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2019-11-20 第200回国会 衆議院 法務委員会 10号 公式Web版

  1. 令和元年十一月二十日(水曜日)     午前九時三十分開議  出席委員    委員長 松島みどり君    理事 伊藤 忠彦君 理事 越智 隆雄君    理事 鬼木  誠君 理事 田所 嘉徳君    理事 葉梨 康弘君 理事 稲富 修二君    理事 山尾志桜里君 理事 浜地 雅一君       井野 俊郎君    上野 宏史君       奥野 信亮君    門山 宏哲君       黄川田仁志君    国光あやの君       小林 茂樹君    出畑  実君       中曽根康隆君    百武 公親君       藤井比早之君    古川  康君       宮崎 政久君    山下 貴司君       吉川  赳君    落合 貴之君       高木錬太郎君    日吉 雄太君       松田  功君    松平 浩一君       道下 大樹君    山川百合子君       竹内  譲君    藤野 保史君       串田 誠一君     …………………………………    法務大臣政務官      宮崎 政久君    参考人    (学習院大学大学院法務研究教授)        神田 秀樹君    参考人    (日本大学教授弁護士) 松嶋 隆弘君    参考人    (弁護士株主権利弁護団事務局長)       前川 拓郎君    法務委員会専門員     藤井 宏治君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月二十日  辞任         補欠選任   神田  裕君     百武 公親君   和田 義明君     上野 宏史君   逢坂 誠二君     道下 大樹君 同日  辞任         補欠選任   上野 宏史君     和田 義明君   百武 公親君     神田  裕君   道下 大樹君     逢坂 誠二君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  会社法の一部を改正する法律案内閣提出第一〇号)  会社法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案内閣提出第一一号)      ――――◇―――――
  2. 松島みどり

    松島委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  本日は、両案審査のため、参考人として、学習院大学大学院法務研究教授神田秀樹さん、日本大学教授弁護士松嶋隆弘さん及び弁護士株主権利弁護団事務局長前川拓郎さん、以上三名の方々に御出席をいただいております。  この際、参考人の皆様に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、まことにありがとうございました。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れば幸いにと存じます。よろしくお願いいたします。  次に、議事の順序について申し上げます。  まず、神田参考人、松嶋参考人、前川参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人の方から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。  それでは、まず神田参考人にお願いいたします。
  3. 神田秀樹

    ○神田参考人 おはようございます。神田と申します。よろしくお願いいたします。  本日は、この委員会にお招きいただきまして、意見を述べさせていただく機会をいただき、まことにありがとうございます。  今回の会社法改正法案でございますけれども、法制審議会の会社法制部会において審議されたところに基づいて作成されているというふうに理解しております。  私は、御縁がありまして、その法制審議会の会社法制部会における審議に部会長として参加させていただいた者でございます。そういうこともありまして、今回の法案の内容に賛成をしており、この法案による会社法改正の成立を期待している者でございます。  今回の会社法改正ですけれども、会社法という法律は、平成の十七年に制定されまして、その後、平成二十六年にまとまった改正がされまして、それ以来、今回が二度目のある程度のまとまった改正ということになります。今回の改正も、平成二十六年の改正に続きまして、我が国の企業社会そして証券市場にとって重要な改正であると思います。  今回の会社法改正の理由ですけれども、これは法案の提出理由にあるのですけれども、会社をめぐる社会経済情勢の変化に鑑み、株主総会の運営及び取締役の職務の執行の一層の適正化等を図るということであります。  私の言葉で言いますと、我が国企業に対する信頼を高め、我が国企業の持続的な成長と繁栄を期待するために会社法を洗練化するというのが今回の改正の目的であると言っていいかと思います。会社法、どちらかというと地味な法律ですけれども、それをより洗練化することによって、日本の企業そして経済にプラスになるようにということではないかと思います。  平成二十六年に成立、公布されました会社法改正法の附則二十五条という規定がありまして、先生方既に御存じのことで、繰り返しになって恐縮ですけれども、次のような規定がございました。「政府は、この法律」、この法律というのは二十六年の改正なんですけれども、この「施行後二年を経過した場合において、社外取締役の選任状況その他の社会経済情勢の変化等を勘案し、企業統治に係る制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、社外取締役を置くことの義務付け等所要の措置を講ずるものとする。」  そこで、この、見直し規定と言っているんですけれども、に基づきまして、政府としましては、平成二十九年の、一昨年の二月九日に開催されました法制審議会の第百七十八回会議におきまして、当時の法務大臣から法制審議会に対して、次のような諮問がされました。  近年における社会経済情勢の変化等に鑑み、株主総会に関する手続の合理化や、役員に適切なインセンティブを付与するための規律の整備、社債の管理のあり方の見直し、そして社外取締役を置くことの義務づけなど、企業統治等に関する規律の見直しの要否を検討の上、当該規律の見直しを要する場合にはその要綱を示されたいというものでありました。  この諮問を受けまして、法制審議会では、会社法制、これには(企業統治等関係)とついていますけれども、その部会を設置しまして、この部会は、平成二十九年四月二十六日に第一回会議を開催して調査審議を開始しましたけれども、平成三十年、昨年の二月十四日の第十回会議におきまして中間試案というのを取りまとめまして、それで、法務省の民事局参事官室において、意見募集手続と言っておりますけれども、いわゆるパブコメ、パブリックコメントの募集手続が行われました。  この意見募集をした結果、この募集期間中に六十五の団体と百二十名の個人の方々から意見を寄せていただきました。その後、法制審の部会は、これらの意見も踏まえて引き続き調査審議を行いまして、平成三十一年、ことしでございますけれども、一月十六日の第十九回会議において、部会として要綱案と附帯決議というものを決定いたしました。この部会の要綱案と附帯決議は、平成三十一年、ことしの二月十四日の法制審議会の第百八十三回会議に付議、報告されまして、法制審議会において、要綱案と附帯決議のとおりの内容で、要綱が取りまとめられ、また附帯決議がされ、これが法務大臣に答申されました。これに基づいて今回の法案が作成され、国会に提出されたものと理解しております。  今回の改正法案も、会社をめぐる社会経済情勢の変化と会社法のもとでの実務経験等を踏まえまして、その中で指摘されてきましたさまざまな課題に対処し、会社法を洗練化しようとするものであります。法制審議会の会社法制部会での審議におきましては、個々の問題について、あるべき法改正の姿をめぐって意見が対立することもありましたけれども、活発な審議を経て、今回の改正法案にありますような内容の法改正を提言するに至りました。  そこで、以下では、お手元に配付させていただきました資料に沿って、主要な改正事項について、ごく簡単に、一言ずつ述べさせていただきます。既に御存じのことばかりかもしれませんが、お許しをいただければと存じます。  今回の改正法案ですけれども、大きく言って三つの柱というか分野に分けられます。一つは株主総会関係です。二つ目は取締役関係です。三つ目をその他と便宜上分類させていただいております。  そこで、まず、株主総会関係です。二つの課題について述べさせていただきます。  株主総会関係の第一の課題は、株主総会資料の電子化ということです。  現在の会社法のもとでは、株主総会資料というのは株主総会の招集通知と一緒に郵送されてくるというのが通常でして、原則として、したがって郵送するということになっています。  今回の改正法案ですけれども、ウエブサイトで株主総会資料を掲載すればいいということにします。これは、ITの時代なのである意味当然のことだと言えるのかもしれませんけれども、ただ、例外として、株主は、書面で下さいと言えば書面での提供を請求できることとしますので、そういう株主はそれを個別に請求すれば書面で受け取ることができるということになります。  今回の改正の趣旨ですけれども、このITの時代に、あるいはスマホの時代に当然のことかもしれませんけれども、時間の節約、そして費用、費用といっても社会的な意味での費用とお考えいただいた方がいいと思いますけれども、その節約、そして株主への情報提供の充実、これは、インターネットになれば、より多くの情報を提供することが可能になるし、容易になると考えられるからです。  株主総会関係の二つ目は、株主提案権です。  株主の提案権につきましては、現在の会社法は、いわゆる濫用的な行使に対処する規定として、数ですとか内容で制限するという規定は一切存在しておりません。  そこで、今回の改正法案ですけれども、数と内容の両方について濫用的な行使に対処する規定を設けるというものです。  趣旨ですけれども、これはこれまで、これまでといっても、若干、問題があったのが七年前とか八年前なので、やや冷めている感じはあるんですけれども、これまでの実務で過去に問題とされてきました株主提案権の濫用的な行使を防止するということになります。  次に、取締役関係です。取締役関係は五つ述べさせていただきます。  第一は、取締役の報酬等です。  現在の会社法では、取締役の報酬等を株主総会決議で定める場合の定め方など規律が非常に形式的になっておりまして、そこで、改正法案は、これを洗練化して、取締役の個人別の報酬等の決定方針というものを取締役会で定めることなどといたします。  趣旨は、抽象的に言いますと、取締役に対する適切な職務執行のインセンティブ付与ということになりますけれども、取締役の報酬等を決定する手続などの透明性を向上させるということ、そしてまた、会社が業績等に連動した報酬等をより適切かつ円滑に取締役に付与することができるようにするということであります。  二番目、会社補償制度です。  この言葉は日本語として非常にわかりにくくて、余り日本ではまだなじみがないのではないかと思います。補償という言葉なんですけれども、英語では、コンペンセーションではありませんで、インデムニフィケーションという英語です。これを日本語にすると同じ補償になるので、非常にわかりにくいです。一言で言えば、取締役が職務執行に関連して支出した費用などを一定の条件のもとで会社が支払うことを意味します。これは余り日本でなじみがありませんけれども、日本の現在の会社法には会社補償制度は存在しません。  そこで、会社法、今回の改正法案は、会社補償制度を新設することにしております。この制度は英米その他の諸外国では普通に利用されておりまして、こうした制度が整備されていないのは我が国ぐらいであります。この制度も、我が国の会社法を洗練化するものであると言っていいと思います。  三番目は、会社役員賠償責任保険です。  これはいわゆるDアンドO保険というので、DアンドO保険というのは、ディレクターズ・アンド・オフィサーズ・ライアビリティー・インシュアランスなどとも言われていますけれども、あるいは単にインシュアランスと英語で呼ばれているものです。この保険は日本でもかなり広く利用されておりますけれども、現在の会社法にはこれについての規定が存在しません。  そこで、改正法案は、手続等の規律を新設いたします。この改正も、我が国の会社法を洗練化するものと言えます。  四番目、社外取締役です。  平成二十六年改正の際にはさまざまな議論がございましたが、現在の会社法は、会社法としては社外取締役の設置を強制しておりません。  そこで、今回の改正法案は設置を強制いたします。これは、内外の投資家が社外取締役の設置を求めてきておりまして、我が国証券市場への信頼を高めるためにも、会社法としてこれに応えるというものでございます。  五番目、社外取締役への業務委託という項目がありますが、ちょっと時間の関係もあって省略させていただきます。  最後に、その他、二つ述べさせていただきます。  一つは、社債の管理です。  現在の会社法のもとでは、社債管理者を置かない社債については、社債権者がみずから権利の行使等をしなければならなくなっています。しかし、これは不便であります。  そこで、改正法案では、社債管理者を置かない社債について、社債管理者よりも裁量が限定された社債管理補助者という制度を新設いたします。改正の趣旨は、社債権者の保護と社債管理の充実ということになります。  もう一つ、株式交付制度と呼ばれている新しい名称の制度を新設いたします。  これは、私の配付資料でA社、B社と書いているんですけれども、Aという株式会社がBという株式会社をA社の子会社にするために、Bという会社の株主からB社株式を譲り受けて、対価としてA社の株式を交付する、こういう場面で、現在の会社法のもとでは、一〇〇%子会社にする場合には株式交換という手続があるんですけれども、その場合を除きますと、つまり、例えば五一%で子会社にする場合などは、B社株式を現物出資財産とする募集株式発行手続というのがA社側で必要になります。  今回の改正法案では、この場合に、A社側で組織再編手続をとることによって募集株式発行等の手続はしなくてよいということにし、それを株式交付と呼んで、新しい制度として新設するものです。改正の趣旨は、事業再編等の円滑化に資するというものです。  以上、今回の改正法案における主要な改正事項について述べさせていただきました。話が大変大ざっぱで申しわけございませんでしたけれども、以上で私の意見陳述を終えさせていただきます。  どうもありがとうございました。(拍手)
  4. 松島みどり

    ○松島委員長 ありがとうございました。  次に、松嶋参考人にお願いいたします。
  5. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 おはようございます。  ただいま御紹介いただきました、日本大学教授で弁護士の松嶋隆弘と申します。  商事法のうち、会社法、特に中小会社に関する法律問題を中心に勉強しております。  このたびは、せっかく意見陳述の機会をいただきましたので、今回の会社法改正法案に関しまして、日ごろ思っていることを申し述べたいと思います。  私どもの意見書は、企業法実務研究会名義で法務省に提出した上、税務事例という雑誌に掲載させていただきましたので、それを参考資料としてお手元に御用意させていただきました。限られた時間ですので、それらの全てについて申し述べることはできません。この場では、中小会社法の観点から、気になっていることを数点指摘してみたいと思っております。よろしくお願いいたします。  まず最初に、今回の改正法案全体についての感想を申し述べたいと思います。  今回の改正法案は、株主総会の電子化、社外取締役の義務づけ、業績連動型報酬に対する報酬規制、社債管理者、株式交付等々、いずれも、専ら上場会社、大規模公開会社を念頭に置いた改正項目が中心ではないかと思われます。その意味では、前回の改正である平成二十六年改正も同様な側面がありました。とりわけ社外取締役に関する規制等は、平成二十六年改正の積み残しの側面があるようです。  言うまでもないことですが、このような大規模公開会社におきましては、所有と経営の分離が徹底しておりまして、経営に関する事項は取締役会が広範な裁量的権限を有しております。株主総会を介した株主の経営への関与は、おのずから限定的なものとならざるを得ません。このような株式会社を念頭に、さきに述べました各項目に関する改正を行うのは、まことに時宜にかなったものと言えましょう。  ただ、世の中の大部分は、どちらかといいますと上場もしていない中小規模の会社でございます。このような中小会社におきましては、所有と経営の分離が必ずしも徹底しておらず、株主総会を介した株主の経営への関与は、経営権を有していない同族株主が経営権を有している同族株主に対する対抗手段としてなされるということが往々にしてあるようです。このような会社における株主は、会社の実質的所有者であることを忘れてはならないのであります。  そして、釈迦に説法ではございますが、平成十七年に制定された会社法典におきましては、所有と経営が一致した旧有限会社型の会社をベースとして、その上に制度を積み重ねる形で、大規模公開会社の機関設計に係る組合せもその一つとして置かれているわけであります。このような会社法典の想定する機関設計の基本に鑑みましても、株主の所有者性、これは株主総会の最高機関性としてあらわれますが、これを忘れてはならないと考えます。  また、今回の改正法案を通覧いたしますと、改正したいであろう本質的目標に到達するため、他の便宜的な方策を用いようとしている側面が目につくように思います。社会の変化に追いつくべく頻繁に改正されるのは会社法が持つ宿命でありますが、他方で、会社法は、資本主義のインフラである会社制度を規律する基本法典ですので、しっかりしたグランドデザインが必要でないかと考えております。  本日は、こうした観点から何点か指摘しておきたいと思います。  一つは、株主提案権の個数制限についてです。  改正法案は、株主提案権のうち、議案要領通知請求権につき、提案することができる議案の数の制限を十個に限定しようとしております。これは、提案されている理由によりますと、近時の濫用的な行使事例に鑑みての改正であるとのことであります。  しかしながら、巷間紹介されている事例は、よくよく見ますと、いずれもごく一部の特定の者、ここでは委員会の性質に鑑み名前を差し控えますが、その者による行使事例であるにすぎず、対象となった会社も、その者が創業者一族であったという特殊な背景事情があるようであります。このようなごく一部の者による特殊な行使事例を根拠に、株主の重要な権利である株主提案権の行使が限定されるというのは、立法事実としていささか不十分ではないかと考えている次第であります。  ここで、株主提案権の制度趣旨について考えてみますに、株主提案権は、昭和五十六年の商法の大改正に際し、株主総会の活性化の一環として導入されたものであります。そして、今話題としております議案要領通知請求権は、取締役会設置会社の場合、総株主の議決権の百分の一以上の議決権又は三百個以上の議決権を有する少数株主の権利とされております。  しかし、ここで言う少数株主は、かつての一株運動における株主などと異なり、実際には大株主であります。中小会社の場合に引きつけて申しますと、経営権を持っていない大株主であると言ってよいでしょう。ですので、これらの株主による株主提案権の行使は、経営権を持っていない株主が経営権を持っている株主に対し株主総会という公正かつ透明な土俵で議論をするという、コミュニケーションを求める訴えとして真摯に受けとめるという態度が、立法に当たっても必要とされるように思います。そして、このような態度こそが、昭和五十六年改正で議論された株主総会の活性化に資すると考えている次第です。  もちろん、濫用に対する懸念は理解できます。しかし、改正法案の提案は、余りにも制度の病理的側面にとらわれ過ぎなのではないかと思います。このような病理現象への懸念は、かつての株主代表訴訟の改正に際しましても、行為時株主の原則の導入に関する議論、これは結局見送られましたが、等々、時々浮上しては消えていくものでありますが、今回の提案はまさにその一環なのではないかと思います。  また、過日、平成二十六年改正で、株主名簿の閲覧請求権についても、閲覧拒絶事由について、会計帳簿閲覧請求権の行使に倣った閲覧拒絶事由があったのを削除したという背景がありますけれども、その事例も想起できるわけです。  濫用に対する懸念がどうしても無視できないのであれば、例えば、株主代表訴訟につき濫用的目的の訴えを否定する規定、会社法でいいますと八百四十七条一項ただし書きでありますが、これらの例に倣いまして濫用的目的に関する規定の創設を検討すべきでありまして、その代替的に、便宜的に個数で制限するといった態度は、制度の本質を損なうものであると言わざるを得ません。現に、改正法案は、名誉毀損的目的等、内容に着目した規制を既に用意しているのであります。  第二に、株式交付について取り上げたいと思います。時間の関係もございますので、こちらは少々はしょりつつの説明となります。  改正法案における株式交付は、買収会社がその株式を対価として対象会社を買収しようとしたいが、対象会社を完全子会社化することまでは望んでいないという場合における買収の手法を新たな組織再編として新設しようとするものです。対象会社を完全子会社にしたい場合の制度としては、既に組織再編の一環として株式交換制度が用意されておりますので、今回の株式交付はいわばミニ株式交換と言うことができます。  しかし、結合企業法制に関する一連の商法改正として株式交換制度ができた経緯と今回の株式交付の新設の理由を見比べますと、ここでは、組織再編制度を整備するといった観点よりも、組織再編制度に組み入れることにより、面倒な現物出資規制を外したいという思惑が強いように思います。  現物出資規制については、かつては資本充実規制の一環として重要な役割があったと思いますが、資本規制が空洞化しつつある中、その役割が変容しつつあるように思います。そして、実務では、現物出資規制が種々のニーズの桎梏となるようなケースが出てまいります。事業再生の際に利用されるデット・エクイティー・スワップにまつわる議論、出資される債権の評価が券面額か評価額かといった議論も、要は現物出資規制をどう回避していくかと言っていいことかと思います。  そのような観点から見ますと、現物出資規制に手をつけず、あえて大がかりな組織再編の一環として仕組むことで、現物出資に関する問題が残されたままになるのみならず、かえって新たな弊害が生じかねないように憂慮しております。こう言いますと、直ちに、会社分割制度の改正をきっかけに濫用的詐害分割が横行し、平成二十六年改正で是正された例が思い浮かびますが、このような轍を踏んではならないと考えます。私といたしましては、むしろ、現物出資規制に関し本格的なメスを入れる時期が来ているように思います。  最後に、三点目として、今回の改正項目に挙がっていない中小会社に関する改正についての要望を述べておきたいと思います。  前回の改正でも今回の改正でも、中小会社固有の問題点については本格的な検討の俎上にのせられなかったように思います。その幾つかをここで思いつくままに挙げ、注意喚起し、次回以降の改正につなげていただけたらと願っております。  一つは、相続人等に対する売渡し請求権を規定する会社法百七十四条に関してです。  本条に関しては、かねてから相続クーデターの可能性を生じ得ることが懸念されてまいりました。レジュメに掲げている鳥取地裁の裁判例は、まさにその懸念が現実化したものです。  ここに、相続クーデターは、制度の構造上、議決権に関し、たった一瞬生じるすき間を狙って起こすクーデターのことですが、このようなものが公平の見地から許容され得ないことは言うまでもありません。  幸いにして、鳥取地裁の事案では、特例有限会社に関する事案でありまして、特例有限会社を規定する整備法がこの点に関してのみ旧有限会社の規定を引き継がなかったところから、たまたま相続クーデターが不奏功に終わりました。これが通常の株式会社であれば、相続クーデターが成功しかねなかった事案であります。何らかの立法の手当てが必要であるように思っております。  また、会社法四百二十九条一項の取締役の対第三者責任に関しましても、極めて曖昧な規定がほぼ放置され、解釈に委ねられているため、何らかの対応が必要です。  第三者からの取締役に対する責任の追及は会社倒産時にされることが多いのですが、会社倒産時において、このような形で個別の債権者の保護を与えていくことは不適切なのではないかと思います。むしろ、今後は、倒産時における取締役の責任の査定制度、例えば破産法百七十八条等を介して、債権者全体の公平を図るスキームが模索されていくべきではないかと考えております。  最後に、反社規制を挙げたいと思います。  御存じのとおり、先般の民事執行法改正で、不動産競売における暴力団員による買受け規制が導入されました。このこと自体はまことに喜ぶべきことだと考えておりますが、近時、反社と言われる者が、不動産競売と並行し、企業の支配権の奪取を図り、それに成功したという事案が登場しました。レジュメに掲げている東京高裁の平成三十年の事案がまさにそれであります。  会社法におきましても、他の諸法、例えば数年前には古物法が改正され反社の規定が導入されたと記憶しておりますが、反社規制の導入を真剣に検討すべき段階に来ているのではないかと感じております。  私の意見は以上でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
  6. 松島みどり

    ○松島委員長 ありがとうございました。  次に、前川参考人にお願いいたします。
  7. 前川拓郎

    ○前川参考人 株主の権利弁護団の事務局長をしております弁護士の前川と申します。  我々の弁護団は、弁護士や会計士等の専門家三十名弱から成る団体で、これまで株主側の立場で活動してまいりました。  本日、議員の皆様に意見を申し述べる機会を頂戴し、大変光栄に存じます。  では、私から申し上げるのは、株主提案権の制限についてと会社補償の点の二点でございます。  第一に、株主提案権の制限について意見を申し述べます。  この点については、結論から申し上げますと、少なくとも現段階において、これを支える立法事実が不存在であるか極めて脆弱であると考えており、反対いたします。  第二百回国会法務参考資料五十五ページの中ほどに、株主提案権が濫用的に行使される事例が見られるとの記載があります。これが立法事実であろうと推測されます。そして、その脚注二十三には、少し長くなりますけれども、その中で、一人の株主が不当と認められるような目的で膨大な数の議案を提案する等の株主提案権の濫用的な行使事例、といって括弧書きで二つの事例が挙がっています、が見受けられるようになる一方で、会社と株主との間のコミュニケーションを図るという株主提案制度の導入当初の目的については大方達成されたという指摘がなされるようになりというような指摘があって、このあたりが立法事実なのかなというふうに思いますが、そこで、現在の株主提案の状況について御説明いたします。  株主提案を受けた会社の数から申し上げますと、平成二十九年六月総会までの一年間で五十二社、平成三十年六月総会までは五十八社、令和元年六月総会までは六十五社です。漸増の傾向にあるとは言えます。他方で、上場企業は全部で三千五百社あります。最も多い直近、令和元年六月総会までの一年間でも二%未満、わずか二%弱の会社しか株主提案というのは受けておりません。  このようなわずかに二%弱の割合で、会社と株主との間のコミュニケーションを図るという目的が大方達成されたというようなことになるのでしょうか。普通に考えれば、道半ばとすら言えないのではないかというふうに考えております。  次に、濫用的な行使事例というのがふえているという事実が現実に存在しているのかという点です。  先ほど記載のありましたあの二社の件については私も承知しております。ただ、これ以外にどのようなものがあるのか、もしこれ以外にはないというのであれば、この二つだけで株主提案権を制限する立法事実として十分なのか、この点について御議論いただきたいと思っています。  この点について、法制審の議論を拝見しましたけれども、立法事実については全くと言ってよいほど議論がなされていません。当然ですが、株主提案権というのは株主の重要な権利です。株主提案権を制限するに当たっては、立法事実の存在が不可欠です。濫用的に行使される事例が見受けられるなどというだけでは立法事実とは言えません。  お手元に、商事法務がまとめた株主提案権の事例分析、三年分をお配りしております。資料版商事法務の方です。資料版商事法務というのがあって、そこで毎年九月に株主提案権の事例分析というのを網羅的に行っています。ちょっとごらんいただけませんかね、この資料版商事法務、横長のものでございます。  ここで網羅的に実は株主提案の事例というのは分析されているんですけれども、この中で議論されるべきは、どれが濫用に当たって、株主提案権の制限を正当化するのかという具体的な議論なんだというふうに思っています。  最後に、仮に濫用的事案が増加しているとしても、これまでなされてきたような一般条項、権利濫用を用いることではなぜだめなのか。  昨日の法務省民事局長のお話ですと、どのような提案が権利濫用に該当するかが明確ではない、実務上、権利濫用に該当するか否かを的確に判断することが難しく、該当すると考えた場合でも、これを制限することにちゅうちょする場合があるとのことですが、どのような提案についてこのようなちゅうちょがなされたのかということについて、昨日のお話では全く明らかになっていません。ここについてきちんと話をするべきだというふうに思っています。  次に、具体的な改正法案、条項についても申し上げます。  我々が最も問題だと考えているのは、改正法案三百四条ただし書き三号、三百五条第六項三号です。  「株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、」という部分なんですけれども、規制のあり方というのは内容規制と内容中立規制というものがございます。内容に着目して規制するものが内容規制、内容以外に着目した規制を内容中立規制といいます。内容規制は、評価者によって判断が異なり得るものであり、かつ萎縮的な効果を生むので、慎重であるべきだというふうに一般に考えられています。三百四条ただし書き三号、三百五条六項三号というのは、株主提案により株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合に、株主提案を拒絶できることになっています。この条項というのは内容規制に属するものです。  中間試案においては、この条項の表題が内容による議案の制限となっていましたけれども、要綱案以降は、目的等による議案の提案の制限というふうに表題が変わっています。ただし、名前を変えたからといって、内容規制の実質というのが変わるものではありません。  法制審でも議論がなされていますが、この条項が想定している具体例というのは第二百回国会法務参考資料六十二ページにあります。これを読むと、株主総会やその準備に時間的制約があることが、この条項を正当化する抽象的な根拠として挙げられていることがわかります。  しかしながら、このような内容規制を行うだけの立法事実があるのか、より具体的に言えば、株主提案によって株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されたという事実があったのかどうか、なかったのか、あったとしたらその程度、数についてきちんと議論がなされるべきです。これらは全く、現時点においては明らかになっていないというふうに考えております。  本日、また商事法務ですけれども、商事法務がまとめた過去三年分の株主総会の時間についての表をお配りしています。今度はこんな表の話です。三時間を超えている株主総会などほとんどありません。  また、本当に株主総会の時間が限られていることが問題なのであれば、一議案にかける時間を制限すれば足りる話です。一議案にかける時間を制限する方法ではなぜだめなのかについても全く明らかになっていません。  繰り返しになりますけれども、株主権に限りませんけれども、権利を制限する立法を行う場合、そのような制限を行う立法事実が現に存在しているのかどうかを具体的に検証することが必要です。これまでいろいろ出てきているように、株主提案権が濫用的に行使される事例が見受けられるというだけでは、立法事実とは言えません。濫用的な行使の時期、具体的内容、数を具体的に検証していただきたいというふうに思っています。それは、実はこういうふうにまとまっているものがあるので可能です。やっていただきたいなというふうに考えております。  本日お配りした資料以外にも、株主提案についての機関投資家の賛成率は実は上昇しているというレポートもございます。株主提案の果たす積極的意義や株主提案の賛成率、どれくらいの賛成率、株主提案についてどれくらい他の株主が賛成しているのかということについても、きちんと議論をしていただきたいというふうに考えています。  次、第二に、補償契約に関する意見を申し上げます。  補償契約、法案では、いわゆる防御費用、弁護士費用なんかが想定されていると思いますが、については、役員に悪意又はこれと同視すべき重過失がある場合でも補償が認められることになっています。重過失というのは普通、悪意と同視するような過失のことをいいますから、これから先は悪意と言うだけでまとめていきます。  そもそも、会社補償制度というのは、役員としての優秀な人材の確保や、役員が損害賠償責任を負うことを過度に恐れることにより職務執行が萎縮することがないようにするためのものです。  しかし、そもそも、悪意の役員というのは会社が確保すべき優秀な人材と言えるのでしょうか。悪意が認められるような行為を行ってはならないのは当然であって、損害賠償責任を恐れての萎縮も問題になりません。むしろ、悪意がある場合にまで補償が認められれば、違法行為に手を染めてでも目先の利益を上げようとする誘惑を引き起こし、職務の適正性が損なわれます。  この点、法案では、役員に図利加害の目的があった場合には補償した金額の返還請求ができるというふうにしており、一定の配慮はされたようですが、不十分であると考えております。  まず、図利加害目的という要件では、会社に対する特別背任が成立するような極めて限定的な場面でしか適用ができません。  これまで我々の弁護団で取り組んできた例えば株主代表訴訟なんかというのは、談合やカルテル、違法な政治献金、製品の性能偽装、本当に生命身体に危険が及ぶような性能偽装なんかを問題にしてきました。これらの行為に知って関与した取締役というのは、実はみずからの私的な利益を図るという目的ではありません。むしろ、目先の会社の利益を図るために長期にわたる会社の利益を犠牲にし、法令違反を行ってきた人たちです。これまで我々が提起した株主代表訴訟は、法に反してでも会社の利益を守ろうとし、短期的な利益なんですけれども、その結果、会社や社会に大きな損害を及ぼした事例です。  改正案では、故意の法令違反行為という悪質な行為の存在が認められたとしても、図利加害目的を欠くという理由によって、補償した金額の返還を求めることができないことになります。故意に法令違反に関与した場合ですら防御費用の補償が認められることになり、モラルハザードの問題が生じます。  また、改正法案では、図利加害目的があった場合には会社が役員に対して補償した金額の返還請求ができるとされているだけで、返還請求を義務づけてはいません。会社に委ねようというようなことなんですけれども、図利加害目的が認められる場合にまで、もはや会社が防御費用を負担すべき合理性があるとは言えないので、返還請求を行うことを義務づける規定とすべきだというふうに考えております。  以上が私の意見でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
  8. 松島みどり

    ○松島委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――
  9. 松島みどり

    ○松島委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。国光あやのさん。
  10. 国光あやの

    ○国光委員 ありがとうございます。衆議院議員の国光あやのでございます。  本日は、神田先生、そして松嶋先生、そして前川先生、貴重な御意見をいただきまして、大変ありがとうございました。  会社法の改正、昨今の情勢も踏まえて、非常に重要な法案だと思っております。その点から、主要な論点につきまして、今それぞれの先生方が御提起いただいたことにつきまして、お尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、神田先生にお尋ねさせていただきたいと思います。  先ほど、御自身の言葉として、会社法の洗練化、すばらしいお言葉だなというふうに深く感銘を受けた次第でございますけれども、ずっと会社法制部会の中で取りまとめの御苦労をなさった中で、今のお話に上がった論点も多々あったかと思います。  まず、株主総会関係で、きょうの資料も非常に簡潔にポイントをまとめていただいておりますけれども、部会の中で議論があった点といたしまして、まず電子提供制度の創設、これは非常にある意味当たり前というふうな時代になっているかと思いますけれども、この点につきまして、ウエブサイトに株主総会資料の情報をアップする、提供する、そのタイミングについて、かなり議論があったように承知をしております。  今の法案においては、株主総会の日の三週間前までに総会の資料について電子提供措置をするとありますけれども、これについて、より前、例えば四週間という案も、これは株主と企業との対話を重視するという思想のもと、四週間前ぐらいは資料を提供してはどうかという話がありました。片や、やはりなかなか、企業においての負担感等々も鑑みて、招集の通知が二週間前までに出すということになっておりますけれども、招集の通知と一緒に二週間というふうな案もあって、結論は三に落ちついたわけですけれども、四と二という案があったわけです。  これについて、どのような議論でこの三に部会の中で落ちつかれたかということを、ちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。
  11. 神田秀樹

    ○神田参考人 御質問ありがとうございます。  先生御指摘のとおりでございまして、部会の中では、もっと早くできるのではないか、おっしゃるように、四週間前からインターネットに掲載してはどうかという意見もございました。  結論としては、部会は、三週間ということで、招集通知は二週間前ということになったんですけれども、あわせて、実は、法案とは関係ありませんけれども、附帯決議というのがありまして、できるだけ早くやってほしい、そういうことを取引所の例えば上場規則等で上場会社に要請してはどうかというのを、部会の意見そしてまた法制審議会の意見として附帯決議がされております。  それで、その実質的な理由をちょっと一言申し上げたいんですけれども、実際に、もう現在、上場会社さんで任意にウエブサイトでの提供を一カ月ぐらい前からしている会社さんはそれなりにあります。他方、今回の法案は、上場会社には電子提供を義務づけようとするものですので、現在上場会社は三千七百社以上ありまして、これらの会社に義務づけられることになります。  ですから、今既に任意でやっておられるように、一部の上場会社さんはある意味十分対応できるんですけれども、ちょっと、小さい方と言うと失礼なんですけれども、その三千七百社全部が果たして例えば四週間前で対応できるのかどうかというところの見きわめの問題が必ずしもつきませんで、部会の中では両論あって、投資家の代表の方々は、できるだけ早く、三週間では物足りないということを強くおっしゃったんですけれども、最終的には三週間、それでいて附帯決議というところに落ちつきました。
  12. 国光あやの

    ○国光委員 神田参考人、大変ありがとうございます。  この、タイミングの点につきまして、先ほど松嶋参考人、そして前川参考人からも直接はちょっと今お話はなかったかと思いますが、このインターネット上の書類の公開につきまして、資料の情報提供につきまして、御意見ありましたらいただければと思います。
  13. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 御指名いただきましてありがとうございます。  私どもは、この問題、研究会の名義で意見書を提出させていただきまして、研究会の名義で意見を出させていただいたとおり賛成、先ほど神田参考人が述べましたこととほぼ同様の理由から賛成をしたいと考えております。  と申しますのも、この問題に限らず、IT化へどう対応していくかというのは、法律の世界で今、裁判のIT化というのが話題になっておりまして、会社法の問題に限らず、IT化については、日本は一周おくれているのではないかと思っておりまして、究極的には、株主総会の話に戻りますと、総会自体のバーチャル化も含めた方に向かっていただきたいと思っておりまして、今回のはそこに向かっての一里塚であるという意味で賛成をさせていただいている次第でございます。  ありがとうございます。
  14. 前川拓郎

    ○前川参考人 私どもとしても、基本的には賛成しております。  ただ、先ほど、議論がありました、おっしゃっていましたように、請求できる時期の問題というのは残るので、条件付の賛成という意見をパブリックコメントで載せております。  以上でございます。
  15. 国光あやの

    ○国光委員 ありがとうございました。  続きまして、きのうの法務委員会でも非常に大きな議論になって、きょうも非常に御指摘が多かった株主提案権の制限についてお伺いをさせていただきたいと思います。  これは主に数の議論、そして内容の議論、前川参考人はそもそもこれ自体がどうかという全体的な、否定的な御意見だというふうに承知をしておりますけれども。  まず、何か数を決めるとなった前提での、十と落ちついたこの議論の過程でございますけれども、これも、私も会社法制部会の資料などもいろいろ拝見をさせていただいたんですが、かなりいろいろな、これに関しても御意見があって、やはり、例えば、パブコメではたしか、アメリカでは議案を一だけしか認めていないとかいうふうな意見を出されておられたり、非常に、あと、五以下にするべきだという意見があったり、またあるいは、特に制限をつけるべきでないというふうな御意見があったりとさまざまであったかと思います。  仮にこの数を何らか決めるという前提においての議論ということで、この十という数に、部会の中でそこに収れんされたというプロセスの背景をぜひ神田先生からお伺いをさせていただきたいと思います。
  16. 神田秀樹

    ○神田参考人 どうもありがとうございます。  数が最後に十になりましたのは、もっと多くてもいいのではないかという意見もございましたし、五つぐらいがいい、せいぜい二つか三つか、一だというような御指摘がありまして、そういういろいろな御意見があった中で、最終的には、部会としては十に集約されたということがあります。  ただ、それだけだと背景がわかりにくいと思うんですね。諸外国と違って、というか日本の制度と諸外国の制度は同じではありませんので。  例えばということで申しますと、アメリカですと、委任状合戦とか、委任状を勧誘するのは全く自由ですから。それは、ただ、自分の費用でやらなければいけません。  日本の株主提案権というのは、会社の費用で、例えば百提案したら百項目載せてもらえる。それだけ、招集通知のページの費用も会社の費用ということは、ほかの株主の費用ということです。それで、百個あるということは百個時間を使うということになりますので、先ほどのお話にも関係しますけれども、株主総会全体、例えば全体が二時間であれば、そのうち百個に例えば一時間とすればそれだけ時間を独占できる、そういう権利なんですね。  ただ、今回の部会も、株主提案権そのものを制限しようということではなくて、先ほど御指摘があったんですけれども、濫用的なものが見られたことがあるので、会社が実際の対応に苦慮しているというときに、数と目的の両方で何らかの規定を置くのがいいかどうかという全体像の中で数の議論ですので、その数の議論自体は、十では少な過ぎるという意見もありましたし、全然多過ぎるという意見もあったんですけれども、最後に実際の例等も見ながら十というところに落ちついたということでございます。
  17. 国光あやの

    ○国光委員 ありがとうございます。  今お話にもありました濫用といいますか、先ほど前川参考人からも立法事実があるのかないのかというふうな点も御指摘がありましたけれども、今の法案で、きのうも大きな議論になっておりますのが、その内容についての部分で、株主が提案権を行使することができないものとするという具体的な法令の文言が、「株主が、専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、若しくは困惑させ、」、この点はきのうも大きな議論になっておりましたけれども、「又は自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で、」議場における議案提案権又は議案要領通知請求権を行使する場合というふうな法案の記載がございます。  これについて、実際、リアルワールドでこれを会社が判断をしていくというときに、かなりこの判断に裁量の余地が広く、なかなか具体的な基準等々がなければ判断に迷うのではないかというふうな意見もあったかと思いますけれども、この点につきまして、この書きぶりに関しての御意見を三人の参考人の方それぞれからお伺いをさせていただきたいと思います。
  18. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。私から一言申し上げさせていただきます。  確かに、法文をどう書くかは非常に難しくて、ですから、今から見ると、じゃ、ほかの表現は何がいいのでしょうか、いっそのこと非常に一般的に、濫用的な場合というふうに条文に書いた方がいいんでしょうかというのもあると思うんですけれども、これは具体的な、会社にせよ株主にせよそうだと思うんですけれども、から見てどっちの文言がいいかという話だと思うんですね。  ですから、法制審の部会では、今ここに提案されているような文言の方がいいだろう、最終的にはそれは裁判所によって判断されることになるんですけれども、そういう基準としても、単に濫用的と書くよりはこういうふうに具体的に書いた方がいいのだろうということでこういうふうになっているわけでありまして、意見は分かれると思いますけれども、私は、これで特に不明確だということはなくて、ほかにもこういう表現の、抽象度の高い文言というのは法律にはたくさん書かれておりますので、そういう意味では、適切な解釈というのは、より一般的な文言がふわっとあったりあるいは全然ないよりはよほどいいというふうに思っております。
  19. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 私の意見を述べさせていただきます。  私は、先ほど述べましたとおり、数の規制については反対ですが、内容に関する規制については特段反対していないという立場の意見でございます。  この文言を、今、原案の文言を前提といたしますと、名誉毀損、困惑等ありますけれども、例えば、より具体化するのであれば、プライバシーみたいなものを、個人のセクシュアリティーだとかそういうような純粋な私事を開示するような形での行使事例というのも考え得るのかなという、より具体化する策はあろうかと思います。  他方で、私は、数の問題にも戻ってしまうのですが、濫用だったら、濫用というものについては会社としても正々堂々とこれは濫用だと立ち向かう、立ち向かうというのは、後日の訴訟リスクというものを恐れずにきっちり立ち向かうべきで、それを、特に数の話ですけれども、十個を超えているからだとか、別の客観的とされる、要するに、客観的といえば客観的ですが、それは自分の責任は負わずにシャットアウトしたいというような形のはいささかどうかという、こういうのが私の意見でございます。
  20. 前川拓郎

    ○前川参考人 書きぶりについての御質問がございましたので、その点についてお答えいたします。これはどちらかというと弁護士としてお答えしたいと思います。  まず、専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、若しくは困惑させ、又は自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的でというのは、専ら要件がついておりますので、この点についての書きぶりといいますか規定ぶりは、特に問題ないのではないかなというふうに思っております。書きぶりの話に限りますけれども。  ただ、先ほどから申し上げております、当該議案の提出により株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益を害されるおそれがあると認められる場合というのは、おそれという文言もついていますし、これは極めて不明確であると言わざるを得ません。  この条文を見て、普通、こんな場合がきっと拒絶されるんだろうなということについて予測がつく人というのはほとんどいないんじゃないかなというふうに思いますので、この点についての書きぶりというのは極めて問題であるというふうに考えています。  以上でございます。
  21. 国光あやの

    ○国光委員 ありがとうございます。それぞれのお立場からの貴重な本件に関する御意見、大変勉強になりました。  最後に、社外取締役の設置の義務づけの部分につきまして御意見をいただきたいと思います。  こちら、まず、よくある議論といたしまして、社外取締役なんですけれども、東証の上場企業の九八・四%がもう既に置かれているわけでございます。  まず、これを今法案で追認するような形で法律で義務づけるというふうな意義についてのお考えを、まず神田先生からお伺いしたいと思います。
  22. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  おっしゃるとおりでございまして、具体的には、義務づけるという意味は、残っている数%の会社さんに義務づけられるということにはなるんですね。  ただ、平成二十六年改正のときも実はこの法務委員会に私呼んでいただいたんですけれども、そのときには、先生方から非常に厳しく、義務づけるべきだという御意見を多数いただきまして、そのときには、やはり両論あって、当時の法制審の部会ではなかなか義務づけというところまでは至りませんでしたというお話をさせていただいたんですけれども。  その後、この数年間の間に、内外の投資家の声は、やはり義務づけを引き続き要求してこられているということがあります。そうだとしますと、投資家から見ればということにはなるんですけれども、制度として義務づけていない日本の証券市場とか企業社会というのは何なんだろうかということになります。  そうだとしますと、そういう声の中で、やはりより大きな意味で、なかなかいい表現がないんですけれども、日本への信頼というか、日本の証券市場、株式市場、企業社会への信頼ということからしても、基本法である会社法で義務づけますという、まあそういうことも重要かなということも恐らくあったと思います。今回の部会でも両論は分かれたんですけれども、最後は部会として義務づけるということで取りまとめに至ったというのは、そういう、より大きな歴史的な流れと背景というんでしょうか、ものもあるというふうに思っております。  ありがとうございました。
  23. 国光あやの

    ○国光委員 ありがとうございます。  もう一人、松嶋参考人にもお伺いしたいんですけれども、先ほどの御説明の中で、今回の法改正が、平成二十六年のときの積み残し的なものも幾つかあるのではないかというふうなお話があったかと思いますが、この点につきまして、特に社外取締役への御意見を伺いたいと思います。
  24. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 御指名ですので、一言だけお話しさせていただきます。  基本的に反対はしておりません。と申しますのも、神田参考人が御指摘になられましたとおり、海外からの投資家の意見等を踏まえてというのは、それはそうだろうと思います。  ただ、他方で、私も社外監査役というものはやったことがあるのですが、監査役の場合、実査というものがありまして。要するに、倉庫だとかを見たり、現場を見たりとかする、そういう権限がない、単に取締役会だけを社外者が見ることにどういう意義があるのかということについては、非常にシニカルに思っております。  それを前提としての、投資家がそう言うのであればそうでしょうねという意味での賛成意見であります。
  25. 国光あやの

    ○国光委員 ありがとうございます。  社外取締役は、部会の中のパブコメでも、今まだ検証する時期であって、それによって、逆に形骸化するのであれば、というふうな御意見もあったかと思います。  非常に、社外取締役が実効性ある形で設置されるということは望ましいことだと私自身も思いますので、ぜひ、きょうの御意見その他も非常に前向きに捉えさせていただいて、審議に臨ませていただきたいと思います。  本日は、本当にありがとうございました。
  26. 松島みどり

    松島委員長 次に、竹内譲さん。
  27. 竹内譲

    ○竹内委員 おはようございます。公明党の竹内でございます。  先生方、本当に、お忙しいところをきょうはありがとうございます。  今、国光先生からもお話がありましたが、株主提案権の制限の問題は、私はかつて、議員になる前に、某金融機関に若いころ勤めておりまして、取締役会とか株主総会を支えることをやっていたものですから、その経験からいうと、今回の、時代が違うとはいえ、一定、バランスのとれた範囲内ではないかなというふうに思っておるんです。  確かに、株主権利の行使というのは大事です、それできっちりいろいろな御意見、御要望を聞くということは大事だと思うんです。一方で、しかし、意思決定にはおのずと時間的あるいは物理的制約というのはどこかでありますから、上限はありますから、永遠にこれをずっと全部やり続けるということも不可能ですし、神田先生が先ほどおっしゃいましたが、他の株主権利とのバランスとかそういうこともありますし、濫用という問題もありますし、確かに、そういう事例、私もよくわかっておりますから。  それともう一つ、最近私思うんですけれども、こんな議論はあったのかなかったのかわかりませんが、会社は経営者だけで成り立っているものではなくて、従業員の方々がいっぱい働いているわけですよね。そういう方々から情報を上げてもらって、正しい情報を集約して、そして株主総会でも説明をしなければならない。これは膨大な準備が必要でして、一定の制限がなかったら、無制限に質疑応答要領をつくらなければならない。官僚の皆さんも今、働き過ぎで大変な状況になっている。国会質問に答えるために、無定限な、どんな質問が出てもぱっとメモを出せるように準備するというのは大変なことでございまして、そういう意味では、働き方改革という要素も多少考えないといかぬのじゃないかな。  そういうバランスの中で、改めて神田参考人に、その辺の、先ほどの点も含めて、少し御意見、お話、経緯等、ここは言っておいた方がいいということがあれば、どうぞ言っていただければと思います。
  28. 神田秀樹

    ○神田参考人 御質問ありがとうございます。  先ほどちょっと申し上げたこととやや重複する面もあるかもしれませんけれども、私も、先生がおっしゃるとおり、全体のバランスというか、それと、私の言葉で言う歴史の流れというものの中で、今回、株主提案権自体をどうこうというのでは決してなくて、濫用的と思われる事案があったものに対して、その後の実務で、会社が窓口でその対応に苦慮しているというところにどうしたらいいかということなんですね。  先ほどのところに少しつけ加える形になるかと思いますけれども、この制度自体は、昭和五十六年に入った制度ですので、その前はなかったわけです。  それから、私も株主提案権というのは非常に重要な制度だと思っていますけれども、最近、株主との対話というのは、提案権という形ではなく、スチュワードシップ・コードなどというのをお聞きになった先生方がいらっしゃるかもしれませんけれども、提案権というルート以外で、少数の株主というのは会社と対話している。特に、機関投資家の株主は、提案権も行使しますけれども、そうではなくて、会社とはそういう形での対話というものを促進しましょうというのが大きな流れになっているんですね。そういう流れは昔は存在しませんでした。  もう一つ、先ほどの繰り返しで恐縮ですが、株主提案権という制度は、自分が提案したものを招集通知に書いてもらえるので、そういう権利ですと三百五条で言っているんですけれども、その費用は会社持ちであり、いわばほかの株主持ち、自分ももちろんその一部は負担するんでしょうけれども、という状況なわけです。ですから、なかなかここが難しいところで、しかしどうなのかということになってくると思うんですね。  もう一つ、委任状勧誘というのがありまして、日本でも最近例があるんですけれども、自分で委任状を集めて、会社側の提案と、日本で問題になった場合は、自分も提案していますので、どちらかということになるんですけれども、アメリカは原則として、委任状を勧誘すれば何でもやれまして、ただ、全部自分の費用負担なんですね。日本はこの制度は会社の費用でというところがポイントになっているわけです。ですから、変な話ですけれども、委任状を日本で自費で勧誘して例えば会社提案に反対をするということは、否決投票ということなんですけれども、反対投票をするということは幾らでもできるわけです。  いずれにしても、いろいろな全体像の中で考えると、今回は、濫用的な提案が過去されたということはあるんですけれども、七、八年前が一番議論された時期なんですね。だから、今日の目から見ると、ちょっと私ども冷めているというか、今の目から見ると、いや、あれはそんなにどうこう言わなくても最近はないんじゃないのというようなこともあると思うんですけれども、会社は、毎回来るうち、取り上げないものは、リスクをとって取り上げていないので、やはり対応に、いい言葉かどうかわかりませんけれども、苦慮しているという実態は恐らくあると思います。  そのあたりのバランスが、先ほど御指摘があったように、不要だという御意見も当然あり得るとは思うんですけれども、今回の法制審での議論というのは、やはりそれは、過去の裁判例等も見ながら、こういう数、そして内容というか目的というのを置いた方が、結局、株主全体、企業社会にとって、これは決して個々の企業という意味ではないんですけれども、社会にとってプラスであろう、つまり、この改正はした方がいいのではないか、そういう全体的な判断もあったというふうに言ってよろしいかと思います。  長くなって申しわけございません。     〔委員長退席、鬼木委員長代理着席〕
  29. 竹内譲

    ○竹内委員 ありがとうございました。  それでは、引き続き、個人別の報酬額の開示の問題についてちょっとお聞きしたいんですけれども、中間試案のときには、個人別の報酬の額の開示について、事業報告により開示しなければならないものとするかどうかは検討するとされておったんですが、最終的には法制審ではまとまらなかったということであります。このあたりの経緯とか理由とかにつきまして、神田参考人にお聞きしたいと思います。
  30. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  これは、会社法の見地からどうするかということで、今御指摘のとおり、提案はされていたんですけれども、余り部会では、これはぜひ会社法でやるべきだという御意見は私の理解では出なかったように思います。  その大きな一つの理由は、それを仮に義務づけるとして、どの範囲かということになりますと、上場会社を中心とした、いわゆる有価証券報告書提出会社になると思うんですね。これは、上場会社は約三千七百社なんですけれども、有価証券報告書提出会社は恐らく四千五百社ぐらいだと思います。ただ、その有報提出会社と呼んでいる会社については、既に今、金融商品取引法のもとで、年の総額一億円以上なんですけれども、その報酬等を受けている取締役等の個別開示というのが行われていますので、そうすると、それと全く同じにする必要はもちろんないわけであります。  ですから、会社法の方で個別報酬の開示というのを義務づけるとなると、それよりも広い範囲にするのか、あるいは金額を下げるとか、そういう議論になると思うんですけれども、まだ金商法の方も、そういう制度が始まって、それなりに年数はたっているんですけれども、それほどたっているわけではありませんので、何か会社法の方がここで出動して個別報酬の開示というところまでは、御意見としては多くは出なかったというふうに私は理解しております。
  31. 竹内譲

    ○竹内委員 わかりました。  それで、中間試案では、そのほかに、公開会社において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定を代表取締役に再一任するためには株主総会の決議を要するものとする考え方が提案されていたわけでありますけれども、最終的にはこれも法制審ではまとまらなかった。この辺の経緯とか理由につきましても、神田参考人にお聞きしたいと思います。
  32. 神田秀樹

    ○神田参考人 どうもありがとうございます。  御指摘のとおりの提案がされていまして、伝統的な株式会社の実務では、株主総会では総額だけを決めて、個人別の個別の決定というのは取締役会に委任しており、取締役会はそこで決めませんで、更に代表取締役に再一任して、代表取締役が一人で決めているというのが伝統的な日本の実務なんですね。  それについては、やはりもう少し手続もぴしっとした方がいいのではないかという声が強くて、私も個人的には改善した方がいいという意見なんですけれども、そういう中で、中間試案にありました、今先生御指摘のような提案がありました。  ただ、他方で、実務界を中心として、反対というか消極論というか、今のやり方でも別に会社法の趣旨は守られているし、総額を押さえておけばいいのではないかという意見も他方ではありましたし、日本ではそれほど実は取締役の報酬が諸外国と比べて高いわけではありませんので、そういう意味でも、細かいところを決めるところまで、例えばですけれども、株主総会でそこまで決めるとか、あるいは再一任はだめとするとかいうところまでは不要ではないかという御意見もありました。  最終的には、今回の法案に出ていますように、そういう報酬等の決定方針というのを取締役会で決めるということになりましたので、そういう意味では、先生御指摘の案からするとちょっと退いている感じは確かにあるんですけれども、今の、現在の会社法からいうと、私は、ちょっと進んでいるというか、進めるというところで、私の言葉で言う、より洗練化されることにはなるというふうに思っております。
  33. 竹内譲

    ○竹内委員 日本でも高額の報酬を取る代表取締役等も最近は出ておりますので、それをちょっと私も意識したんですけれども、一歩前進、そういう感じですかね。  それでは、今回の改正において、取締役への適切なインセンティブを付与するために、現物出資の方法によらずに、金銭の払込みをしないで株式を報酬として交付することを認める、こういうふうになっているわけでありますが、これを上場会社のみに限定した意図についてが一つ、それからもう一つは、このような業績連動報酬を付与することが経営者を優遇する制度であるとの指摘もありますけれども、これにつきましても神田参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
  34. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  前の方について、やはり一言だけ背景を申し上げないといけないと思うんですけれども、今、先生方、例えば一円ストックオプションという言葉をお聞きになったことがあるかどうかなんですけれども、現在、インセンティブ報酬として新株予約権等のストックオプションを渡すという実務があるんですけれども、その行使価格といいまして、それを株式にかえるときに一円払うというのがあるんですね。  何で一円かというのは、非常に技術的な理由で、今の会社法はゼロ円ではだめだから。もしそれがゼロ円であれば、ゼロ円になるということになる。言葉をかえて言いますと、現在は、オプションという新株予約権はゼロ円でも渡せるんですけれども、株式はゼロ円で渡せないんですね。その結果、オプションから株式になるときは一円は払えということになり、ですから、最初から株式で渡す場合は、ゼロ円にできないから一円。  これはやはり合っていないので、株式の場合も、それから一円ストックオプションも、ゼロ円ストックオプションでよくしましょうというのが今回の提案です。ただ、その範囲を上場会社に限る。  先生の御質問はなぜ上場会社に限るんですかということですけれども、これは、非上場会社では、ただで渡すのを余りふやすと濫用されるという御指摘が一部で強くされたので、それなら、実際問題としてこういうインセンティブ報酬を使うのは上場会社が普通ですので、そういう意味で、その適用対象は上場会社に限りましょうということでございます。  後の方も、今の全体の話の中に結局含まれるんですけれども、問題がないというんでしょうか、そういう言い方がいいかどうかわかりませんけれども、そういうことで現在の法案になりました。     〔鬼木委員長代理退席、委員長着席〕
  35. 竹内譲

    ○竹内委員 一円ストックオプションは私も以前からおかしいと思っていましたので、私は、大変すっきりしたなと思って喜んでおるんですけれども。  次に、会社補償につきましてお伺いしたいと思います。  会社補償契約は、実質的に役員の負担を免除、軽減して、役員の任務懈怠を招くのではないかという指摘もあります。この点につきまして、先ほどから議論もありましたが、改めて神田参考人の御意見を伺いたいと思います。
  36. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  先ほど申し上げましたように、会社補償というのは日本では余りなじみがないと思うんですね。例えば、新幹線に乗って東京から大阪に行きます、新幹線代は自分が払いました、仕事で行くわけですから後から会社に払ってもらいます、これは普通の委任の規定でやれるんですね。  ですけれども、ここで言っているのは、諸外国なんかでも使われているやり方ですと、日本の企業が海外の独禁法当局から摘発されまして、役員の人が例えば拘束されて、何かそれに弁護士を雇ったりして対応するので費用がかかりました、それでも、会社のためにやっていることですから、やはりそれは会社が持つというのが普通かと思うんですけれども、どういう手続でどういう条件で会社がそれを持てるのかというのは、規定が全くないからわからないわけです。  そこで、今回も、自動的に会社が持つのでは決してなくて、一定の基準というか、手続を踏んで補償契約というのを結んで、それに従って出すということです。  それから、先ほど来いろいろ御指摘があるところなんですけれども、費用の方について言いますと、今の、例えば私が取締役でそういう何か弁護士費用を払ったというときに、確かに最終的には何かまた私に問題があったということはわかるかもしれませんけれども、プロセスとして進んでいる中では、必ずしも重過失があるかどうかというのはわからないということもあるわけですね。  したがいまして、確かに、今回の線引きというのは、費用の方について言えば、通常かかる費用に限定されていますし、もちろん一定の手続があるんですけれども、最終的に、先ほど御指摘がありましたように、返さなければいけなくなる場合があるというところでバランスをとっていまして、他方、損害金というんでしょうか、私自身が損害賠償責任を負った損害賠償責任、それについては、対会社の、例えば代表訴訟の対象になるようなものは完全に除かれていますので問題外ですし、悪意、重過失は除いていますので、そういうところに線を引いているんですけれども、この線の引き方についてはいろいろ議論もあり得るところです。  そもそも、会社補償というのは不要ですとおっしゃる方もいらっしゃったものですから、とにかくまず諸外国並みに、こういう制度はあって自然じゃないですか、あった方がいいんじゃないですかというところから始めようという中で、今回は、そういうことで、それなりの手続を要求し、それなりの要件なり限界なり範囲というものを確定することによって、企業の取締役の方に安心して仕事していただける、そういう制度をつくろうとしたものでございます。
  37. 竹内譲

    ○竹内委員 会社補償、現在の世界のグローバリズムの中の経営というのを見ていますと、マネロンとかなんかでもう大変な巨額の責任、賠償責任を背負わされている。百億や二百億は当たり前で、一兆円近くの請求をされて経営が傾くなんという銀行も世界にはあるわけでありますけれども、一定、私はこれはやむを得ない措置であるだろうなというふうに思っているところであります。  最後になりますけれども、もう時間がありませんが、社外取締役設置の義務づけでありますけれども、これは、もう何回も言われていますが、非常に難しいんですけれども、確かに形骸化、社長が自分の親しい人を連れてきてやっている場合も昔はあった、最近は大分違ってきたと思いますけれども。  監査役なんかでも、監査委員なんかでも、なかなか実態として、本当に経営実態を社外取締役とか監査委員とかが入手できればいいですけれども、そういう体制もちゃんと保障しておかないと、なかなか本当に実効的なものにならないんじゃないかと思うんですけれども、私も、昔、某団体の監査委員をやっていたこともありますので、そういう体験に基づいて言うと。しかし、何にもしないと、またこれは全然だめになる、経営者に対して牽制球が働かない。  今、九九・九%ですけれども、その辺の、忌憚のない神田先生の御意見をお伺いしたいと思います。
  38. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  私も、先生の御意見に全く個人的に賛成でございます。  まあそのとおりなんですけれども、社外取締役というのは、実際には、ちょっと表現は悪いかもしれませんけれども、役に立たない人がやるのが社外取締役でして、アメリカの学会での議論ですと、これをボード二・〇というんです。役に立たないというのはどういう意味かといいますと、時間がない、専門知識がない、そして人手がないという、この三条件がそろって、独立性はあるんですけれども。最近は、ボード三・〇というのがアメリカで始まっていて、時間がある、その企業についての専門性がある、そして人手、つまり部下を自分で雇うだけの余力があるという人も入った方が、ボード二・〇の人もいていいんですけれども、三・〇の人も入ってやっていきましょうという議論になっています。  ですから、この辺は経験に基づいて更に改善していかなければいけないということですけれども、先生のおっしゃったのは、私も全く賛成でございます。
  39. 竹内譲

    ○竹内委員 ありがとうございました。  以上で終了します。
  40. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、山尾志桜里さん。
  41. 山尾志桜里

    ○山尾委員 立憲民主党の山尾志桜里です。  きょうは、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。  まず、神田先生にお伺いをしたいんですけれども、私は、三百四条の一項二号、三号の追加内容規制、そして三百五条の同種の規定、これについては大変問題を感じています。その立場からの質問ということになります。  まず、最初に質問なんですけれども、もしこの法案が通った場合には、この三百四条の例えば二号、株主が専ら人を困惑させる目的で議案の提出をした、ごめんなさい、逆ですね、この法案には当たらない、今回、名誉侵害とか侮辱とか困惑というカテゴリーが明文化されていますけれども、この三百四条には当たらないんだけれども、民法の一般条項を通しての権利濫用には当たる、こういう場合には拒絶は可能なんでしょうか。
  42. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  それは、法律の一般論ということになりますが、法務委員会でございますが、私はそれは、論理的にはというか理論的には拒絶可能であるというふうに思います。すなわち、民法の一般条項というのは常に適用があるということかと思います。
  43. 山尾志桜里

    ○山尾委員 論理的には適用可能ということでした。  じゃ、逆なんですね。必ずしも民法の権利濫用には当たらないけれども、この新設三百四条の二号に当たるという場合は拒絶可能なんでしょうか。
  44. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  この法律が成立していればという前提だと思いますけれども、可能でございます。
  45. 山尾志桜里

    ○山尾委員 それはすごく驚きまして、これが私はこの問題の本質だと思っていて、法務省は恐らくその説明を極めて曖昧かつ不誠実にしてきたというふうに私は感じているんですね。  参考人に確認なんですけれども、つまり、今回のこの法案の提案というのは、今までの一般条項でいえば権利濫用には当たらないけれども、ただし、この三百四条新設に該当さえすれば、濫用的な行使だから拒絶できる、こういう、今までの一般条項の枠の外の新しい拒絶できるカテゴリー、これができるというような理解でいいんですね。
  46. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  そこは違うんです。といいますのは、論理的には、今回の三百四条の書かれている要件がありますよね、その外にいわば一般条項としての権利濫用というのがあるように見えると思うので、それはそのとおりですので、先ほどのような答えになるんですけれども、この文章を何で書いたかといいますと、濫用と見られるような事案があって、それに会社が対応するのに苦慮している、濫用かどうかわからないというのがあるものですから、そのために、動くような規定を書こうということで、普通の言い方で言うと、濫用に当たるか当たらないかがはっきりしなくて会社が苦慮する場合で株主提案権として認めなくていい場合を文章化しましょうという結果、文章にしたわけなんですね。  ですから、論理的には先生がおっしゃったとおりというか、すき間はあるんですけれども、例えばですけれども、濫用に当たらないけれどもこれに当たるから拒絶できるんですかと言われたら、論理的にはイエスなんですけれども、実際問題は、濫用に当たらないけれどもというのは、よくわからないわけです。  それから、逆もそうで、これに当たる場合、当たらない場合でも、濫用の場合は拒絶できますかといったら、民法の一般規定でイエスでしょうけれども、これに当たらない場合で濫用に当たりますということはわからないわけで、特にそれは、最後は裁判所が判断すると思うんですけれども、総会の時点でまず第一次的に判断しなければいけませんので、そういう制度設計の中で、いわば濫用に当たり得るか当たらないかというところを明らかにするという趣旨も含まれていますので、実はこの問題だけじゃないんですけれども、より具体的な文言で書くと、過失というのも、具体化しても同じ問題です。  ですから、一般的な概念とそれを具体的に法律の用語に落とすときの関係ということで、そこが非常に、私のあれもわかりにくい説明になっているかもしれませんけれども、そういう関係になるということでございます。
  47. 山尾志桜里

    ○山尾委員 済みません、私はちょっとわからなかったんですね。もう一回聞きます。  論理的な帰結としてお答えいただきたいと思います。  必ずしも民法の一般条項で見たときには権利濫用に当たらないけれども、この三百四条新設の二号、三号に当たる場合は拒絶できる余地がある、こういう法案だということでしょうか。論理的な帰結としてお答えください。
  48. 神田秀樹

    ○神田参考人 論理的にはそのとおりです。
  49. 山尾志桜里

    ○山尾委員 まずこれがすごく、きょうはっきりしてよかったなというふうに思います。  なぜここを気にしているかというと、やはり、私ずっと、なぜ一般条項でやれることで、しかも、すごく特殊な事例が数件あるとはいえ、一般条項で対処し得る状態になっているのにどうしてここまでこういう文言を入れるのかなというのがずっとわからなかったんです。  法務省の説明を聞くと、ただ濫用に当たるかどうかが判断が難しい場合やちゅうちょする場合に判断基準をいわば与えるというような意味だというふうに言う。それを聞くと、なるほど、じゃ、権利濫用の判断が難しいから、これが権利濫用に当たるか否かの判断要素をこの法文に入れ込んだのかなというふうに理解をしたわけです。  ただ、一方で、よく見ると、法務大臣の趣旨説明も、あるいは、きのうこの委員会で質疑したときの大臣や政務官の答弁も、濫用的行使と言うんですね。的なんです。きょう神田先生の資料を見てもやはり濫用的となっているので、恐らくこれは、だから、権利濫用に当たるカテゴリーの外枠に論理としては濫用的行使というものがこの新設条項によってつけ加わる、こういう論理になっているんだろうというふうに推測をして、きょう確認をしたかったので、確認ができてよかったなというふうに思います。  じゃ、済みません、もう一つお伺いをしたいんですけれども、そうだとすると、専ら、例えば取締役を困らせる目的だ、もうそれは私怨というか個人的な恨みがあったりということでそれは認定できる、専ら、どうやら役員を困らせる目的だ、だけれども、その内容自体は必ずしも不正ではないし、必ずしも会社の利益を不当に害するものではない、こういうものについては、この法文だけ見ると拒絶できると思うんですけれども、部会長としてはどうなるというお考えなんでしょうか。
  50. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  会社が拒絶することは、この条文が成立していればできます。ただ、もちろん拒絶しないこともできますので、変な話ですけれども。
  51. 山尾志桜里

    ○山尾委員 ありがとうございます。そこもはっきりしてよかったなと思います。  多分、今までの通説とかあるいは裁判例二例を見ても、基本的には、主観目的、その株主の意図、プラス、それの提案によって会社が利益を害するかというような客観面、この主観と客観の利益衡量で濫用に当たるかどうかを判断していくというのが通説であり、裁判例のおおよその流れだと思ったので、つまり、この法案が通ると、それとはまた別に、いわゆる会社としては、まず、主観面をもってこの二号、三号に当たれば、特に二号に当たれば拒絶はできるというものだということを部会長の口から確認できてよかったなと思います。ただ、私は、極めて深刻な問題がより浮かび上がったかなというふうに思っているわけなんですけれども。  最後に、もう一点だけ神田参考人にお伺いをします。  ちょっと、ずっと問題になっている、先ほど前川参考人からもお話があったんですけれども、やはり立法事実の問題で、私も、この議論を始めてから、法務省から出てくる資料というのは、最高裁の判例がないので高裁の平成二十四年判例そして平成二十七年裁判例、それぞれの裁判例が出てきたのが資料としては唯一です。プラス、口頭で出てくるのは、野村ホールディングスの事例で、会社の全てを和式にしろという提案だとか、あるいは取締役をクリスタルと呼べという提案だというようなかなり異質なもの、でも、ほとんどそれしか出てこないんですけれども、部会長としては、今回、この法案を議論するに当たって根拠となった立法事実、今の裁判例二つのほかにあるんでしょうか。あったらその内容を教えてください。
  52. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  これは先ほど前川先生から資料の御提供と御説明もあったと思うんですけれども、今の二つの例というのは非常に極端な例であると言っていいと思うんですけれども、さらに、七年、八年前の例なんですね。たしか、野村というお名前が挙がったので、の方は二十四年ですので、二〇一二年の株主総会であったんじゃないかと思います。ですから、ちょっと今冷めているというか、ここ一、二年、その二つの例みたいな例はないんですね。そこが若干議論しにくいということはございます。  それで、先ほど前川先生からの資料にあったと思うんですけれども、あの資料は会社が取り上げた一覧を載せている資料だと思いますので、実際、例えば、百提案があってそのうち二十を取り上げますとか、そういう実務をしているので、十五提案があって七つ取り上げたら七つ載っているということだと思うんですね。  ですから、そういう資料等はあって、それで、数の方は、例えば、そういうもので独占してはどうですかという話になりましたし、それから、先ほど先生から御指摘のあった、その目的というんですか、内容の方については、数だけでいけるなら数だけでもいいのではないかという御議論はあったと思うんですけれども、やはり中を見ると、先ほど例を挙げられましたが、私もきょう野村のだけは持ってきたんですけれども、ほかにも、まず、商号を野菜ホールディングスへ変更すべきだというのがありますし、ちょっと時間の関係であとは省略しますけれども、こういうものをどう見るかということで、ちょっと数の問題とは質が違いますねと。  あとは、先生おっしゃるように、もう濫用という一般論でいいんだというようなお考えも当然あり得るとは思うんですけれども、少しでもこういうものは何か規制していいのではないかという中で、苦慮して、文言も二転三転して今の文言になっているというところはあるんですけれども、内容、目的の方も設けられたという経緯があります。  それを立法事実があるというのかないのかというのは、先生の御判断かとは思います。
  53. 山尾志桜里

    ○山尾委員 ありがとうございます。  それでは、前川参考人にお伺いいたします。  今の神田参考人のお答えも踏まえていくと、やはり今回問題だなと改めて思うのは、いわゆる、会社側が推測するところの提案株主の主観面だけをもって拒絶ができ、そしてそれは必ずしも権利濫用に当たらなくても可能だというような答えだったので、若干驚いているんですけれども、前川参考人にお伺いをいたします。  こういう前提でいくと、例えば、次のような事例でも拒絶できてしまうんじゃないかと思ったものを三つ申し上げます。  例えば、一つは、いずれも困惑させる目的なんだけれども、役員の個別報酬の開示の提案とか、二つ目では、困惑させる目的で会社ぐるみの不正融資を指摘するとか、困惑させる目的で電気事業から原発事業を外すとか、こういうものも拒絶できるという論理的帰結になるのではないかなと思ったんですけれども、いかがでしょうか。
  54. 前川拓郎

    ○前川参考人 三つの例をいただきましたけれども、先ほどの神田先生のお話からすると、いずれも拒絶できるという論理的な帰結になるのではないかというふうに考えます。
  55. 山尾志桜里

    ○山尾委員 私もそう思うんですね。相当広がるというか、こういうものだとはちょっと、正直、ここまでは思っていなかったんですけれども。  もう一つ、前川参考人にお伺いをいたします。  三号のこともやはり問題点を指摘していただいておりましたけれども、ちょっと私、素朴な疑問として、会社が株主の共同の利益を盾に個別株主の根源的権利を拒絶するのがおかしいんじゃないかというふうに思っているんですけれども、ちょっと、うまくそれを法的な説得力ある言葉にまだ変換できていないので、そこをお願いできますでしょうか。
  56. 前川拓郎

    ○前川参考人 私が考えているのは、要するに、株主提案権というのは少数株主権なわけですよね。ですから、当然、多数派と利害が対立する場合というのはあり得る話です。ですから、そのようなときに、株主共同の利益というものが、その中身が全く不明な中で、このような条文を根拠に少数株主権を制限するというような形になる立法というのは、私は、よくないというか、やめておくべきだというふうに思います。
  57. 山尾志桜里

    ○山尾委員 そうしましたら、ちょっと今の関係で、やはりもう一回神田参考人にも聞いておいた方がいいと思ったんですけれども、御質問いたします。  今のような前提でいくと、先ほどの三例についても拒絶は可能なんだろう。ただ、それが裁判になったときに、裁判所の審理対象は何なのかということをお聞きしたいんです。  つまり、この新設三百四条二号に当たる、専ら会社を困惑させる目的であるということであれば、これは提案拒絶は適切だったという裁判になるのか、あるいは、裁判所としては、やはり民法の一般条項も踏まえた上で、会社の毀損される利益、不利益みたいなものも総合考慮して、権利濫用に当たるか否かを判断することになるのか、どちらになるんでしょうか。
  58. 神田秀樹

    ○神田参考人 二点申させていただければ、お許しいただければと思いますが、私が会社でしたら、先生が挙げられていた三つの例は困惑させる目的にはならないというふうに判断すると思います。  先生の御質問、二点目なんですが、裁判所は最終的にこの条文を解釈します。そのときに立法の趣旨も勘案して解釈しますので、そのいろいろなバランスとか利益というのは、例えば、先生の言葉で民法の権利濫用といったときに考慮するような諸要素も、この要件を満たされているかどうかを判定する上で裁判所は勘案すると思います。恐らく先生が裁判所であったら同じような解釈をすると思います。  ですから、あとは具体的な事情によるので、三つの例というのも、ただそれだけで常にイエス、常にノーと言えませんけれども、どちらかというと、先生がお挙げになった例というのは、それで困惑させる目的というのは言いにくいのではないかという印象を私は持ちます。
  59. 山尾志桜里

    ○山尾委員 私も、神田先生が会社だったら恐らくそういう判断をされるんじゃないかなと思うんですね、これで拒絶はしないと。  ただ、会社は神田先生ではないといいますか、やはり極めてさまざまな会社がありますし、場合によっては、適正な株主提案権の行使、社会的に見れば極めて真っ当な提案であっても、会社や特定の役員にとっては致命的な提案となり得る、そしてまた、今、株主提案権の行使によって、実際に賛成率も高まっているというようなところも統計でありまして、そういうときに、やはり審議の俎上にのせたくないというような強烈なインセンティブが働く事例というのは私はあり得るんだというふうに思って、極めて危惧をします。  今、二点目についてもありがとうございました。つまり、もし仮にこの改正が通ってしまった場合に、裁判所の審理対象というのは、権利濫用か否かではなくて、あくまでも、新設された場合の三百四条の条文解釈である、その立法趣旨などなど、さまざまな要素が入ってくるということでありました。  それで、私は松嶋参考人にもお伺いをしたいんですけれども、質問は、先ほど国光議員の御質問のときに、いわゆる内容規制の文言ぶりに関しては特段の反対はないというようなことがございました。ただ、その上で、今、濫用的な事案まで相当広範に拒絶できる範囲に含まれるということが、ちょっとこの委員会でも初めて明らかになったんですね。もしかしたら部会なんかではそういう前提に立っていたのかもしれないですけれども、この委員会ではそういう前提に、多分、少なくとも共有された事項ではなくて、恐らく多くの専門家も、そう認識していろいろ判断している人もまだ少ないんじゃないかなというふうに思うんです。  そういう今の一連のやりとりを踏まえ、そして、先生がおっしゃっている、参考人がおっしゃっている、私がすごく大事だと思うのは、やはり立法事実なんですね。言っていただいた、巷間紹介されている事例というのは、よくよく見ると、いずれもごく一部の特定の者による行使事例である、特殊な事情がある、このようなごくごく一部の者による特殊な事例を根拠に、株主の重要な権利である株主提案権の行使が限定されるというのは立法事実として極めて不十分ではないかと考えていると。  この趣旨は、やはり内容規制の新設に当たっても当たるというふうに理解していいんでしょうか。
  60. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 御質問ありがとうございます。  まさにそのとおりだと思います。  また、若干敷衍させておきますと、ちょっと山尾議員と神田教授のやりとりを聞いていて思ったのですが、この内容規制に関してですけれども、二つの観点がありまして、一つは、神田教授が言われていたのは、多分、濫用というのは非常に不明確なので、それを例示化したものである、こういう理解なんですけれども、それに対して山尾先生が言われているのは、濫用外のものを広げているのではないか。これは例えば、民法の強迫の要件を下げて、消費者契約法等々で困惑というような形でハードルを下げたのではないかということで、そこは一見かみ合わないんですけれども、ハードルを下げるものができますと、実は、その両者の境というものが曖昧なものですので、実際上、ハードルは下がってくるというところはあるのではないかと思います。  それは、どうしてそういうことを今考えたかと申しますと、山尾先生、あと神田先生も、山尾議員が指摘された理由は拒絶事由に当たらないというふうにおっしゃいまして、私もそのように思うんですけれども、条文の文言上だけを見ると、前川参考人のように、当たるのではないかなと思ったものですから、ちょっとそこは奇異に思いました。  以上でございます。
  61. 山尾志桜里

    ○山尾委員 大変参考になりました。ありがとうございました。
  62. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、藤野保史さん。
  63. 藤野保史

    ○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。  参考人の皆さん、きょうは本当にありがとうございます。  まず初めに全員の参考人にお伺いしたいんですが、ちょっと重なるんですけれども、電力会社に対する例えば脱原発の株主提案運動という、運動といいますか、そういう提案権の行使がございます。私は、これは、みずからの主張だけでなく他の株主にも働きかけてコミュニケーションをとって、ひいては会社との信頼関係を醸成していくという点で、まさに会社法が期待する活動だというふうに思っておりますが、今回の法案で、こうした提案も濫用とされるおそれがあると思うか、その場合、何号が問題になってくるのか、これをちょっと教えていただきたいと思います。
  64. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  今回の内容というか目的の方の条文では、今先生御指摘のような提案が問題になる余地はまずないと思います。
  65. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 私も、神田教授と同じように思っております。  なお、一言申し述べますと、運動型の株主提案権の行使が、それ自体、違法だとか不当なものだとは考えておりません。ということを一言申し述べたいと思います。
  66. 前川拓郎

    ○前川参考人 純理論的な話とそれから実際の話というのが今混同してなされているような気がしております。純理論的な話でいきますと、それは、二号の、専らどうのというような話になり得ますし、三号にもなり得るんだと思いますが、ただ、実際には現実問題として見たらそのような判断はなされないし、そのような提案をされているわけではないというふうに理解しております。
  67. 藤野保史

    ○藤野委員 この問題との関係でなんですけれども、前川参考人にお伺いしたいんですが、仮に株主提案が拒絶された場合に、どういう救済手段があるというふうにお考えでしょうか。
  68. 前川拓郎

    ○前川参考人 従前、少し話に出ておりますけれども、仮の地位を定める仮処分というのがございまして、事前の手段として見たらそれがあります。事後的には損害賠償請求というのがあるかと思います。あと、株主総会決議取消しの訴えというのもあり得るんでしょうけれども、なかなか、対象が何なのかというような話で、非常に難しい問題が残るというふうに考えています。
  69. 藤野保史

    ○藤野委員 これも三人の参考人にお伺いしたいんですけれども、今関西電力の関係で、原発マネーと言われるものが還流したのではないかというケースが起きておりまして、関電だけでなく、日産のカルロス・ゴーン元会長の問題もありますし、東芝の不正経理の問題もありまして、結局これは、経営陣が不正に関与していた、あるいは、監査役がこれを見抜けなかった、あるいは、監査役は、見抜いていたというか知っていたのに、その事実を取締役会には伝えなかったという事案まで実際に起きているわけですね。つまり、会社ぐるみといいますか、コンプライアンス部門ぐるみで不正が行われているという事例がふえている。私は、立法事実というんなら、もうこっちの方が立法事実がふえてきているというふうに思うんですけれども。  本来そういうコンプライアンスのところでフィルターがかかるようなものがかからないで会社に甚大な損害を与えるというケースでありまして、ですから、こういう時代といいますか、こういうことがふえてきている今こそ私は株主の役割が大事になっているんじゃないかと思うのですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
  70. 神田秀樹

    ○神田参考人 私は先生の御意見に基本的に賛成なんですけれども、企業の不正というんでしょうか、ふえているとすると、まことに遺憾といいますか、私どもはそれをやはり直していかなければいけないと思うんですね。  ただ、そのときは、やはり一つのものに頼るのは必ずしも十分でないので、経験を踏まえながら、株主にも役割はあるともちろん思います、それから、ほかのメカニズムも必要になると思いますので、やはり複合的にそれに対応していく必要があるというふうに一般的には考えています。ただ、株主の役割も重要だというのは、そのとおりだと思います。
  71. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 私の意見を申し述べます。  先生御指摘の問題は、なかなか解決が難しい問題なのですが、私の基本的なスタンスだけ申しますと、基本的には、法化社会と申しますか、裁判というものは一つのツールですので、なるべく裁判の方に、やるやらないは別にして、なるということを前提にして、それを覚悟した上で日常の経営なり総会運営なんかもすべきだと思っております。  そういう意味で、何かのときに裁判に持ち込めるようなためには原告になる方が必要ですので、そういう意味で、そのためのツールと言っては失礼ですけれども、そのために株主にこういう会社の事項について争う手段を与えるというのは、非常に有用なツール、これが全てとは申しませんが、その一つではないかと考えております。
  72. 前川拓郎

    ○前川参考人 私がやっている株主の権利弁護団という弁護団では、そのような会社ぐるみの社会的な事件のみを対象に弁護団活動をしているわけなんですけれども、その立場から申しますと、やはり会社ぐるみでやっているときには、株主というのが最も重要な、それを追及する人、登場人物ということになるんだというふうに思っております。  もちろん、他の、例えば社外取締役であったりとかというような方に期待するというのもあると思うんですけれども、現実問題として、社外取締役がこのような会社ぐるみの不祥事に対してそれを抑止する効果を発揮したという事例を私は知りません。これはやはり、社外取締役が会社のマネジメントの側から選ばれるというようなことがあるんだというふうに思っておりますけれども。  ですから、やはり株主というのは、最も重要な、会社ぐるみの不正の防止の手段であるというふうに考えております。
  73. 藤野保史

    ○藤野委員 先ほど立法事実の御指摘がありまして、続いて前川参考人にお聞きしたいんですが、立法事実がないのになぜ今回こういう法案が出てきたのか、先生はどのようにお考えでしょうか。
  74. 前川拓郎

    ○前川参考人 先ほど、神田先生のお話でも、立法事実と呼べるものは出てこなかったというふうに理解しています。しかも、七年か八年前ぐらいの事案が一件、それから、先ほど裁判例で話になっている事案が一件、この二件だけが問題となっており、正直に言いますと、なぜこのようなものがなされているかというところについて、これは臆測で申し上げるしかないんですけれども、やはり、一つは、何か以前の話というのが何となくくすぶっていて、ようやく何年もたってから出てきたというふうに考える考え方が一つ。それから、あとは、全く別の意図を有しているのではないかというところがもう一つございます。ただ、これは私の推測ですので、これ以上申し上げることはできません。  以上でございます。
  75. 藤野保史

    ○藤野委員 これは三人の方にお聞きしたいと思うんですけれども、株主提案権を制限するというのは、私は、もともとの趣旨である、株主総会の活性化を図るという趣旨でやられたと思うんですけれども、それが逆方向になっていく。  実は、先日の委員会で紹介したんですけれども、一九八一年の国会で、竹内昭夫東大教授がこういう指摘をされているんです。  株主総会に出ていきましたところで旅費をくれるわけでもなし、日当をくれるわけでもない、そして株主が自分の議決権に物を言わせようといたしましてもその力は限られておるということであれば、やはり総会に出ていっていろいろ発言なんかをするよりも、そんな暇があったら自分の仕事をしようということになるのもこれはやむを得ないことか、かように考えるわけでございます。しかし、我が国では、それが今申しましたような必然的な傾向として避けられないよりもはるかに空洞化がいわば進んでいると。  だから、株主総会に行っても旅費も日当も出ないというのは、日本だけでなく世界的にもそうなんですけれども、日本の場合は、やはりそれが当たり前のこと以上に、必然的な傾向として避けられないよりもはるかに空洞化が進んでいる、だから株主提案権などを設けたんだというふうに竹内先生が参考人として一九八一年におっしゃっておられます。  その後に、私、大事だなと思いましたのは、そうやって株主が活性化していく、株主総会が活性化していくことが、我が国における経済社会というものを支えております企業のいわば姿勢を健全にし、国民、投資家大衆との間のコミュニケーションを太くする、国民の側から企業に対する不信の念を拭い去っていく一つの手段ではないか、このように考えまして、株主提案権とか説明義務とか、それから議長の権限も強化いたしました、こういうような御発言をされておりまして、なるほどなというふうに私思ったんです。  企業の健全な発展と、企業に対する国民の不信などを拭っていくそのツールとして株主提案権があるという指摘なんですけれども、私、やはり、企業が健全に発展していく上でもこれは大事な権利ではないかと思うんですが、その点の認識は、お三方はいかがでしょうか。
  76. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  私も先生と全く同意見でございまして、当時、竹内先生は私の先生で、また竹内先生のもとで助手を務めたんですけれども、昭和五十六年改正前は株主提案権すらなかったんですね、日本には。当時は、それを導入しようということで、大変な議論をして、導入されて非常によかったと思います。  今回、立法事実があるとかないとかいう御議論、おありかと思いますけれども、私は、前川先生がおっしゃる趣旨にはほとんど同じような意見である点が多いんですけれども、立法事実がないと言われますと、ううん、そうだったらこういう提案はしていないので。それは、例えばですけれども、今の先生の御趣旨からいうと、じゃ、ある会社の商号を野菜ホールディングス株式会社という商号に変えましょう、こういう提案をみんなで議論することが株主総会の活性化、あるいは当時の、昭和五十六年改正で得た株主提案権制度の趣旨なんですかという話に結局なると思うんですね。  それから、数の方でいいますと、一人で百個提案、まあ百個でなくてもいいんですけれども、今回の法案との関係でいえば、十五個提案をして、その人が株主総会全体の時間の中の一定程度の時間をとるし、会社も準備しなければいけないというのが会社の費用で行われるというものをどう考えるかということで、会社は拒絶すればいいじゃないですかという御指摘が先ほどもあって、それは今でも拒絶する会社はあります。今でも提案権を受けない会社はありますので、先ほどのように裁判になったりするケースはほかにあるんですけれども。そういうことだと思うんですね。  ですから、提案権の重要性というのは私は先生と全く同じ意見であり、昭和五十六年改正でこの制度が導入され現在も使われているということは、非常に前向きに、そういう意味では評価したいと思っております。
  77. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 私の意見を述べさせていただきます。  私は、どちらかというと、今回、提案権の点に限ってですが、立法事実は乏しいのではないかと思っております。先ほども述べましたとおり、非常に特殊な方であります。  こういうような大量請求というのは、実は株主提案権に限った問題ではありません。例えば、今回のテーマではありませんけれども、自治体等に対する情報公開請求でも、一人で二百件、三百件と出してくる方もおりますし、弁護士会に対する懲戒請求でも大量に出してくる方がおりまして、ただ、だからといって、情報公開について、憲法二十一条を根拠にするものですので、それを濫用だから制約しなきゃという議論はありません。私も自治体情報公開委員をやっておりますけれども、そういう議論はありません。それと同じではないかと思っております。  それと関連いたしまして、いろいろな方が来るのが株主総会ですから、やはり特殊な人はいるわけでして、そういう特殊な人は特殊な人だとして取り扱って、粛々と対応すればいいのではないかと思います。  その上で、粛々と対応という中で、仲よしクラブではありませんので、後で裁判というものを踏まえた上でのコミュニケーション、ある意味、緊張関係にあるコミュニケーションが実現できるのが株主総会の場ではないかと考えております。  以上です。
  78. 前川拓郎

    ○前川参考人 神田先生がおっしゃられた野菜ホールディングスの事案とかというのは、あれは明らかな濫用事案だというふうに私も考えております。  ただ、昭和五十六年に株主提案権の制度を導入して四十年近くになろうとしているんですけれども、そのような中で、一件というのか二件というのか、このような株主提案の濫用的な事案が出たからといって、これをやはり規制していくということに本当になるんだろうかということは、ぜひとも皆さんによくよく考えていただきたいなというふうに思っております。  先ほど松嶋先生の方から出た、特殊な人がそういうことをやる、それを、僕は株主提案権というのは会社の民主化みたいなものだというふうに思っているので、民主主義の中ではいろいろな意見というのが出てきます、それに一つ一つ誠実に向き合っていく、濫用的なものを除いてですけれども、向き合っていくというのが実は民主主義の支払うべきコストなのではないかなというふうに思っておりまして。  会社も同じように、株主提案権、中には、もしかしたらその二事例以外にもちょっとどうかなと思うような提案はあるのかもしれません、ただ、それについても、株式会社民主化というところの点から支払うべきコストだというふうに、本当にごくわずかなものだというふうに思いますので、それをきちんと対応していくというようなことになるのではないかというふうに考えております。
  79. 藤野保史

    ○藤野委員 ありがとうございます。  次に、ちょっと、取締役の報酬と会社補償制度についてお聞きしたいと思うんです。  今回、ストックオプションなどの業績連動型報酬の要件がいわば緩和といいますか、広がる、使いやすくなる、会社補償制度というものを創設されるということでありまして、いわば会社の調子がいいときは業績連動で取締役が報酬を得られる。会社が調子が悪くなったといいますか、損害が発生した場合は、今度は会社の補償で助けてもらえるということになるわけで。  ちょっとお聞きしたいのは、取締役を、こうやって、ある意味、報酬面とあるいは損害面でサポートというか優遇することによって会社が発展するんだという合理性というか、その理由というのは何だというふうにお考えなんでしょうか。
  80. 神田秀樹

    ○神田参考人 御質問、どうもありがとうございます。  一般的にはちょっと難しい御質問かと思います。といいますのは、会社が発展する要素というのは一つでは決してなくて、複合的な原因がある。  ただ、御質問の点についてちょっとコメントさせていただくことをお許しいただきたいんですけれども、業績連動報酬というのは、業績が上がったら得するので、もちろんそうなんですけれども、下がったらやはり損しないと一方向になりますよね。ですから、最近、株式報酬ですとか一円ストックオプションというのがそういうものでして、つまり、株式が今千円、株価が千円であれば、一生懸命働いて業績が上がれば千五百円になりますけれども、業績が悪くなれば五百円になりますので、千円のものが五百円になるというので、両方向に働くインセンティブ報酬というのが最近の考え方です。  他方、会社補償なんですけれども、これは別に、業績が上がってたくさんもらうとか、業績が悪くなったときに返してもらうという性質のものではなくて、通常かかった費用だけですとか、そういう限定されたものを限定された手続の中で、会社に、何というか、自分が立てかえ払いしたと言えばやや表現が悪いかと思うんですけれども、会社が支出するという性質のものであります。
  81. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 神田教授の方からほぼ話されてしまったような感じもするのですが、せっかくストックオプションと会社補償について先生の方から問題提起をいただいたのでコメントをさせていただきたいと思います。  私も、取締役が、役割というのは経営判断、リスクをとることですので、それが会社を発展させることもあるというふうに認識しております。  ただ、ストックオプションの問題とあと会社補償の問題については基本的には反対ではありませんが、ストックオプションの問題、ゼロ円出資の場合については、むしろ労務出資問題について正面から受けとめる時期が来ているのかなというふうにも思っております。  他方、会社補償についても、反対ではありませんが、費用について、独禁法の話が事例として出ましたけれども、課徴金等々は、課徴金と大体リーニエンシーというのはワンセットでついてくるわけで、それについての弁護士報酬、タイムチャージということになりますから相当な額になるので、実際上その後始末というのは大変で、これだけの条文で大丈夫かなという疑問は持っております。  以上でございます。
  82. 前川拓郎

    ○前川参考人 ストックオプションの点については、それはやる気を持って会社の経営をやっていくというような話で、やる気になるんでしょうけれども、補償契約に関して言うと、この範囲についてきちんと気をつけて議論をしていただきたいなというふうに考えております。  特に、とりわけ防御費用に関しては、悪意、重過失がある場合でもその点については出るということになっておりますので、その点について十分御議論いただきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  83. 藤野保史

    ○藤野委員 本日は大変ありがとうございました。  質問を終わります。
  84. 松島みどり

    松島委員長 次に、串田誠一さん。
  85. 串田誠一

    ○串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。  株主提案権について、きのうもちょっとずっと聞いておりましたが、きょうもその件についてお聞きをしたいんですが、その前に、今までの質疑を聞いていて、山尾委員からの非常に鋭い質問もあったんですが、ちょっと神田先生とのやりとりをもう一度確認させていただきたいんですけれども。  神田先生は、権利の濫用という大きな枠の、丸の中に今回の三百四条が中に入っているかのような説明であったと私は思っているんですね。ですから、三百四条以外の部分で権利の濫用があることもあるというような話だったのかなと思うんです。そうなると、三百四条が該当したときには、権利の濫用も論理的には重なっているんじゃないか。  ただ、先生がおっしゃられるのは、立証の容易性という点では難しいから三百四条にこうやって明記したんだ、そういう趣旨だと思っているんですけれども、神田先生は、先ほどの回答では、論理的には合致しないんだというような話になってしまって、なので、権利の濫用に該当しなくても三百四条で該当するというような話が続いてしまって、先ほどの三つの項目も何かちぐはぐな感じになっているように印象を受けるんですが、まずちょっとそこを確認させてください。
  86. 神田秀樹

    ○神田参考人 御質問ありがとうございます。  私も先生のように言うこともできるというか、先ほど、非常に鋭い御質問は文言としての御質問ですので、文言としては権利濫用に該当するということが言えなくても、つまり、先生の言葉ですと当たらなくても、三百四条の文言に当たればもちろん拒否することができるので、そういうことになるということなんですね。  でも、じゃ、何で三百四条のような文言を書いたんですかというと、それは、濫用的、すなわち濫用だと断定はできないけれども、裁判所は濫用である場合もありますと抽象論としては言っているんですけれども、濫用的というのはそういう意味だと私は理解していて、その濫用である可能性が高いというか、でも、確実に自信を持って、神様ではありませんので、濫用だとは言えない、そういう場合を具体化しようと。具体化しないとどうなるかというと、今までどおりですので、濫用かどうかというところの勝負になるんですね。  ですから、そこのところが、昨日もそうかと思いますけれども、きょうも非常に先生方の御関心で、何か今回制限できる場合を広げちゃっているのではないかというのは恐らく御懸念だと。私もその懸念は持っています。  ですけれども、法制審で議論して今回こういう条文に落ちついたときに、何か今まで拒絶できなかったものを拒絶できるようにしましょうなんて議論はほとんどなかったと思います。濫用的と呼ばれている、それが実際にどのぐらいあるんですかという鋭い御質問は何度も、これは法制審の場でもありましたけれども、それをより具体化した方がいいでしょうと。  もう一言だけ申し上げさせていただければ、考えようによっては、もし何か書くと余計広がるとかそういう御懸念があるんだと、法律というのは具体的な規定がない方がいいんですよね。全て権利濫用だけあれば世の中は動くので、何か余計なことを細かく書いたら、何か今の、論理的に言えば濫用と言えない場合でもそれに当たったら規制されるでしょうということになるので。  これは昔からありまして、大変有名な本で、英語の本なんですけれども、シンプル・ルールズ・フォー・ア・コンプレックス・ワールドという本がありまして、アメリカのある有名な研究者が書いたものなんですけれども、世の中が複雑になるほどルールはシンプルな方がいい。今の言葉で言うと、世の中は複雑なので全部ルールに書き切れませんので、濫用はだめよ、そういう非常に抽象的なものが、昔の言葉で言うと五カ条の御誓文、そういう簡単なものの方が世の中にとってはプラスであるという議論はあるんですね。  ここが非常に難しいところでして、裁判所とか社会全体からの、法制度を維持運営していく、何というんですかね、コストという表現はよくないかもしれませんけれども、観点から見ますと、やはり個別具体的に書かれていた方が人々の行動基準にもなりますし、その背後にやはり一般条項が必要だねというバランスででき上がっているんですね。  今回、幾つかの事案を参考にしながら、株主提案権についても、一般条項だけで今まではやってきた世界なんですけれども、個別のをつけ加えることによってやっていきましょうというのが今回の提案なんです。  その点について賛否両論あるようなんですけれども、私がきょう伺う限りは、反対論は立法事実がないという御議論なのかもしれませんけれども、むしろ、今回、具体的なこの文言の立法がされるとやはり株主提案権は制限されるのではないかというので、しかも、濫用的ということがちょっとあるんですけれども、濫用的でない場合まで制限されるのではないかという御懸念をお持ちじゃないかと思うんですけれども、条文を書いたというか、少なくとも法制審の部会では、そういう懸念を持ってこういう具体的な議論は全くされていませんので、そういう懸念はこの条文が法文化されても私は発生しない。  全く発生しないかと言われたら、それは条文解釈するのも人間ですからあれかもしれませんけれども、抽象規定一本でいくのがいいのか組合せがいいのかということになると、これはケース・バイ・ケースかもしれませんけれども、事今回の株主提案権に関する限りは、この条文で何か制限が生じるというか制約が生じるというのは、そういう御意見があることはきょうよくわかりましたけれども、私は、部会での議論を通じても、まずそういう心配はしていなかったというのが私の感想ではあります。  長くなって恐縮です。
  87. 串田誠一

    ○串田委員 実は、すっきりするのかなと思ったんですが、教授、今の話を聞いて、余計わからなくなってしまったんですよ。  というのは、権利の濫用事例があるのかどうかという立法事実があって、それが、具体的な事例が、この事例はこうですよ、こうですよと、いろいろあるとします。ただ、それの大前提として、権利の濫用があると抽象的に言うとしますよね、だから、権利の濫用があることに対して規制をするという趣旨なのかなと思ったら、権利の濫用的なのも入ってしまう。的というのは権利の濫用じゃないんですよ。そうだとすると、権利の濫用よりも外側の部分も入るんじゃないかという懸念を、私は今、権利の濫用的という言葉を聞いて、なおさら感じてしまったんですね。  ですから、時間の関係もありますのでそこら辺はもうちょっとこれから議論をしたいと思うんですが、何か権利の濫用を、そのままだと非常に実務で使いにくいから具体的にするんだという、中に絞り込むのならわかるんですが、外に出してしまったらば、これは立法事実と反してしまうわけですよ。そこら辺は明確にして、権利の濫用的というのは逆に非常にわかりづらくなってしまったんですが、それはちょっとまた今後のあれにさせていただくとして。  前川参考人の資料の中に困惑ということが入っています。昨日もずっとこれにこだわっていたんですけれども、濫用というのは、辞書で引きますと、みだりに用いるとか権利を本来の目的以外に使うというような言葉が入っていて、主観的なんですね。そして、この三百四条も、人の名誉を侵害する、人を侮辱する、主観的な行為に対しての判断なんですよ。ところが、困惑というのは受動的な、客体がどう思うかなんですね。これはかなり違うんですよ。  そこでずっと私は聞いているわけで、困惑するかしないかというのは相手がどう思うかなのであって、自分の不正を追及されたら困惑するわけですよ。だから、株主提案権でその不正を追及するということに対して、相手が困惑したからできないですよという話になったら、できなくなっちゃうわけですよね。だから、客観的な、主体を中心にした文言が続きながら、いきなりここに客体が入っているということに対して、今はいいですよ、ただ、この法案ができたときに、実務が、取締役、困惑していますよというようなことで、これは議長が、それはだめですよという話になることもあり得るわけです。  だから、権利の濫用を規制するのは大事だけれども、権利の濫用を規制したことで、その規制が濫用になってはいけないわけでしょう。ですから、文言はしっかりと解釈ができるようにしなければいけないというふうに思っているんですね。それできのうからずっと聞いているんですが。  この参考資料の中で、前川参考人が、試案第二というところで、最初は「株主が専ら人を困惑させる」というふうに書いてあって、「人」と入っていて、この「人」の中には自然人及び法人その他の団体が含まれると考えられると書いてあるんです。  きのう、ずっとこの点について聞いていて、名誉毀損とか侮辱のこの「人」というのはどういうことなんですかと。人というのは自然人と法人とどちらも入るわけですから、ここに自然人と書いていない以上は法人も考えられるわけですよね。そうすると、政府は、これは自然人なんだと答えられる。困惑というところにあえて人というのが入っていないというのが大変私は気になっていたわけです。  この試案でも「人を困惑させる」という文言が入っているけれども、今回の法案はこの「人」が省かれているわけですよ。という意味で、前川参考人としては、この省かれたことに対してどういうふうに感想をお持ちでしょうか。
  88. 前川拓郎

    ○前川参考人 これは条文の読み方の問題であるというふうに考えるので、神田先生のお話を聞くべきかというふうに思いますが、「人の名誉を侵害し、人を侮辱し、若しくは困惑させ、」の、人を困惑させというふうに読むのが正しい読み方ではないかと思うんですけれども、ちょっと、そこは条文の読み方の問題ですので、神田先生の方に聞かれたらいかがかと思います。
  89. 串田誠一

    ○串田委員 御指摘がありましたのでお聞きしたいんですが、というのは、今、もしそうだとするなら、名誉侵害には人がつき、侮辱もあえて人がついているのに、困惑だけは外されているというのは、何か趣旨があるんでしょうか。
  90. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  これは、趣旨というか意味は、人を困惑させという意味で、犬や猫は含まれないと思います。
  91. 串田誠一

    ○串田委員 そうすると、確認させていただきたいんですが、名誉を侵害するのも、会社への名誉というのはありますよね。ですけれども、ここは、政府見解だと自然人とお答えになったんです。侮辱も自然人とお答えになった。そうすると、法人に対しての名誉、法人に対する侮辱は入らない。そして、困惑も、人で、これは自然人と言われて、ただ、ここの前川参考人の資料には、法人も含まれると解されると書いてあるわけですよ。  そうすると、人を困惑させるというこの「人」は自然人に限られるという理解でよろしいですか。神田参考人にお聞きしたいと思います。
  92. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  条文の文言上は両方の解釈があり得ると思います。すなわち、人イコール自然人とは条文上は特定されていませんので、そこは趣旨から解釈がされるということになると思います。
  93. 串田誠一

    ○串田委員 そこを何度もきのう確認したんですけれども、政府参考人は、これは自然人とずっと言い続けていたんです。そうすると、政府参考人の回答は間違っていたという御理解でよろしいんでしょうか。そうなると、ここの参考資料の中にもありますけれども、会社を困惑させるというのも入ってしまう。  なぜ株主に議案提案権があるかといえば、取締役の不正だとかを追及するためにあるわけですよ。それに対して追及したら、会社は困惑すると思うんですよ。そうしたら、これはできなくなっちゃう、そういう理解でよろしいんでしょうか。神田参考人にお聞きしたいと思うんですけれども。
  94. 神田秀樹

    ○神田参考人 ここの解釈なんですけれども、ここの解釈の人というのは、私も自然人だというふうに解釈されるのが普通だと思っております。  もしそうであれば、なぜ自然人と書かないのかということだと思うんですけれども、私もちょっと法制的な、技術的なことはよくわからないんですけれども、こういうときに、自然人と書くとか、人(法人を除く)と書くかという問題ですよね。そこはちょっと専門の法制局の方にお聞きいただきたいと思いますけれども。  結局、ですから、そこは解釈なんですけれども、今回、立法するに当たって、どういう事案を想定して、それが濫用的なのか、濫用の場合なのかという御議論はあり得るところかと思いますけれども、侮辱したり困惑させという場合の、どういう場面かというと、法人を、おっしゃるようにというか、侮辱したり困惑させというのは余り議論でも出てきていないんですね、少なくとも私の法制審の議論の経験では。  ですから、これをこういう文章にしたときには、ここの「人」というのは、絶対に例外がないかと言われると、この文言ですと、私は例外の余地は否定できないと思うんですけれども、通常は、自然人を侮辱し、あるいは困惑させというふうに解するのが普通だと思いますし、恐らく普通の人が考えたら、先生方はどうお考えになるか、ぎりぎりの論理的な議論を今しているのかもしれませんけれども、普通はそういうふうになるというふうに私は思っております。
  95. 串田誠一

    ○串田委員 そうなると、前川参考人のこれは普通じゃなかったということになるのかなとは思うんですけれども。  松嶋参考人は書きぶりに問題がないとおっしゃられたんですが、今のこの議論をしていて、この文言の書き方、書きぶりに問題はないですか。
  96. 松嶋隆弘

    ○松嶋参考人 では、回答させていただきます。  私は、何か、法人も含まれるんじゃないかなと思ってしまったので、あれと思ったわけなんですけれども。  書きぶりの話への御質問をいただいたので、関連して申しますと、神田参考人の意見は、濫用規制を具体化したものだというふうな、こういう御趣旨なんじゃないかと理解しますけれども、私の個人的な意見は、具体化するのであれば、例えば賃貸借の一般条項が信頼関係破壊という形で具体化していったように、むしろ、個々の事実は裁判上の立証命題になるわけですから、判例法の中で具体化していく方がより自然なのではないかな。そういう意味では、こういう形で立案するというのは不自然さを免れないのかなとは感じております。  以上でございます。
  97. 串田誠一

    ○串田委員 どっちが普通かというのは難しいと思うんですよ。人というのは、自然人、法人と、これは民法の教科書を見れば出てくるわけですし、どちらも解釈ができるわけで、株主提案権が行使できるかどうかという非常に重要な中でこの解釈がいろいろと多岐に分かれるということ自体、極めて、提案として、条文として、私は問題があるのかなと。これをいろいろな裁判を蓄積させて答えを出していくという、またそんな苦労をさせる必要があるのかなというような気が私はしているんです。  そういう意味で、明確にしていかなければならないとは思っているんですけれども、特に、困惑というのが、きのうの政府参考人にも質問させていただいたんですが、困惑というのは、一般的な感覚で困惑という判断をしていくということでいいのか、それとも当該、例えば会社、例えば取締役が困惑をする、しかし、一般的には困惑をしない場合にはこれに該当しないのか。それもここにははっきりしないんですけれども、部会ではどんなようなここの話になったのか、ちょっと神田参考人にお聞きしたいと思います。
  98. 神田秀樹

    ○神田参考人 ありがとうございます。  今先生御指摘の点について、具体的に、一般の基準なのか、それともその会社の基準なのかという議論が部会でされたとは、私は直ちに思い出せないんですけれども、ただ、会社法、ほかにもそういう部分、たくさんありますよね。例えば説明義務というのがあって、説明をするというのは、その人にわかるように説明するのか、その人は理解できなくても一般の株主だったら例えば理解できるのか、そういう問いは随所にあるんですね。  ですから、この場合も、具体的な株主提案が問題になっているので、株主提案自体は具体的な話ですよね。その株主提案が、困惑させるかどうかという判断のときに、その困惑させるかどうかを判断する基準というのは、主観的な、今先生の言う、させられる側の問いなんでしょうかね、人の、自然人であれ、法人を含むとすれば法人であれ、主観的な、その人が困惑するで決めるんですか、あるいは一般的にどうですかという御質問だと思いますので、それは会社法のほかの場合とのバランスも見て解釈されることになると思うんですけれども。  この場合は困惑させる方ですのでね。ですから、する側の方で、困惑したという側ではないので、させるという行為を問題にしていますので、その前の文言が、まさに御指摘の「侮辱し、」と同じですけれども、侮辱し、あるいは困惑させるですので、そういう意味では、私はどちらかというと客観的な基準の解釈をとりたいと個人的には思いますけれども、部会でその点について細かな議論があったというふうには、私はちょっと、なかったというふうに思います。
  99. 串田誠一

    ○串田委員 今のようなやりとりをして何とかわかるのかな、わからないのかなというようなこともありまして、要は、法律ができたら実務に投げ出されていくわけで、そうなると、困惑ということをしちゃだめだよと文言に書いてあったら、今やっているのは困惑させているじゃないかという話になってしまうんですね。  ですから、逆に言うと、今の部会のお話からすると、権利の濫用というのが非常に漠然としているから文言ではっきりとさせていくという趣旨ということはわかるんですが、これを入れてしまったがために、人なのか法人なのかもわからなければ、困惑というのが誰を基準にしているのかもわからなくなるという意味で、逆に非常に漠然としたものになってしまっているんじゃないかなというちょっと不安を感じつつ、質疑は終わりにしたいと思います。  参考人の皆さん、どうもありがとうございました。
  100. 松島みどり

    ○松島委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人の皆さんに一言御礼を申し上げます。  参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十二分散会