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2019-11-06 第200回国会 衆議院 法務委員会 5号 公式Web版

  1. 令和元年十一月六日(水曜日)     午前九時三十分開議  出席委員    委員長 松島みどり君    理事 伊藤 忠彦君 理事 越智 隆雄君    理事 鬼木  誠君 理事 田所 嘉徳君    理事 葉梨 康弘君 理事 稲富 修二君    理事 山尾志桜里君 理事 浜地 雅一君       井野 俊郎君    奥野 信亮君       門山 宏哲君    神谷  昇君       神田  裕君    黄川田仁志君       国光あやの君    出畑  実君       中曽根康隆君    藤井比早之君       宮崎 政久君    宮路 拓馬君       山下 貴司君    吉川  赳君       和田 義明君    逢坂 誠二君       落合 貴之君    高木錬太郎君       松田  功君    松平 浩一君       山川百合子君    山本和嘉子君       藤野 保史君    串田 誠一君     …………………………………    法務大臣         森 まさこ君    法務副大臣        義家 弘介君    法務大臣政務官      宮崎 政久君    政府参考人    (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       西山 卓爾君    政府参考人    (法務省大臣官房審議官) 山内 由光君    政府参考人    (法務省大臣官房司法法制部長)          金子  修君    政府参考人    (法務省民事局長)    小出 邦夫君    政府参考人    (法務省刑事局長)    小山 太士君    政府参考人    (法務省矯正局長)    名執 雅子君    法務委員会専門員     藤井 宏治君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月六日  辞任         補欠選任   小林 茂樹君     神谷  昇君   古川  康君     宮路 拓馬君   日吉 雄太君     山本和嘉子君 同日  辞任         補欠選任   神谷  昇君     小林 茂樹君   宮路 拓馬君     古川  康君   山本和嘉子君     日吉 雄太君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件      ――――◇―――――
  2. 松島みどり

    ○松島委員長 これより会議を開きます。  裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  各件調査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房政策立案総括審議官西山卓爾さん、法務省大臣官房審議官山内由光さん、法務省大臣官房司法法制部長金子修さん、法務省民事局長小出邦夫さん、法務省刑事局長小山太士さん及び法務省矯正局長名執雅子さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松島みどり

    ○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 松島みどり

    ○松島委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊藤忠彦さん。
  5. 伊藤忠彦

    ○伊藤(忠)委員 おはようございます。自由民主党の伊藤忠彦です。  それでは、早速、森大臣に、所信についての御質疑を進めさせていただきます。  大変厳しい事態の中で、このたび、森さんが法務大臣をお務めになられることになったわけでございますけれども、ぜひとも、まず、森さんのこの法務行政に向けてのことについて少し伺ってまいりたいと思います。  森さんの人生の経歴を拝見いたしますと、大学卒業後に弁護士資格を努力して取られまして、そして弁護士稼業をされながら、その後、金融庁に入られて、貸金業法を担当された後、証券、金融を担当されて、検査局というところで金融証券検査官としても活躍をされたという御経歴だと拝見をいたしております。  今回、この大臣所信を終えましたならば、次々これから質疑をしながら物事を進めていく中にあって、会社法の改正というのもあるわけでございまして、これも一つの、言ってみれば、企業を監督していくという点でどんなふうにしていったらいいかということを法改正をしながら進めていくことになるんだろうと思いますけれども、ぜひ、弁護士さんをやっておられた森さんが金融庁に入られるという人生の進め方なんですけれども、どうして金融庁に行ってみよう、やってみようということを思われたのかなというところを、まずお聞かせをいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
  6. 森まさこ

    ○森国務大臣 冒頭、厳しい状況についての法務大臣就任というお言葉がございましたので、そのことについて一言述べさせていただきますが、国民の信頼をいただけますように、真摯に、愚直に務めてまいり、法務行政を前に進めてまいりたいと思います。  その上で、御質問が、金融庁に入った契機ということでございますが、私は、金融庁に入る前に、ニューヨーク大学に日弁連の派遣で留学をしました。そのことが金融庁に入るきっかけの一つとなったわけでございますが、私自身が消費者被害を受けた家庭の子供でございまして、そういう意味で消費者保護の専門弁護士を務めておりました中で、日弁連が人権弁護士を海外に留学をさせるという留学制度が始まりまして、一期生の方が留学したのを見て私も応募し、二期生としてニューヨーク大学に行ったわけです。ニューヨークというのが、シティーとしては消費者保護の最も進んだ地域の一つでございましたので、そこを勉強して、ぜひ我が国にその制度を取り入れていくような勉強がしたいと思って行きました。  特に、私の家庭が受けた消費者被害は、消費者被害の中の金融被害の分野でございましたので、金融の被害というところを中心に勉強を進めました。  その中で、私の問題意識が、やはり金融の被害について我が国においてもっと法制度を充実していくべきではないか、もっと大きな視点で、消費者庁というものをつくるべきではないかということで、戻ってきて、日弁連で論文も出したところではあったんですが、そのような中で、ちょうど大蔵省が解体し、財務省と金融庁に分かれまして、新しく金融庁ができ上がり、人員不足の中で、法曹界から任期つきで金融庁の職員に入るための募集がされたわけです。私はそのような問題意識を持っていたことと、もう一つは、ニューヨークで学んだ中で、国際的な、国をまたがるグローバルな被害がちょうど出始めてきておりましたので、これについても、金融庁の中に入って制度を導入したり、また私自身が学んだりするよい機会だと思って応募をし、金融庁に入ったということでございます。  先ほど委員からも御指摘いただきましたとおり、これからはまたそういった面の取組も法務省で進めてまいる中で私自身もしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
  7. 伊藤忠彦

    ○伊藤(忠)委員 ありがとうございます。  本当に、そもそも御自身の御自宅でそうした被害に遭われて、その苦しみをかいま見て、そして弁護士になられて、ニューヨークに行かれて勉強して、更に深めていきたいという気持ちの中で金融庁に入られて努力をして、現場を知って、消費者庁ができて、今こうしてあるわけですけれども、なお一層、困っている人たちは世の中に多いんだろうということを私も共通する認識として持つことができます。  いよいよこれで法務大臣に御着任されるわけであります。きのうの大臣所信では本当に多くの課題を申し述べられたと思いますが、改めて、法務大臣に御着任の決意を申し述べていただければありがたいと思います。
  8. 森まさこ

    ○森国務大臣 所信でも申し上げさせていただきましたけれども、法務省は、まさに国民生活の安全、安心を守るための法的基盤の整備という使命を負っております。申すまでもなく、その使命は国民の皆様からの信頼なくして成り立たないというふうに思っております。  新たな時代において法務行政が直面する課題は多岐にわたっておりまして、例えば、各種の人権問題、児童虐待の問題、家族法制に関する問題、所有者不明土地問題、AIやICTといった新たな技術の活用など、さまざまでございますけれども、新たな時代に対応してふさわしい法整備がなされますように、適切に、そして運用、執行されるように努めてまいりたい、そのことが、先ほど冒頭申し上げた国民の皆様の信頼をいただける道につながるものだというふうに思っております。  現場の実情をしっかり把握をいたしまして、国民の皆様の声をしっかり聞きながら、常に国民目線に立ってそれぞれの政策課題に取り組んでいきたいというふうに思います。  先ほど申し上げましたとおり、私は弁護士として、特に消費者被害に関する分野で活動してまいりました。消費者弁護士と申す分野を担当する弁護士が全国でも非常に数が少なくて、一つ一つの事件を担当するたびに、私たち仲間は、自分たちのところまでたどり着いた皆様は全力で私どもがお助けするように頑張りますけれども、やはりそれがなし得ない、泣いている皆様がいるのではないか、そのためには、やはり法整備がきちっとなされていくことがあまねく平等に皆様をお助けする道ではないかという問題意識を持ってまいりましたので、その意味でも、法務省が正義を実現できる省庁として進んでまいるように頑張ってまいりたいなというふうに思います。  困難を抱えている皆様を、本来あるべき状態、正義が保たれる状態に戻してさしあげる、法務省には縁の下の力持ちとしてそのような役割が期待されていると思いますので、困難を抱える皆様を一人でも減らしたい、正義を実現したいという意思を強く持って、職務に真面目に取り組んでまいりたいと思います。  また、近時は、多文化共生社会の実現に向けての、出入国在留管理庁が総合調整機能を担うということになったり、司法外交の取組が進められるなど、法務省の積極的な役割が期待される場面もございますので、そういった場面ではしっかりと法務省も積極的に打ち出していけるように職務に取り組んでまいりたいというふうに思います。
  9. 伊藤忠彦

    ○伊藤(忠)委員 ぜひ、消費者の皆さんにとって優しい法務行政、こうしたことについても森さんの辣腕を発揮していただけるように、法務省一体となって頑張っていただきたいものだというふうに思います。  森さんといえば福島県でありますので、本当に、東北大震災から約八年余がたつわけでございます。そしてまた、何といっても、ことしは大変な豪雨災害があって、阿武隈川の下流域における被害も大変だったと思います。改めて、皆さんと一緒に心からお見舞いを申し上げておきたいというふうに思います。  森さんの御経歴の中で一つ非常におもしろいなと思ったのは、被災後に、自然災害だとかテロだとかという国家的な危機に対応する資格であるエマージェンシーマネジャー、国際危機管理官という資格を国際危機管理者協会から日本人として初めて取得をされたという御経歴があると思います。  この機関は、米国など五十カ国から、政府レベルの危機管理担当者でありますとか専門家、ボランティアの皆さんが参加をして、国際的な非営利職業教育団体ということで、会員数も一万人を誇ると伺っております。  英語圏でない一部の国々にとっては非常にハードルが高い試験だったんでしょうか。そのために、同協会は新たに日本のような米国型のプロの危機管理者がいない国々を対象にして資格取得の機会を拡大していったときに、森さんが第一期生としてこの資格を取られたというふうに承知をしております。  森さん、この資格を取られて、これから世界にしっかりと発信をしてまいろうということを考えておられるんだろうと思いますが、災害被害に遭って、この危機管理をどうするのかということと同じぐらいに、やはり司法の世界にあっても、来年、二〇二〇年、五十年ぶりとなる国連の犯罪防止刑事司法会議、京都コングレスが開催をされます。こうした資格を取る勢いを持つ森大臣のもとで、これをしっかりと成功に導いていただきたいと思いますけれども、京都コングレスに向けての御自身のお考えを少し申し述べていただければ幸いです。
  10. 森まさこ

    ○森国務大臣 危機管理マネジャーについての言及をありがとうございました。  東日本大震災及び原発事故から八年半以上がたったわけですが、当時、ふるさとである福島県が甚大な被害をこうむりました。また、このたびの台風と大雨でも被害をこうむったわけでございますが、当時、非常に悔しくて、多くの方が犠牲になる、また、長い避難生活、又は産業に対する被害、これを回復するのに時間がかかることにどうやって自分自身が役に立っていくかという思いで、日本人が一人も取っていないと聞いたものですから、この勉強をしようと思って、国際危機管理者協会、IAEMという団体のエマージェンシーマネジャーの資格を勉強して取りました。  この資格は、大規模災害の事態が発生した場合に、国や自治体が対応するまでの間、また対応した後もですけれども、エマージェンシーマネジャーがリーダーシップを発揮して、住民避難やさまざまな対処を迅速に進めることを期待するものでございまして、先ほど五十カ国とおっしゃっていただいたんですが、今はもっとふえて、百カ国に及ぶほどの国にEMが存在して、二万人以上の大会が毎年開かれて、各国の災害の状況を情報共有し、学んでいき、その知見を自分たちの国の災害に生かしていく、そういう会議でございます。  私は、このような国際協力によってさまざまな課題を解決していくという中に、今現在、日本代表として身を置いている立場として、今ほど委員が質問なさいました五十年ぶりのコングレス、これについてもしっかりと担ってまいろうと思っているところでございます。  このコングレスは、刑事司法分野における国連最大の国際会議ということで、五年ごとに開かれ、京都では五十年ぶりの二度目の開催となるということでございます。そして、世界各国により、その全体テーマであるSDGsの達成に向けた犯罪防止、刑事司法及び法の支配の推進について真摯に議論がなされる予定でございます。これにより打ち出された中長期的な方針に基づいて、各国が犯罪防止、刑事司法分野の取組を進めていくというところでございますので、京都コングレスには大きな意義があると思っております。  世界各国の刑事司法実務家を対象とした研修を実施するなど、法務省では、SDGsに掲げられた法の支配の浸透に向けた地道な取組を進めてまいりました。令和二年には、我が国でオリンピック、パラリンピックも開催されますので、このような年に開催される京都コングレスの機会には、世界じゅうから多くの方々が参加していただけると思っております。そこで我が国のたゆまぬ努力とその成果を認識していただくとともに、我が国における法の支配の浸透や、世界一安全な国日本というのを体感していただきたいと思います。  弁護士会には世界弁護士会というのもありまして、私も所属していたんですが、東京で行われたときには私も講演をさせていただいたんですけれども、世界の弁護士のつながり、司法のつながりの中で、日本が果たす役割というのは非常に大きいと思いますので、この京都コングレスも成功に導いて、今後も、国連を始めとする関係機関や関係省庁及び開催地である京都府、市と連携し、その成功に導くために着実に準備を進めてまいりたいと思います。
  11. 伊藤忠彦

    ○伊藤(忠)委員 まさに来年という年は、五十年ぶりの京都コングレスでもって会議をして、そして、治安といいましょうか、安心して暮らせる社会というものはどうあるべきかということを地球規模で、今変化している時代にどう提案をし、お互いに持ち帰り、実行していくかということが求められるときだろうと思いますが、大臣がおっしゃったとおり、来年は、その四月の会議の後に、実行という面での、いわゆる二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会というのがあります。これをしっかりと、世界一安全であるということをいかに皆さんに理解をしてもらうかということが、次なる実行の舞台として大変大事なときだと思います。  もう既におっしゃっていただきましたけれども、改めて、世界一安全な国日本をどうつくり上げていくか、法務省一体となって、全国を、ぜひ安全に事を終えていけるように指揮をしていただくためにも、一言御決意を申し述べていただければありがたいと思います。
  12. 松島みどり

    ○松島委員長 短くお願いします。
  13. 森まさこ

    ○森国務大臣 世界一安全な国日本の実現に向けて、国民の誰もが安全に安心して暮らすことのできる社会は、政府が取り組む一億総活躍社会の前提であると思います。  女性や若者が活躍する社会の基盤や地方創生の礎ともなるものだと思いますので、御指摘の東京オリンピック・パラリンピックの成功のみならず、更にその先も見据えて、世界一安全な国日本を実現していくために全力で頑張ってまいりたいと思います。
  14. 伊藤忠彦

    ○伊藤(忠)委員 ありがとうございました。  ぜひ、新しい森大臣のもと、法務省の活躍、そして私たちのしっかりした議論を、これからも期待し、実行し、頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  15. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、浜地雅一さん。
  16. 浜地雅一

    ○浜地委員 おはようございます。公明党の浜地雅一でございます。  森大臣、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、急遽の御就任となりましたけれども、森大臣、弁護士御出身でございます。そしてまた、先ほどもお話がありましたとおり、消費者被害に対する実務家時代の御経験もあるということでございます。  私は、一年生議員のときに消費者特別委員会に所属をしておりまして、そのとき、担当大臣が森大臣でございました。その後は、特定秘密保護法をやりまして、私も特別委員会に入れていただきましたが、あのときはまだ世間の理解がなく、その後、私はどちらかというと外交、安保の分野に移ったわけでございますが、改めて、あのときの法案で、特にGSOMIA、トップシークレットを守り合う、そうでないとなかなか軍事の情報というのはお互いに融通できないということを、あのときはまだ国民の理解がなかったと思いますが、今はGSOMIAが、韓国が破棄する云々の話がございますけれども、まさに今その重要性というものが国民に逆の意味で認識をされていると思っております。  あのときの御答弁ぶりを見ていましても、本当にさまざま、いろいろな、これは与党からも含めて、国民の声も含めて厳しい質問もある中、懸命に御答弁されている中で、先輩の国会議員としても、私は尊敬の念を抱いておりました。  今、公明党の法務部会長をやらせていただいております。今後も、実務家でありました森法務大臣にはさまざま御提言等もする機会があろうかと思いますので、またそのときはぜひ御協力もいただければというふうに思っております。  冒頭、森大臣は福島御出身で、非常に災害対応に対するそういったお気持ちというものも、今お話をしていただきました。実は、私の妻も福島出身でございます。私は九州の人間ですが、東北の方と結婚をしました。やはり、あの東北大震災を含め、また災害の多い地域でございますので、非常に心を痛めて、妻は、九州で見ていても、さまざまな福島のニュースを見て心を痛めている次第でございます。  前回、私、前大臣のときに、特に、台風十九号が来ましたので、法務省としての災害対応ということにスポットを当てて質問をさせていただきました。あのとき、百九十五名の避難者の方々を法務省所管の施設で受入れをし、また、長野の刑務所の職員の皆様方は、災害のごみの廃棄作業もみずから現場に出て手伝ったというお話も聞いております。また、法務省としましても、災害を非常に重要視しまして、法務省の災害対策本部を立ち上げているというふうに聞いております。  福島御出身の、災害に対する非常に意識の高い大臣だと思っておりますけれども、改めて、森大臣の、法務省としての災害対応に取り組む大臣の御所見をまず冒頭お聞きしたいと思います。
  17. 森まさこ

    ○森国務大臣 まず冒頭、台風十五号、十九号及び今般の記録的な大雨によりお亡くなりになられた数多くの方々の御冥福をお祈りし、被災された方々にお見舞いを申し上げます。  浜地委員、消費者特等々でお世話になりました。公明党の法務部会長としての御活躍を期待したいと思います。  今般の一連の台風災害については、安倍総理から、現場主義を徹底し、被災自治体と緊密に連携しながら、復旧作業、被災者に寄り添った支援に尽力するように指示がございました。  実は私、大臣の辞令をいただいたときに、二枚辞令がございました。一枚が法務大臣の辞令、もう一枚が、復興大臣、復興には全閣僚が取り組む、そしてもう一項目、災害対応に全閣僚が取り組むとございましたので、私は、台風被害の直後でございましたので、本当にその辞令をしっかりと受けとめた次第でございます。  御指摘の、私の地元である福島県を含めた被災地、今現在、甚大な被害を受けて、復旧に頑張っているところでございますが、総理からのその指示を踏まえて、法務省としても、被災者に寄り添った災害からの復旧、生活支援に全力で取り組んでまいりたいと思います。  法務省については、速やかに法務省災害対策本部を立ち上げまして、復旧、生活再建に向けて地域支援、法的支援を継続して行ってきておりますので、引き続き、今般の台風災害における被災地の復旧、また、その他の災害対応についても、大規模な災害が発生した場合には政府一丸となって、法務省としても、被災者の皆様の復旧そして生活再建に力を注いでまいりたいと思います。
  18. 浜地雅一

    ○浜地委員 まさに福島御出身で、災害に対する大変意識の強い大臣でございますので、ますます法務省として、災害対応という部分については、逆に安心して、森大臣に指揮をとっていただきたいなというふうに私自身も感じた次第でございます。  きょうは、司法の国際化、また司法外交等について、残りの時間を使って少々御質問をさせていただきたいと思っております。  前回の大臣の所信、まあ大臣の発言の中で、国際仲裁の活性化というものを大きく取り上げられておりました。これは、当然、今国会に法案を提出しております外弁法の改正というのも、この活性化に対する一つの大事な要素でございます。  ただ、その中で、大臣のお話の中で、仲裁人等の専門的な人材育成、また国内外における広報、意識啓発が大事だ、そして仲裁専用の施設の確保、基盤整備も大事だという三つの視点を出していただきました。  人材の確保という点におきますと、当然、これは外弁法を改正することによって更に進もうかというふうに思っております。また、施設の整備につきましては、もう御案内のとおり、来年の三月に虎ノ門に専用の施設をそろえた国際仲裁センターが立ち上がるわけでございますが、一つ、この広報という点について御質問をしたいと思っております。  法曹関係者は、国際仲裁については、まさに日本はたった年間十件程度しか行われていない、シンガポールでは四百件も行われているということでございますので、法曹界の声は大きいです。  しかし、実際にこれを利用される経済界の方々が、日本において国際仲裁というものをもっともっと活性化してほしい、もっと利用したいんだという声が、なかなか実は私のもとには届いていないという現状がございます。  ですので、法曹のプロ又は政府という、まあ意気込みは強いんですけれども、やはり実際に国際商事を、紛争に巻き込まれる、またこれを解決をしたいというニーズの高い経済界に対して、もっともっとアピールをぜひ大臣が先頭に立ってしていただきたいというふうに思っております。  ですので、広報、意識啓発という経済界に対する大臣のこれからの取組について、御決意を一言お聞かせいただければと思っております。
  19. 森まさこ

    ○森国務大臣 委員御指摘のとおり、司法外交の柱の一つとなる我が国における国際仲裁の活性化には、そのユーザーである経済界に国際仲裁を活用していただくこと、そして日本を仲裁地とすることのメリットについて十分に御理解をいただくことが極めて重要だと思います。  国際仲裁は、国際取引の紛争解決のグローバルスタンダードでございますので、この意識啓発について、例えば、調査委託業務等において、国内外の企業関係者を対象にしたセミナー、シンポジウム等を積極的に法務省としても実施をしてきております。  こうした経済界へのアピールにより、企業関係者の皆様に国際仲裁の有用性について御理解いただくということを我が国においてもしっかり進めてまいりたいと思いますので、その他の取組も含めて、今後とも、経済産業省を始めとする関係府省や関係団体等と連携をして、国際仲裁の活性化に向けた基盤整備の取組を積極的にアピールをしてまいりたいと思います。
  20. 浜地雅一

    ○浜地委員 ぜひ、ユーザーである経済界に対してのアピールをお願いしたいと思っております。これは、民事司法制度改革の一つの大きな今回の目玉にもなっております。  なかなか経済界から日本でぜひ国際仲裁を活性化してほしいという声が上がらないのは、いわゆる卵が先か鶏が先かで、確かにまだ日本では実績もないし、設備も整っておりません。専門の外国語訳をするブースもなければ、また、やはり営業秘密をそこで話しますので、そういったシールドをかけて、いわゆる携帯電話の電波が入らないようなところで会議をするようなシステムもございません。  ですので、二〇二〇年三月に虎ノ門でこのセンターができることによって、また視察や利用状況等、啓発されることによって私は日本で広がってくるんだろうと思っております。ですので、できたからスタートするとまた時間も遅くなりますので、そういった意味で問題意識を持って今御質問をさせていただいた次第でございますので、ぜひ経済界に対する広報活動を頑張っていただきたいというふうに思っております。  次に、いわゆる途上国に対する法整備支援、キャパシティービルディングについて御質問をしたいというふうに思っております。  今回、実は、骨太の方針二〇一九年版に、外交の分野に、これまで司法の分野というのはいわゆる治安や司法という分野に入っておりましたが、これは外務省さんに言うと、そうじゃないとおっしゃるかもしれないんですが、一言、この「ODAも活用しつつ法の支配を国際社会において確立させる取組を推進するとともに、」という文言が入りました。  これは、やはり今、先進国のような、法の支配の基本的価値を既に共有している国との連携というのは大事でございますけれども、やはり途上国のような、まだ法の支配の基本的価値というものを真の意味で共有できていないという諸外国に対しては、日本がしっかりと民法やさまざまな整備法を支援する中で、いわゆる法による投資といいますか、法による支配というものを、日本型のそういった考え方といいますか、そういったものをアピールする機会、また浸透させる機会として私は非常に重要だというふうに思いまして、公明党としても、この文言を外交の分野に私は入れるべきだというふうにことしの夏に提言をさせていただいた経緯もございます。  今、カンボジアでの法整備や、またベトナムでも法整備が行われておるんですけれども、特に、このASEAN諸国においてさまざまな問題がございます。  具体的に余り言い過ぎますと、ここは平場でございますが、やはり中には法の支配を守らない国もあるわけでございまして、そういった国々に対してASEAN諸国等々がやはりしっかりこの法の支配というものを共有するためには、このキャパシティービルディングというものが一つ大きな私はキーになろうと思っております。  ですので、これまでの取組に加え、今後、具体的にどのようにこれを推進していくのか、ここはちょっと専門的な部分でございますので、法務省にお答えいただきたいと思います。
  21. 山内由光

    ○山内政府参考人 お答えします。  法務省では、国際社会における法の支配の観点、それを確立するという観点から、アジアの開発途上国などに対して、国際研修の実施とか、あるいは基本法の起草の支援などの法制度整備支援をこれまで支援してまいりました。  例えば、犯罪防止とか犯罪者の処遇についても、法務省は、国連アジア極東犯罪防止研修所、いわゆるアジ研といいますが、ここにおいて、アジア、アフリカ諸国などの刑事司法実務家に対してさまざまな国際研修を実施しておりまして、これまで五十年以上にわたって、百三十九の国及び地域から約六千人の刑事司法実務家がこのアジ研の研修に参加しております。  他方、民商事法分野でございますが、委員御指摘のとおり、これまで、ベトナム、カンボジアなどへの支援を継続しておりまして、これらの国において民法とか民事訴訟法が成立するという成果が上がっております。昨年の十二月には、新たにラオスにおいても日本の支援による民法が成立しております。  こういった形で、平成六年以来二十年以上にわたりまして、関係機関と連携しながら、アジアを中心とする十カ国以上の国に対して、法令の起草やその運用、人材育成などの法制度整備支援をこれまで実施してまいりました。  こういった国際協力は、まさに委員御指摘のとおり、我が国が尊重してきた法の支配を各国が実現することに貢献するものでありますし、国連が採択いたしましたSDGs、これの達成にも資するものだと考えております。  そして、現在も、支援対象国の投資環境整備などの観点から、ミャンマーやインドネシアに対する支援、これを行っておりますし、近年、協力要請がありましたバングラデシュ、ウズベキスタン及びモンゴル、これらに対して、我が国の知見を共有するなどの協力を開始あるいは再開したところでございます。  法務省では、こういった国際協力を戦略的に実施するために、平成三十年度から、外務省などの関係機関とともに戦略協議の場も設けているところでございます。  そういった形で、より法制度整備支援を推進してまいりたいと思いますし、引き続き積極的に国際協力を推進してまいりたいと思っております。
  22. 浜地雅一

    ○浜地委員 ありがとうございました。  年末、予算がございますので、これは私は非常に大事だと思っていますので、しっかり応援をしますので、法務省としても、前面に、この部分は大事だということでアピールしていただければというふうに思っております。  次の質問に行きますけれども、これも国際化の一つの流れの中で、大臣所信の中で、法令外国語訳整備事業の推進というのがございました。  これは、去年も私は法務委員会に所属をしておりまして一度質問をさせていただいたことがあるんですが、日本の法律は、など、など、等、等が多くて、それをそのままエトセトラ、エトセトラで訳をして、外国人から見ると、何が法案の骨子で、枝葉なのかというのが非常にわかりにくいというのがまず一点と、それと、やはりホームページを見て、外国語訳はあるんですけれども、非常に検索がしにくい。一目瞭然に、例えば会社法関係を見るんだったら、ヒットしてそこからつながるようになってほしいというような要望も受けたことがございますし、一度質問したことがございます。  しかし、大臣の所信の中で、本年内に、ことし、司令塔となる官民会議体を立ち上げた上で、さらに、日本法令の国際発信に向けて、より一層取り組んでまいりたいという文言がございました。この官民の立ち上げというのは、一つのまた新しい一歩前進のものでございます。  そこで、この官民の立ち上げを行う経緯や、また、現在、この官民会議で取り上げられる課題、先ほど私が言いましたエトセトラが多いとか検索がわかりにくいとかということ以外にどんなことをこれから取り上げて解決をされる御予定なのか、これも法務省の政府参考人で結構でございます、御答弁をお願いしたいと思います。
  23. 金子修

    ○金子政府参考人 お答えいたします。  法務省では、国際化に対応したインフラ整備としまして、これまで十年にわたりまして、政府の法令外国語訳整備プロジェクトの中心となりまして、専用ホームページとして日本法令外国語訳データシステムを開設し、公開する英訳法令の増加等に努めてまいりました。現在、この専用ホームページでは約七百五十の日本法令の英語訳を公開しておりまして、近年、その利用件数も拡大しております。一日当たり十万件を超えるアクセスがございます。  もっとも、この法令外国語訳整備事業十年を契機に昨年十二月に立ち上げました有識者会議であります、日本法令の国際発信に向けた将来ビジョン会議の本年三月の提言では、今後の課題として、法改正に対応したタイムリーな翻訳の提供、司令塔となる官民会議体の立ち上げ、法令概要情報の翻訳提供サービスの開始、AIの活用等を提示していただきました。いずれの課題も、日本の法制度を国内外において迅速かつ正確に理解してもらい、日本の法制度の国際的な信頼性を高める上で貴重な御指摘であると真摯に受けとめているところでございます。  法務省は、このビジョン会議の提言を受けまして、その内容を関係省庁から成る連絡会議において取り上げて、認識を共有し、その実施に向けて検討を進めているところでございます。  この提言にもございますとおり、委員御指摘の官民会議とは、法令外国語訳整備プロジェクトの重点課題、それから優先順位等を決定する司令塔と位置づけられるもので、国内外のユーザーのニーズを踏まえた戦略的推進を図るために新たに設置するものでございます。現在、年内の第一回開催に向けて準備中でございます。  法務省としては、今後とも、関係省庁とも協力の上、法令外国語訳整備プロジェクトの一層の推進、また、これを通じた日本法令の国際発信に努め、取り組んでまいりたいと考えております。
  24. 松島みどり

    ○松島委員長 時間ですね。
  25. 浜地雅一

    ○浜地委員 はい。もう時間が来るので終わりますが、最後、京都コングレスのお話を私もしようと思いましたが、先ほど伊藤忠彦議員のお話で十分大臣の認識を聞いております。  京都へ行かれたことは、コングレスの会場は。(森国務大臣「はい」と呼ぶ)済みません、行かれたことがあるということでございますので、ぜひまた、本番のときもさまざま御活躍されると思っておりますので、国際発信に向けて頑張っていただきたいと思います。  以上でございます。ありがとうございます。
  26. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、串田誠一さん。
  27. 串田誠一

    ○串田委員 日本維新の会の串田でございます。  突然の交代劇というのもありましたが、所信を聞かせていただきまして、大変わかりやすい所信になっているのかなと思います。  きょうは、その所信に沿って質問させていただきたいと思うんですけれども、この森大臣の最初の所信の冒頭が児童虐待を取り上げたということでございますが、これは、どういうような思いで所信の冒頭に児童虐待が入ってきたのでしょうか。
  28. 森まさこ

    ○森国務大臣 法務行政が直面する課題はさまざまでございますので、それら一つ一つの課題に全力で取り組んでまいる所存でございます。  その上で、法務省は法をつかさどる役所であり、正義の実現のために力を尽くすべきであると思っております。  そのため、所信でも述べましたが、一旦人権が傷つけられたり、虐待や犯罪の被害に遭ったり、法的な解決を要する事態に陥った場合には、これにより傷ついている皆様を本来あるべき状態に、正義が保たれている状態に戻してさしあげる、そういった役割が期待されている、そういう思いから、まず、虐待や差別のない社会の実現を挙げさせていただきました。  そして、その中でも、近年、児童虐待により子供が亡くなる大変痛ましい事案が後を絶たない状況にございますので、児童虐待の根絶は、政府を挙げて取り組む必要がある喫緊かつ極めて重大な課題となっていると認識しております。  私としても、児童虐待防止対策には、法務大臣就任前から強い関心を持っていた課題でございますので、法務大臣としても力を入れて取り組みたい課題の一つであるということで、まず、冒頭で述べさせていただきました。
  29. 串田誠一

    ○串田委員 子供というのはなかなか自分が意見が言えないということで、声なき声ということでございますので、子供のことを冒頭で取り上げて、守っていくというのは非常に私としても大賛成なんですけれども、一方で、子供の侵害されている権利というのは、虐待されているだけではない、御存じだと思うんですね。  今回の二月に出されました国連の子どもの権利委員会からの勧告にも、虐待はEという項目の中に書かれているんですけれども、F以下も、いろいろな、AからこのEの虐待以外にもたくさんの子供の人権侵害というのが書かれている。  大臣は、人権というものを取り上げてはいただいているんですけれども、子供の人権であることを書かれている子どもの権利条約、これは、私は非常に不思議だと思うのは、前大臣もそうなんですけれども、今回の森大臣も子どもの権利条約のことが一言も書かれていないんですよ。虐待というのは書いてあるんだけれども、それ以外の子供の権利に関してはどうでもいいのかというような思いも感じざるを得ないんです。  なぜこの子どもの権利条約についての言及がないのか、大臣にお伺いしたいと思います。
  30. 森まさこ

    ○森国務大臣 子どもの権利条約についても、委員御指摘のような、どうでもいいというお言葉をお使いになりましたが、そういったことは決してございません。  私自身、弁護士時代、弁護士会の子どもの権利委員会に所属をしておりましたので、子どもの権利条約についてもしっかりと守っていくという認識でございます。
  31. 串田誠一

    ○串田委員 浜地委員が、先ほどの質問の中で法の支配ということを質問されていて、答弁の中にも、アジア諸国に対して研修を行っているんだ、法の支配の研修を行っているんだというお話がありました。  ところが、日本は一九九四年に批准した子どもの権利条約を守っていないということで、国連から二月に勧告を受けているんですよ。こんな国がほかの国に行って研修しているなんというのは恥ずかしくないですか。大臣、いかがでしょう。
  32. 森まさこ

    ○森国務大臣 国連の児童の権利委員会から、民法等における体罰の許容性について不明確であるとの懸念が示されたことは、委員御指摘のとおりでございまして、守っていないというような指摘であったかというようなことというよりは、不明確であるとの懸念が示されたというふうに承知をしております。  所信表明の中でも、私も、子供の人権問題についてしっかり取り組みますということを表明させていただいておりますので、この点についてもしっかり受けとめてまいりたいというふうに思っております。  親権者による体罰の問題に関しては、本年の通常国会において児童虐待防止法が改正され、これを明確に禁止する旨の規定が設けられたところでございます。  この改正は、懲戒権について規定する民法第八百二十二条の解釈にも影響を及ぼすものと考えておりまして、改正法によって禁止される体罰に含まれる行為については、民法八百二十二条に言う、子の監護及び教育に必要な範囲には含まれないと解釈され、懲戒権の行使として許容されなくなるものと理解をしております。  また、民法の懲戒権に関する規定については、御指摘のような懸念が示されたということでございますので、現在、法制審議会民法(親子法制)部会において、そのあり方について検討がされているところでございますので、充実した調査審議が行われることを期待しているところでございます。
  33. 串田誠一

    ○串田委員 また、体罰のことを御指摘されたんですが、私も、二月に予算委員会で、安倍総理に対し、この勧告に基づく体罰については質問させていただいて、安倍総理からも、懲戒権は見直しをするんだということは答弁をいただいております。  さらに、この勧告は、それだけではなくて、たくさんのことが書かれているということを御指摘しているんです。虐待だとか体罰以外にも、共同で養育をしなければならないような改正をしなさいと。これは子どもの権利条約に書いてあるわけですから、どうしてそういったようなところに目をつぶって、体罰だとか虐待ということの部分だけを注目をして、これはやりますよと言って、そして諸外国から批判を受けている。  昨年はEU二十六カ国から抗議を受け、ことしの二月からは勧告を国連から受け、アメリカからは子の連れ去りに対して不履行国として認定されている。こういうようなことを次から次へと諸外国からされていて、イタリア、フランスは、国営放送でドキュメンタリーとして日本の人権、子供の人権侵害というものを取り上げているわけですよ。  こういったようなことをしっかりと守っていかないで、ほかのアジア諸国に対して法の支配の研修をしているというのは、私は、聞いていてとても恥ずかしいなと思っています。  そういう意味で、そういったようなところもしっかりと取り上げていただきたいというふうに思っているんですが、きょうは所信に対してですので、個別のことはまた改めてお聞きをしたいと思うんですが。  児童虐待に関して、これも一つ大臣の念頭に入れていただきたいのは、児童虐待をなくすというのは非常に大事なことではあるんですけれども、一方で、非常にそれが間口が広がることによって、誤報の通報によって子供が一時保護されていくというようなことで、苦しんでいる親御さんもたくさんいらっしゃるということは私の方にも相談を受けているし、大臣もいろいろニュースでお聞きになっていることもあるかと思うんです。  そういう意味で、児童虐待を防止するということを強化するとともに、しっかりとした検証システム、これも国連の勧告の中にあるんですけれども、子供を親から引き離すんだったら、司法のしっかりした介入というものをつくりなさいというふうになっているんですが、現在の児童福祉法はそういうふうになっていないんですよ。  二カ月、神隠しのように親から引き離されている。これは、検証すれば、すぐに、たちどころにわかることも多いと思うんですね。例えば、あざができているから通報されて一時保護されている、でも、子供に、どうしてこんなあざができたのと言ったら、ブランコからちょっと落ちてけがをしちゃったんですと言えば、すぐ話がわかることも、それをしないで、一時保護して二カ月間もずっと隔離されているということもある。  もっと検証システムもしっかりと仕組みをつくっていただかないといけないと思うんですが、その点についての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  34. 森まさこ

    ○森国務大臣 委員御指摘の一時保護のあり方をめぐっては、虐待の事実がないにもかかわらず、一時保護が行われる場合があり得るとの指摘があるということは承知をしております。また、自分の行為が虐待と思っていない親が一時保護に反発することもあるとの指摘もございます。  私は、法務行政が信頼されるためには、現場の実情を的確に把握し、国民の皆様の声もしっかりと聞きながら政策課題に取り組んでいくことが重要と思っております。  先月設置した児童虐待とたたかう法務省プロジェクトチームにおける検討におきましては、そういった実態を正しく把握するというところにおいて、有識者や関係省庁からのヒアリングのほか、視察等も行うところとしているところでございますので、プロジェクトチームにおいて、委員の御指摘もしっかり踏まえて、実態を正しく把握した上で検討を進めることが重要と思います。  今後とも、子供たちの命を救うために、また、委員御指摘のような状況を改善していくためにも、法務省として更にどのようなことができるか、しっかりと検討してまいりたいと思います。
  35. 串田誠一

    ○串田委員 先ほど一時保護の話をしましたが、保護という名前ではあるんですけれども、子供にとってみると、新聞にも報道されたりしていることもあるんですが、まるで刑務所のようだったというふうなことを感想として述べられている子供もいるんですね。  これは、突如として通学中に車に乗せられて、知らないところに連れていかれる、親にも会えない、そして友達にも連絡がとれないという中で、義務教育も受けられない。同じ施設の中で五十人ぐらいいれば、学年も全部違うわけです。非行児童とも混合処遇されているわけなんですね。いろいろな子供たちが入っている中で、義務教育を受けられないで何カ月もいるというような状況になっているんですが、これは保護と言えるんでしょうか。
  36. 森まさこ

    ○森国務大臣 御指摘のような、一時保護が行われている子供について、当該措置が行われている間、学校へ通うことができなくなるとの指摘があるということは承知しております。学校にはしっかりと通わせてあげなくてはいけないというふうに思います。  これまでも、可能な限り通学ができるよう、一時保護所等から子供が通学する場合の付添人の配置、また、本年三月に取りまとめられた「児童虐待防止対策の抜本的強化について」に基づいて、虐待により一時保護された子供について、適切に教育を受けられるように、里親の活用を含め委託一時保護の積極的な検討でありますとか、子供の安全確保が図られない場合等を除き、学校等に通園、通学させ、必要な支援を行うなどの措置も講じられているものと承知しております。  プロジェクトチームにおいて、委員御指摘のような点も含めて、実態を正しく把握した上で検討を進めることが重要と認識しております。  私自身も義務教育を受けられなかった状態にありましたものですから、やはりしっかりと教育が受けられますように、今後とも、虐待を受けた子供の権利保護を図るため、法務省として更にどのようなことができるか、しっかりと検討してまいりたいと思います。
  37. 串田誠一

    ○串田委員 たたかうということなので、虐待から離すということは大事なんだと思うんですけれども、子供はそれによって教育が受けられなくなる。現実に、五十人ぐらいいるところに、そんなにたくさん教室があるわけじゃないんですね、どうやって義務教育を受けさせることができるのか。  これは、教育関係に詳しい義家副大臣にもちょっと、子供保護するということと教育を受けさせるということとの両立というのはどうしても必要になってくると思うんですが、副大臣の所感もお聞きしたいと思います。
  38. 義家弘介

    ○義家副大臣 極めて本質的な御質問だというふうに思います。  私自身も、虐待を受けている子供、そして虐待通報をされた保護者ともさまざまな話をしてきましたが、このケースというのは、本当に、百件あったら百件とも違うんですね。しかし、行政の枠組みの中で、それを一括して考えてしまうという傾向があるような気がします。だから、こういう問題があったときには、まさに学校とそれから児童相談所とそれから行政機関とこれは速やかに連携をして、情報共有をした上で、ケース・バイ・ケースの判断をしていかないと、このような状況が生まれていくというふうに思います。  それから、私は、実は児童相談所のお世話になったことのある数少ない人間なわけですが、私が児童相談所にお世話になったときに、もう一組子供がいたんですね。そのもう一組は、会社が倒産して、保護者が育てられないといって児童相談所に委託したきょうだい、お兄さんと妹の二人だったわけですけれども、一緒のスペースにいたんです。大変申しわけない、私自身が申しわけない思い、彼らは何の罪もない子供なのに、こうして自分なんかの隣にいなければならないというのはおかしいなとすごく感じた十六歳の夜を過ごした人間として、委員の問題意識は極めて重要だと思いますので、さまざまな検討を加えてまいりたいと思います。
  39. 串田誠一

    ○串田委員 物理的に非常に難しい部分もあるし、教員をどうやって配置するか、学年が全部違うわけですから非常に難しいんですけれども、まあ、そこは最善の利益、まさに最善の利益で尽くしていただきたいのと、先ほどに戻るんですけれども、必要のないような保護をされている子供というのが非常に多いという部分も、これもやはり念頭に入れていただいて、速やかな検証システムというものをやはり同時につくっていただきたいんです。  そのときに、やはり確認をしていただきたいと思います。  子供は、児童福祉司、ケースワーカーによって一時保護等になっても、じゃ、心を開くのは児童心理司といっても、子供から見たらやはり児童相談所の職員にすぎないんですよ、大人なんですよ。そういう中で、長くいる中で、その今の現状を悪く言うなんということはできないんですよ。  そういう意味での本当の子供の心というものをどうやって拾い上げていくのかということも、これはやはり考えていただかないと、専門職だから子供の心を開いてちゃんと聞いてもらえるなんて思わないでほしいんですね。そんなに簡単なことじゃないんだということを知っていただいて、真実の部分をどうやって読み解いていくのかということ、子供が本当に、保護されたことによって一生が変わっていってしまうんですよ。  これは、二カ月、更新もできるんですけれども、何のチェックもなく二カ月一時保護をすることが可能なんですね。そうなってしまったときに、そこの子供の家庭の周り、今までおじいちゃん、おばあちゃんも子供、孫を連れていたのが、一切孫もいなくなってしまった家庭、親御さんからも子供がいなくなった家庭、そういったようなことに対してどういう風評被害が行われるのか。子供にとっても、どうやってまた学校に戻るのか。子供にとっても一生の問題であるということを考えていただかないと、たたかうというようなことで、安易に一時保護をどんどんどんどん連れてきて、そして、長時間、保護という名のもとに義務教育も受けさせられないところに入れているということ自体が非常に大変なことであるということの認識の中で進めていただきたい。  児童虐待というのはもちろんなくしていただきたい、大賛成なんですけれども、そういったようなことの部分も並行して進めていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思うんです。  次に、先ほど伊藤委員から森大臣の経歴というのをお話がありました。消費者に対するというのもありましたが、一方で、少子化対策あるいは男女共同参画というのをずっとおやりになられたということなんですけれども、少子化対策と男女共同参画というのは、これは本当に裏表の関係なのかなというふうに思っております。  そういう意味では、やはり女性が社会進出をしていくという意味で、M字曲線も解消していきたいなというふうに思っているんですけれども、そのためには育児も男性が協力をしていくということは当然のことだと思うんですが、大臣、この点に関して、法律婚と事実婚とで男女が共同で養育をするということに区別をすべきであるかどうか、大臣の率直な意見をお聞きしたいと思います。
  40. 森まさこ

    ○森国務大臣 少子化対策と女性活躍についての御質問をいただきました。  私は、以前、少子化問題担当であると同時に女性活躍担当大臣もしておりましたので、その後も、その問題についてもまた私自身のライフワークとしても取り組んでまいりました。  その上で、事実婚であるか法律婚かによって、男性の育児、又は父親としての子供とのかかわりでしょうか、それに違いがあるかというような御質問でございましたが、結論から申し上げますと、父母が婚姻しているか否かということにはかかわらず、子供にとっては父母のいずれもが親であるということには変わりはないと思っておりますので、父母の両方が適切な形で子供の養育にかかわっていくことが子供の利益の観点からも非常に重要であるというふうに思っております。
  41. 串田誠一

    ○串田委員 歯切れのいい回答をいただきまして、大変私もすっきりいたしました。  この件に関しては、男女共同参画社会基本法の第六条に男女というのがありまして、これに事実婚が入るかどうかという質問をこれまでもしてきたんですけれども、内閣府の回答は、この立法時点においてはそこまで考えていないという回答だったんですが、これは当たり前なんですよね、事実婚であろうと法律婚であろうと、これは親子であることに変わりはないわけですから、ここで区別をつけること自体がおかしいわけで、これをはっきり言えなかったということ自体、私はおかしいと思いますので、今の回答は大変歓迎させていただきたいと思います。  これに関連してのまた質疑は別の機会にいたしまして、次に、性犯罪に関することについても所信に書かれておりますので、お聞きをしたいと思っております。  これは、強制性交等罪、昔の強姦罪というようなことがありまして、そこに暴行、脅迫というのが書いてあります。一方、強制わいせつ罪というのも暴行、脅迫というのがありますけれども、ここの暴行、脅迫を、法律文言上は全く同じように書かれているのにかかわらず、判例上は、著しく抗拒不能、抗拒が困難な程度というように分けたりとか、いろいろと程度を分けているということに関して、私は大変違和感を感じているわけです。  多少の暴行や脅迫なら犯罪にならないのかという話でありますので、これに関して、私は刑法の改正をしていかなければならないというふうに思っているんですが、これに対する大臣の、細かいことは言えるかどうかわかりません、方向性なりをお聞きしたいと思います。
  42. 森まさこ

    ○森国務大臣 強制性交罪の暴行又は脅迫については、最高裁判例上、抗拒を著しく困難ならしめる程度のものとされております。強制わいせつ罪の暴行、脅迫については、その程度につき判示した最高裁判例はございません。ですので、学説がいろいろございまして、一つには、強制性交等罪と同様に、相手方の反抗を著しく困難にする程度とする見解もございますし、他方で、別の学説では、反抗を著しく困難ならしめる程度に達する必要はなく、被害者の意思に反してわいせつ行為を行うのに必要な程度に抗拒を抑制するもので足りるとする見解もございます。  さまざまな見解がございます中で、いずれにしても、平成二十九年の刑法の一部を改正する法律附則第九条において、政府は、同法の施行後三年を目途として、性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策のあり方について検討を加えるということが求められておりまして、法務省では、その検討に資するため、性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループを設置して、暴行、脅迫の要件に関する事柄を含めた性犯罪の実態把握や、判決の収集、分析など、各種調査研究を進めているところでございますので、充実した検討を行うことができるように、引き続き性犯罪被害の実情の把握等に努めてまいりたいと思います。
  43. 串田誠一

    ○串田委員 地裁レベルでは無罪という判決があって、社会をいろいろと意見が飛び交ったりしたりしているものですから、国民も大変注目をしていると思います。  これに対して、同意、不同意で犯罪を成立させるということの意見もあるようですけれども、非常にメルクマールといいますか明白性というものが刑法においては求められているという意味では、暴行、脅迫というものが要件とあるというのは私はわからなくはないんですけれども、その程度をハードルを上げて、そこまで至らなければ無罪だということは法律の文言にどこにも書いていないわけですから、ちょっと解釈として行き過ぎなのではないかな、そこを何らかの形で改正を、持っていく必要があるのかなというふうに思っています。  そういう判決という意味では、十月の二十五日に大阪高裁で、SBSという、揺さぶられっ子症候群という事案の逆転無罪がありました。  これは前回の質疑で、判決の二日前に質問をさせていただいたことがあるんですけれども、要するに、子供を揺さぶると、新生児の場合に、脳にすき間があるものですから、出血などが行われて、三つの兆候が発生するんだという医学的な論文がある、揺さぶられると三兆候が発生するという論文がある。  そこで、三兆候が発生した場合には、揺さぶったんだということを前提にして起訴し、そして一審は有罪にしていた。それだけではないのかもしれませんが、高裁で、いや、別の理由もあるから三兆候になっているということで無罪になったんですけれども、ちょっとこれから気をつけていただきたいのは、虐待というものを防止するがために冤罪を生み出してしまうという可能性もあるわけですよ。  大臣、その点に関して、虐待を防止するためには多少の冤罪は出てもしようがないんだという立場なのかどうか、その点、はっきりと明示していただきたいと思います。
  44. 森まさこ

    ○森国務大臣 個別事件をお示しになりましたが、個別事件については、裁判所の判断ないし検察当局の事件処理にかかわる事柄についてですので、法務大臣として所感を述べることは差し控えたいと思いますが、その上で、お尋ねの冤罪についてのことでございますが、あくまで、当然のことながら、児童虐待事案であるか否かにかかわらず、無実の人が処罰されるようなことがあってはならないと認識しております。  そして、検察当局においては、個別事件の捜査処理に当たっては、客観証拠を収集するとともに、事件の当事者や関係者に対する取調べを行うほか、専門的判断を要する事柄については、必要に応じ、複数の専門家に対して、積極、消極、両面の立場からの意見を求めて処分を決しているというふうに承知をしております。
  45. 串田誠一

    ○串田委員 今、専門的な意見というのがありましたけれども、その専門的な意見というのは、国内だけじゃなくて、今、スウェーデンなどでは、この三兆候からは必ずしもSBSにならないんだ、そういうことで取り上げておりますから、諸外国の専門的な意見もぜひ取り入れていただきたいと思います。  最後に、再犯防止に関しての質問で終わりにしたいと思うんですけれども、プリズンドッグというのをこの前質問させていただきましたが、犬を養護するような受刑者は再犯率が極めて低いというデータが出ておりまして、これは個別にまた質問させていただきたいんですけれども、再犯を防止するためには、作業内における作業の内容によってもかなり再犯率が変わってくるというようなことが私はあり得るんじゃないかというふうに思っているんですが、そこら辺の今後の研究とか調査とか、そういったようなものをしていただきたいと思うんですが、大臣の御意見を伺って、終わりにしたいと思います。
  46. 森まさこ

    ○森国務大臣 御指摘の点については、事務方から説明を受けた上で、しっかりと検討してまいりたいと思います。
  47. 串田誠一

    ○串田委員 時間になりました。ありがとうございました。
  48. 松島みどり

    ○松島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時四十一分散会