上、その
実効性確保
のための
行政措置
も
導入
します。また、
従業員
数三百人以下の
事業者
についても、
努力義務
として
内部通報体制
の
整備
を求めています。さらに、
公益通報対応業務
に従事する者の
守秘義務
をも
明定
しました。こうした
改正
により、
労働者等
が
安心
して
内部通報
を行うための
環境整備
が進むと期待されます。 第二に、
改正法案
は、
公益通報
が
保護
されるための
要件
を拡張し、
公益通報
を行いやすくしています。 特に、
行政機関
に対する
通報
、いわゆる
行政通報
について、
現行法
では、これが
保護
されるためには、
通報対象
事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信じるに足りる
相当
の
理由
があること、いわゆる
真実相当性要件
を必要としています。しかし、
改正法案
ではこれを改め、
通報者
が、
氏名
、住所のほか、
通報対象
事実の
内容
及び
通報
の
理由
に関して記載した
書面
を提出した場合には
保護
されるものとしています。
真実相当性要件
は、
現行法
上、
名誉毀損
の
違法性
が阻却されるための
要件
としても用いられていますが、
行政通報
が
事業者
の名誉を直ちに毀損するとは言えません。むしろ、
行政機関
が
法令違反
の
有無
の
調査
も含めて適切な
対応
をするための端緒となるものであります。そのような
通報
が
保護
されるために
真実相当性
まで必要とするのはいささか厳格に過ぎ、
公益通報
をためらわせる
要因
になっていたように思われます。
改正法案
が、
行政通報
について
真実相当性
を不要とし、
氏名等
を明示した
書面
による
通報
であれば足りるものとしたのは、
公益通報者
の
保護
を大幅に
強化
する画期的なものであると
考え
ます。 第三に、
改正法案
は、
保護対象
となる
公益通報者
の
範囲
を
拡大
し、
退職者
や
役員
を
保護対象
に含めています。
労働者
が在職中に
法令違反
の
通報
をすることはためらわれ、
退職
後に
通報
しようとする例は少なくないと言われます。また、
会社
の
経営
に従事する
役員
が重要な
法令違反
の事実を知る
機会
も多いことでしょう。これらの者をも
保護
の
対象
に含めることで
公益通報
がより促され、
事業者
による
法令遵守
が図られると期待されます。 以上のとおり、本
法案
は、
公益通報者保護制度
の
強化
のため、大きな
前進
であると
考え
ます。本
法案
が成立し、
早期
に
施行
されることを望みたいと
思い
ます。 このように申し上げた上で、残りの時間では、
法案
の
規定
の中で、その
解釈
、
適用
に際し
注意
を要すると思われる点を
指摘
したいと
思い
ます。また、
公益通報者保護制度
の更なる
強化
のため、引き続き
改正
の
検討
をお願いしたい点を
幾つ
か申し上げたいと
思い
ます。 まず、
規定
の
解釈
、
適用
に際し
注意
を要すると
考え
ますのは
役員
の
保護要件
に関してです。
改正法案
六条二号、三号は、
行政通報
又は
行政通報
以外の
外部通報
を行った
役員
が
保護
されるための
要件
として、
調査是正措置
をとるように努めたことを必要としています。これは、
役員
は
法令遵守
の
義務
を負い、また、
会社
の
業務
の適正を監視、監督する
義務
をも負っていますので、
役員
が善良な
管理者
の
注意
を尽くしてそれらの職務を行ったことを
保護
の
要件
にしようという
趣旨
と解され、それ
自体
は合理的なものと思われます。 ただ、
裁判所
が本
規定
を
解釈
、
適用
するに際しては、
役員
が
調査是正措置
をとるように努めたという
要件
を
余り
厳しく解した場合、不
相当
に
役員
の
保護範囲
を狭めてしまう
懸念
があります。この点に関して申し上げたいのは、
役員
が
法令違反
の
調査
、
是正
のために
会社内部
でできることは限られている場合も少なくないだろうということです。
取締役会
を設置する
株式会社
の場合、
取締役
は、
取締役会
の
構成員
としてその
意思決定
に参加することができるだけであり、
取締役会
から
権限
を与えられない限り
会社
の
業務
を執行することはできず、また、
法令違反
の
有無
を
調査
したり
証拠
を収集する
権限
も持っておりません。したがって、ある
取締役
が
法令違反
が行われている
疑い
があるとして
取締役会
で
法令違反
の
調査
あるいは
是正
を求めたとしても、それはないとして多数決で否決されれば、もはや
会社内部
でできることは残っていないことになります。 これに対し、
監査役
は、
法律
上は単独で
業務
の
調査
や
是正
の
権限
を持っていますが、これとても、
経営者
が
監査役
の求めに応じなければ、
監査役
が
権限
を行使するには
裁判
に訴える以外にはありません。
裁判
すれば事は公となり、
会社内部
で処理するということはもはやできません。 このように、
役員
といえども、他の
役員
の多数の支持を得られない
状況
では、
会社内部
で
調査是正措置
をとるといっても、できることは極めて限られています。そのような
状況下
では、
外部
への
通報
、殊に
監督権限
を持つ
行政機関
への
通報
が
法令違反
を最も迅速かつ実効的に
是正
する
手段
であると言える場合も少なくないものと思われます。 そのような場合に、
裁判所
が、
役員
が
調査是正措置
をとるように努めたかどうかを厳しく
検討
し、それがないという
理由
で
行政通報
は
保護
されないということになりますと、
法令違反
を
是正
する実効的な
手段
を
役員
から奪ってしまうことになりかねません。また、
役員ぐるみ
で
法令違反
が行われているような
事案
で、一人声を上げた
役員
のみが
不利益
を被るといった不公平な
事態
の
発生
も
懸念
されます。 こうした
事態
を招かないためには、
改正法案
六条二号、三号に言う
調査是正措置
とは、具体的な
状況下
において、
通常
の
役員
であればとることが合理的に期待できるような
措置
に限られるというように
解釈
する必要があります。これは、
裁判所
が
法規定
を合理的に
解釈
することにより
対応
できると
思い
ますが、例えば
消費者庁
が
規定
の
解釈
について見解を示す際にも、
役員
に無理を強いることのないよう御留意いただきたいと存じます。 次に、今回の
法案
では
改正事項
とされていない
事項
の中で、
公益通報者保護制度
の更なる
改善強化
を図るため、
改正
に向け積極的な御
検討
をいただきたい
事項
がありますので、それについて申し上げます。
一つ
は、
通報対象
事実の
範囲
についてです。
現行
の
公益通報者保護法
は、
国民
の
生命
、
身体
、
財産
その他の
利益
の
保護
に関わる
法律
の中で、特に同法が
別表
で列挙するものに
規定
する罪の
犯罪行為
の事実のみが
通報対象
事実とされています。
改正法案
では、
通報対象
事実を
行政罰
、
過料
の
対象
事実にも広げていますが、
法令違反
を
限定列挙
するという
方式
は変わっていません。 しかし、およそ
法律
によってある
行為
を罰すべきものとしているのは、
国民
の重要な
利益
の
保護
のためにそれが必要であるからこそそうしているはずです。
限定列挙方式
を改め、
罰則
の
対象
となる
行為
の事実は全て
通報対象
事実とすることが、
事業者
による
法令
の
規定
の
遵守
を図るという法の
目的
に最もかなうように思われます。 第二に、
公益通報者
に対し
不利益
な
取扱い
をした
事業者
に対して、
行政措置等
の適切な
サンクション
、
制裁
の
措置
を設けることを引き続き御
検討
いただきたいと存じます。
現行法
では、
不利益取扱い
を受けた
通報者
は、自ら
是正
を求め、
事業者
が応じない場合には
裁判
を提起し、
公益通報
による
不利益取扱い
を受けたことを
主張
、
立証
して初めて救済を受けられるにすぎません。しかも、
不利益取扱い
が認められた場合も、
事業者
は
通報者
を
不利益取扱い
の前の
状態
に回復することが求められるだけであり、それ以上の
制裁
は科されません。これでは、
不利益取扱い
に対する十分な
抑止効果
が働かないという
懸念
があります。
公益通報
を促し、
事業者
による
法令遵守
を図るため、
不利益取扱い
に対する適切な
サンクション
を設けることを御
検討
いただきたいと存じます。とりわけ、
公益通報者保護専門調査会
が提案している
行政措置
、特に
不利益取扱い
に対する勧告、公表の
制度
は
検討
に値すると存じます。 以上の二点は今回の
法改正案
にこそ盛り込まれていませんが、
法案
の
附則
五条では、
法律
の
施行
後三年をめどとして、
公益通報者
に対する
不利益
な
取扱い
の
是正
に関する
措置
の
在り方
を含め新法の
規定
について
検討
を加え、その結果に基づいて必要な
措置
を講ずるものとされています。 また、
衆議院
におかれましては、
附則
第五条の
検討
に当たっては、
行政処分等
を含む
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
、
立証責任
の
緩和
、
退職者
の
期間制限
の
在り方
、
通報対象
事実の
範囲等
について
検討
を加え、その結果に基づいて必要な
措置
を講ずることを含めた適切な
措置
を講ずることを
政府
に求める
附帯決議
がされたと承知しています。 今後、
政府
そして
国会
において適切な
検討
が行われ、
公益通報制度
が一層使いやすいものとなり、ひいては
事業者
の
法令遵守
が図られることを通じ、
国民
の
生命
、
身体
、
財産
その他の
利益
がより良く
保護
されるようになることを願ってやみません。 以上で
意見
を終わります。
佐藤信秋
12
○
委員長
(
佐藤信秋
君) ありがとうございました。 次に、
拝師参考人
にお願いいたします。
拝師参考人
。
拝師徳彦
13
○
参考人
(
拝師徳彦
君)
全国消費者行政ウォッチ
ねっとという
消費者団体
の
事務局長
をしております
弁護士
の
拝師
と申します。 本日は、貴重な
発言
の
機会
を与えていただきまして、大変ありがとうございます。 私からは、
消費者行政
や
消費者関連法
について
消費者
の
視点
からウオッチするという
活動
を行ってきた
立場
から、また
法律家
である
弁護士
の
立場
から、本
改正法案
に対する
評価
、そして要望を申し上げます。 なお、
衆議院
の
委員会審議
におきまして、
参考人
としての
発言
に代えて
意見書
を提出させていただきました。一枚物で机上にあるかと
思い
ますが、以下、
衆議院意見書
と呼ばせていただきますが、こちらと若干重複する点もあるかと
思い
ますが、御容赦いただければと
思い
ます。 まず、本
改正法案
の全体
評価
について申し上げたいと
思い
ます。
現行法
は、
民事ルール
のみによる
通報者保護
を
中心
とし、
内部通報優先
という
立て付け
だったために十分に機能せず、様々な
企業不祥事
を防ぐことができなかったのではないかと
思い
ます。 これに対し、本
改正法案
は、
公益通報対応業務従事者
に対する
刑事罰付き守秘義務
や、
事業者
に対する
内部通報体制整備義務
の
導入
によって、言わば
当事者
に任せきりだった
通報者保護
に国が積極的に関与するという大きな
方向転換
を図っており、
通報者保護
に向けた一歩を踏み出すものとして
評価
しております。 また、
内部通報
と
行政通報
の
保護要件
をかなりフラットな形にして、いわゆる
制度間競争
が機能するような
仕組み
を
導入
しております。これによって
企業
がこれまで以上に
内部通報体制
の
信頼性
を高める
努力
をすることが期待できるのであり、この点も大きな
改善点
ではないかと思っております。 さきに提出させていただいた
衆議院意見書
では、
不祥事
に関する
情報
を
透明化
することで
不祥事
を
予防
、
是正
するという
視点
が重要である旨記載させていただきました。本
改正法案
が適切に
運用
されることで
情報
の
透明度
が今まで以上に高まっていくのではないかと期待しているところです。 もちろん、
不利益取扱い
を行った
事業者
に対する
行政措置
、
刑事罰
の
導入
が見送られるなど、重要な
課題
が先送りにされたということは大変残念ですが、
施行
から十四年間、抜本的な
改正
が行われなかった
本法
が大きく変わっていく
第一歩
ですので、
是非
今
国会
で成立させていただきたいというふうに
思い
ます。 次に、本
改正法案
の
施行
、
運用
に当たっての
課題
について申し上げます。 本
改正法案
の一番の目玉は、やはり第十二条において
公益通報対応業務従事者
に
守秘義務
を課し、これに
違反
した場合には
罰則
を科すとした点ではないかと
思い
ます。これによって、
通報者
が最も心配する
通報者
の
氏名等
の
漏えい
が
一定
程度
防止できることになります。 もっとも、
懸念事項
としては、
守秘義務
を解除する正当な
理由
の
内容いかん
では
守秘義務
が骨抜きになりかねず、
通報者
が
安心
して
通報
することができなくなるのではないかということです。例えば、
通報
に係る
法令違反等
について
調査
の必要があるという
理由
で
守秘義務
が解除されるということになれば、
通報者
としては
安心
して
通報
することはできません。
他方
で、せっかく
通報
してもらった
法令違反等
の事実については、きちんと
調査
して
是正
、
予防
につなげていかなければならない。 このように、正当な
理由
の
解釈
は、
通報者
の
安心確保
の
要請
と、
不祥事
の
調査
、
是正
の
要請
という一見すると対立する
二つ
の
要請
の兼ね合いがあるため、どこで線を引くのか悩ましいところだと
思い
ます。しかしながら、やはり
通報者
が怖がって
通報
できないということであればそもそも
調査
も始まらないわけですので、
通報者
の
安心確保
を第一に
考え
るべきだと
思い
ます。 したがって、
改正法
第十二条の正当な
理由
は、
書面
による
真意
に基づく
本人
の
同意
がある場合等極めて
限定
的な場合に限る必要があると
思い
ます。この
同意
についても、
事業者側
からの
働きかけ
による場合は、
労働者
と
事業者
との
パワーバランス
から
考え
て、
真意
かどうか
疑義
を生じることになりますので、あくまで
本人
が自発的に申し出て
同意
に至った場合に
限定
すべきであろうというふうに思っております。 それでは
調査
ができなくなってしまうのではないかという御
指摘
もあるかもしれませんが、例えば、
マスコミ
が
調査報道
のための
取材
を行う場合には、
通報
に関する
部署
とは違う
部署
から
調査
をする等の
工夫
をされていると聞いたことがあります。
現行
の
民間事業者向けガイドライン
にも様々な
工夫
が記載されています。こうした
調査
における
工夫
を
調査手法事例集
のようなものを作って集積し、
担当者向け
の研修で伝授する等の方策を講じることによって
調査スキル
をブラッシュアップしていく、これによって
守秘義務
の
遵守
と的確な
調査
とが両立できていくのではないかと
考え
ております。 また、
公益通報対応業務従事者
の
範囲
をなるべく
限定
的にしてほしいとの
意見
もあるようですが、あらかじめ定められた
担当者
に
守秘義務
を課すことはもちろんですが、
ケース
によっては、あらかじめ定められていた
担当者
以外の
従業員
、
役員等
にも
調査
、
是正
をお願いしなくてはならないこともあると
思い
ます。その場合には、例えば、
通報窓口
の
責任者
が必要に応じて
公益通報対応業務従事者
の
追加選任
をできるような
仕組み
にしておくなど、漏れなく
守秘義務
が掛かるようにするべきだというふうに
考え
ます。 次に、
内部通報体制整備義務
について申し上げます。 同
義務
は、これまで
民民
に任せきりだった
公益通報者保護
の
分野
に
行政
がしっかり関与していく足掛かりとして極めて重要な
制度
だというふうに
思い
ます。 問題はその
内容
でして、形だけ
ヘルプライン
があればいいということではなくて、
従業員
から信頼され、ちゅうちょなく利用されるものにしなくてはならない。これを担保するような
具体的内容
を
指針
で定めていく必要があると
思い
ます。 特に強調したいのは、
内部通報体制
に関するデータや
事案
の
内容
を
記録
、保管すべきことをきちんと
指針
の中に
規定
して
義務
付けてほしいということです。
民間事業者向けガイドライン
にも
評価
・
改善等
という独立した項目がありますし、恐らく大
企業
の
ヘルプライン等
では、既にある
程度
こうした
情報
を
記録
、保管しているのではないかと
思い
ますので、そういった
実態
も踏まえて
検討
をしていただきたいというふうに
思い
ます。 その際大切なのは、
我が国
の
企業
全体の
内部通報制度
がどの
程度
機能しているのかといった、次の
制度改正
を見据えた
立法
事実の把握という
観点
、さらには、
当該企業
の
情報
の
透明化度
を含めたガバナンス
リスク
を客観的に把握するという投資家的な
視点
を踏まえながら、具体的な
記録
、保管の
対象
を定めていただきたいと
思い
ます。 以上は、本
改正法案
の
施行
、
運用
に関する
意見
ですが、以下、今回の
改正法案
で盛り込まれなかった
課題
について触れさせていただきます。
先ほど
刑事罰付き
の
守秘義務
の話をしましたが、
刑事罰付き
の
守秘義務
を入れたからといって、それだけで一〇〇%完璧に
通報者
の
氏名等
の
漏えい
が防げるわけではありません。例えば
過失
による
漏えい
もあり得ますし、
担当者
からの
漏えい
がなくても、
事業者
内で
特定
の
情報
を知っている人間が限られていれば、おのずと誰が
通報
したか推測できてしまうということもあろうかと
思い
ます。だからこそ、
不利益取扱い
を行った
事業者
に対する
行政措置
、
刑事罰
の
導入
が重要だということで、次回の
改正
の際の
最大
の
課題
になっているわけです。 今回
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
を見送った
理由
として、
政府
は
行政側
の
マンパワー
の
不足
を挙げています。
消費者庁創設
の
消費者運動
に関わった一人として残念でなりませんが、まずは、
内部通報体制整備
に関する
行政チェック
を十分担える
人材
の
確保
、育成を行った上で、次の
改正
までに
人的体制
を大幅に
強化
していくことが現実的なのではないかと
思い
ます。 また、
衆議院意見書
でも触れたように、
外部
の
人材
を活用して、
調査チーム
を個別につくって
調査
を委嘱するような
制度的工夫
もされてはどうかと
思い
ます。 なお、
衆議院
の
附帯決議
第八項では、
附則
第五条について、
行政処分等
を含む
不利益取扱い
に対する
行政措置
の
導入
について
検討
を加える旨の文言を盛り込んでいただいております。できれば、直
罰規定
を含む
刑事罰
の
導入
も
検討対象
であることを明示していただけると有り難いというふうに思っております。 次に、
立証責任
の
転換
について簡単に触れさせていただきます。
衆議院
の
審議
で提出された
修正案
において、
附則
第五条に基づく三年後
見直し
の
対象
に、
裁判手続
における
請求
の
取扱い
という形で、
立証責任
の
転換
に関する
規定
の
創設
についても
見直し
の
対象
に入れるんだということを追加していただきました。 この
立証責任
の
転換
は、実際に
不利益取扱い
が
発生
してしまった場合の
通報者側
の
訴訟負担
の軽減にもつながりますし、
民事訴訟
以外の
紛争解決手続
、例えば
労働審判
や
弁護士会
の
ADR等
においても
早期紛争解決等
の好影響を与えることになると
思い
ますので、
是非導入
に向けた積極的な
議論
をお願いしたいと
思い
ます。 次に、
資料
の
収集行為
の
免責ルール
の法定について申し上げます。 本
改正法案
によって
行政通報
のハードルが極めて低くなることは、
内部通報優先
の
仕組み
を改め、
企業
の
自助努力
を更に促進するという点で大変重要な
ポイント
だと思っておりますが、結果的に
行政
への
通報
が
不祥事
の
予防
、
是正
につながらなければ
意味
がありませんし、この場合、むしろ
行政負担
のみが重くなるということにもなりかねないという問題があります。このため、重要なのは、
通報
に伴う
裏付け資料
がそれなりにそろっているということです。 ところが、こうした
裏付け資料
、
証拠資料
の
持ち出し
については、それ
自体
が
就業規則違反等
に該当し、新たな
不利益取扱い
の根拠となりかねません。そうすると、
通報者
は
裏付け資料
の
持ち出し
をちゅうちょしてしまい、結果的に
通報
が
不祥事
の
予防
、
是正
に生かされないことになるおそれがあります。 こうした問題を
解決
するには、やはりこうした
裏付け資料
の
持ち出し行為
についての
免責ルール
を
法律
上明確に定めておくということが重要だと
思い
ます。この点、今回の
法改正
では見送りとなっていますが、
是非
この点も
附則
第五条に基づく三年後
見直し
の
検討事項
として、少なくとも
附帯決議
には明記をしていただきたいと
思い
ます。 ちなみに、
持ち出し
た
資料
が
不祥事
の
予防
、
是正
の
目的
に限って利用される限り、
企業側
のダメージはそれほど大きくならないとは思っておりますので、一旦出た
情報
が無
限定
に出回るかのような
前提
での
議論
にならないよう配慮していただければと
思い
ます。
最後
に、
先ほど
田中参考人
も触れられておりましたが、
取締役等
の
役員
の
保護要件
について申し上げます。
改正法
第六条一号は、
取締役等
の
役員
が
外部
への
通報
を行おうとする場合、
原則
として
通報対象
事実の
調査
、
是正
のために必要な
措置
をとるよう努めなければならないという
調査是正義務
の前置を定めています。もちろん、
取締役等
の
役員
は、
通常
の
従業員
に比べれば、
社内
の
不祥事
の
予防
、
是正
をなし得る
可能性
の高い
立場
にいるのでしょうが、
社内
の
力関係
によってはそうとは限りませんし、むしろそのような動きを取れば
不利益取扱い
を免れないような
立場
にある
役員
もいるのではないかと
思い
ます。にもかかわらず、
原則
として一律に
調査是正措置
、
事前措置
を
義務
付けることには疑問があり、将来的には
緩和
、撤廃することが望ましいのではないかと
思い
ます。 少なくとも、
改正法
の
運用
の中でこの
事前措置
の実施の
有無
を
判断
する際には、
組織内部
での
是正可能性
の
有無
、
程度
や、
通報
した
役員
に対する
不利益取扱い
の
蓋然性等
について
外部
から
判断
し難い面があることを十分踏まえて、例えば、
取締役会
の
正式議題
にのせなければ
事前措置
をしたことにならないといった画一的、硬直的な
解釈
ではなく、他の
役員
への事実上の打診や
働きかけ等
もこの
事前措置
に当たるんだといった柔軟な
解釈
を取っていただきたいというふうに
考え
ております。 私からの
意見
は以上でございます。
佐藤信秋
14
○
委員長
(
佐藤信秋
君) ありがとうございました。 次に、
濱田参考人
にお願いいたします。
濱田参考人
。
濱田正晴
15
○
参考人
(
濱田正晴
君)
オリンパス株式会社人事部門スーパーバイザー
の、今
オリンパス
の
現職正社員
、また、
裁判
を丸八年、十年近く
内部通報訴訟
を
闘い
まして、それに非常に苦しみ、なおかつ勉強し、そういった
意味
で、
内部通報訴訟経験者
ということで
お話
をさせていただきます。 本日は、私
自身
、
オリンパス株式会社
、
会社
の方から、
最初
は
年休
で申請したんですけど、
特別休暇
で行ってくれということがありまして、今日は
会社公認
で、非常にやっぱり愛社精神貫いていてよかったなというふうに思っておりまして、今日は、そういった
意味
で、
田中先生
と
拝師先生
がかなり
専門
的なところはもう述べてくださったので、そこはもうごもっとも、もちろんそのとおりだと思った
前提
で、私がいわゆる実際の
内部通報被害者
という
立場
で、そういうことで、やっぱり
世の中
この
法律
によって苦しんでいる
方々
がたくさんいるということで、私もブログを立ち上げて、「
公益通報者
が守られる
社会
を!ネットワーク」ということでやっていますけれども、やっぱり
相談
が大変多いということで、それらの
方々
の
個別対応
はできないというのがじくじたる
思い
なんですが、そこの
代表選手
として今日は話をさせていただきたいと思っています。 まず
冒頭
に、この
法改正
、
無断漏えい
に対しての
刑事罰
が入るということで、
衆議院
の方でも
衛藤大臣
がおっしゃられたように、私が
評価
しているというふうにおっしゃられていましたけど、そのとおりでございまして、私は、この
日本
の
文化
とかいろんなしがらみとかいろんな人の
意見
とかある中で、やはりここに
刑事罰
が入ったということ
自体
は、この
公益通報者保護法
を引き締めるという
意味
において、
本質
的な
法律
のいわゆる性質を変えるという
意味
において私としては高く
評価
しております。 もちろん
課題
、すなわち、
過失
ではオーケーとか、そういった
刑事罰
が入る
対象外
とか、いろいろ
課題
はあるにせよ、とにかく、私が
主張
してきた
無断漏えい
、これがなければ、私は八年、
丸裁判
八年、さらに
通報
前後から通算すると十年で、
サラリーマン人生
のほぼ三分の一近くですね、
裁判
に費やしてきた。それも一番私が大好きな
オリンパス株式会社
、
オリンパス
との
闘い
、それも、
公益通報者保護法
の
定義
である、いわゆる
現職
のまま
裁判
で訴えなければならないと、これが
国民
の中で一体何人できるかと、そういうことを
考え
ていただきたいと。 そこを、やはりある
意味
、
最高裁
で勝訴し、その後やはり私が一番
感じ
たのは、勝訴した後が怖かったです。なぜかというと、
裁判
中というのは、やはり
訴訟
ですから、非常に何かまだ変なことはできないというのはありましたけど、終わるとまた何かやられるんじゃないかということで、
権利回復
も含めてやっぱり第二回目の、
最高裁勝訴
後の
裁判
をせざるを得なかったということで、結局は、和解しなければもうまず話にならないと。 それと、
あと
は
現職
、私は
営業
でしたけど、
営業
に戻るという
請求
は、
裁判長
から、そういう
請求
は
我が国
ではないと、
民事訴訟法
ではないということですから、
裁判前提
としても
権利回復
はできない国であるということですので、やはり、これだけ話した
内容
は、やっぱり
裁判
、
民事訴訟前提
での
法律
ということには、これは重大な
課題
として残っているということがまず一点。これ、極めて重要な
ポイント
です。 それで、
あと
二番目に、今回、かなり多くの
事前配付資料
で
新聞記事
とか私の
裁判
の時系列出していますけど、個別には
説明
いたしませんで、
事前
に読んでいただいていると思うので。これだけでもほんの一部の
記事
で、やっぱり
マスコミ
の
皆さん
の力とか、
内部通報
の
報復
を受けていたときから、読売新聞の一面
トップ
、
告発漏れ
ということで、
世の中
で私の
状況
が世間に知れたときに初めて暗闇の小屋から出れたという気がいたしましたので、
一つ
やっぱり
マスコミ
の力というのは、やっぱり私はその力を得たというのは大変大きかったなと、
勇気
になったと。
あと
、
家族
の力。
あと
は、たくさんではないけど
勇気
を持った
同僚
の力、こういったのがあったので、私としては、やはり、今回の
法改正
ここまで来た、もう少しで成立というところには非常に感慨深い
思い
をしています。 そこにいらっしゃる
加納
さんとも
かなり議論
を、激しい
議論
をもう交わしまして、もうけんかぐらいやるんだけど、だけど、彼の
立場
も理解しながら、私は彼、
加納
さんとも良き
関係
を築き上げてきたつもりで今日に至っているというふうに、まあ、笑っていますからね、そう思っていると
思い
ますけど。 そういうことで、まず
冒頭
。こうやると、私、時間が大体一時間ぐらい要るんですけど、ちゃんと終わりますので大丈夫です。 それで、もう
一つ
。当日
配付資料
の中で、私、特別に配りました
理由
は、要するに、
故意
に
漏えい
したか
過失
だったかというところがやはり、このお配りしている、まず
Eメール
ですね。まずこれ、当時私が
通報
したときのですから、七月三日の
Eメール
。これは、承諾を取って
通報
の、私の
名前
とか
内容
を
皆さん
に開示したと、
関係者
に開示したということで正当化している。しかし、翌日、
濱田
様との
機密保持
の約束を守らず大変失礼いたしましたと、要するに御容赦くださいと謝っている。これは
過失
なのか
故意
だったのか、書いているのか、今でもいろんな
問合せ
がありますけど、はっきり言って分かりません。だからこそ、さっき言った
課題
が残っていると。 それで、さらに
裁判資料
。ここに載っていますのは、これは、私の
主張
をここで取り上げてもしようがないので、当時の
会社側
の、一審で私が敗訴したときの
会社側
の
主張
。これはやはり、私は客観的に物事は見ますので、
労働者側
、
経営者側
、
コンプライアンス
の
担当者側
、全ての
立場
で
考え
たときに、やはり、今から思うと、ここに書いてある
弁護士
、
会社側
の
弁護士
の言っていることは法的には正しいんですよね。要は、
ガイドライン
なんて
法的拘束力
はないと。しかし、やっぱり志ある
方々
は一生懸命
ガイドライン
を
整備
して作っていると。 そういう中において、
企業
の
裁量権
、これがあるからということで、これ、
内部通報
したときの
配転命令
というのは、やはり
解雇
とかすると露骨ですから、
配転命令
というやっぱり
企業
の
裁量権
、ここのところでやっぱり
裁判
になると闘ってくる。 それで、
個人情報保護法
。これ、私もその当時、今は大分知識ありますけど、分かりませんでしたから、これも
関係
ないと。もう取り付く島がないということで、ここでお出ししたのは、
裁判
になるとこういう
事態
に
配転命令
の
報復
はなりますという
意味
で、当日
配付資料
として出させていただいております。 それで、全て私の
主張
は失当であると。そういうことで、これはやっぱり一審ではこれが認められましたけど、高裁でこれは違うと、
無断漏えい
であると。ということで、
最高裁
においても認められて私が勝訴したという
経緯
ではあります。 ということで、この
部分
において、やっぱり
裁判
、これを
前提
の
法律
、これもう一回言わなければいけないと思っています。これは駄目。そこから脱するためには、やはり
企業
に対しての
罰則
と、
行政罰
というところを、そこにやっぱり三年後、今直ちに全ては無理としても、三年後にはやっぱりやっていかなければいけないというふうに思っています。 次に、問題、
公益通報者
になれない。そもそもこの
法律
の
入口
ができないんですよね。要するに、さっき、ここにある
会社側
の
弁護士
書いていますように、
犯罪行為
の事実、これをいう。
法律名
じゃ駄目。 例えば、
内部通報
だと、こういったことが起ころうとしていますというところで、いや、私は
予言者
じゃないですよと。要するに、例えばここで、路上でいろいろと棒を振り回している人がいる。だけど、これは何か、何とかの
法律
には該当するんじゃないかと思っても、これはこの次にどういう
行動
、
犯罪行為
をするかを予言して言わないといけない、じゃないと
公益通報者
になれないということは、
罰則
を付けても何をしても、そもそも論として
公益通報者
になれないんですから。ここのことは、いわゆる
内部通報
とか、いわゆる思料すればいい、将来まさに起ころうとすること、ここはやっぱり
弁護士
の
先生方
でもこれは難しい、人類として不可能だ、これを
要求
しているということで、
入口
のところのいわゆる
公益通報
の
定義
、これ
自体
がやっぱり大きな
課題
で残っていると
思い
ます。 三番目、相変わらず
不利益通報者
の
裁判
、これに対してのやっぱり
ガイドライン
ということの非常に
法的拘束力
のなさ。これから発する
企業
の
裁量権
の
判例
ですね、
東亜ペイント最高裁判例
、ここのところが大きく立ちはだかる、要するに
企業
の
裁量権
ということで。 ですから、
民事訴訟
においての、私が言うのは、やっぱり
配転
というところが、いろんな例えば
企業
でも、いわゆる
役所
でも、いろんなところに勤めていると、
自分
が命を賭けてやってきた
仕事
を取られる。
同僚
といわゆる
隔離状態
に、
組織
的な
隔離
になり、例えば私の場合、
部長付き
ということで、一人で
新規事業創生探索活動
、こういったようなところというのは、やっぱりこの
東亜ペイント最高裁判例
のところのベール、ここに立ち向かうというのは、
業務
上の
必要性
、
あと
は不当な
動機
、これをこちらが
立証
しなければいけない。それはどうやって
立証
、私ができたか。今でも、やはり
弁護士
の、私の二審の
弁護士
の
皆様
の力が大きかったと思うんですけど、そういった
部分
においては、やはりこの
判例
というのは
十分頭
に置いて
法律
の
改正
及び三年後の
見直し
に進んでいかなければいけないと
思い
ます。 それと、
あと
、やっぱり私が思うのは、さっき言ったように、私の
立場
、要するに、私は勤務して今は
人事
の方、
部門
にいますけど、やはりこの
法律
がしっかりしないと、
通報
する側も、さっきも申し上げたように、
コンプライアンス
で働く
人たち
も、いわゆる
企業
の
経営者
も、私の
裁判
でもういわゆる
浮き彫り
にしたように、みんな
関係者
が不幸になる。要するに、
オリンパス
という
会社
は、
皆さん
真面目でいい人がやっぱり大変多い
会社
なんですよ。ところが、この
法律
でこういう形の不備が
浮き彫り
になってくると、やはりみんなが苦しむ結果になるということで、いろんな
企業
、
役所
で、私のような目とか、今度は私の
加害者
になった人の
立場
とか、そういったことを一切なくするような
法律
にしてほしい。その辺は、私が今の
立場
では具体的に言えるのはなかなかこの時間では
限界
がありますので、そこら辺は
課題
として
考え
ていただきたいと
思い
ます。
あと
、やっぱり思うのは、
学生
さん
たち
ですね、要するに大
学生
とかこれから
企業人
になる
人たち
でもやっぱり分かりやすい
法律
、そういうふうにしていただきたい。ですから、
事前配付資料
で、「
機械設計
」の四月号、ここで、「良い
仕事
」ということで、これは非常にいいことを書かれているなと思ったので今回の
資料
にさせていただきました。 要するに、我々ビジネスマン、今働いている
方々
だけじゃなくて、
学生
のときからこの
法律
はやっぱり勉強しなければ、特に
技術者
、私は
機械工学科
ですから、
技術系
に関わる人はやはりこういう
法律
を
事前
にしっかり勉強しておかないと、急に対峙しようと思っても無理だというようなことで出させていただいております。 そういう
意味
からしても、やっぱり、何といいますか、
通報対象
事実、
通報対象
事実の
範囲
、これが
公益通報者保護法
と、例えば
オリンパス
だけではありませんけど、いろんな
企業
の
通報対象
事実とのやっぱりギャップがでかいんですよね。やっぱり
企業
においては、
通報対象
事実は、これ何かおかしいぞと思うこと、そういったことも
通報対象
事実なんですよ。だけれども、そこで
コンプライアンス
という
言葉
だけが先行して、
公益通報者保護法
というところの
意味
合いの
説明
が、やっぱり
コンプライアンス
の
担当者
も含めて非常に難しいというのと、アンタッチャブルみたいでできていないというのがあるので、これからこの
法律
が成立したら、やっぱり
ガイドライン
を無にするということでもなく、無にしてはいけない。さらに、やっぱり
企業等
の
コンプライアンス
、こういったところに、
コンプライアンス室
、
ヘルプライン
の
窓口
の
方々
にしっかりとPRする。 私も定年になって、この後、再雇用でもやりますけど、私は、各
企業
、
オリンパス
以外の
企業
に、この
法律
が成立したらやっぱりPRしていきたいというふうに思っていますので、そういうことで、私は今回の
法改正
は
第一歩
、大きな
前進
として
評価
します。 そういうことで、私からの
陳述
は以上です。ありがとうございました。
佐藤信秋
16
○
委員長
(
佐藤信秋
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
の御
意見
の
陳述
は終わりました。 これより
参考人
に対する
質疑
を行います。 なお、
質疑
及び
答弁
は
着席
のままで結構でございます。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
徳茂雅之
17
○
徳茂雅之
君 自由民主党の
徳茂雅之
でございます。 まず、三名の
参考人
の方には、
緊急事態宣言
は解除されましたけれども、今なお
新型コロナウイルス
の
対応
ということで厳しい中、今回は
国会
にお越しいただき、また貴重な
意見陳述
を頂戴しました。改めまして
御礼
申し上げます。 また、それぞれ、今回の
法案作成
も含めていろんなところで
公益通報者保護制度
に関して関わってこられた
田中参考人
、
拝師参考人
、そしてまた、
オリンパス
の
訴訟
ということで長い間
裁判
経験
された
濱田参考人
、大変ありがとうございました。 御存じのとおり、
本法
、
現行法
は、
平成
十八年に
施行
されてから十四年間、実質的な
改正
がなされてきていません。それまでの間、いろんな
場面
でその
見直し
についてのいろんな面の
検討
もされ、
先ほど
申し上げたとおり、
田中参考人
あるいは
拝師参考人
におかれましては、
実効性向上検討会等
、あるいは
ワーキングチーム
の中で
本当
にいろんな面での貴重な
意見
も頂戴しています。 一昨年の十二月に、
消費者委員会
から、の
専門委員会
の
答申
ということで、
政府
が今回の
公益通報者保護法
の
見直し
についての提言を受けたわけであります。 私、
自民党
でありますけれども、今日おいでの
太田先生
とともに、
自民党
の
消費者問題調査会
の下に
ワーキングチーム
、
プロジェクトチーム
をつくりまして、昨年十一月から、これ多くの
利害関係者
の方も含めて計八回、ヒアリングもやり、その中では、今日
消費者庁
も来ておりますけれども、
厚労省
も含めて、
本当
にかんかんがくがくといいますか、厳しい協議、
意見
の言い合いもしながら、この
法律
の
作成
についても私
自身
も関わらせていただきました。 そのような
経験
から、今日は、三名の
参考人
の
本当
に貴重な
意見陳述
について、まず厚く
御礼
申し上げたいというふうに
思い
ます。 それぞれの
立場
で御
意見
頂戴したわけでありますけれども、今回、一昨年の
消費者委員会
のその
報告書
をベースに党内でももちろん
議論
もさせていただきましたけれども、
幾つ
か
コメント
ございました。今回の
法律
については、
十分評価
をいただいているところもあれば、まだまだ過
不足
といいますか、
不足
している点もあるなということでございます。 まず、三名の
参考人
に、その
意見陳述
の中にもありましたけれども、改めまして、今回の
改正内容
に対する
評価
について、それぞれの
立場
で改めて御
意見
があればお聞かせいただきたい、このように
思い
ます。
佐藤信秋
18
○
委員長
(
佐藤信秋
君) それでは、
田中参考人
、お願いします。
田中亘
19
○
参考人
(
田中亘
君) ありがとうございます。 今回の
改正
に関しましては、私は大きな
前進
であると受け止めております。特に、
内部通報体制
の
整備
、
守秘義務
の
明定
、
行政通報
についての
保護要件
の大幅な拡充、
退職者
、
役員
も
保護範囲
に含めるといった点で大きな
前進
が見られたと
思い
ます。 その上で、
法案附則
にも明記されていますように、今後三年間で必要な
検討
を行い、特に
行政
の
体制
の、
人的体制
の
整備
も含めて
検討
を行っていただいて、そして、とりわけ
不利益取扱い
を行った
事業者
に対する適切な
サンクション
ということについて
是非
御
検討
をお願いしたいと
思い
ます。 以上です。
佐藤信秋
20
○
委員長
(
佐藤信秋
君) 次に、
拝師参考人
。
拝師徳彦
21
○
参考人
(
拝師徳彦
君) 今回の
改正内容
に対する
評価
ということでございますけれども、この
法案
が公表されて、いろんな
議員
の
方々
、あるいは
政党
の
方々
とも
お話
をさせていただいて、端的にこの
法案
、
合格点
なのかどうか、どうでしょうというふうに聞かれました。私の方は、悩みましたが、ぎりぎり
合格点
というふうに申し上げました。 ぎりぎりと申し上げているのは、やはり
先ほど
申し上げた
不利益取扱い
がなされた場合に対する
行政措置
というのが抜け落ちてしまって、
先ほど
濱田
さんが
お話
しされたような、やっぱりまだ
裁判
で
解決
しなくてはいけないという
課題
が大きく残っているという点では非常に残念なところなんですが、
他方
で、
先ほど
私が申し上げたように、今まで、
裁判
やらなきゃ
被害回復
できないということもそうですが、ほとんど
行政
、国がタッチしない、そういう
法律
だったものに対して、
行政
がかなり関与するような
立て付け
になっています。
内部通報体制整備義務
もそうですし、やはり大きいのは、
守秘義務
について
刑事罰付き
で課していくという
立て付け
、これは
消費者委員会
の
答申
を超える
内容
になっておりまして、
自民党
のPTの
皆さん
、
先生方
も頑張られたと
思い
ますけれども、やはりここの
部分
は大きかったかなというふうに思っておりまして、そこで何とか
合格
というふうに
考え
ております。
濱田正晴
22
○
参考人
(
濱田正晴
君)
濱田
です。 私としては、いろんな
日本
の
文化
とか様々な点を考慮し、
日本
の
会議
の難しさとか調整の難しさを勘案すると九十八点。その九十八点というのは今のを勘案しての話ですから、それを勘案しなければ六十点と、まあ可と、こういうことでございますので、
皆さん
の
努力分
が三十八点を獲得しているというような形で私は
考え
ています。 それで、やっぱり
ポイント
として、
評価点
のところとしては、話題になっている
立証
ですね。やっぱりここのところが、
企業側
か
通報者側
かというところ、ここ大変難しい
部分
だと思うんですけど、この点に関しての
課題
、これは残っていると。これ、
企業側
に
立証
させたらいいか、
労働者側
かと、これは、私は今の
時点
でやっぱり言明はできない。だから、ここはやはり引き続き
課題
として
検討
を継続して、三年目の
見直し
のところにはクリアな方針を示していただければなと
思い
ます。 もう
一つ
は、やはり、私、
裁判
ずっとやってきましたけど、結局、
民事裁判前提
でも、
裁判
によって和解しても、
事前
の
配付資料
で配っているように、やはり当時、
通報
するとデマが流れるというところで、これ、私にだけないしょで流れていると。そういう
事態
で、勝って、それで
同僚
とまた
一緒
に協働して
仕事
をしようとしても、そこを解消しなければやっぱり難しいというのがあるので、やっぱり
裁判
で
解決
付けない。要するに、
民事訴訟
の
限界
というのを私が示したという
意味
で、やっぱりさっき申し上げたことに戻っていくと、
問題点
が戻っていくということでございます。 私からは以上の
評価
とさせていただきます。
徳茂雅之
23
○
徳茂雅之
君 率直な御
評価
ありがとうございました。 続いて、
田中参考人
にお伺いしたいと
思い
ます。
内部統制
、ガバナンスの
関係
で、今回の
公益通報者保護法
についてお尋ねしたいと
思い
ます。
公益通報者保護法
というのは、まさに
公益
を
確保
する
目的
でということでありますが、一方、
企業
、個別の
企業
にとってみれば、例えば
虚偽
だとか、あるいは
過失
による
内部通報
があって、
企業
が場合によっては倒産する
ケース
もあり得ます。そのような場合には、例えば働く
従業員
も失業するということで、常に、
公益
全体の
利益
なのか、あるいは個別の
企業
の
利益
なのかというところの
バランス
の問題が出てくるかというふうに思っております。
東京証券取引所
では、コーポレートガバナンス・コードを発表されておりまして、その中には、これ
上場企業
ということでありますけれども、
内部統制システム
、
体制整備
というのがうたわれており、さらに
情報提供者
の
保護
、あるいは
不利益取扱い
の
禁止
というふうな
規定
もございます。このような
バランス
についてどのように
考え
たらいいのか、
参考人
の御
所見
をお尋ねしたいと
思い
ます。
田中亘
24
○
参考人
(
田中亘
君) ありがとうございます。 御
質問
にもございましたように、
会社法
上、
取締役
は
法令
の
遵守義務
を負っており、そして特に大
会社
、
会社法
に言うような大
会社
においては、
法令遵守
その他
会社
の
業務
の適正を
確保
するための
体制
の
整備
の
決定
を行うことが
義務
付けられています。この
体制
の
内容
については
法令
でそれほど細かく
規定
されているわけではなく、
会社
の
裁量
が大きいわけでありますが、現実的には、
上場企業
を始めとして、少なくとも大
企業
については、
法令遵守
を
確保
するための
体制
として
内部通報体制
を
整備
してきていると
思い
ます。
バランス
というのは非常に難しい問題ですけれども、
一般
的に言えば、
法令
の
遵守
ということは
会社
の
利益
に優先するものでありまして、
企業
は、
法令
を
違反
したということについて隠す正当な
利益
は持っていません。したがって、
内部通報体制
が
法令違反
を隠して内々に事を処理するような形で運営されることはあってはならないと
思い
ます。
企業
の
評判
の低下とか、場合によっては倒産するということもあり得るわけですけれども、それは、やはり
真実
でない
通報
といいますか、実際には行っていないことについてまで
虚偽
、
真実
でない
通報
が行われるということによって
企業
に
不利益
が及ぶということは防がなければならないわけで、その点において、
企業
が
通報
について適切に
調査
するということが必要であります。 しかし一方で、
真実
が違法なものであったときに、それを隠すことはあってはならないということであります。この点は、
企業
の
マンパワー
とか財政的な
体制
によって、
余り
過剰な
要求
をすることはできないかもしれませんけれども、できるだけ
外部者
の目を利かせるということですね。
弁護士
その他
外部
の
専門家
の
判断
をどこかの
時点
で仰げるような
体制
をつくっておくことで、
企業
が自社の短期的な
利益
に偏った
判断
をするということをできるだけ防ぐことが重要だと
考え
ております。 以上です。
徳茂雅之
25
○
徳茂雅之
君 ありがとうございました。 続いて、
拝師参考人
にお尋ねしたいと
思い
ます。
参考人
、
弁護士業務
を実施されているということでありますので、恐らくこれまでも多くの
相談
を受けられたというふうに思っております。今回、
弁護士実務面
で、この
改正
が
現行法
で何か
改善
される見通しがあるのかどうか。
弁護士実務
として何か期待されることがあるのであれば、お教えいただきたいと
思い
ます。
拝師徳彦
26
○
参考人
(
拝師徳彦
君) この
公益通報者保護法関係
ということに限って言うと、実際に
本法
に
関係
しそうな
事件
として
受任
したのは三件
程度
、そして、
関係
しそうな
相談
を受けたけれども
受任
に至らなかったものというのは十件以上あるだろうというふうに思っています。 問題は、やはりその後者の、
相談
されたけれども
受任
に至らなかった
案件
です。中には、非常に我々がみんな知っているような大
企業
についての
不祥事
についての
情報
を抱えていらっしゃる
相談者
の方もいらっしゃいました。何とかしようということで
相談
されるわけですけれども、
現行法
では、
弁護士
の
立場
ではとても、それでは
勇気
を持って頑張って
通報
しましょうというふうに後押しすることはできません。やはり、もし
通報
した場合にどうなるか、
不利益取扱い
を受ける
可能性
がありますよ、そして、仮にそういう
不利益取扱い
を受けた場合には、こちらから
裁判
を起こして、それが違法、無効であることについて
主張
を
立証
しなくてはいけませんよと。ですから、そういう
訴訟
の
リスク
、
不利益取扱い
を受ける
リスク
、もちろん、
訴訟
をやったからといって手持ちの
証拠
で完全に勝てるという保証はどこにもない、むしろ
企業
の方が多くの
情報
を持っていて有利である、そういうことを
説明
せざるを得ないわけですね。ですから、そういうこちらからの法的なアドバイスをすると
通報
を断念される、そういう
ケース
が多々あったというふうに
認識
をしております。 今回の
改正法
でそれが、じゃ、がらっと変わって、じゃ、分かりました、頑張って
一緒
にやりましょうという
状況
になるかというと、決してそうではないだろうというふうに思っております。例えば、
立証責任
の
転換規定
が見送られる、それから
証拠資料
の
持ち出し
の
免責ルール
も明
文化
が見送られておりますので、がらっとは変わらない。ただ、
先ほど
から申し上げているような、例えば
通報
した場合に
氏名等
が
漏えい
するおそれというのは従来よりはかなり
安心
してできるんじゃないかと。 それから、
内部通報体制整備義務
の一環として、多くの
企業
が
内部規程
で
不利益取扱い
の
禁止
というものを入れてくるだろうというふうに思っております。その場合には、そういうものを引用しながら、かなり今までよりは
リスク
は低くはなっています、ただし
リスク
はゼロではありませんという形で、一歩は踏み込んだ
相談
はできますが、それがどうなっていくのか、ま
たち
ょっとその
内部通報体制整備義務
の
指針
の
中身等
にもよるかと
思い
ますが、そういう悩ましい
状況
は引き続き続くのかなとは思っております。
徳茂雅之
27
○
徳茂雅之
君 時間が参りましたので、終わります。
伊藤孝恵
28
○
伊藤孝恵
君 三人の
参考人
の
皆様
、本日は
本当
にありがとうございました。 まず、
田中参考人
に伺います。 今回、
通報対象
事実の
拡大
に係る
限定列挙
、
別表
の削除に
先ほど
言及いただきました。まさに
本質
だと
思い
ます。
公益通報者
に当たるかどうか、普通に働く者が
判断
するのは不可能です。そういった
部分
で
本質
に切り込んでいただいたんですが、今回の
改正案
では、
犯罪行為
など
刑罰
で担保されるものに加え、
過料
により担保される
法令違反行為
を
導入
したこと、これは一
歩前進
だと
思い
ます。 しかし一方で、この
刑罰
、
行政措置
の
規定
のない
法律
、例えば
公文書管理法
というのは、今も
別表
及び
別表
八に係る
政令
で定める四百七十の
法律
の中には含まれておりませんし、
改正
後も
対象外
となると承知しています。 しかし、
行政
内で、もし
文書改ざん
とか隠蔽とか破棄、
虚偽答弁
などが行われているのであれば、その事実を明らかにして、その明らかにした者が正しく守られる、それは当たり前のことだと
思い
ます。こういった
公文書管理法等
を含む
行政
内におけるこの
公益通報
の充実というのに関してどう思われるかが一点。 それから、もう一点、今回
刑罰
で担保される
犯罪行為
、それから
過料
により担保される
法令違反行為
、いわゆる
行政措置
までですけれども、次回の
改正
でこれを
処分
にまで広げる、これについてどう思われるか。二点、教えてください。
田中亘
29
○
参考人
(
田中亘
君) ありがとうございます。
通報対象
事実につきまして、
限定列挙方式
を改めて、少なくとも
罰則
のある
法令
については、
国民
の
利益保護
の
観点
から
重要性
が高いわけですから、
一般
的に
保護対象
に含めることが適切ではないかと
思い
ます。 その上で、
行政処分
の
対象
になる
行為
とかや、
行政機関
における
公文書管理等
の、
制度
上
罰則
は用意されていなくても
国民
の
利益
の
観点
から
重要性
の高い
規定
についても
範囲
を広げる
可能性
がないか、
検討
する価値があると
思い
ます。 ただ、一点申し上げておきたいことは、
公益通報者保護法
は、この
法律
の
要件
に合致すれば、その
通報
した者を
不利益
に取り扱ってはならないことを明確にしたという
意味
があるにとどまるのであって、この
法律
の
要件
に合致しなければ
不利益取扱い
をしていいんだということではないわけであります。この点が非常に重要であると
思い
ます。 例えば
ハラスメント
とかですね、
ハラスメント
は行き過ぎれば当然
刑法
に反する
行為
になるわけですけれども、しかし、別に
ハラスメント自体
が
刑法
にまでは
違反
しないとしても、
ハラスメント被害
を訴えた人を
不利益
に扱っていいはずがないわけですね。この辺は
労働法
による適切な
保護
が図られなければならないわけです。 ついでに申し上げれば、
会社法
でもそうでして、
会社法
でも、
役員
は
株主総会
で解任できるわけですが、正当な
理由
がなければ、
役員
は
損害賠償請求
ができるわけであります。その際に、正当な、
ハラスメント
について申し立てたからという
理由
で解任することが正当な
理由
になるはずがありませんので、そのような場合は
役員
は
損害賠償請求
ができます。 この
法律
の
規定
がなくても救済されるものがあるはずで、これは当然のこととして、
裁判所
も
法律関係者
も、それから
企業
、
労働者
も、皆が
認識
を共有しなければならないと
考え
ております。
伊藤孝恵
30
○
伊藤孝恵
君
先ほど
のその
処分
にまで広げるというところについてもう一回お伺いしたいんですが。 今言及があった例えばセクハラ、マタハラというのも、この
処分
にまで広げれば、
現行法
の中で
通報対象
事実、
通報対象者
になるというふうに理解できると思うんですけれども、
処分
にまで広げるということについては、
先生
、どうお
考え
ですか。
田中亘
31
○
参考人
(
田中亘
君) そうですね、
現行法
は、率直に申しまして、
不利益取扱い
をしたからといって
事業者
に
サンクション
があるわけでもなく、むしろ
現行法
でも、その
公益通報者保護法
がなくてもできることをできると言っているにすぎない
部分
が率直に申しましてあると
思い
ます。 したがって、現在の
法体制
の下では、ほとんどどんな
行為
であっても
通報対象
事実、あっ、済みません、どんな
行為
であってもというのは行き過ぎですけれども、
不利益取扱い
をしてはならないような
行為
を全て
通報対象
事実に含めてもおかしくないわけであります。この
辺り
は
サンクション
との
関係
を考慮して
是非
考え
ていただきたくて、
サンクション
を次の
改正
で設けるとすれば、その
サンクション
にふさわしいものであるかというところでおのずと
通報対象
事実の
範囲
が絞られていくのではないかと
思い
ます。 したがって、そのようなときには
罰則
がまずは問題になると
思い
ますが、しかし、今おっしゃられたような、
公文書管理
とか
国民
の知る
権利
の
観点
から
重要性
のあるものについては、あえて入れるとか、様々な
選択肢
が
考え
られると
思い
ます。
伊藤孝恵
32
○
伊藤孝恵
君 それについては特出しして、あえて入れるというようなヒントをいただきました。ありがとうございました。 続いて、
拝師参考人
に伺いたいと
思い
ます。 三
号通報
について伺いますが、
組織内部
で
通報
しても
是正
を期待できない場合、
行政機関
や
報道機関
への
内部告発
も
保護
されるべきだというのがこの法の
趣旨
なのであれば、三
号通報
の
特定事由
に、例えば
事業者
が
公益通報対応業務従事者
を定めていない場合、二
号通報
した日から二十日を経過しても
権限
ある
行政機関
から
調査
を行う旨の通知がない場合又は正当な
理由
なく
調査
を行わない場合等を追加すべきと
考え
ますが、いかがでしょうか。
拝師徳彦
33
○
参考人
(
拝師徳彦
君) いずれも御
指摘
のとおり追加すべきだろうというふうに
考え
ております。 まず、
事業者
が
公益通報対応業務従事者
を定めていない場合についてですが、
消費者委員会
の
専門調査会報告書
においても、
事業者
が
内部通報体制
の
整備義務
を履行していない場合を追加することを三
号通報
の
特定事由
に追加することとされておりました。 この場合、
公益通報対応業務従事者
を定めていない場合というのは同
整備義務
の不履行の
典型例
ではないかというふうに思われますので、当然、
特定事由
の
一つ
に加えるべきだろうというふうに
思い
ます。特に今回、三百人以下の
小規模事業者
については
内部通報体制整備義務
全体が
努力義務
とされ、
行政措置
の
対象外
となっておりますが、こうした
小規模事業者
の
内部通報体制
を促進するという
意味
でも、こうした
特定事由
を追加するという
意味
は大きいというふうに
考え
ています。
伊藤孝恵
34
○
伊藤孝恵
君
本当
におっしゃるとおりで、例えば小さな
会社
の中で
社長
の不正を訴え出たい、その訴え出る先、
窓口
が総務兼
経理
の
社長夫人
だったなんという
ケース
もよくある
ケース
だと思うんです。そういった
組織
の
事情
、能力に応じて、二
号通報
、三
号通報
というのの
選択肢
ももっと持てるようにすべきだというふうに
認識
いたしました。
拝師徳彦
35
○
参考人
(
拝師徳彦
君) 済みません、一点
回答
漏れましたが、もう一点、
行政通報
しても
対応
してもらえないような
ケース
の場合についても御
質問
があったと
思い
ます。 これについても、やはり三
号通報
ができるようにしていただきたいというふうに
考え
ておりまして、この点については、
先ほど
の
消費者委員会
の
専門調査会
の
報告書
では、
事業者側
に
過失
がないにもかかわらず、
行政機関
の
過失
によって
当該事業者
に
負担
を負わせるのは必ずしも適当ではないということを
理由
に、追加する必要なしという
結論
になっていたと
思い
ます。 しかし、
通報者
が
行政通報
を選択した
段階
で、
通報者
なりに、
内部通報
をしたのでは
不利益取扱い
のおそれがあるとか
是正
の
可能性
がない等の
判断
をして
行政通報
をしているという
状況
ですので、そもそも
事業者
に落ち度がないと言えるのかは疑問ですし、三
号通報
の場合には、
前提
として
真実相当性
というのが
要件
とされておりますので、
事業者
が
法令違反等
を行っている
蓋然性
が高いことが
前提
になっています。 ですので、
法令違反等
が
真実
であれば、直ちに法的、
社会的制裁
を受けてもやむを得ない
状況
にあるわけですので、直接三
号通報
に行かれても仕方がない
立場
であるというふうに元々
思い
ます。
行政
が
マンパワー不足
で動けないということを自ら認めているという今回非常に残念な
回答
をいただいているわけですけれども、こうした
事態
を正面から受け止めて
制度
設計するとすると、
先ほど
おっしゃられたような、
行政
が動かない場合については三
号通報
に行けるというルートを残すということは非常に重要かなというふうに
思い
ます。
伊藤孝恵
36
○
伊藤孝恵
君 続きまして、
濱田参考人
にお伺いしたいというふうに
思い
ます。
紛争決着
までおよそ十年を要す
闘い
、
本当
に、一個人が巨大な
株式会社
を相手に闘うということは、御
家族
の御苦労も含めてどれほどのものだったのかというふうに
思い
ます。
濱田参考人
を守れなかったこの
公益通報者保護法
を良きものに、使えるためにですね、
是非
御知見を賜れればと
思い
ます。
濱田参考人
は
衆議院
での
議論
も全て確認されているというふうに伺っておりますけれども、さらに、
参議院
で
議論
が必要だと思われる点、すなわち、次回の
改正
で期待される点というのを教えてください。
濱田正晴
37
○
参考人
(
濱田正晴
君) やっぱり
不利益
、これ
不利益
をした
企業等
への罰、
行政罰
というかですね、その
部分
なんですけど、
衆議院
以外、これまでのいろんな関連
会議
見ていても、やはりこれは
司法
のところでということで、なかなか
政府
がそれを、
配転命令云々
を、
企業
の
部分
を
判断
するのは難しいという、要するにできない
理由
を並べているので、じゃ、その前に、例えば
不利益
という
定義
を、例えば
第三者委員会
とかそういう、じゃ、それをやっぱり
司法
に行かなくてもやるためにはどうすればいいかと、どういう
組織
を新たに立ち上げるかということをやっぱりしっかり
議論
すべきで、そこが抜けているなと
思い
ました。やっぱり、
一言
で言うと
行政罰
というところ、ここに関してです。
あと
は、やはり、
議論
はして、抜けてはいないんですけど、やっぱり
過失
というところ。例えば
過失
で
漏えい
すると、そうすると、やっぱりそこからひも付いていくのが
コンプライアンス体制
、要するに、
内部通報体制
のやっぱり
義務
というところ、これをちゃんとやっていないということで、そこでこの
行政
的な
措置
がそっちに入っていくような、そういう
立て付け
だと思うんですけど。 やっぱり
過失
と、さっき申し上げた
故意
という
部分
、その辺のいわゆる
考え方
の深掘りがされていない。それの典型的な例で抜けていたのが、
企業
が要するに契約している
外部通報窓口弁護士
、この
弁護士
、
外部通報窓口弁護士
についての
議論
がなされていない。要するに、
企業
と
関係
ない。例えば
オリンパス
ですと、
オリンパス
の内情を知らない
弁護士
に
社員
が
内部通報
、要するに
コンプライアンス室
は嫌だから、契約している
弁護士
へ
通報
した。じゃ、そのときにその
弁護士
はどうやって
調査
するかといったときに、いわゆる宛先、要するに
問合せ先
といったら
コンプライアンス室
か、やっぱり
名前
を、やっぱり我々
従業員
が知らないところでのコンタクトしかないわけであって、じゃ、その
外部通報窓口
の
弁護士
という方もやっぱり
弁護士法
とかいろんな
守秘義務
負っているわけで、別の
法律
でですね、そういうところでのやっぱり
外部弁護士
、
外部弁護士
、これをやっているから
企業
はちゃんとやっているというところにおいての
一つ
の
外部弁護士
の
考え方
、これを、私から
考え
るところ、
内部
の
調査
を
通報者情報
を秘匿してできるということは常識ではちょっと
考え
られないので、そこは全部、何といいますか、認められるということになると、せっかく
刑事罰
付けても駄目ですから、そういう軸で
外部通報弁護士
、これは
窓口担当者
ですから、そこへの
刑事罰
の
在り方
、ここが抜けているので、ここはしっかりと
附帯決議等
で押さえておいていただければというふうに
考え
ております。 以上です。
伊藤孝恵
38
○
伊藤孝恵
君 今、
外部弁護士
の問題、それから
権利回復
のためには
民事訴訟前提
であるというその
法律
の瑕疵、御
指摘
いただきました。
最後
に、
拝師参考人
にお伺いしたいんですが、今回の
過失
による
通報者
の
特定情報
の
漏えい
に対する
刑事罰
というのは
規定
されておりません。この点についての
課題感
、ちょっと時間がありませんので、端的にお願いいたします。
拝師徳彦
39
○
参考人
(
拝師徳彦
君)
担当者個人
の
刑事罰
にこの
過失
の場合を含めるかどうかについては、やはり今回の
法律
の
運用状況
を見ながらやらなければいけないと思っていますが、
事業者本体
に対しては、やはり積極的に
過失
の場合にも
ペナルティー
の
対象
にするということで
考え
ていただければというふうに思っております。
伊藤孝恵
40
○
伊藤孝恵
君 終わります。
熊野正士
41
○
熊野正士
君 公明党の
熊野正士
です。 本日は、三人の
参考人
の方から貴重な御
意見
を賜りまして、心から感謝を申し上げます。
本当
にありがとうございます。 まず、御三人の
方々
それぞれに
質問
させていただきたいと
思い
ますが、
内部通報
ということに関してでございます。 今回の
法改正
では、
内部通報
の
整備
をきちっと
義務
付けておりまして、その
実効性
の
確保
のために
行政処分
を
導入
することとしております。さらに、
通報者
を
特定
させる
情報
の
守秘
をもう
義務
付けて、
刑事罰
の
対象
というふうにしております。
先ほど
来、
皆さん
、
参考人
の
方々
、
評価
すると、点数としては六十点と九十八点というふうにございましたけれども、
評価
していただいております。 そこで、御三人の
参考人
に伺いたいことは、
評価
をされた上で様々な
課題
についても御
指摘
をいただきました。
拝師参考人
からは、例えば
内部通報体制
の
整備
ということで、
ヘルプライン
の形式的な
導入
ではなくて、実際に
通報者
が
安心
して
通報
できる
体制
、
運用
になっているかどうか、それから
情報
の
透明化
を担保できるか、そういったことを御
指摘
いただきました。また、
濱田参考人
からは、いわゆる、
先ほど
もありましたけれども、
守秘義務
を、
故意
なのか
過失
なのかといった、そういった
問題提起
もしていただきました。 そこで、御三人に伺いたいのは、より広くこの
内部通報
をするために、この
法案
が成立した上で
運用面
で何かこういったことをしっかりとやるべきだというふうなのがございましたら、御
所見
を賜りたいと
思い
ます。
田中亘
42
○
参考人
(
田中亘
君)
運用面
については、
先ほど
も申し上げましたけれども、
企業
にとって
真実
でない
情報
が漏れることによってその
評判
が低下して
不利益
を受けるということは避けなければなりませんけれども、
通報
が
真実
であり、
企業
が実際に
法令違反
を犯しているとすれば、もはやそれを秘匿することについて、
法律
上、
保護
に値する
利益
はないというこの
原則
を踏まえて様々な
事務
をする必要があると
思い
ます。その
辺り
がはっきりしていないと、とにかく隠すという
方向
に行ってしまうのではないかと
思い
ます。 その点に関しては、やはり
外部者
の目をできるだけ入れるということであって、
内部
だけで事を処理すると、どうしても
自分
の
組織
にとって都合のいい
判断
になってしまうと
思い
ます。この点は大
企業
と
中小企業
で少し
状況
は違うかもしれませんけれども、
中小企業
であっても、一旦事が起これば、それはもちろん
弁護士
に
相談
するということは当然ではないかという気がしておりますので、できる限り適正な
体制
が取られるように期待したいと
思い
ます。
拝師徳彦
43
○
参考人
(
拝師徳彦
君)
運用面
でどのような点に留意すればいいかという御
質問
だと
思い
ますが、一点は、やはり
運用全般
にわたって
通報者保護
という
視点
で
是非
考え
ていただきたいということです。具体的な例が、
先ほど
申し上げた
守秘義務
の
除外事由
としての正当な
理由
を
解釈
する際には、いろんな幅があり得るんだと
思い
ますが、やっぱりそこは
通報者
の
立場
に立ってかなり厳しく
限定
的に
解釈
するというのが一例です。 それから、
法案
の
評価
、
先ほど
御
質問
された方もいらっしゃったと思うんですが、実は
内部通報体制整備義務
、これについては、具体的な
中身
がきちんと決まっていかないと
本当
の
評価
というのはできないだろうというふうに思っていまして、まずはこの
部分
を実効的な形で定めていただくということになろうかと
思い
ます。 その際にお願いは、従来、
企業
の側の
方々
、
経済団体
の
方々
は、やっぱりどうしても
ステレオタイプ
に、入れる入れないについての
賛成反対
、かなり
懸念
を示されて、
反対
ということで
議論
が膠着したような
場面
も多々あったかと思うんですけれども、やはり
内部通報体制整備義務
の
指針
を定めるに当たっては、よりリアルな形で、単純に漠然とした不安があるということではなくて、具体的な例えば
事例
を示しながら、この
ケース
の場合にはこうなるから、やはりこういうふうに定めた方がいいのではないかというような具体的な
議論
をすると、より建設的な形での
指針
の
中身
が入っていくのかなというふうに
思い
ますので、そういう
議論
を期待したいというふうに思っています。
濱田正晴
44
○
参考人
(
濱田正晴
君) まず、
社内
においての
公益通報者保護法
というその
文字
がなかなか出てこないんですよね。要するに、
コンプライアンス
という
文字
は出てくるんですけど。ですから、まず、このいわゆる重大な
公益通報者保護法
、要するに
公益通報窓口
ということのそういう
窓口
と、
あと
は、
コンプライアンス
というと
企業倫理
も入ってきますから、そこのところをしっかり分けるという、そういったことが
企業
にやっぱり求められると思うんですよね。今、全部、さっき私が申し上げたように幅が広い、要は
公益通報者保護法
とずれているどころか、もう概念が全く違うんですよね。ですから、まずそこが一点ですね。 もう
一つ
は、さっきの
外部窓口
の
弁護士
、これを務める資格ですね。要するに、
調査方法
も何も構築できていないまま
企業
と契約して受けるとなると、それはそれで問題だと思うので、やっぱりちゃんと、こうやって私は
弁護士
、
外部窓口弁護士
として、例えば
A社
との契約をしてやるというこの
調査方法
、これを
弁護士自体
が構築して、それをしっかりと
従業員
に伝える、それを表明するというようなことを
義務
付けるというようなことが必要じゃないかというのが二点目。 三点目が、要するに、
漏えい
したことを推測されるというのと、現実的に私のように
漏えい
されたというのとはこれ全く違うんですよね。ですから、推測された、要するに、推測されるけどいいかというところまではいいんですけど、やっぱりその
部分
の、推測されて分かる
可能性
があるけどそれでもいいということは、だから大
前提
になっているんですよね、今。ですから、そこについて、何というのかな、推測されるのがやっぱりそれでも嫌だったら、それはもう
通報
はできないという、そういうようなことを明確にしていって、やっぱり
未然
にそのトラブルを防ぐというような、この推測と
刑事罰
との
関係
ですね、この辺をしっかり
定義
付けして分けると。この三点であります。
熊野正士
45
○
熊野正士
君 ありがとうございます。
田中参考人
に伺いたいと
思い
ます。
内部通報
に関しては、
環境整備
ができたということで
評価
されているということでしたが、今回、
外部通報
の
保護要件
についても、当初
緩和
すべきかどうかいろいろ
議論
があったというふうに承知しておりますけれども、今回、
外部通報
の
要件
、
保護要件
が
緩和
をされました。 そういった
状況
の中で、この
内部通報
と
外部通報
の
在り方
と申しますか
役割
といいますか、そういったことについて、
田中参考人
の御
所見
を賜ればと
思い
ます。
田中亘
46
○
参考人
(
田中亘
君)
内部通報
と
外部通報
に関しまして、
現行法
は、
内部通報
については
保護
を最も広く認めて、それから
行政通報
、
外部通報
の順に今は厳しくしていっています。 それは、もちろん、
通報
が全て
真実
であるわけではなく、一部は
真実
であってもほかの
部分
で誇張されているとか、そういったことがあり得るわけで、その場合は、
内部通報
をしてもらえば、適宜
調査
し訂正するということはできるかもしれませんが、
外部
に行くほど
情報
が生のまま
外部
に公表されてしまって
企業
が不当な
被害
を受けるという危険が高まります。そういう面で、その
内部通報
に最も
保護
を厚くするということは適切であると
思い
ます。 ただ、その上で、いささか従来
内部通報
に傾き過ぎていたのではないかと。根本的には、その
虚偽
とか誇張された
通報
と、
真実
違法であると、
真実
、
企業
において
法令違反
が起きているという
情報
の
区別
を曖昧にして、漠然と
企業
にとっての
利益
ということを強調しますと、
行政通報
や
外部通報
について
保護
の
範囲
を非常に狭めてしまうということがあります。
先ほど
拝師参考人
が
制度間競争
ということをおっしゃいましたけど、その点は非常に重要だと思っておりまして、
外部通報
がされるかもしれないということも、
企業
にとっては
内部通報体制
を
整備
しようというインセンティブを強める
要因
です。そういう
意味
でも、
外部通報
を必ずしも敵視するとか
余り
にも警戒するのではなく、
外部通報
の
選択肢
を残すことによって、逆に
内部通報体制
を
整備
する
動機
を
企業
に持ってもらうと、こういった
視点
も重要ではないかと
考え
ております。
熊野正士
47
○
熊野正士
君 ありがとうございます。 次に、
拝師参考人
と
濱田参考人
、お二人にお伺いしたいと
思い
ます。
公益通報者
への
支援
ということでございます。
先ほど
濱田参考人
の方から、十年に及ぶ
裁判
を支えてくれたのは
家族
であり
同僚
でありというふうな
お話
がございました。また、
拝師参考人
、
事前
にいただいた
資料
等読ませていただきますと、
行政
からの、いわゆる
公益通報者
の
被害者
の会の紹介とか、あるいは
メンタル相談窓口
の設置というふうなことも記載がされておりました。 そういった中で、お二人に、この
公益通報者
への
支援
と、
支援
の
在り方
と、どういった
支援
が必要なのかということについて御
所見
を賜ればと
思い
ます。
拝師徳彦
48
○
参考人
(
拝師徳彦
君) ありがとうございます。
公益通報者
の
支援
の
在り方
については様々なものが
考え
られると
思い
ますが、正直申し上げて、
現行法
の
状況
ではほとんどないと。
先ほど
も申し上げたように、ほとんど
民民
任せで
当事者
任せになっているというところが問題で、いろいろと、今御
指摘
ありましたような
被害者
の会を紹介するとか
メンタル窓口
を設置するとか、いろんなサポートの仕方はあると
思い
ます。 それで、大きな
支援方法
として、金銭的な
支援
というものをやっぱり
考え
るべきかなというふうにも思うんですけれども、これがなかなか難しくて、
報酬制度
みたいな形がいいのか、あるいは、そうすると韓国のように、申告の、
通報
のプロみたいなのが出てきて逆に濫用されることにならないかとかという悩ましい問題があると
思い
ます。 ただし、現在の
民事裁判
で
損害賠償請求
をして、その
範囲
でだけ
被害回復
をするというのではやはり不十分で、例えば、本来認められる
損害賠償
の幅より広い幅で、
行政
の方が
生活保障
のような形で手当てをする、そのうち
企業
が本来払わなくてはいけない
損害賠償
については、
行政
が
企業
に
請求
していく等のいろんな
工夫
の仕方があり得るかなというふうに
思い
ますので、ここについては、やはり次の
ステップ
に向けていろんな
視点
での
検討
をされるといいかなというふうに思っております。
濱田正晴
49
○
参考人
(
濱田正晴
君) 私の
視点
は、まず私、京都、大阪、
千葉
、そこの
弁護士会
でも
弁護士
の
皆様
に
実体験
を講演しているというのがございまして、やっぱりそこで目に付くのは、
弁護士
の
先生方
も、やっぱり
相談
を受けると、
一言
この
言葉
、
薄氷
を踏むような
対応
になると。これ、
拝師先生
いらっしゃる
千葉弁護士会
での講演で
弁護士
が言われていたんですけど。結局、そういう
事態
の中でやっぱり
通報者
に
支援
とか協力といっても、もし何かあったらその人の
生活
を駄目にするということが、やっぱり
相談
される
専門家
の
立場
の
考え
だと思うんですよね。 ですから、
結論
的に言うと、やっぱりそういう
弁護士
への
支援金
というか、要するに、例えば
裁判
になったら
弁護士費用
がやっぱり掛かるわけですよね。そのときにやっぱり
弁護士
の
先生
も、まあここいらっしゃる
人たち
も、
弁護士
もやっぱり商売ですから、ただでやるわけにはいかないじゃないですか、やっぱり。そのときに、国から
公益通報者
に対しては
一定
の
支援
を行うというような
制度
というのは、やっぱりこれは
一つ
の大きな
支援
になると
思い
ます。 ということで、いわゆる
薄氷
を踏んでも、
支援
があれば、そういうことで
裁判
も受けて、安くやって受けてくれると、こんな
感じ
じゃないですかね。
熊野正士
50
○
熊野正士
君 ありがとうございました。
松沢成文
51
○
松沢成文
君
日本維新
の会の
松沢成文
と申します。 今日は、三人の
参考人
の
皆さん
、どうもありがとうございます。 まず、ちょっと重複しますけれども、この私は
通報対象
事実の
範囲
の
拡大
について、
法律家
である二人の
先生
からまずお伺いしたいんですけれども。
改正案
では、
過料
の
対象
となる
規則違反行為
、つまり
行政罰
が、
刑事罰
だけじゃなくて加えられたわけですよね。まあこれ、一
歩前進
だとは思うんですけれども、私は、この
法律
の
実効性
を
確保
するためには、もっともっと
拡大
していかなきゃいけないというふうに思っているんです。 まずは、例えば地方自治体の
条例
。これ、だから、
法律
だけじゃなくて、自治体の
条例
なんかも含めた
法令
でもこの
過料
が付いているものたくさんありますから、こういうものに
拡大
をしていってもいいんじゃないかということと、
あと法律
も列挙されていますけれども、
先ほど
も
質問
もありましたが、今物すごくこの
通報対象
になりやすいのが
各種税法
ですよね、まず。それから
補助金適正化法
みたいなやつね。それと、昨今の、我々も反省しなきゃいけないんですが、
政治家
と
官僚
の
不祥事
に
関係
する、こういう
不祥事
を早く
通報
によって発見していくには、
公文書管理法
、それから
国家公務員法
、そして
政治資金規正法
、こういう
法律
もちゃんと列挙してあったら、これは
政治家
も
官僚
もびびりますよ。抑止力働きますよね。だから、こういうふうにきちっと書くべき
法律
がまだほかにもあるんじゃないかと。 それと同時に、この
法律
を
限定列挙
するんじゃなくて、
公益性
の
観点
から、何というか、
包括条項
を置いてやるべきだという
意見
もありますが、こうした、ま
あと
にかく私はもう少し
対象
範囲
広げないと
実効性
上がらないと思うんですが、こうした
意見
に対しては、どんな感想というか御
意見
をお持ちでしょうか。まず、二人の
先生
に伺います。
田中亘
52
○
参考人
(
田中亘
君) ありがとうございます。 私もこの
法律
を勉強していく中で、
税法
が入っていないとか、入っていない
法律
に明らかに重要なものがあるのを知って驚いた
経験
があります。 現在の
体制
ですと、なぜこれが入っていないのかということから
法律
の
正当性
についての
疑義
を生じさせるようなものになっているのではないかと、誰かの
利益
に反するから入れていないのではないかといったような
疑い
をどうも生じざるを得ないものになっているのではないかと
思い
ます。 そういった面でもすっきりと、つまり同等の
ペナルティー
を科せられる
法律
は同等に扱うと、まずそれを基本にいたしまして、まさに
行政罰
まで含めて入っているものは、全てその重さにおいて
重要性
が同じなのだから全て同等に扱うと。この
考え方
ですと、
条例
であっても
罰則
のあるものについては入れるということがあると
思い
ます。 現在の
限定列挙方式
は、それによって
通報対象
事実を明確にする
役割
が
余り
なくて、
罰則
があっても、更にそこで
限定列挙
のリストに入っているかどうかを確認しなければならないので、むしろ
明確性
を害しているようなところもあると思っています。この点は
是非
御
検討
お願いしたいと
思い
ます。 その上で、
国民
の
利益
にとって
重要性
の高いものについては
罰則
がなくても入れるものがあるのではないかという、次の
段階
でそういう
議論
をすべきだと
思い
ます。その点に関しては、やはり公的な
機関
は
民間企業
に比べてより高い
倫理
が求められるという
観点
から、
公的機関
に対してより厳しい形での
立法
をするということは
正当性
があるのではないかと
考え
ております。
拝師徳彦
53
○
参考人
(
拝師徳彦
君) 今御
指摘
ありました
通報対象
事実の
範囲
については、やはり
現行法
でかなり
限定
されているということは私も同感でございまして、
税法
とか
補助金適正化法等
、重要な
法案
については広げていく必要があるだろうというふうに思っています。
先ほど
田中参考人
がおっしゃっていた
視点
で非常に重要だと思っているのは、一方で、
現行法
でいうと、例えば
企業
の内規についての
通報
であっても本来
不利益取扱い
はしてはならないし、それ
自体
いかぬということは
現行法
で広げればそれで済むということなんですけれども、
あと
は
民事ルール
で
解決
しなさいということなんですけど、
行政罰
であるとか、特に
刑事罰
を入れた場合が悩ましいなと思っていまして、例えば、
条例一般
を
通報対象
事実にしますと書いたときに、
窓口担当者
がそのときは気付いていなかったと、後になって実は
条例
に
違反
している
内容
が入っていたというような場合に、いきなり
刑事罰
の
対象
になってくるというようなことだと
予測可能性
という
意味
でどうなのかという問題が生じてくると
思い
ます。そうであれば、逆に言うと、全部
包括条項
で入れてしまえばいいという
議論
もあり得るかと思うんですけれども、そこは、
保護法益
といいますか、
刑事罰
を科してまで
保護
するものが何なのかという
議論
をもう少し詰めなくてはいけないかなと。 私は、
消費者庁
の
検討会
のときには、
保護法益
はそもそも、
情報透明化
というふうに言っていますけれども、
公益通報者保護法
、
公益通報制度そのもの
が
一つ
の
社会
的なインフラとして
保護
すべきものなので、それ
自体
の
信頼性
を揺るがすような
行為
については、それ
自体
が
保護法益
を侵害しているんだということで、個別の
法律
と
通報者保護制度そのもの
を
社会
的に育てていくんだという
観点
とはちょっと別に
考え
なきゃいけないのかなというふうには思っていますが、その辺も
議論
としては踏まえた上で、
是非
広げる
方向
での今後
議論
をしていっていただきたいというふうに思っています。
松沢成文
54
○
松沢成文
君 ありがとうございます。 ちょっと
質問
の質をがらっと変えますけれども、今日、私、午前中の本
会議
で、この
法案
の本
会議質疑
で、実は
麻生財務大臣
に、森友問題で近畿財務局の元
職員
の
赤木
さんという方が
自殺
をされました、そのことについて聞いたんです。できたらこれ、三人の
先生方
に
コメント
をいただきたいんですけれども。
赤木
さんが
自殺
をした
最大
の原因というのは、多くは、
内部告発
したかったんだけれども怖くてできない、だから死んで、まあ死んでというか自死して、そのときに
遺書
を残して、それを
告発
に代えたんだと思っているんです。
本当
に悲惨な
事件
だと思っているんですね。これ、
公文書
の
改ざん
を強要されたわけですよ。それも
財務省
の
理財局長
さん含めて。
本当
にすごいプレッシャーの中で彼は悩み抜いたんだけれども、
内部告発
する
勇気
がなかった、だから自死して
遺書
を残したということなんですね。 さあ、ここで、もし今回の
法案
がきちっと成立していたら、成立したら、守られると思って、彼は
勇気
を持って
内部告発
をするでしょうか、したでしょうか。その
辺り
、特に
濱田
さんはもう
実体験
で、
内部告発
の難しさとその後の
訴訟
まで体験されたわけですけれども。私は、もしこの
法案
がもっと早く、二、三年早くできていれば、
赤木
さんのような犠牲を出さなくて済んだ、
赤木
さんはきちっと秘密が守られた中で
内部告発
をして、そして
財務省
の
不祥事
が暴かれたんではないかというふうに思って残念でならないんですよ。三人の
先生方
はどうお
考え
になりますか。
田中亘
55
○
参考人
(
田中亘
君) この
法案
は非常に大きな
前進
だと
思い
ますが、あのように、どうしても
告発
ができない、死を選ぶような
状況
があるときに、この
法案
が通ったから一変するほどに
前進
かといえば、残念ながら疑問もあると
思い
ます。現実問題として、確かに
守秘義務
があることを明確にし、
担当者レベル
での
罰則
を科したというのは大きな
前進
かもしれませんが、肝腎な
不利益取扱い
についての
ペナルティー
は必ずしも科されていない中で、この
改正法案
の
施行
によってそれほど
状況
が一変するかと言われれば、遺憾ながら疑問があると
思い
ます。 これはもちろん
法律
だけでできることではない、
社会
の
意識
を変えていかなければならないことで、
告発者
の
利益
は守らなければならないし、不正を隠すことは当然許されず、
不利益取扱い
をした者にこそ非があるということについて、誰もが当然であるというところに持っていかなければならないと
思い
ます。
法律案
それ
自体
も重要ですけれども、
社会
の
意識
を変えるという点においても重要であると
思い
ますので、
是非
、これで
ゴール
となさらないで、さらにこの
制度
の
改善
のために御尽力いただきたいと願っております。
拝師徳彦
56
○
参考人
(
拝師徳彦
君) 御
指摘
の
案件
について、私の方で詳細な
事情
、事実
関係
を把握しているわけではないので、あくまで感覚的な話ですけれども、
一つ
は、
本法
は、
一般
の
公務員
、
国家公務員等
については
不利益措置取扱い
の
禁止等
の
規定
がそもそも
適用除外
にされているので、形式的には当たらない
可能性
があるのかなというふうに
思い
ますが、それはおくとして、どうかということですと、やっぱり厳しいのかなと。 要するに、
通報
しようとする事実が重要、重要というのは、
組織
にとって暴かれたくない度合いというのが高ければ高いほどやはり
制裁
も厳しいという
関係
にあると思うんですね。ですので、その森友のような
重要案件
について、じゃ、
組織
的にどういう
対応
があるかということを
考え
たときに、じゃ、今度、
内部通報体制整備義務
を課しました、
守秘義務
を課しました、だから大丈夫ですと、こう
判断
されるかというと、ちょっとそうは思えないかな。やはりさらに、申し上げたように、
不利益措置
、
不利益取扱いそのもの
に対する厳しい
制裁
というのを
法律
で定めておかないと、やはり事の
重大性
に鑑みるとちゅうちょしてしまうかなというふうな感覚を持っております。
濱田正晴
57
○
参考人
(
濱田正晴
君) 今の御
質問
ですけど、私の
経験
上も含めて、こういう
感じ
で話しているキャラですから、やっぱり
国民
それぞれいろんな
性格
の
方々
がいらっしゃるので、一概にその方がどうという話ではなくて、まあ気の弱い方もいれば、面白い方もいれば、何だこれはというような人もいれば、そういう
視点
からすると、
法律
が変わったからといって、
本人
のやっぱり
資質
というところ、
一般論
ですけど、様々な方ということになると、じゃ、その方がこれ変わったからどうかというのは、ちょっと私、その方、実際、事実上知りませんので、そういうことからすると、
一般論
としては、その個々の
性格
とか
資質
によるのかなという気がいたします。 それと、やっぱり私の
経験
上、そこを乗り越えて、やはりこの
公益通報者保護法
というところは、
社会正義
の
実現
と
国民
の
権利利益
、これを守るという
趣旨
がありますから、そういう
意味
において、さっき、
冒頭
申し上げた、後ろに
随行者
としていらっしゃいます
佐藤先生
の書かれていることにあるように、やっぱりそういうことをやりたいとなったら、
法律
を勉強して、今回
改正
された、それで
自分
で闘う
戦略
を立てて、それで、いわゆるそういうことが、
最低
でもそういったことがやっぱり好きでないとできませんね、これ。 要は、
戦略
に対して、やっぱり
企業
の
経営戦略
とか、そこに従っていくと、ここで売上げ、
利益
をこれだけ達成すると、やっぱり
戦略
という
言葉
は
一般企業
でもどこでもあるんですよね。ですから、やっぱりそこに対しての
考え方
とか、その辺を冷静にやっていくというような、そういう
方々
を
前提
とすると、今の御
質問
には、比較的やりやすくなるんじゃないかなということでございます。
松沢成文
58
○
松沢成文
君 終わります。
大門実紀史
59
○
大門実紀史
君
参考人
の
皆さん
、
お忙しい
ところ、ありがとうございます。
参考人
の
皆さん
、全て一
歩前進
、大きな
前進
という
評価
で、一番喜んでいるのは
消費者庁
じゃないかと私は
思い
ますけれども。確かに、
環境整備
、
濱田参考人
言われたように
刑事罰
という引締め
効果
、こういう
効果
はあると思うんですが、ただ、私、
国会
で、具体的に言えばもう二十件以上、
内部告発
に基づく
質問
とか問題取り上げてきて、いろいろ、
偽装請負
とか
保険金
不払とか
ジャパンライフ
とか
企業年金
、そうした問題いろいろあるんですけど、二十七人の方の
告発
によって取り上げさせてもらって、その
方々
の顔が浮かぶわけですよね。ですから、私の
物差し
は
一つ
で、そういう
方々
が今回の
法改正
で守られるだろうか、あるいは守られたであろうかということが、もうそのひとえなんですね。 それでいくと、連絡取れる人何人かに聞くと、到底
安心
できる
制度
ではないというのが答えでありますので、もちろん
消費者庁
、ぎりぎり頑張ってきてくれたの分かるんですけれど、やっぱりその
当事者
の
立場
、
当事者
の気持ちに、
濱田
さんみたいに強い方ばかりじゃないんで、まあみんな強いんですよ、みんな気骨のあるすごい人なんだけど、
闘い
切れるかとかいろんなことあるわけですね。 その
物差し
でこの問題を
考え
る必要があるというふうに思って
質問
したいと
思い
ますが、まず、
拝師参考人
なんですけど、
拝師
さんとは、
消費者庁
つくる
運動
から長い間、長い付き合いなんですが、今日は初めてちょっと
意見
が違ったというふうに思うんですね。 十四年間何もしなかったかと思うと一
歩前進
と。私は、十四年も掛けて半
歩前進
じゃないかと。何より残念なのは、今日も本
会議
で言ったんですけれど、
不利益扱い
の
行政措置
が
導入
されなかったこと。あれが
導入
されていたら、私も、そうはいってもやっぱり大きな
前進
になるんじゃないかと思ったんですが、すっぽり抜け落ちて、あれが一番残念なことであります。 その点で具体的に
拝師参考人
にお聞きしたいのは、今日
答弁
があったんですけど、
衆議院
でもありましたが、なぜ今回見送られたかというと、
一つ
は
体制
上の問題と。これ、ちょっといろいろ問題あるんですけどね。
二つ目
なんですけど、要するに、その
不利益扱い
が
報復
によるものなのか、あるいは
本人
の
責任
、例えば
本人
の成績不良とか、それによって
解雇
とか降格がされたのか、
報復
でされたのかと、この
区別
が難しいというようなことがあったんですけれども。 私でいえば、
秋田書店
の問題というのを取り上げたんですけれど、あれは、あれだけじゃなくて
幾つ
か同じことはあるんですけど、
企業
内の不正をまずおかしいと言うじゃないですか、まず
会社
の中でね。そうすると、
会社
の
経営側
が冷遇するわけですね、
いじめ
たりするわけですね、シカトするわけです。みんなでやるわけですね。そうすると、精神的にちょっと追い詰められてきて、
会社
に行けなくなって、
仕事
休んで
欠勤
という、
長期欠勤
になると。そうすると、
会社側
は、
長期欠勤
で勤務態度不良だということで
解雇
すると。こういうパターンなんですよね。 だから、これは
過労死裁判
、
いじめ
による
過労死自殺
とか、ああいうのと同じように、経過さえ調べれば、既に
労働部局
もやっている話ですし、分かる話なんですね。だから難しくないと私は思っているし、当然
労働部局
がやるべき話だと思うんですけれど、そういう点で
拝師参考人
のまず御
意見
を聞きたいというふうに
思い
ます。
拝師徳彦
60
○
参考人
(
拝師徳彦
君) まず申し上げたいのが、
先ほど
十四年掛かってようやく一歩踏み出したと申し上げましたけれども、決して
ゴール
だというふうには申し上げておりませんで、あくまで進んだという
意味
での一歩でございます。 そして、
不利益取扱い
に対する
行政措置
が今回入らなかったことについては私も大変遺憾に思っております。その
理由
として、今、
大門議員
二点おっしゃられました。
体制
上の問題、それから事実
認定
が難しいということですかね、という二点なんですけれども、やはり私も、いずれもいかがなものかと、
理由
については思っています。 まず、
体制
上の問題については、これは本末転倒でして、やはり
必要性
があると、規制の
必要性
があるということであれば、それだけの
人員体制
を補充してやるというのが
行政
の
責務
、あるいは
政治
の
責務
ではないかというふうに思っておりますので、これを
理由
にしてしまうと、もう国として成り立たなくなってしまうのではないかなというふうに思っております。
必要性
があるというふうに
判断
している以上は、それに
対応
する
体制
を整えるべきだというのが本来の筋だと
思い
ます。 それから、その
不利益取扱い
が
報復
なのか
本人
によるものなのかの
区別
が難しいということですけれども、確かに、単純に、
消費者被害
でこういうことについて
書面
を交付しなかった、あるいは
虚偽
の
説明
をした等の
案件
に比べると難しい面はあるかもしれません。ただ、やはり
民事裁判
との違いは、
行政側
は
立入調査等
を通じて
事業者側
の
情報
をある
程度
入手することができます。 そういう
意味
での
立証
上の優位であるとか、あるいは、これはもう
行政処分
、
行政権限全般
に言えることですけれども、
民事裁判
で一審、二審、三審と、
最高裁
まである、そういう緻密なかなり丁寧な
司法
の
構造
と
行政
の
構造
は元々違うわけですから、やはり
行政
は、
行政権限
を行使する以上は、
自分たち
なりの
調査手法
を使って
情報
を仕入れて、そこで
行政
なりの
判断
をするしかないと思うんですね。これを放棄してしまうと、
最後
に
裁判
で負けるかもしれない、それは
可能性
としてはありますよ、
手続
が違うんだから、でも、そこをやっぱりちゅうちょして
判断
をしないという
選択肢
は、私はおかしいのではないかというふうに思っています。
大門実紀史
61
○
大門実紀史
君
田中参考人
にも同じことを伺いたいんですけど、今回の一番の
ポイント
が、そこが抜けていることでいろんな
質問
集中しているんですけど、今、
消費者庁側
が言っているその
二つ
の
理由
を挙げてしまうと、これ五年後に
解決
されるような話じゃないんじゃないかと思うんですよね。その点も含めて、同じ
質問
ですけど、御
意見
いただければと
思い
ます。
田中亘
62
○
参考人
(
田中亘
君) ありがとうございます。 その点は、
拝師参考人
の御
意見
が誠にもっともだと
思い
まして、本来、
必要性
があれば
行政
は
人員
の
整備
を含めて必要な
措置
を講じるということが
政府
の
責務
であると
思い
ます。ちょっとそれ以上言いようがないといいますか、これはもうやっていただくしかないと
思い
ます。
体制
に関してはそれ以上申し上げられません。 事実
認定
につきましては、やはり
行政
は本来的に、今も
拝師参考人
がおっしゃったように優位な
状況
にありますので、これを本来的には生かすことが重要であると
思い
ます。 その上で、
司法
に行けばより緻密な
裁判
ということになりますから、
判断
が変わるということはあり得るわけですけれども、最終的に
司法
で負けたから
行政
がやるべきでないことをやったということには直ちにはならないわけでありまして、その点からしても、重要な
事件
である場合は果敢に
行政
が必要な
措置
をとっていくと、その点が重要であると
思い
ます。
大門実紀史
63
○
大門実紀史
君
濱田参考人
に伺います。 集会で
お話
を伺ったことがございまして、もう
本当
、心から
敬意
を、長い
闘い
ですね、すごい方だなというのは、そういう
印象
でしたけど。 ただ、
先ほど
おっしゃった
守秘義務
、
刑事罰
、三十万円のところなんですけど、これもちょっと私の
経験
で申し訳ないんですけど、
第一生命
の
保険金
不払
事件
というのがございまして、そのときは、
第一生命
が初めて
生命保険会社
としては株の
上場
をしようということで、
金融庁
を挙げて大きな
課題
だったんですね。そのときに
内部告発
で、一方、
保険金
の不払を大量にやっているというのがあって
国会
で取り上げていったんですけど、そのときに、例えば、
最初
に、こんなことをやっていると
第一生命
はおかしくなるといって、善意で
勇気
を出して言った人がやっぱり漏らされて、誰がそういうことを言っているということになって
報復
的な
扱い
を受けたんですが、それでもめげずに頑張られたんですけれども。 あのときに
刑事罰
があったとして、三十万円の
罰金
があったとして、その
第一生命
の一
社員
ですよね、その
担当者
もですね、が、もうそういう、
先ほど
ありましたけど、物すごい大きな、
会社
としての大きな使命を抱えたときに、この問題だけでその
情報
をそこだけで収めるということがあり得ない場合も、そういう場合もあるんじゃないかと思うんですね。 ですから、この
守秘義務
、
刑事罰
、おっしゃったように、もう非常に
効果
、引締め
効果
みたいなのがあると思うんですけど、現実的に言うと、
オリンパス
と東芝ともまた違いますよね、
企業
によっていろいろ違って、そのとき抱えている
課題
とかあると、もちろん
刑事罰
を入れたというその
効果
、いろんな
効果
は、
波及効果
はあるんですけれど、実際問題、
先ほど
あった、
企業
にとって
外部
に漏れるのを防がなければいけない
情報
であればあるほど、その
担当者
は、あるときにはその
刑事罰
を受けてでも、あるいは受けないように、いろんな手を使って
経営トップ
にそういうことを漏らさない、大変なことになるというような
意識
で、
本当
はそういうことをやるとかえってマイナスなんですけれど、そういうこともあり得るんで、私は、この
守秘義務
、三十万、
刑事罰
というのは私も
評価
しているんですけど、万能ではないし、これによって全て歯止めが掛けられるわけではないと。やっぱり慎重に
考え
て、もっとほかのいろんな、
先ほど
言った
行政措置
の問題もやる必要があるというふうに捉えるべきことで、これだけ
余り
評価
するのではないかというふうに私は見ているんですけど、率直な、
濱田
さんの闘ってきた歴史も含めて、ちょっと
コメント
いただければと
思い
ます。
濱田正晴
64
○
参考人
(
濱田正晴
君) 私、これまで
内部通報
に特化した話にかなり集中してきましたけど、なぜかというと、一
号通報
、今回かなり
改正
されるという
部分
と、
強化
されると、
必要性
が重視されると、こういう
意味
で言っていますけど、今この話に関連しては、やっぱり
外部通報
というところに関しては、
オリンパス
は過去に
粉飾決算
、これやっておりまして、
社内
でそれを、いわゆるこれ朝日新聞の
取材
によると、私は誰か知らないんですけど、私の
闘い
を
参考
にして、それで外に
告発
したということであの
粉飾
、これが分かって、
損失隠し
ということで、今は一新されておりますけど、そういう
意味
からすると、やはり三十万円の
罰金
とか、そういったところでは不十分であるというのは、これは現実的には私、事実だと
思い
ます。 したがいまして、やはり、たまたまその方、誰か分かりませんけど、私がこういう、
社内
でこういう目に遭っているというのを知って、それで
自分
は
内部
は駄目だということですから、それがこの
法改正
になったからといって、それが直ちに
内部
で大丈夫というふうにはならないというふうに
思い
ます。 したがいまして、やはり、
余り
に一
号通報
を重視して、
ステップ
を踏まなければ二号に行けないとか、そこのところの話をやっぱり
余り
し過ぎると、要するに、一
号通報
に力を入れてやるんだぞというところがかえって二
号通報
を阻止する、三
号通報
を阻止するという形になるので、その
部分
においては
大変危惧
はしています。 それで、結局、
結論
としては、確かに
行政罰
ぐらいは、
不利益
ということが
認定
されたら、少なくとも
裁判
上で確定したら、これは
行政罰
を入れるという
条項
。要は、
政府
として、
行政
の方とかですね、そちらとして、
司法
の
仕事
だから、こちらはそういうことを判定できないというんだったら、
最低
でも
司法
で、そういうことになると、
行政罰
が
不利益
をした
企業等
に入りますよという
条項
がびしっと要ると
思い
ます。それがない限りは、おっしゃるとおり、なかなか急激な
変化
と、いい
方向
の
変化
にはならない
法律
だと
思い
ます。 繰り返すと、その中でも一
歩前進
ということでは、私としては、まあよくやったから、今後の
課題
も多くなったなということで、
関係
の
皆様
には期待しているということです。
大門実紀史
65
○
大門実紀史
君 終わります。
浜田聡
66
○
浜田聡
君
浜田聡
です。
所属政党
は
NHK
から
国民
を守る党、
参議院会派
はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
参考人
の
皆様
には、
お忙しい
中お越しいただき、
本当
にありがとうございました。そして、
委員
の
皆様
にも、
少数会派
にも御配慮いただき、
参考人質疑
の
機会
設けていただきましたことを感謝しております。 三名の
参考人
の
方々
に、いずれの方にも
質問
させていただこうと
思い
ます。
順番
としては、
濱田参考人
、
拝師参考人
、
田中参考人
の
順番
に
質問
させていただこうと
思い
ます。
質問
に先立ちまして、本
法案
に関連することとして、我が
党NHK
から
国民
を守る党の党首である
立花孝志
の過去を少し紹介させていただこうと
思い
ます。 二〇〇四年にこの
公益通報者保護法
が成立しました。その翌年である二〇〇五年の春に、
NHK職員
であった
立花孝志
が
NHK
の
裏金作り
に関して週刊文春に
内部告発
をしたという過去があります。彼は、当時、
NHK
の
編成局
の
経理職員
でありまして、
NHK職員
の不正な
行為
を
内部
調査
しているうちに、
余り
に腐り切った
NHK職員
の
実態
を知るに至って、どうしても黙っていることができなくなったとのことです。 その後、
労働組合
と
相談
するなど
NHK内部
で改革を訴えながらもそれはかなわず、二〇〇五年の七月に
退職
に追い込まれました。彼は心の病を患いまして、一時は
自殺
も
考え
たとのことなんですが、しかし、腐り切った
NHK
を
外部
から改革することを心に誓って
行動
を開始しました。
政治団体
を立ち上げ、
地方選挙
からこつこつ挑戦をしまして、その執念が実って、昨年、
参議院議員選挙
で議席を獲得したという
経緯
があります。
正直者
がばかを見ない
世の中
にしたいというのが彼の口癖でして、今回の
法案
は、その
実現
のため非常に重要なものと位置付けております。 前置き長くなり、失礼しました。
参考人
の方に
質問
させていただきます。まずは、
濱田参考人
に
質問
です。 まず、
内部通報訴訟経験者
として
本当
に大変な
思い
をされたこと、
敬意
を表します。
質問内容
としましては、
産業医
に関してなんですね。あらかじめいただいた
資料
を見ますと、
濱田
さんが
産業医
からも
不利益取扱い
を受けたというふうに承知しております。勝手に変な
診断
をされて、
労働安全衛生法
で
休職
に追い込んで、しかも
許可
がないと復職できないという
措置
を受けたとのことで、
産業医
が
会社側
に付いて
不利益取扱い
をするということに関して問題があると
感じ
ました。 こういったこの
産業医
に関する問題について、
改善案
など御
意見
いただければと
思い
ます。
濱田正晴
67
○
参考人
(
濱田正晴
君) まず、この
産業医
に関しましては、様々な、いわゆる
インターネット
を含めてですね、事実と異なる
部分
が流れているというのがあります。ということで、
産業医そのもの
が無理やり私をちょっと問題があるというふうにした事実はございません。 ただ、
産業医
の
診断
を受けるようにというのが、あの当時の、
人事
の方からも含めて、
余り
にそこにフォーカスしたので、ちょっとその
部分
に関してやっぱり私なりに勉強したところ、
就業規則
も
見直し
てですね、そうすると、
従業員
を
退職
させるということでは、やはり心の病といいますか、そのところで
休職
の
命令
、それで、戻ってくるときには
産業医
の
許可
が要るという、このいわゆる全体的な、
内部通報
とか
公益通報
の
関係
だけじゃなくて、いろんな
案件
の中で、やっぱり
企業
に雇われている
産業医
ということで、
英語
で言うと、これ別にドクターというのは付かないんですよね、
英語
ではね。別のネーミングがありまして、そういう
意味
で、やっぱり
産業医そのもの
の
在り方
の問題と、
あと
は
就業規則
というところを問題にする。しかし、今おっしゃるように、何かあったときですね、あったときに、
可能性
として、
産業医
の
診断
が利用されるということは否定はできないというのがあります。 ですから、ここは私としては、やはり今後の、
企業
だけじゃなくて、いろいろな
行政組織
も含めてですね、そこら辺の
課題
であるというふうに思っています。ただ、いろいろなそれにまつわる問題が
発生
しているということは耳にしますけど、私のところで具体的に私が
産業医
から何か受けたという事実はありませんので、そういうことで、
課題
ということだと
思い
ます。 以上です。
浜田聡
68
○
浜田聡
君 ありがとうございます。 それでは、
拝師参考人
にお聞きしたいと
思い
ます。
参考人
の肩書を見せていただきますと、
全国消費者行政ウォッチ
ねっとの
事務局長
、
あと弁護士
をされているとあります。
通報当事者
の
相談
を数多く受けられてきたんじゃないかなと思うんですが、その中で最も
印象
に残っている
事例
、
是非
、この
皆さん
で共有したい
事例
というのがあればですね、
守秘義務
に反しない
程度
で教えていただければと
思い
ますが、いかがでしょうか。
拝師徳彦
69
○
参考人
(
拝師徳彦
君) 詳細に
お話
しすると、多分
事業分野
、
事業者名
とかなり
特定
されてきますので、あくまでぼかした形で申し上げさせていただきますけれども、
メーカー
の、何と申しますか、国の
基幹産業
を担っているような大手の
メーカー
の
下請
の方の御
相談
で、本来の
規格
、上から発注されてくる
規格
と違う
規格
で
製品
を作って、要するに手抜きをして、それをそのまま上げて、どうも上も気付いているようなんだけど何も言わないんだと。そういう、
メーカー
ですから、いろんな
製品
にその部品が使われて、何かあったらどうしようという深刻な御
相談
です。 それで、その方、いろいろ悩まれて、
周り
の
人たち
、上司ではなくて
周り
の
方々
とか、あるいは御
家族
にも
相談
されて、どうしようかということで
弁護士
のところに
相談
に来られたということでした。それで、既にかなりいろいろと御夫婦でも御
家族
でも御
相談
をされて、やっぱり
報復
が怖いなという
前提
で来られていましたので、いろんな
制度等
についても調べられて来られていたと
思い
ます。
先ほど
申し上げたように、私としては、非常に重要な問題だし、本来であればきちんと
内部告発
であったり
行政
の方に伝えるべきだろうということで
お話
はしましたが、ただ、恐らく、
下請
ですので、そんなに大きな
企業
ではないので、仮に
行政通報
した場合であっても、ひょっとすると誰が
通報
したかがばれるかもしれないという
リスク
はやっぱりありますよ、その場合に、仮に
解雇
されるとかその他の
不利益措置
を受けた場合には苦労される
可能性
もありますよというふうに申し上げました。 最悪は、知っている
調査報道
等得意な記者の方もいらっしゃるので、そちらの方も紹介しましょうかということでやりましたけれども、最終的には、ですから、その後、もし
告発
をするとか続けられるということであれば再度来てくださいねということで
お話
をしましたが、その後、その方は私の方には連絡は取られませんでした。という
案件
です。
浜田聡
70
○
浜田聡
君 ありがとうございました。 答えにくいところを
工夫
しながらお答えいただき、どうもありがとうございます。
あと
、
田中参考人
にお聞きします。
先ほど
も申したんですが、二〇〇四年にこの
公益通報者保護法
が成立しました。その翌年に
立花
が
内部告発
をしたわけなんですが、その
立花
が言うには、
内部告発
した当時、この
法律
が全く役に立たなかったと言っております。それから十六年
たち
まして、今回ようやく
改正
となりました。
参考人
からは、今回、
先ほど
の話で、今回の
法改正
に対して
評価
をされる面であったり、今後の
法案審議
に期待することを
お話
お聞かせいただきました。 一方で、ここではほかの
法律
にも目を向けたいと思うんですね。今回の
法案
の
趣旨
である
公益通報者
の
保護
をするために、この
法律
以外の
法律
、例えば
先生
御
専門
の
商法
であったり
会社法
などの
改正
をする必要があるかどうかなどについて御
意見
いただければと
思い
ます。
田中亘
71
○
参考人
(
田中亘
君) そうですね、まず基本的に、
会社法
では
取締役
その他の
役員
は
法令
を
遵守
して
会社
の
経営
をする
義務
を負っています。ですので、この
法律
で
一定
の
会社
に
内部通報体制
の
整備
が
義務
付けられた場合、それは、そのまま当てはまる
会社
の
取締役
は、
内部通報体制
の
整備
を
義務
付けられます。そして、そのような
整備義務
を怠ったことで
会社
に
損害
が生じた場合、それは多くの場合、
取締役
の
義務違反
に直結してくるということになります。ですので、そういう
会社法
の
立て付け
をみんな理解していることが重要です。
役員
の
責任
にかなりダイレクトにつながってくるものです。 もちろん、
事業者
に対して
責任
を負わせるということも重要ではありますけれども、
会社
というのは究極的には箱ですので、
会社
に
責任
を負わせれば、それは
株主
ですとか
株主
以外の
ステークホルダー
の
不利益
になるわけですね。ですから、極端に言えば、それだけでは問題の
解決
になっていないということもあります。 やはり、直接、例えば
不利益取扱い
をした
役員
とか、そもそもの話、
法令違反
について
責任
を負っている
役員
がいるとすれば、その
人たち
の
責任
が追及されるようにしなければなりません。現在の
会社法
は、そういうような形で
責任
を追及できるような形になっています。この
法律
がもっと使われるようになるということも重要ではないかと
思い
ます。
浜田聡
72
○
浜田聡
君 ありがとうございます。 以上で終わります。
佐藤信秋
73
○
委員長
(
佐藤信秋
君) 以上をもちまして
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。
参考人
の
皆様
に
一言御礼
を申し上げます。
参考人
の
皆様
には、長時間にわたり貴重な御
意見
をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
委員会
を代表いたしまして厚く
御礼
を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十八分散会